イソマルツロース

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イソマルツロース
識別情報
CAS登録番号 13718-94-0
PubChem 83686
EINECS 237-282-1
特性
化学式 C12H22O11
モル質量 342.296 g/mol
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

イソマルツロース (isomaltulose)またはパラチノース (palatinose) は、スクロースに転移酵素を作用させて結合の仕方を変えた、グルコースおよびフルクトースからなる二糖の一種である。 この転移酵素がドイツのPfalz州Palatinで発見されたことから、三井製糖パラチノース (palatinose) として商標登録している。 天然では蜂蜜に微量に含まれるが、量が少なくイソマルツロースとしての利用は難しい。一般に利用されるのは、工業的に砂糖から合成されたものである。

特徴・用途[編集]

素朴な甘さを持つ。日本では1985年より甘味料として用いられ、様々な製品に用いられている。抗齲蝕性があり、1986年には「虫歯にならない天然の糖」のキャッチフレーズを売りにした歯磨きガムが発売された。

砂糖と同様、体内で完全に消化されるため4kcal/gの質量あたり生理的熱量を持つが、ゆっくりと分解される性質から、血糖値が急激に上がらない。そのため、インスリンの急激な放出や、血糖値の急落を抑えられ、持続性のあるエネルギー供給が出来る[1]。 特に糖尿病患者用の食事に砂糖の代わりに用いられている。

インスリン値が低いためエネルギー源として脂質の使用を阻害しない。そのため、砂糖と比較してエネルギーとして使用される脂肪の量を増加させ、代謝を促進させることが知られている[2]

イソマルツロース還元物[編集]

還元体の糖アルコール、イソマルツロース還元物(還元パラチノース、パラチニット)も、同様の性質を持つ甘味料であり、イソマルツロース還元物を含む食品が特定保健用食品に指定されている。

  1. ^ König, D; Luther, W; Poland, V; Berg, A (2007). “Carbohydrates in sports nutrition”. Agro Food Industry Hi-Tech 18 (5): 9–10. ISSN 1722-6996. 
  2. ^ Van Can, Judith G. P.; Ijzerman, T. Herman; Van Loon, Luc J. C.; Brouns, Fred; Blaak, Ellen E. (2009). “Reduced glycaemic and insulinaemic responses following isomaltulose ingestion: Implications for postprandial substrate use”. British Journal of Nutrition 102 (10): 1408–13. doi:10.1017/S0007114509990687. PMID 19671200.