イカリソウ属

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イカリソウ属
Epimedium koreanum 5.JPG
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : モクレン亜綱 Magnoliidae
: キンポウゲ目 Ranunculales
: メギ科 Berberidaceae
: イカリソウ属 Epimedium
学名
Epimedium L.
和名
イカリソウ属
  • 本文参照

イカリソウ属(イカリソウぞく、学名:Epimedium、和名漢字表記:碇草属または錨草属)[1][2]メギ科の一つ。

特徴[編集]

多年草地下茎が発達し、多数のひげ根がはえる。の基部には少数の根出葉と鱗片葉がある。茎につくは日本産のものは1個であり、1-3回3出または1-2回2出複葉で、小葉はほぼ卵形、基部は心形になる。根出葉より茎につく葉の方が葉柄が短いが、形はよく似ている。花序は茎の先端から総状または分枝して円錐状につくが、茎葉が直立するため、茎葉に側生するように見える場合がある。萼片は8個あり、花時には外側の小型の4片は早く落ち、内萼片は4個で花弁状になる。蜜腺をもつ花弁は4個で、種によっては距になって長く伸びる。雄蕊は4個、葯は外側を向く。雌蕊は1個で、多数の胚珠を2列につける。果実は袋果になり、大きさが異なる2片に分かれる[3]

分布[編集]

主に中国大陸に、他にインド(ヒマラヤ西部)、日本、朝鮮半島、ロシア極東部、南ヨーロッパ、北アフリカに分布し[4]、約60種[5]知られる。日本には5-6種が分布する。

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日本に分布する種[編集]

  • バイカイカリソウ Epimedium diphyllum (C.Morren et Decne.) Lodd. - 花は白色で、花弁にイカリソウ属に特徴の距がない。本州の中国地方、四国、九州に分布する[3]
    • サイコクイカリソウ Epimedium diphyllum (C.Morren et Decne.) Lodd. subsp. kitamuranum (T.Yamanaka) K.Suzuki - バイカイカリソウの亜種。四国の吉野川流域に特産する[1]環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)。
  • ヤチマタイカリソウ Epimedium grandiflorum C.Morren var. grandiflorum - イカリソウの分類上の基本種で、花は白色。石灰岩地に生え、本州の近畿地方、四国に分布する[2][3]。環境省レッドリストの準絶滅危惧(NT)。
    • イカリソウ Epimedium grandiflorum C.Morren var. thunbergianum (Miq.) Nakai - 花は淡紫色[1]。北海道の渡島半島、本州の主に太平洋側に分布する[3]
    • ヒゴイカリソウ Epimedium grandiflorum C.Morren var. higoense T.Shimizu - 花は白色。九州の熊本県にまれに産する[2][3]。基本種のヤチマタイカリソウに含む見解がある[2]
  • キバナイカリソウ Epimedium koreanum Nakai - 花は淡黄色。日本の北海道の渡島半島・本州の主に日本海側、朝鮮半島北部、ウスリー地方に分布する[1][3]
    • クモイイカリソウ Epimedium koreanum Nakai var. coelestre (Nakai) (シノニム: Epimedium coelestre Nakai ) - キバナイカリソウの変種。小葉の縁に刺状の毛のないもので、群馬県の谷川岳至仏山などの蛇紋岩地帯に特産する[3]。環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)。基本種のキバナイカリソウと区別しない考えもある[6]
  • トキワイカリソウ Epimedium sempervirens Nakai ex F.Maek. - 葉が常緑で、本州の北陸地方から山陰地方に分布する[1][3]
  • ヒメイカリソウ Epimedium trifoliatobinatum (Koidz.) Koidz. - 四国の蛇紋岩地帯に特産する。バイカイカリソウとイカリソウの交雑起源と考えられている[1][2]
    • シオミイカリソウEpimedium trifoliatobinatum (Koidz.) Koidz. subsp. maritimum K.Suzuki - ヒメイカリソウの亜種で、葉が常緑。九州の東部の海岸付近、島部に分布する[1]。環境省レッドリストの準絶滅危惧(NT)。
  • オオバイカイカリソウ Epimedium × setosum Koidz. - 本州の中国地方に分布し、石灰岩地にまれに産する。花色、距の有無など形態の変異が大きい。バイカイカリソウとトキワイカリソウの交雑に由来する群[1]

中国原産の栽培種[編集]

ギャラリー[編集]

クモイイカリソウ 
ホザキノイカリソウ 

脚注[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i 『新牧野日本植物圖鑑』pp.161-163
  2. ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.206
  3. ^ a b c d e f g h 『日本の野生植物 草本II 離弁花類』pp.89-90
  4. ^ Epimedium Flora of China
  5. ^ Epimedium The Plant List
  6. ^ クモイイカリソウ 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  7. ^ 『野草の名前 春 山溪名前図鑑』p.23

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎他編『日本の野生植物 草本II 離弁花類』、1982年、平凡社
  • 高橋勝雄『野草の名前 春 山溪名前図鑑』、2002年、山と溪谷社
  • 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
  • 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
  • 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  • Epimedium Flora of China
  • Epimedium The Plant List