イアン・キンズラー

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イアン・キンズラー
Ian Kinsler
デトロイト・タイガース #3
Ian Kinsler April 2009.jpg
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 アリゾナ州ツーソン
生年月日 1982年6月22日(32歳)
身長
体重
6' 0" =約182.9 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 内野手二塁手
プロ入り 2003年 ドラフト17巡目(全体496位)
初出場 2006年4月3日
年俸 $13,000,000(2013年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

イアン・マイケル・キンズラー(Ian Michael Kinsler, 1982年6月22日 - )は、MLBデトロイト・タイガースに所属する内野手二塁手)。右投右打。アメリカ合衆国アリゾナ州ツーソン出身。パワーとスピードを兼ね備えた選手である。メディアによっては、キンスラーとの表記が見られる。

経歴[編集]

アマチュア時代[編集]

2000年6月5日アリゾナ・ダイヤモンドバックスから29巡目(全体879位)でドラフト指名を受けるがこれを拒否、契約には至らず。翌2001年6月5日、再びダイヤモンドバックスから26巡目(全体788位)でドラフト指名を受けたが、またも拒否。

アリゾナ州立大学在籍時の2002年は、パシフィック・テン・カンファレンスで平凡な数字に終わる。なお、当時のチームメイトには同じ二塁手のダスティン・ペドロイアがいる。

ミズーリ大学編入後の2003年ビッグ・テン・カンファレンスで49試合 ・ 打率.335 ・ 出塁率.416 ・ OPS.952 ・ 16盗塁と前年の不振を払拭する。6月3日テキサス・レンジャーズから17巡目(全体496位)でドラフト指名を受け、6月24日に契約成立。この年からマイナーリーグ(ショート・シーズンA級)でプレーを始める(51試合出場)。

マイナーリーグ[編集]

プロ2年目の2004年は、A・AA級トータルで131試合打率.345 ・ 20本塁打 ・ 99打点出塁率.413 ・ OPS.986 ・ 23盗塁の好成績を挙げ、9月1日にはミッドウェスト・リーグのオールスターに出場。33個もの失策を犯したが、ベースボール・アメリカ誌選のマイナーリーグ・オールスター2ndチームにも選出され、レンジャーズ内のマイナーリーグ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝く[2]。同年12月15日、レンジャーズの有望株リストで4位にランクされ、ベストヒッター・フォー・アベレージに挙げられた[3]

2005年はAAAにステップアップ。131試合 ・ 打率.274 ・ 23本塁打 ・ 94打点 ・ 16盗塁をマークするなど着実に成長を遂げる。前年同様失策が多く、20個犯したものの、7月13日にはパシフィック・コースト・リーグのオールスターに出場。シーズン終了後、ベースボール・アメリカ誌のプロスペクト・リストで6位にランクされた[4]

テキサス・レンジャーズ[編集]

AAAオクラホマ・レッドホークス時代(2005年)

プロ4年目の2006年は、ワシントン・ナショナルズへ移籍したアルフォンソ・ソリアーノの後釜として、4月3日の開幕戦(ボストン・レッドソックス戦)においてメジャー・デビューを果たす。九番二塁手スタメン出場し、カート・シリング投手からキャリア初安打となるライト前ヒットを放つなど、2打数1安打1四球の好結果でデビュー戦を飾った。その後8試合で打率.476とロケット・スタートを決めたが[5]4月12日に左手親指を痛め故障者リスト入り[6]。約1か月半戦線離脱したがその後は持ち堪え、120試合に出場し、121安打、14本塁打、11盗塁を記録した。新人選手が100安打、10本塁打、10盗塁を達成したのは球団史上初の快挙[7]二塁手としては両リーグ最多タイの18失策を犯したが[5]ア・リーグ新人王投票では1ポイントを獲得、7位にランクされるなど、飛躍のシーズンとなった。

レギュラー2年目となる2007年は、4月15日のプレイヤー・オブ・ザ・ウィークに選ばれるなど[8]、4月だけで9本塁打 ・ 22打点と打棒爆発。前年同様のロケット・スタートを決め、6月19日からは一・二番打者として起用されることが多くなった[9]。ところが6月28日に左足を痛め故障者リスト入り[10]。約1か月戦線離脱したこともあって、次第に息切れ。不安定な守備も相変わらずであったが、「彼はまだ修行中、実力は本物」と ロン・ワシントン監督もポテンシャルの高さには一目置いている[11]。また、目標としていた長打率アップを実践して見せ[12]、球団史上7人目となる20本塁打、20盗塁を達成。前年比打率は.023ダウンしたものの、ボールの見極めが上達し[13]、出塁率はアップ。特に一・二番として起用された試合の出塁率はそれぞれ.390と.389[14]、盗塁成功率も92パーセント(20盗塁以上ではリーグ2位[11])と、チャンス・メーカーの重責を果たした。翌2008年2月19日、5年間の長期契約が成立(2013年は球団オプション)[15]

二塁守備

5年契約1年目の2008年は開幕戦から一番に定着し[16]5月16日から6月4日まで19試合連続安打を記録、更に6月17日からは両リーグ最長となる25試合連続安打をマーク[17]。前半戦を首位打者で折り返し、オールスターゲーム初出場を果す(5打数1安打1盗塁)。その後腰痛を患い、手術を受けたため[18]8月17日を最後に早々にシーズンを終えたが、打率.319(リーグ4位)、対右投手打率.332(同1位)、得点圏打率.413(同2位)、OPS.892(同8位)、102得点(同8位)、26盗塁(同10位)、盗塁成功率92.8パーセント(同2位)と多くの部門でキャリアハイを更新した他、MVP投票では1ポイントを獲得、20位にランクされるなど、開幕前に「今期からはボクがチームリーダーになります」と高らかに宣言したのに恥じない数字を刻み、トム・ヒックス・オーナーを「彼は若くして見事なリーダーシップを発揮している」と喜ばせた[19]2009年4月15日サイクルヒットを達成したが、その試合で6本のヒットを放った。サイクルヒットと6安打の同時達成は、119年ぶりの快挙だという[20]9月25日にはシーズン30個目の盗塁を記録。すでに記録していた30本塁打とあわせて「30-30クラブ」の一員となる。チーム史上、アルフォンソ・ソリアーノに次ぐ二人目で、二塁手としてもソリアーノ(二塁手として3回達成)、ブランドン・フィリップスに次いで史上3人目の達成者、また、2009年両リーグを通じて唯一の達成者となった。

2010年、前年より打率が上昇したが、故障の影響で103試合の出場に留まる。4年ぶりに規定打席到達を逃し、本塁打はメジャーデビュー以来、自身初の1ケタ(9本塁打)に終わった。

2011年は2年ぶり2度目の30本塁打&30盗塁を達成した。さらには両リーグ10位のWAR7.0を記録するなど、攻守に渡って納得のシーズンとなった。

2012年4月10日2013年からの5年契約を結んだ。5年間の年俸総額は7000万ドルで、6年目は1000万ドルのオプションまたは500万ドルのバイアウトであるため、5年7500万ドルが保証された契約となる[21]。シーズンでは両リーグ6位の105得点を記録するも、自己ワーストとなる出塁率.326、本塁打も19本に終わるなど不本意な成績を喫した。

2013年は前年をさらに下回る13本塁打、15盗塁に終わったものの、打率は.277を記録し、守備指標でも軒並み好成績を示すなどまずまずの活躍を見せた。

デトロイト・タイガース[編集]

2013年11月21日にプリンス・フィルダーと金銭とのトレードで、デトロイト・タイガースに移籍した。

選手としての特徴[編集]

攻撃型二塁手。ボールをハードに叩き、ギャップ外野手と外野手の間、長打コース)を打ち抜くパワフルな打撃を最大の武器とする。特に得点圏において打率.323、OPS.925[22]と勝負強さを発揮し、塁上の走者を迎え入れる。その上、出塁能力が高く、スピードと盗塁技術を兼ね備えた優秀なベースランナーでもある。守備においては、3年間合計(2006-2008)でアメリカンリーグ・ワーストの53失策[23]を犯しているものの、俊足を飛ばしてレンジ(守備範囲)は広く、同期間中のレンジ・ファクターでは5.7(リーグ1位)[24]の高値をはじき出している。一方、「162試合フル出場するには耐久力が欠落している」と指摘する声があるように、課題はリスク管理と健康維持で、3年連続(2006-2008)で故障者リスト入りし、その間全て30試合以上休場している[10][25][26][27][28]。2004年までは遊撃手であったが、2005年から二塁手にコンバートされた。

趣味はゴルフと映画鑑賞、ビデオ・ゲーム[4]。妻テスと2007年11月18日に結婚している[4]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2006 TEX 120 474 423 65 121 27 1 14 192 55 11 4 1 7 40 1 3 64 12 .286 .347 .454 .801
2007 130 566 483 96 127 22 2 20 213 61 23 2 8 4 62 2 9 83 14 .263 .355 .441 .796
2008 121 583 518 102 165 41 4 18 268 71 26 2 7 7 45 1 6 67 12 .319 .375 .517 .892
2009 144 640 566 101 143 32 4 31 276 86 31 5 3 6 59 0 6 77 9 .253 .327 .488 .814
2010 103 460 391 73 112 20 1 9 161 45 15 5 2 4 56 2 7 57 11 .286 .382 .412 .794
2011 155 723 620 121 158 34 4 32 296 77 30 4 4 2 89 2 8 71 17 .255 .355 .477 .832
2012 157 731 655 105 168 42 5 19 277 72 21 9 1 5 60 0 10 90 14 .256 .326 .423 .749
2013 136 614 545 85 151 31 2 13 225 72 15 11 3 7 51 0 8 59 5 .277 .344 .413 .757
通算:8年 1066 4791 4201 748 1145 249 23 156 1908 539 172 42 29 42 462 8 57 568 94 .273 .349 .454 .804
  • 2013年度シーズン終了時

獲得タイトル・表彰・記録[編集]

参考資料[編集]

  1. ^ "Texas Rangers 2012 Player Salaries and Team Payroll," ESPN.com. 2012年4月25日閲覧。
  2. ^ Ian Kinsler Awards” (英語). The Baseball Cube. 2009年1月1日閲覧。
  3. ^ John Manuel (2004年12月15日). “Top Ten Prospects: Texas Rangers , Best Tools” (英語). BaseballAmerica.com. 2008年3月30日閲覧。
  4. ^ a b c Player Profile: Ian Kinsler (Biography : 2005 Career Highlights).” (英語). MLB.com. 2008年2月9日閲覧。
  5. ^ a b 『月刊スラッガー 2006年12月号』 43頁。
  6. ^ Rangers put Kinsler on DL, activate Matthews” (英語). espn.com. 2008年2月9日閲覧。
  7. ^ Player Profile: Ian Kinsler (2006 Career Highlights).” (英語). MLB.com. 2008年2月9日閲覧。
  8. ^ AwardsMiLB.com , 2008年3月3日閲覧。
  9. ^ 2007 Texas Rangers Batting Orders” (英語). Baseball-Reference.com. 2009年1月1日閲覧。
  10. ^ a b Ian Kinsler - Scouting Report , Transactions / Injuries / Suspensionssportsnet.ca , 2008年3月3日閲覧。
  11. ^ a b 『月刊スラッガー 2007年12月号』 61頁。
  12. ^ 村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2007』 廣済堂出版、2007年、220項。ISBN 978-4-331-51213-5
  13. ^ Ian Kinsler ≫ Graphs ≫ BB% ≫ BattingFangraphs , 2008年3月3日閲覧。
  14. ^ Ian Kinsler 2007 Batting Splits , Batting Order Positions” (英語). Baseball-Reference.com. 2008年3月30日閲覧。
  15. ^ Transactions History” (英語). The Baseball Cube. 2009年1月1日閲覧。
  16. ^ 2008 Texas Rangers Batting Orders” (英語). Baseball-Reference.com. 2009年1月1日閲覧。
  17. ^ 出野哲也 「長期契約一年目の選手たち」 『月刊スラッガー No.128 , 2008年12月号』 日本スポーツ企画出版社、38頁。
  18. ^ MLB=レンジャーズのキンスラー、ヘルニア手術へ”. Reuters (2008年9月6日). 2008年12月5日閲覧。
  19. ^ 小林信行 「オーナーに宣言した若大将の有言実行」 『月刊スラッガー No.125 , 2008年月9号』 日本スポーツ企画出版社、80頁。
  20. ^ Sullivan, T.R. (2009年4月16日). “Kinsler hits for cycle, goes 6-for-6” (英語). MLB.com. 2009年6月2日閲覧。
  21. ^ Ian Kinsler, Texas Rangers agree to 5-year extension - ESPN Dallas
  22. ^ 2006-2008の3年通算。Three year (2006-2008) Batting Splits” (英語). ESPN. 2009年1月1日閲覧。
  23. ^ American League Leaderboards ≫ 2008 ≫ Second Basemen ≫ Fielding Statistics” (英語). FanGraphs. 2009年1月21日閲覧。※E(error、失策)をクリック。
  24. ^ American League Leaderboards ≫ 2008 ≫ Second Basemen ≫ Fielding Statistics” (英語). FanGraphs. 2009年1月21日閲覧。※RF/9(Range factor、レンジ・ファクター)をクリック。
  25. ^ John Sickels (2004年9月20日). “Rangers prospect Ian Kinsler” (英語). ESPN. 2009年1月21日閲覧。
  26. ^ Ian Kinsler - Pecota” (英語). BaseballProspectus.com. 2008年3月30日閲覧。
  27. ^ 「2008 MLB 30球団スカウティング・レポート」 『ウェルカム・メジャーリーグ 2008』 白夜書房〈白夜ムック 315〉、82,152-155頁。ISBN 978-4861913983
  28. ^ 出野哲也 「2008 二塁手ランキング」 『月刊スラッガー No.122 , 2008年6月号』 日本スポーツ企画出版社、21頁。

外部リンク[編集]