即興曲

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即興曲(そっきょうきょく)は、自由な形式で書かれた性格的小品の一種。フランス語のままアンプロンプチュ(またはアンプロンプテュ: Impromptu)と表記される場合もある。即興的な要素はあるが、即興的に作られたわけではなく、また即興演奏そのものでもない(なお、即興風の音楽という発想自体は決して19世紀固有のものではなく、それ以前には「トッカータ」や「カプリッチョ(奇想曲)」など様々な名称で呼ばれた[1])。

語源はラテン語で「準備不足[2]」や「即座に何かに対応できる状態」を意味する "in prōmptū" であり、「即座に音楽を興す」という意味合いで「即興曲」と訳された[3]

"Impromptu" という単語は、18世紀以前には即興詩(あるいは劇の幕間の出し物)を意味した[4]が、曲のタイトルとして "Impromptu" の名が初めて登場するのは、チェコ作曲家ヤン・ヴァーツラフ・ヴォジーシェク1821年に出版した『6つの即興曲 作品7』である(ただし、これはヴォジーシェク自身が命名したものではなく、出版社によって提案されたものだという説が有力である)[3]

主な作品[編集]

脚注[編集]