アンデルソン・パトリック・アグウイアル・オリベイラ

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パトリック
名前
本名 アンデルソン・パトリック・アギアル・オリヴェイラ
Anderson Patric Aguiar Oliveira
愛称 パト
ラテン文字 PATRIC
基本情報
国籍 ブラジルの旗 ブラジル
生年月日 (1987-10-26) 1987年10月26日(36歳)
出身地 アマパー州マカパ
身長 189cm
体重 82kg
選手情報
在籍チーム 日本の旗 名古屋グランパス
ポジション FW(CF)
背番号 10
利き足 右足
クラブ1
クラブ 出場 (得点)
2007 ブラジルの旗 パイサンドゥSC
2008 ブラジルの旗 CAヴィラ・リカ
2008 ブラジルの旗 サンタクルスFC
2009 ブラジルの旗 サルゲイロAC
2009 ブラジルの旗 ADRCイカザ
2009 ブラジルの旗 ECデモクラータ
2009 ブラジルの旗 ヴェラ・クルス-PE
2009 ブラジルの旗 サン・ジョゼ-AP
2010 ブラジルの旗 アメリカーノFC
2010 ブラジルの旗 ミストEC 8 (7)
2010-2011 ブラジルの旗 CRヴァスコ・ダ・ガマ 0 (0)
2012 ブラジルの旗 ヴィラ・ノヴァFC 0 (0)
2012-2014 ブラジルの旗 アトレチコ-GO 27 (4)
2013 日本の旗 川崎フロンターレ(loan) 8 (2)
2013 日本の旗 ヴァンフォーレ甲府(loan) 16 (5)
2014 ブラジルの旗 フォルタレーザEC(loan) 3 (0)
2014-2018 ブラジルの旗 サルゲイロAC 0 (0)
2014-2017 日本の旗 ガンバ大阪(loan) 72 (23)
2017-2018 日本の旗 サンフレッチェ広島(loan) 48 (24)
2019 日本の旗 サンフレッチェ広島 13 (3)
2019 日本の旗 ガンバ大阪(loan) 12 (2)
2020-2022 日本の旗 ガンバ大阪 94 (27)
2023 日本の旗 京都サンガF.C. 32 (10)
2024- 日本の旗 名古屋グランパス
1. 国内リーグ戦に限る。2024年1月5日現在。
■テンプレート■ノート ■解説■サッカー選手pj

パトリック(Patric)ことアンデルソン・パトリック・アギアル・オリヴェイラ(Anderson Patric Aguiar Oliveira、1987年10月26日 - )は、ブラジルアマパー州マカパ出身のプロサッカー選手Jリーグ名古屋グランパス所属。ポジションはフォワード(センターフォワード)。

来歴[編集]

ブラジル[編集]

パイサンドゥSCでプロデビューし、複数の国内クラブでプレー[1]

2010年ミストでセリエD8試合に出場し7ゴールを記録した。

2012年ヴィラ・ノヴァでゴイアス州選手権20試合に出場し14ゴールを記録した。また同年アトレチコ・ゴイアニエンセセリエA27試合に出場し4ゴールを記録した。

川崎フロンターレ[編集]

2013年より、アトレチコ・ゴイアニエンセから日本川崎フロンターレ期限付き移籍[2]3月16日の第3節サガン鳥栖戦でJリーグ初得点を記録した。

ヴァンフォーレ甲府[編集]

7月18日、川崎を退団し、ヴァンフォーレ甲府へ期限付き移籍[3]。 甲府移籍後は出場停止を除く移籍後全試合に先発出場し、5得点を挙げた。シーズン終了後、移籍期間満了により退団[4]

ガンバ大阪[編集]

2014年フォルタレーザECでプレーした後、サルゲイロACに所属、7月1日よりガンバ大阪へ期限付き移籍[5]。シーズン途中加入でありながら、強靭なフィジカルと裏へ抜け出すスピードを武器に2トップを組んだ宇佐美貴史とのコンビでG大阪の攻撃陣を牽引し[6]、第26節鳥栖戦ではハットトリックを達成するなど宇佐美に次ぐ9得点を挙げ同年のJリーグベストイレブンを受賞。同年のナビスコカップ決勝・広島戦では、0-2の劣勢から同点に追いつく2得点を挙げガンバの7年ぶりのナビスコカップ優勝に貢献し、最優秀選手賞を受賞した。天皇杯でも3試合に出場し、決勝戦のゴールを含む3得点を挙げるなど、ガンバのリーグ優勝さらには国内三冠に貢献した。

2015年のゼロックススーパーカップでは後半から出場し、1ゴール1アシストの活躍でG大阪の8年ぶりとなるスーパーカップ制覇に貢献した。同年夏にG大阪との契約を2016年末まで延長[7]。リーグ戦では自身初の2桁得点を記録し、自身初の出場となったACLではチーム最多タイの4得点を決めた。CS準決勝浦和戦では延長後半にダメ押しゴールを決めた。天皇杯決勝浦和戦では先制点を挙げ、同点で迎えた後半にはコーナーキックから勝ち越しゴールを決める活躍を見せG大阪の天皇杯連覇の立役者となった。

2016年10月13日の練習中に右前十字じん帯損傷及び右外側半月板損傷で全治8カ月の大ケガを負った。2017年1月10日、G大阪との契約を2017年6月30日まで延長。クラブ幹部は「負傷したまま相手クラブには返せない」と語り、契約を半年延長することにより功労者への誠意を見せた。選手登録はせず完治後の再契約に関しては本人とチーム状況により判断する見込み[8]。2017年3月31日に再契約したが、同年6月1日に同月30日を以て契約満了で退団することが発表された[9]。その後、6月27日にサンフレッチェ広島に加入する事が発表された[10]

サンフレッチェ広島[編集]

2017年8月5日、第20節のジュビロ磐田戦で移籍後初得点を決めるなど、チームの全3得点に絡む活躍で勝利に貢献した。2017年12月31日、期限付き移籍期間を2019年1月1日まで延長することが発表された[11]

2018年4月21日、第9節のサガン鳥栖戦では3試合連続ゴールを決めて5連勝に貢献した[12]。5月12日、ベガルタ仙台戦では今シーズン10得点目となる二桁得点を挙げている[13]。7月18日、第16節のガンバ大阪戦では古巣相手に得点を決めた。得点ランキング首位に立っていたが、名古屋のジョーが8月だけで10ゴールを決めるなど驚異的に得点を重ね、最終的にはジョーに2点及ばず得点王を逃した。

2019年より広島に完全移籍[14] したが、この年はコンディション不良にチーム戦術の変化が重なり、ドウグラス・ヴィエイラに1トップのスタメンを奪われる試合が多かった。結局この年の広島でのJ1出場は、13試合で僅か3得点に終わった。

ガンバ大阪復帰[編集]

2019年シーズン、古巣のガンバ大阪と浦和レッズがパトリックに向けてオファーを行った。ガンバ大阪はエースFWのファン・ウィジョの欧州挑戦を始め複数の主力選手を夏のマーケットで流出させており、かつて黄金期にパトリックとのコンビで活躍した宇佐美を出戻りさせるなど補強に動いていた。パトリック自身の試合出場の機会を得たいという意向やG大阪が広島の設定する違約金を上回る金額[15] を提示した事を受け、翌2020年シーズンからの完全移籍の前提で2019年シーズン一杯までの期限付き移籍が決まった[16][17][18]。9月8日、ルヴァンカップ準々決勝2ndレグのFC東京戦で貴重なアウェイゴールを決め、チームの準決勝進出に大きく貢献した。

2020年より、ガンバ大阪に完全移籍。8月5日、ルヴァンカップ予選リーグの大分トリニータ戦でシーズン初ゴールを決めると、フィジカルの強さがチームの戦術そのものとなり、後半からパトリックにロングボールを送り続ける攻撃の中心を担い、リーグ戦ではチームトップの9得点を上げて、チームのリーグ戦2位浮上の立役者となった。

2021年5月2日、第12節のセレッソ大阪戦でPKを決めて大阪ダービー初得点を記録した。継続性のない方針で低迷するチームの中で、11月6日、第35節の大分トリニータ戦でJリーグ2度目のハットトリックを記録し、チームのJ1残留決定に貢献した。

2022年、J2降格圏に低迷するチームの中で奮闘し、チームはプレーオフを勝ち点1差で回避し15位で終える事に成功。またしてもチームのJ1残留に貢献した。リーグ戦5得点はチーム内トップだった。 同年11月8日に契約満了となった[19]

京都サンガF.C.[編集]

2023年、京都サンガF.C.へ完全移籍加入[20]

名古屋グランパス[編集]

2024年1月9日、名古屋グランパスへ完全移籍加入することが発表された[21]

人物[編集]

2015年11月、日本の自動車運転免許を取得し、自家用車も購入した[7]

日本語の習得に熱心に取り組んでおり、度々自身のXでフォロワーに正誤を尋ねることも多い。

将来的に日本国籍を取得し、日本代表を目指したい考えを持っている[22][23]

2015年のCS準決勝浦和戦終了後、自身のXアカウントに人種差別的なリプライが投稿されており、この件について「すごく悲しい気持ちになった」としながらも「どの国にもいい人、悪い人は存在する。今回はガンバサポーターだけでなく他クラブのサポーターからもたくさん励ましのメッセージをもらった。心が強くなりました」と述べた[24]。のちに投稿を行った少年の謝罪[25]を受け「彼には上を向いてもらいたい。大人になってもこういう問題が起こらないようにしてほしい」と語った。

個人成績[編集]

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 リーグ杯オープン杯 期間通算
出場得点 出場得点出場得点 出場得点
ブラジル リーグ戦 ブラジル杯オープン杯 期間通算
2008 パイサンドゥ セリエC - -
ヴィラ・リカ - -
サンタクルス セリエC -
2009 サルゲイロ - -
イカザ -
デモクラタ - -
ヴェラ・クルス-PE - -
サン・ジョゼ-AP - -
2010 アメリカーノ - -
ミスト セリエD 8 7 - - 8 7
2011 ヴァスコ・ダ・ガマ 22 セリエA 0 0 0 0 - 0 0
2012 ヴィラ・ノヴァ セリエC 0 0 - - 0 0
アトレチコ-GO 11 セリエA 27 4 0 0 - 27 4
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2013 川崎 18 J1 8 2 5 1 - 13 3
甲府 11 16 5 - 4 1 20 6
ブラジル リーグ戦 ブラジル杯オープン杯 期間通算
2014 フォルタレーザ セリエC 3 0 - - 3 0
日本 リーグ戦 リーグ杯天皇杯 期間通算
2014 G大阪 29 J1 19 9 5 3 3 3 27 15
2015 32 12 3 0 4 2 39 14
2016 20 2 2 0 0 0 22 2
2017 55 1 0 - 0 0 1 0
広島 39 15 4 0 0 0 0 15 4
2018 33 20 1 0 3 4 37 24
2019 10 13 3 - 1 2 14 5
G大阪 18 12 2 4 1 - 16 3
2020 33 9 1 1 2 1 36 11
2021 33 13 2 0 3 3 38 16
2022 28 5 3 2 3 3 34 10
2023 京都 9 32 10 2 0 1 1 35 11
2024 名古屋 10
通算 ブラジル セリエA 27 4 0 0 - 27 4
ブラジル セリエC -
ブラジル セリエD 8 7 - - 8 7
ブラジル - -
日本 J1 275 96 28 8 24 20 323 124
総通算

その他の公式戦

国内大会個人成績
年度クラブ背番号リーグ リーグ戦 期間通算
出場得点 出場得点
日本 リーグ戦 期間通算
2016 G大23 29 J3 2 1 2 1
2017 55 1 0 1 0
通算 日本 J3 3 1 3 1
総通算 3 1 3 1
国際大会個人成績
年度 クラブ 背番号 出場 得点
CONMEBOLスダメリカーナ杯
2011 ヴァスコ・ダ・ガマ 22 1 0
2012 アトレチコ-GO 11 3 0
AFCACL
2015 G大阪 29 11 4
2016 5 1
2019 広島 10 5 2
2021 G大阪 18 6 6
通算 CONMEBOL 4 0
通算 AFC 27 11

その他の国際公式戦

出場歴

タイトル[編集]

クラブ[編集]

サンタクルスFC
CRヴァスコ・ダ・ガマ
ガンバ大阪

個人[編集]

出典[編集]

  1. ^ 川崎F 長身ブラジル人FW獲得「フィジカルは半端じゃなく強い」 スポニチ Sponichi Annex、2012年12月24日
  2. ^ パトリック選手加入のお知らせ KAWASAKI FRONTALE ホーム、2012年12月24日
  3. ^ パトリック選手移籍のお知らせ KAWASAKI FRONTALE ホーム、2013年7月18日
  4. ^ パトリック選手 期限付き移籍期間満了のお知らせ ヴァンフォーレ甲府公式サイト、2013年12月27日
  5. ^ FW パトリック選手 ガンバ大阪へ期限付き移籍のお知らせ ガンバ大阪オフィシャルサイト、2014年7月1日
  6. ^ “宇佐美と強力2トップを形成。Jリーグ3クラブ目のFWパトリック「キャリアで一番ノッてる」”. フットボールチャンネル. (2014年12月13日). http://www.footballchannel.jp/2014/12/13/post60665/ 2014年12月19日閲覧。 
  7. ^ a b G大阪パトリック、差別ツイート許して日本一誓う 日刊スポーツ2015年12月2日7時38分配信
  8. ^ G大阪 パトリックと契約延長 貢献に誠意「負傷したまま返せない」 スポニチ Sponichi Annex、2017年1月11日
  9. ^ パトリック選手 契約満了のお知らせ』(プレスリリース)ガンバ大阪、2017年6月1日http://www.gamba-osaka.net/news/index/no/5987/2017年6月1日閲覧 
  10. ^ パトリック選手 期限付き移籍加入のお知らせ』(プレスリリース)サンフレッチェ広島、2017年6月23日http://www.sanfrecce.co.jp/news/release/?n=107932017年6月23日閲覧 
  11. ^ パトリック選手 期限付き移籍期間延長のお知らせ サンフレッチェ広島(2017年12月31日)
  12. ^ 広島、パトリック3戦5発で破竹の5連勝! 鳥栖は泥沼4連敗 サンケイスポーツ(2018年4月21日)
  13. ^ [1] 中断前首位確定の広島、パトリック2発&柏弾で4連勝…仙台は連勝ならず/J1第14節
  14. ^ パトリック選手 サルグエイロAC(ブラジル)より完全移籍加入のお知らせ サンフレッチェ広島(2019年1月9日)
  15. ^ 広島・足立修強化部長の想定を遥かに上回る「巨額」であったことを紫熊倶楽部の取材で認めている。【SIGMACLUBNEWS】パトリック、G大阪に移籍 紫熊倶楽部web、2019年7月25日閲覧。このほか、同誌では「移籍手続き」以外で2019年シーズンが期限付き移籍となった要因のひとつに、G大阪が広島との対戦をまだ1試合残していることを挙げている。
  16. ^ パトリックG大阪へ サンフレ、前線補強意向 中国新聞(渡辺裕明)、2019年7月25日
  17. ^ パトリック選手 ガンバ大阪へ期限付き移籍のお知らせ ガンバ大阪、2019年7月25日
  18. ^ パトリック選手 ガンバ大阪に期限付き移籍のお知らせ サンフレッチェ広島、2019年7月25日
  19. ^ 【G大阪】パトリックが今季限り退団「出ることを想像してなかった」ウェリントン・シウバも”. 日刊スポーツ (2022年11月8日). 2022年12月17日閲覧。
  20. ^ パトリック選手 加入のお知らせ 京都サンガF.C.(2022年12月5日)
  21. ^ パトリック選手、加入のお知らせ|ニュース|名古屋グランパス公式サイト”. 名古屋グランパス公式サイト. 2024年1月9日閲覧。
  22. ^ “G大阪のパトリック、日本帰化を希望。母国メディアに語る「W杯2018は夢」”. フットボールチャンネル. (2016年1月8日). http://www.footballchannel.jp/2016/01/08/post131446/ 2016年1月11日閲覧。 
  23. ^ “パトリック、改めて日本国籍取得の意思示す「いつの日か帰化出来れば」”. フットボールチャンネル. (2016年1月10日). http://www.footballchannel.jp/2016/01/10/post131759/ 2016年1月11日閲覧。 
  24. ^ 傷心G大阪パトリック眠れずも「日本は世界で一番」 日刊スポーツ2015年11月29日12時47分配信
  25. ^ “パトリックの差別ツイートは高校生…名乗り出て謝罪”. 日刊スポーツ. (2015年11月30日). https://www.nikkansports.com/soccer/news/1573406.html?mode=all 2022年11月6日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]