アンダークロック
アンダークロック (Underclocking) とはCPUのデジタル回路を定格を下回る速度で動作させる行為で、消費電力や発熱の低減、およびそれに伴う冷却システムの静音化・簡素化・長寿命化を目的として行われる。主として動作クロックの変更が容易なパソコンで実施される。反対の概念はオーバークロックである。
オーバークロックと同様、定格とは違う速度で動作させることはCPUなどに限らずマザーボードなどにも負担がかかり、機器の破損等のリスクが起こる場合があり、実行する場合は自己責任の下で行うべきとされる。
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[編集] 実施方法
主に、BIOSの設定、マザーボード上のジャンパピン、ディップスイッチを操作して設定を行う。設定するポイントは2つあり、ひとつはFSB(ベースクロック)を低くすることと、もう一つはクロック倍率を下げることである。両方を下げることもできる。以後の説明は、動作クロックを変更しやすいIntel社のIntel Core 2 Quad Q6600を、汎用的なマザーボードに搭載し、FSBは266MHz、クロック倍率は9倍にしている状態を基準にして行う。設定変更の操作に関してはマザーボードの設計に依存するが、どの方法をとっても同じ結果が得られるため特に定めない。また、FSB周波数の小数部分は切り捨てて表記する。
[編集] FSBを下げる方法によるアンダークロック
- FSBを266MHzから200MHzに変更、クロック倍率はそのまま→200MHz*9=1800MHz
- FSBを266MHzから233MHzに変更、クロック倍率はそのまま→233MHz*9=2097MHz
[編集] クロック倍率を下げる方法によるアンダークロック
- FSBはそのまま、クロック倍率を7.5倍に変更→266MHz*7.5=1995MHz
- FSBはそのまま、クロック倍率を6倍に変更→266MHz*6=1596MHz
[編集] FSBとクロック倍率を下げる方法によるアンダークロック
- FSBを266MHzから233MHzに変更、クロック倍率を7.5倍に変更→233MHz*7.5=1747MHz
- FSBを266MHzから200MHzに変更、クロック倍率を6倍に変更→200MHz*6=1200MHz
[編集] 効果的なアンダークロックを行うために
クロック周波数を下げても、性能を高めに保ちたいならばFSBを下げないようにする。FSBはメモリやチップセットなどCPU以外の部分にも影響するためである。従ってFSB266MHz・クロック倍率6倍による1596MHz動作と、FSB200MHz・クロック倍率8倍による1600MHz動作と比較すれば前者の方が高性能となる。
FSBの変更は、マザーボードによってトラブルの原因になりうる。FSBの周波数とAGPバスやPCIバスの周波数が伴って変化する古い製品では、66MHz以外のFSB周波数に変更するのは注意が必要である。
アンダークロックを設定し、しばらく運用してみて特別に問題がなければ、CPUに与える電圧を少し下げてみるとよい。特に発熱を抑えたい目的のアンダークロックならば、この点は取り組む価値がある。ただし電圧を下げて不安定になるようならば元の電圧に戻さなければならない。したがって、電圧を変更する際はどのようにして元の設定に戻すか、その方法を知っておく必要がある。
[編集] 動的なアンダークロック
上述のように設定を個別に変更し、動作速度を意図的に変更するほかにも、マザーボード自身の機能やOSの機能として、特定条件に合致することでアンダークロックが開始され、その条件から外れたらアンダークロックが終了する機能が存在する。(例:AMDの「Cool'n'Quiet」「PowerNow!」、インテルの「Intel SpeedStep テクノロジ」)
いわゆる省電力機能として知られており、キーボードやマウスに対して一定時間操作が行われないなどの条件を満たすとアンダークロックになる設定が広く行われている。特にバッテリ駆動のノート型パソコンにおいては重要な機能である。
[編集] アンダークロックされている製品
超小型のノート型パソコンや携帯電話においては、バッテリーの消費や発熱を抑えるためにあえてクロックの高いCPUを実装しておき、定格以下のクロックで動作させている製品が存在する。消費電力低減によるバッテリの小型化、発熱を抑えることによるヒートシンクなどの小型化を行い、本体を極力小さく設計するためのアプローチである。
等がある。 これらの機種をCPUの実際のクロックで動作させる改造・調整手段も存在するが、本体はあくまでも低いクロックでの設計となっているため、事実上のオーバークロックとなる。