アロルディス・チャップマン

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アロルディス・チャップマン
Aroldis Chapman
シンシナティ・レッズ #54
AChapman.jpg
2011年
基本情報
国籍 アンドラの旗 アンドラに亡命)
出身地 キューバの旗 オルギン州オルギン
生年月日 1988年2月28日(26歳)
身長
体重
6' 4" =約193 cm
205 lb =約93 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2010年 アマチュア・フリーエージェントとしてシンシナティ・レッズと契約
初出場 2010年8月31日 ブルワーズ戦 
年俸 $4,835,772(2013年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム キューバの旗 キューバ
WBC 2009年

アルベルティン・アロルディス・チャップマンAlbertin Aroldis Chapman, 1988年2月28日[2] - )は、キューバオルギン州オルギン出身のプロ野球選手投手)。MLBシンシナティ・レッズに所属。メディアによってはチャプマンと表記されることもある[3][4][5][6]

経歴[編集]

当初ボクサー志望で、一塁手を経て投手へ転向するが、2005年ジュニア世代のリーグ戦の成績は2勝6敗、防御率4.27であった。2005-06シーズンのセリエ・ナシオナル・デ・ベイスボル出場、2年目となった2006-07シーズンには規定投球回数不足ながらリーグ最多奪三振を受賞し、選考合宿を経てA代表で2007年パンアメリカン競技大会IBAFワールドカップ台湾大会の代表となる。台湾大会では大会最優秀左投手に選出された。

2009年ワールド・ベースボール・クラシックキューバ代表に選出された。第2ラウンドの日本戦で先発し、2回1/3を3失点で負け投手になる[7]。同年7月、キューバ代表オランダ遠征時にヨーロッパの小国アンドラ亡命[8]。同国に亡命したのは、アメリカ合衆国カナダプエルトリコ等だとMLBドラフト会議選択対象選手となるのに対して、ドラフト対象とならずフリーエージェントとして各球団と交渉・契約できるとの理由によるもの。

チャップマン争奪戦にはボストン・レッドソックスフロリダ・マーリンズワシントン・ナショナルズトロント・ブルージェイズロサンゼルス・エンゼルスが本格的に参戦し、一時はブルージェイズかエンゼルスへの入団が有力と見られていたが、2010年1月10日、6年総額3025万ドルでシンシナティ・レッズと契約[9]

開幕はAAA級ルイビルで迎え、先発で起用されるも6月に0勝4敗・防御率5.84と不振に陥り、シーズン途中にクローザーへ転向。8月27日の対コロンバス戦で105mph(約169km/h)をマークした[10]8月31日にメジャーに昇格し、その日のミルウォーキー・ブルワーズ戦の8回にメジャー初登板。1回無安打、1奪三振、無失点でメジャーデビューを果たした。投球した8球のうち速球は6球で全て98mph(約158km/h)以上をマークし、最速は球場表示で102mph(約164km/h)を、テレビ中継では103mph(約166km/h)をマーク。翌日にはPITCHf/xで103.9mph(約167.2km/h)をマークし、ジョエル・ズマヤに次ぐ歴代2位の球速と公式に認定され[11]9月24日サンディエゴ・パドレス戦でPITCHf/xによる計測で史上最速となる105.1mph(約169.1km/h)をマーク[12]。この時に打席に入っていたトニー・グウィン・ジュニアは「目の前を通り過ぎるまで見えなかった」とコメントした。

2011年4月18日ピッツバーグ・パイレーツ戦では、球場の表示で106mph(約170.6km/h)をマーク。しかし、テレビ中継の表示では105mph(約169km/h)、PITCHf/xでは102.4mph(約164.8km/h)と計時された[13][14][15]。本人は「調子は良かった。でもスピードのことなんて気にしないで投げている」とコメントし、監督のダスティ・ベイカーは「彼は休み明け、106マイルを出しても不思議ではない」とコメントした[14]。この年の最高球速(PITCHf/x)は103.4mph(約166.4km/h)。

2012年は開幕直後に抑えに回り、与四球率を前年よりも大幅に改善するなど38セーブを挙げた。この年の最高球速(PITCHf/x)は102.7mph(約165.3km/h)。

2013年、この年の最高球速(PITCHf/x)は104.0mph(約167.4km/h)。

2014年1月28日にレッズと500万ドルの1年契約に合意した[16]。スプリングトレーニング中の3月19日に行われたカンザスシティ・ロイヤルズ戦でサルバドール・ペレスの打球が顔面に直撃。翌日左目の手術を行い、投球練習までには10日から14日間かかり、実戦復帰には4週間から5週間かかる見込み[17]。5月10日に故障者リストから外れた[18]。復帰後は例年どおりの調子を取り戻し、54試合に登板した。54イニングで106奪三振は、9イニングあたりの奪三振率は17.7であり、これは2012年にクレイグ・キンブレルが記録した16.7を上回り、歴代最高記録(50イニング以上が対象)である。この年の最高球速(PITCHf/x)は103.8mph(約167.0km/h)。また、シーズンを通してのストレートの平均球速が初めて100mphを超えた。

選手としての特徴[編集]

100mphを超える速球ランディ・ジョンソンと比較される80mph台後半のスライダーを武器とし、2010年はこの2球種しか投げなかった[19]。他にもカーブツーシームチェンジアップスプリッターを持ち球とする[20]。メジャーリーグでもイニング数を上回る奪三振数を挙げており、デビュー当初はイニング数に迫る四死球数が課題であったが、2012年には改善されてきている。

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2010 CIN 15 0 0 0 0 2 2 0 4 .500 51 13.1 9 0 5 0 0 19 2 0 4 3 2.03 1.05
2011 54 0 0 0 0 4 1 1 13 .800 207 50.0 24 2 41 2 4 71 4 0 21 20 3.60 1.30
2012 68 0 0 0 0 5 5 38 6 .500 276 71.2 35 4 23 0 4 122 4 0 13 12 1.51 0.81
2013 68 0 0 0 0 4 5 38 0 .444 258 63.2 37 7 29 0 3 112 6 0 18 18 2.54 1.04
通算:4年 205 0 0 0 0 15 13 77 23 .536 792 198.2 105 13 98 0 9 324 16 0 56 53 2.40 1.02
  • 2013年度シーズン終了時

脚注[編集]

  1. ^ Aroldis Chapman Stats, News, Pictures, Bio, Videos” (英語). ESPN.com. 2013年9月11日閲覧。
  2. ^ 1987年9月11日という情報もある。
  3. ^ 第280幕 人類最速球男・チャプマンが抱える問題点
  4. ^ シンシナティ・レッズ アロルディス・チャプマン 背番号 54
  5. ^ 【MLB】球宴選出のY.セスペデス「キューバ人でもメジャーで輝ける」
  6. ^ 球宴で登板のA.チャプマン、右脚に違和感も「自分はだいじょうぶ」
  7. ^ '09 WORLD BASEBALL CLASSIC 試合結果 (第2ラウンド1組)[Game.1]キューバvs.日本 - 日本野球機構オフィシャルサイト
  8. ^ Cuban pitcher Chapman defects” (English). MLB.com (2009年7月3日). 2011年3月21日閲覧。
  9. ^ Mark Sheldon (2010年1月10日). “Cuban star Chapman joins Reds” (English). MLB.com. 2010年3月20日閲覧。
  10. ^ “チャプマン人類最速169キロ近日メジャー”. 日刊スポーツ. (2010年8月29日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20100829-671640.html 2011年3月21日閲覧。 
  11. ^ “チャプマン最速左腕認定 167・3キロ”. 日刊スポーツ. (2010年9月9日). http://www.nikkansports.com/baseball/mlb/news/p-bb-tp2-20100909-676147.html 2011年3月21日閲覧。 
  12. ^ http://www.efastball.com/baseball/stats/fastest-pitch-speed-in-major-leagues/
  13. ^ MLB.com動画
  14. ^ a b チャップマン、171キロ出た!…スピードガン導入以降最速 スポーツ報知4月20日閲覧
  15. ^ チャプマン歴代最速球171キロは参考記録日刊スポーツ、2011年4月21日。
  16. ^ Mark Sheldon (2014年1月28日). “Chapman avoids arbitration, gets $5 million for 2014”. MLB.com. 2014年2月1日閲覧。
  17. ^ Mark Sheldon (2014年3月20日). “Surgery successful, Chapman's recovery begins”. MLB.com. 2014年3月21日閲覧。
  18. ^ Mark Sheldon (2014年5月10日). “Reds reinstate closer Chapman from DL”. MLB.com. 2014年5月11日閲覧。
  19. ^ 現役スカウト部長による“本物”のスカウティングレポート 『月刊スラッガー』2011年2月号、日本スポーツ企画出版社、雑誌15509-2、12-15頁。
  20. ^ 友成那智、村上雅則 『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2010』 廣済堂出版、2010年、368頁。ISBN 978-4-331-51439-9

外部リンク[編集]