アロエ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
アロエ属
Aloe arborescens Compton.JPG
キダチアロエ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 単子葉植物綱 Liliopsida
: ユリ目 Liliales
: アロエ科 Aloaceae
: アロエ属 Aloe
英名
Aloe
  • 本文参照

アロエ: Aloë)はアロエ科アロエ属の多肉植物の総称。現在までに300種以上が知られている。アロエ属全体としては原産地はアフリカ大陸南部、およびマダガスカルに集中している。古くはアロエの「ロエ」を漢字音訳当て字)した「蘆薈」の読みを変えた、「ろかい」と称した。琉球方言ではこの漢字の中国風の発音「るふぇー」と称する。

日本にも伝来し、現在は九州、瀬戸内海、伊豆、千葉と主に太平洋側に多く自生している。日本ではキダチアロエとアロエベラが多く、その他アロエ・サポナリア、アロエ・不夜城もよく栽培されている。

アロエ属の分類体系によって異なっており、アロエ科ユリ科ツルボラン科のいずれかとなる。

世界で一番大きなアロエはバイネーシー (A. bainesii)で 高さ18mにもなり、花穂は三叉に分岐、ピンクの花をつける。逆に、最小のものはアロエディスコイングシー (A. descoingsii) で最大でも数cmにしかならない。

種類[編集]

キダチアロエ[編集]

普通観賞用に栽培されるものはキダチアロエ(学名Aloe arborescens)という。「木立ち」の名の通りが伸びて立ち上がる。暖地では戸外でも育ち冬に赤橙色のをつける。外皮苦味が強いが、葉内部のゼリー質はアロエベラと変わらず苦味はない。ワシントン条約によって輸出入は制限されている。

アロエベラ[編集]

食用にはアロエベラ (A. vera) の外皮を剥いたゼリー質が使用されている。ほぼ全種がワシントン条約で保護されるアロエ属にあって唯一栽培種として例外措置されている。花は黄色で、は長く株の中心部の葉が成長し、外側の葉は成長に伴い枯死する。寒さには弱い。食用ではヨーグルトに入れるほか、日本では刺身などにされる。

生薬[編集]

アロエはアラビア語のAllochに由来し、古代オリエント古代ギリシア古代ローマでは既に薬用として栽培されていた[1]。東アジアには宋代にアロエの乾燥した塊が伝えられて『開宝本草』に「奴薈」「蘆薈」の名で現れ、明代の『本草綱目』にも皮膚病の薬として載せられているが、植物自体は伝えられていなかったようで、アロエそのものは広葉樹であると誤解されていたらしい[1]。日本への輸入時期は不明だが、遅くとも江戸時代には薬草として知られていた[1]

日本薬局方基原植物として収載されているアロエは、アロエフェロックスA. feroxケープアロエともいう)及び、これとアロエアフリカーナA. africana)、 またはアロエスピカータA. spicata) との雑種と定められている。これらの葉の汁を濃縮乾燥させたものが、日本薬局方でいう「アロエ」である。なお、キダチアロエ・ケープアロエ以外の観葉植物として出回っているほとんどのアロエには、薬効となる成分は含まれていないので、誤った使用をすべきではない。

キダチアロエは、昔から俗に「医者いらず」といわれてきたものであり、葉肉の内服で健胃効果があるとされ、また含有するバルバロイン下剤効果により便秘に効果がある。ただし、体質によっては胃炎を起こす場合があることや、継続摂取による大腸色素沈着を起こすことがあることなども報告されている。また外用として火傷に用いられる場合もあるが、逆に悪化させた例も報告されており、使用には一定の注意が必要である。なお、ドイツ薬用植物の評価委員会コミッションEによれば、ゲル状物質(葉の中央にある柔組織に存在する粘性の物質)の外用は、痛みや火傷の回復に対して有効性が示唆されている[2]

  • 注意点 専門機関の研究によれば、子宮収縮作用が有るため、妊娠中の使用は避けるべきである[3]。また、長期間の多量摂取や12歳以下の小児の摂取、妊娠中・授乳中や月経時及び病気の場合、摂取には注意が必要である[2]

参考画像[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c 小学館日本大百科全書』「アロエ」—長沢元夫、高林成年、湯浅浩史。
  2. ^ a b アロエ(俗名) - 「健康食品」の安全性・有効性情報 (国立健康・栄養研究所)
  3. ^ 日産婦誌53巻9号 産科領域における漢方薬の使用 日本産科婦人科学会

外部リンク[編集]