アロイス・アウアー

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Alois Auer Ritter von Welsbach
平仮名の活字

アロイス・アウアー(Alois Auer、後に叙爵され、Alois Auer Ritter von Welsbach、1813年 - 1869年6月11日)は、オーストリア印刷技術者である。植物などの自然物をや軟質材料に押し付けて型をとって、精細な表現を行う"Naturselbstdruck"(ネーチャープリント)の技法を発明した。オーストリアの国営印刷所の所長を務めた。

生涯[編集]

ヴェルスに生まれた。植字工としての訓練を受けた。余暇フランス語イタリア語英語を学んだ。1837年にリンツの高校のイタリア語の講師になり、1839年からドイツスイスフランスイギリスを旅し、各国語に習熟するとともに、活字印刷技術を学び、1841年に王室印刷局の局長に任じられて、1868年までその職にあり、彼の管理下で、帝国印刷局は、ヨーロッパで最大の印刷所となった。1847年には東洋学者のアウグスト・プフィッツマイアーの依頼で柳亭種彦著・歌川豊国絵の『浮世形六枚屏風』の覆刻を手掛けて合計856種類の活字を製作し、これは連綿体平仮名の世界初の活字化となった[1]。1853年に、鉛や軟質材質に実際の植物などの型をとって印刷するNaturselbstdruckの発明を発表し、この技術は、ヘンリー・ブラッドベリ(Henry Bradbury)らによって植物学博物学の書物の出版に用いられた。自らも博物学、物理学言語学に興味を持ち、自著を含む多くの書籍を出版した。写真掲載した書籍の出版のパイオニアでもある。

息子のカール・アウアー・フォン・ヴェルスバッハは希土類元素のプラセオジムネオジムを発見した化学者、発明家である。

ネーチャープリントによる図版[編集]

参考文献[編集]

  • Transcription of article from the 'Universal German Biography' by Karl Karmarsch (German language). Artikel „Auer, Alois“ *"Plants and gardens portrayed". Onlinexhibits. LuEsther T. Mertz Library of The New York Botanical Garden.
  • "Auer von Welsbach, Alois Ritter". aeiou. Encyclopedia of Austria.

脚注[編集]

  1. ^ 連綿体仮名活字小宮山博史、SCREENグラフィックソリューションズ

外部リンク[編集]