アルミニウムエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルミニウムエンジンとは、内燃機関レシプロエンジンにおけるシリンダーとピストンがアルミニウム合金によって構成されているエンジンのこと。
アルミニウムエンジンは、オートバイや高性能スポーツ車に多く採用されていたが、近年においては軽自動車や一般乗用車にも採用されている。
一般的にはケースそのものがアルミニウム合金で構成され、鉄を用いて作ったエンジンよりも軽量である事が特徴である。鉄製エンジンよりも小型なのが一般的だが、これはアルミニウムの特性によるものではなく、単純に鉄製エンジンよりも後に設計された為、CADシステムによる高度な剛性配分の最適化が適用された成果である。
高速度で摩擦するシリンダーとピストンに軟らかいアルミニウムを用いるために、摩擦面のアルミニウムに例えば珪素(Si)を加えて合金化する(ホンダ・プレリュードで採用された手法)をめっきするなど、耐摩耗性を高める工夫が必要となる。一般乗用車向けにはアルミニウム製エンジンブロックに従来の鋳鉄製シリンダーライナーを嵌め込み、鋳鉄製のピストンを使うことなどでコストダウンと軽量化のバランスをとったものが多い。
スポーツ志向のエンジンでは、ピストン、シリンダー共にアルミニウム合金(ピストンは鍛造品が使われる事も珍しくない)である。これは主運動系の軽量化と放熱性の向上が主目的で、エンジンは必然的に一般乗用車よりも厳しい条件で稼動する事を前提にして設計されている。シリンダーは内面にニッケル・セラミックによるメッキを施し、ピストンリングから受ける強い摩擦に耐える様にしている。またピストンとシリンダーのクリアランスは非常に狭く高精度に作られている。摺動部へのめっき処理はスループットが長く量産性に劣り、また従来の生産工程が利用できないこともあって一般にコスト高である。一般乗用車など汎用・普及エンジンでは鋳鉄材シリンダーライナーを利用することが多く、一方スポーツむけエンジンでは高価なライナーレス構造を採用している場合が多い。
近年ではさらなる軽量化を目的としてマグネシウム合金を用いたエンジンブロックがBMW社の直列6気筒エンジンに採用されている。