アルビレオ

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天球上のアルビレオの位置
右端下の赤い矢印の先

アルビレオ(英語:Albireo、β Cyg、β Cygni、ベータ・キュグニ、はくちょう座 β)は、はくちょう座のなかで、5番目に明るい星である。星座のなかの明るさの順序に応じて、ギリシア語アルファベットを当て嵌めたバイエル名において、「ベータ(第2字母)」となってはいるが、実際にはサドル(はくちょう座γ星)、ギェナー(はくちょう座ε星)、はくちょう座δ星よりも暗い星である。

キュグヌス(Cygnus)とはラテン語で「白鳥」の意味で、アルビレオは白鳥の頭部に位置しているため、英語では、beak star つまり「くちばしの星」と呼ばれることがある。アルビレオはまた、デネブ(α Cygni)、サドル(γ Cygni)、同デルタ(δ Cygni)、ギェナー(ε Cygni)と合わさって、五つの星で、「北十字星」を構成している。

目次

[編集] 名前の由来

アルビレオという名前は、間違った翻訳と誤解に起源する。この星の名は元々、アラビア語で、アル・ミンハル・アル・ダジャジャー(al-Minhar al-Dajajah)、つまり「雌鳥のくちばし」であった。ラテン語学者が、名前はハーブの一種に由来すると誤解し、「アブ・イレオー、ab ireo」(「イレウスより」の意)と翻訳した。後世、人々は、この記述はアラビア語の術語の誤写だと考え、これを間違って修正して、al-bireo と転写した。

[編集] 二重星

二重星であるアルビレオ

アルビレオは、地球より385光年、彼方にある。肉眼で見ると、アルビレオは単一の星のように見える。しかし、望遠鏡または双眼鏡で見ると、二重星であることがすぐに分かる。主星(明るい方=A)は金色で(見かけの等級3.1等)、伴星(暗い方=B)は青い星(見かけの等級5.1等)である。球面角で 34秒離れており、この二つの星の組は、色が異なるため、天球上で、もっともコントラストの鮮やかな二重星である(その美しさのため「北天の宝石」とも呼ばれ、宮沢賢治は「銀河鉄道の夜」でこの二つの星を、輪になって回るサファイアトパーズになぞらえている)。

この二重星はかつては、ただ光学的に見かけ上の二重星であって、真の連星系ではないと考えられていた。しかし、ヒッパルコス衛星の観測から、真の連星がそうであるように、遠く離れているにもかかわらず、共通重心をもつ連星系であるということが明らかになった[1]。 二つの恒星は約10万年の周期で公転しており、約6千億km(太陽系の大きさの約55倍に相当)以上離れている。

主星は、それ自身が連星である。1979年、C.E.ウォーレイはアメリカ海軍天文台の66cm望遠鏡を使い、主星から0.40秒角離れた位置に主星より1.5等級暗い星を確認している[2] 。この星の色は、金色とも、黄色ともオレンジ色とも表現される。このためアルビレオは恒星系としては、3重連星である。なお、今日では補償光学により主星と伴星の分離が可能となっている[3]


[編集] アルビレオを語源としている物

[編集] 脚注

  1. ^ p. 46, The Monthly Sky Guide, Ian Ridpath, Wil Tirion, Cambridge University Press, 2006, ISBN 0-521-68435-8.
  2. ^ Sky and Telescope 1980 March 59, 210
  3. ^ "Adaptive Optics Observations of Arcturus using the Mount Wilson 100-inch Telescope", PASP, 111. 556-558 (1999)