米国産牛肉

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米国産牛肉(べいこくさんぎゅうにく)とは、アメリカ合衆国を原産地とするか、またはアメリカ合衆国で加工された牛肉。約1億頭のが飼育され、年間約3500万頭の牛が牛肉として加工される。トウモロコシなどの穀物飼料が使われ、赤身で脂分が多いとされるグレインフェッド(穀物飼育)牛が80%を占める(一方オージービーフなどは赤身の割合が多いグラスフェッド(牧草飼育)牛が多い)。

米国農務省(USDA)による品質格付があり、プライム・チョイス・セレクト・スタンダード・コマーシャル・ユーティリティー・カッター・キャナーの8等級に格付けされる。

日本においては1991年に輸入が自由化された。主に、牛丼牛タンの原材料用に多用され、スーパーマーケットなどでも、時折、特売品として販売されることもある。

目次

[編集] 飼育

生後約1年ほど放牧場で飼育された後、フィードロットと呼ばれる大型生産農場に移され飼育される。飼育には6種類の成長ホルモン剤の使用が認められている(ホルモン剤を使っていることから米国産牛肉は輸入禁止としている国もある)。なお出生管理がされていないため厳密な個別識別がされず、月齢把握、トレーサビリティの面で問題が指摘されている。

[編集] 加工

食肉処理加工企業は「パッカー」と呼ばれ、タイソンフーズ、エクセル、スイフト、ナショナルビーフパッキングの4社(四大パッカー)がシェアの8割を占める。

[編集] BSE問題

1986年にイギリスでBSEが確認されたことをうけ、1990年に歩行困難な牛などを対象としたBSEサーベイランス(狂牛病監視・検査システム)を採用。1997年には肉骨粉の飼料への使用が禁止された。 2003年にアメリカで牛海綿状脳症(BSE)の発生が確認された。これにより日本韓国台湾などの輸入国では米国産牛肉の輸入が禁止となった。なお肉骨粉はなどへの飼料としては禁止されておらず、鶏糞などを餌にする(糖蜜飼育)ことによる感染の恐れが一部で指摘されている。

[編集] BSE問題の日本への影響

2003年の輸入禁止により、大手牛丼チェーンの一部は特盛の取り扱いを中止して消費量を抑制したが、2004年初頭に在庫が底を尽き、やがて牛丼の提供が停止される事態となった。また、牛丼のレトルトパックも販売が停止され、ネットオークションで高値をつける事態となった。他のメニューに切り替えて対応する他、他国産の牛肉に切り替えて牛丼の提供を再開するチェーンもあった。「すき家」はオージービーフ、「松屋」は中国産(後にオージーに切り替え)を用いて再開したが、当時の最大手「吉野家」では牛丼の販売が2006年6月当時、極く一部の店舗を除き中止されたままとなっていた。

輸入再開の条件として日本政府は全頭検査を求め、アメリカの生産団体の一部からも全頭検査をしたいと要望が出されたが、アメリカ政府はコスト高と、全頭検査を必要とする科学的根拠がない、との主張の下にこれを拒否し、より緩和した条件での再開を求めた。制裁を含めた強い圧力を受け、日本政府は再開を決定。2005年12月、生後20か月以下の牛に限り、危険部位を除去することを条件に、輸入が限定的に再開されたウィキニュース。国内の外食産業からは歓迎されたが、BSE感染例がなく異常プリオンが蓄積していないと見られることを理由に設定された基準であり、全頭検査を行わないことから根本的な解決がなされていない処置であるとして、消費者を中心に疑問の声があがっている。

輸入再開を決定するまでのプロセスが不透明であったことから、「米国産」のブランド価値の低下や、牛肉を含めた食の安全に対する信頼性の低下などが懸念されている。

2006年1月20日成田国際空港の動物検疫所で、BSEの特定危険部位の一つとされ、輸入が禁止されている脊柱の混入が見つかったことから、日本政府は再び輸入禁止を決めたウィキニュース。これは当該商品の検査を担当したアメリカの輸出牛肉検査官が日本向けの商品から脊柱を取り除かなければならないことを承知しておらずにそのまま輸出されたと伝えられ、アメリカでのBSE問題に対する杜撰な管理が露見する結果となった。輸出禁止措置が迅速に執られたため、アメリカ食肉協会は日本に対し厳しすぎると声明を出した一方で、日本の野党や消費者団体は「アメリカの生産者は日本国民の生命を蔑ろにしている」とアメリカ側を非難している。

その後、日本政府がアメリカの加工施設を査察し、2006年7月27日、安全性が確認された施設に限り輸入を再開することを正式決定した。その一方で、アメリカ側は既に、輸出可能な牛の条件を、生後30か月以下、に緩和するように求めている。

輸入再開にあたり、一部の人の間では強い人気を誇る存在となった牛丼を販売する大手飲食店では、「吉野家」は米国産牛肉を使用した商品の提供を決め、2006年9月中旬より数量限定、メニュー限定(特盛り、牛皿を扱わない)、店舗限定で販売を再開し、徐々に販売量を増やしていきたいとしている。「松屋」は検討中、「すき家」は安全性の懸念から、当面見送りを表明するなど、対応が分かれている。「すき家」を経営する「ゼンショー」からは、米国産牛肉を使用する事に対して批判のコメントも出されている。大手スーパーも取り扱い再開には慎重な姿勢の社が多い。その中で西友は、大手スーパーの先陣を切って2007年3月31日から一部店舗で販売を再開すると発表した[1]。読売新聞によれば、販売再開の背景には、現在の親会社であるウォルマートの意向の影響が指摘されている。[2] 2007年4月6日、神戸港で衛生証明書に記載がない冷蔵タンが混入と発表された。2007年4月24日、現地査察で問題のない施設から輸入した牛肉の全箱検査を終えることで日米両政府が合意した。

[編集] その他

2006年12月に韓国に輸入された牛肉から同国の規制値を上まわるダイオキシンが検出され、検疫不合格となり廃棄された。

[編集] 関連団体

  • 全米肉牛生産者・牛肉協会(NCBA):全米最大の生産者団体
  • アメリカ食肉協会(AMI):全米最大の食肉業界(加工業者・パッカー)団体

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク