アメリカ海兵隊総司令官

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海兵隊総司令官旗

アメリカ海兵隊総司令官(アメリカかいへいたいそうしれいかん、 Commandant of the United States Marine Corps 略称CMC)は、アメリカ海兵隊において軍人が任命される最高位の職位である。

この職は、海軍長官(文官)の直属で、海軍作戦部長(海軍軍人最高位)と同格であり、1775年11月28日サミュエル・ニコラスがアメリカ海兵隊の前身である大陸海兵隊の総司令官に就任して以来、大陸海兵隊の解散による中断期間があったものの、200年以上その名を変えていない伝統ある職である。

また、この職に大将が充てられるようになったのは、1945年3月21日に議会が承認した海兵隊総司令官は大将が務めることとする法令によって、1945年4月4日、当時の第18代海兵隊総司令官アレクサンダー・A・ヴァンデグリフト中将が大将に昇進してからであり、創設から1890年頃までの海兵隊総司令官は、主に佐官が任命されていた。

現在の海兵隊総司令官は、ジェームズ・F・エイモス大将(第35代)である。エイモス大将は戦闘機パイロット出身であり、第34代総司令官のジェームズ・T・コンウェイ大将に至るまで長らく地上部隊出身者が占めていた海兵隊総司令官のポストに、飛行部隊出身者・戦闘機パイロット出身者として初めて就任した人物である。

海兵隊総司令官の職務[編集]

海兵隊総司令官の基本的な職務は、アメリカ海兵隊の最高指揮官かつ最高責任者として組織を統率し、戦備を整える責任を負い、その象徴として崇高なる尊厳を保つことである。ただし、海兵隊総司令官職はアメリカ独立戦争以来、200年以上にわたって名称を変えずに維持され続けてきたため、時代ごとに職務の詳細は違ってきている。

初期の海兵隊総司令官は、直接兵力を率いて前線で作戦の指揮に当たることもあったが、「Marine Barracks」と呼ばれる海兵隊司令部の建物が機能するようになると、そこで総司令官の職務を行い、作戦の指揮を執るようになった。

1947年統合参謀本部が創設され、その構成員として大統領に助言する責任を負うようになってからは、統合参謀本部の構成員である他の参謀総長や作戦部長と同じく、作戦上の指揮権を有しなくなり、作戦の指揮に当たることはなくなった。

なお、内部に海兵隊総司令官より現役の先任者がいたとしても、海兵隊総司令官がアメリカ海兵隊の最高指揮官であり、最高責任者である。

歴代海兵隊総司令官[編集]

代数 写真 氏名 任命時階級 任命 退任 備考
初代 black & white portrait of Samuel Nicholas サミュエル・ニコラス 大尉[1] 1775年11月28日 1783年8月27日 大陸海兵隊時代の総司令官
第2代 black & white portrait of William W. Burrows ウィリアム・W・バローズ 少佐[2] 1798年7月12日 1804年3月6日 海兵軍楽隊の創設者
第3代 black & white portrait of Franklin Wharton フランクリン・ウォートン 中佐 1804年3月7日 1818年9月1日
職務代理 black & white portrait of Archibald Henderson アーチボルド・ヘンダーソン 中佐 1818年9月16日 1819年3月2日
第4代 アンソニー・ゲール 中佐 1819年3月3日 1820年10月16日 総司令官在職中に懲戒免職になった唯一の総司令官
第5代 black & white portrait of Archibald Henderson アーチボルド・ヘンダーソン 大佐 1820年10月17日 1859年1月6日 記録上、在任期間が最も長い総司令官
第6代 black & white photograph of John Harris ジョン・ハリス 大佐 1859年1月7日 1864年3月12日
第7代 black & white photograph of Jacob Zeilin ジェイコブ・ゼイリン 准将 1864年6月10日 1876年10月31日
第8代 black & white photograph of Charles G. McCawley チャールズ・G・マッコーリー 大佐 1876年11月1日 1891年1月29日 現在のアメリカ海兵隊のモットー「常に忠誠を」を定めた総司令官
第9代 black & white portrait of Charles Heywood チャールズ・ヘイウッド 少将 1891年1月30日 1903年10月2日
第10代 black & white portrait of George F. Elliott ジョージ・F・エリオット 少将 1903年10月3日 1910年11月30日
第11代 black & white photograph of William P. Biddle ウィリアム・P・ビドル 少将 1911年2月3日 1914年2月24日
第12代 black & white portrait of George Barnett ジョージ・バーネット 少将 1914年2月25日 1920年6月30日
第13代 black & white portrait of John A. Lejeune ジョン・A・レジューン 少将 1920年7月1日 1929年3月4日
第14代 black & white portrait of Wendall C. Neville ウェンデル・C・ネビル 少将 1929年3月5日 1930年7月8日 名誉勲章受章者
第15代 black & white photograph of Ben H. Fuller ベン・H・フラー 少将 1930年7月9日 1934年2月28日
第16代 black & white photograph of John H. Russell, Jr. ジョン・H・ラッセル・Jr 少将 1934年3月1日 1936年11月30日
第17代 black & white photograph of Thomas Holcomb トーマス・ホルコム 中将 1936年12月1日 1943年12月31日
第18代 black & white photograph of Alexander A. Vandegrift アレクサンダー・A・ヴァンデグリフト 中将[3] 1944年1月1日 1947年12月31日 名誉勲章受章者
第19代 black & white photograph of Clifton B. Cates クリフトン・B・ケイツ 大将 1948年1月1日 1951年12月31日
第20代 black & white photograph of Lemuel C. Shepherd, Jr. ラミュエル・C・シェパード・Jr 大将 1952年1月1日 1955年12月31日
第21代 black & white photograph of Randolph M. Pate ランドルフ・M・ペイト 大将 1956年1月1日 1959年12月31日
第22代 black & white photograph of David M. Shoup デビット・M・シャウプ 大将 1960年1月1日 1963年12月31日 名誉勲章受章者
第23代 black & white photograph of Wallace M. Greene, Jr. ウァレス・M・グリーン・Jr 大将 1964年1月1日 1967年12月31日
第24代 black & white photograph of Leonard F. Chapman, Jr. レナード・F・チャップマン 大将 1968年1月1日 1971年12月31日
第25代 black & white photograph of Robert Everton Cushman, Jr. ロバート・E・クッシュマン・Jr 大将 1972年1月1日 1975年6月30日
第26代 Color of Louis H. Wilson, Jr. ルイス・H・ウィルソン・Jr 大将 1975年7月1日 1979年6月30日 名誉勲章受章者
第27代 color photograph of Robert H. Barrow ロバート・H・バロウ 大将 1979年7月1日 1983年6月30日
第28代 Color photograph of Paul X. Kelley ポール・X・ケリー 大将 1983年7月1日 1987年6月30日
第29代 color photograph of Alfred M. Gray, Jr., the only Marine in this list wearing utilities instead of a service or dress uniform アルフレッド・M・グレイ 大将 1987年7月1日 1991年6月30日
第30代 color photograph of Carl E. Mundy, Jr. カール・E・マンディ 大将 1991年7月1日 1995年6月30日
第31代 color photograph of Charles C. Krulak チャールズ・C・クルラク 大将 1995年7月1日 1999年6月30日
第32代 color photograph of James L. Jones ジェームズ・L・ジョーンズ 大将 1999年7月1日 2003年1月12日
第33代 color photograph of Michael W. Hagee マイケル・W・ヘギー 大将 2003年1月13日 2006年11月13日
第34代 color photograph of James T. Conway ジェームズ・T・コンウェイ 大将 2006年11月14日 2010年10月22日 2011年6月17日旭日大綬章受章
第35代 Official portrait from Amos, 2010 ジェームズ・F・エイモス 大将 2010年10月22日 在任中 創設以来、初の航空機搭乗員出身者の総司令官
  1. ^ 1776年6月25日、大陸会議の承認によって少佐に昇進した。
  2. ^ 1800年5月1日中佐に昇進した。
  3. ^ 1945年3月21日に連邦議会が承認した海兵隊総司令官は大将が務めることとする法令によって、1945年4月4日、大将に昇進した。

歴代海兵隊総司令官時系列[編集]

ジェームズ・エイモス ジェームズ・コンウェイ マイケル・ハギー ジェームズ・L・ジョーンズ チャールズ・クルラク カール・マンディ アルフレッド・グレイ ポール・X・ケリー ロバート・バロウ ルイス・ウィルソン・ジュニア ロバート・クッシュマン・ジュニア レナード・チャップマン ウァレス・グリーン・ジュニア デビット・シャウプ ランドルフ・ペイト ラミュエル・シェパード・ジュニア クリフトン・ケイツ アレクサンダー・ヴァンデグリフト トーマス・ホルコム ジョン・ラッセル・ジュニア ベン・フラー ウェンデル・ネビル ジョン・レジューン ジョージ・バーネット ウィリアム・ビドル ジョージ・F・エリオット チャールズ・ヘイウッド チャールズ・マッコーリー ジェイコブ・ゼイリン ジョン・ハリス アンソニー・ゲール アーチボルド・ヘンダーソン フランクリン・ウォートン ウィリアム・バローズ サミュエル・ニコラス

関連項目[編集]

  • 直接関係のある機関
  • 直接関係のある役職
  • アメリカ軍の他の軍種の最高職位

外部リンク[編集]