アメリカ合衆国憲法修正第23条

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アメリカ国立公文書記録管理局に保管されているアメリカ合衆国憲法修正第23条

アメリカ合衆国憲法修正第23条(アメリカがっしゅうこくけんぽうしゅうせいだい23じょう、英:Twenty-third Amendment to the United States Constitution、あるいはAmendment XXIII)は、アメリカ合衆国コロンビア特別区について、アメリカ合衆国大統領副大統領を選ぶ選挙人を選出することを認めている。この修正条項は1960年6月17日アメリカ合衆国議会によって提案され、1961年3月29日に必要とされる数の州によって批准され、成立した。

原文[編集]

第1節 合衆国政府の所在地を構成する地区は、連邦議会の定める方法により、もし同地区が州であると仮定すれば連邦議会に送ることのできる上院および下院の議員総数と等しい数の選挙人を選任する。ただし、その数は、いかなる場合にも、人口の最も少ない州の選任する選挙人の数を超えてはならない。同地区任命の選挙人は、各州任命の選挙人に加えられ、大統領および副大統領の選挙の目的のためには、各州選任の選挙人とみなされ、同地区に会合して、修正第十二条の規定する義務を履行するものとする。

第2節 連邦議会は、適当な法律の制定によって、本条を施行する権限を有する。

背景[編集]

1960年時点で、コロンビア特別区は全米50州のうち13州より多い人口を抱えていた。しかし、アメリカ合衆国大統領選挙の選挙人を選ぶ権限が無かった。この問題がこの修正条項で提起された。コロンビア特別区は、現在アメリカ合衆国議会が指示する方法で、州の人口に応じた数の選挙人を選出できるが、各州は選挙人だけでなく、アメリカ合衆国議会に上院議員と下院議員を選出できる。しかし、コロンビア特別区は、一番人口の少ない州の選挙人の数を越えて選挙人を選ぶことは如何なる場合も許されない。ワイオミング州が人口の最小州(2000年の国勢調査では50万人に満たない)であり、3名の選挙人を選べるだけなので、コロンビア特別区は現在最大3名の選挙人を選べるように制限されている。1964年から1980年までの大統領選挙では、コロンビア特別区の人口を元に計算すると4人の選挙人を持てるはずだったが、修正条項の制限によってそれが1人少ない割り当てになり、1980年の国勢調査によるコロンビア特別区と他の州の人口によって、現在では3人の選挙人を持つということになっている。

この修正条項はコロンビア特別区を州とするものではなく、アメリカ合衆国議会での代表権も認めていない。1978年、議会はコロンビア特別区に選挙人、下院議員、上院議員を選ばせ、州と同様に修正過程(憲法第5条)に参加させるという憲法修正条項を提案した。しかしこの修正条項は1985年の成立期限までに必要とされる4分の3の州によって批准されず、成立しなかった。

提案と批准[編集]

アメリカ合衆国議会は修正第23条を1960年6月17日に提案した[1]。続いて次の州が批准した。

  1. ハワイ州 (1960年6月23日)
  2. マサチューセッツ州 (1960年8月22日)
  3. ニュージャージー州 (1960年12月19日)
  4. ニューヨーク州 (1961年1月17日)
  5. カリフォルニア州 (1961年1月19日)
  6. オレゴン州 (1961年1月27日)
  7. メリーランド州 (1961年1月30日)
  8. アイダホ州 (1961年1月31日)
  9. メイン州 (1961年1月31日)
  10. ミネソタ州 (1961年1月31日)
  11. ニューメキシコ州 (1961年2月1日)
  12. ネバダ州 (1961年2月12日)
  13. モンタナ州 (1961年2月6日)
  14. サウスダコタ州 (1961年2月6日)
  15. コロラド州 (1961年2月8日)
  16. ワシントン州 (1961年2月9日)
  17. ウェストバージニア州 (1961年2月9日)
  18. アラスカ州 (1961年2月10日)
  19. ワイオミング州 (1961年2月13日)
  20. デラウェア州 (1961年2月20日)
  21. ユタ州 (1961年2月21日)
  22. ウィスコンシン州 (1961年2月21日)
  23. ペンシルベニア州 (1961年2月28日)
  24. インディアナ州 (1961年3月3日)
  25. ノースダコタ州 (1961年3月3日)
  26. テネシー州 (1961年3月6日)
  27. ミシガン州 (1961年3月8日)
  28. コネチカット州 (1961年3月9日)
  29. アリゾナ州 (1961年3月10日)
  30. イリノイ州 (1961年3月14日)
  31. ネブラスカ州 (1961年3月15日)
  32. バーモント州 (1961年3月15日)
  33. アイオワ州 (1961年3月16日)
  34. ミズーリ州 (1961年3月20日)
  35. オクラホマ州 (1961年3月21日)
  36. ロードアイランド州 (1961年3月22日)
  37. カンザス州 (1961年3月29日)
  38. オハイオ州 (1961年3月29日)

批准は4分の3の州の批准により1961年3月29日に完了した。この修正条項は後に次の州によっても批准された。

  1. ニューハンプシャー州 (1961年3月30日、同じ日に撤回)
  2. アラバマ州 (2002年4月16日)

この修正条項は次の州によって拒絶された。

  1. アーカンソー州 (1961年1月24日)

脚注[編集]

  1. ^ Mount, Steve (2007年1月). “Ratification of Constitutional Amendments”. 2007年2月24日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]