アメリカン・ラット・テリア

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Lucy, a Rat Terrier.jpg

アメリカン・ラット・テリア(英:American Rat Terrier)は、アメリカ合衆国原産のテリア犬種である。単にラット・テリアと呼ばれることがあるが、絶滅した本種の原種であるイングリッシュ・ラット・テリアとの混同を避けるため、原産国名を冠した呼称を採用している。

別名はスクウィレル・テリア(英:Swuirel Terrier)。テディ・ルーズベルト・テリアは本種の兄弟種で、アメリカン・ヘアレス・テリアは本種の子分種である。

歴史[編集]

1890年代にアメリカへ渡ってきたイングリッシュ・ラット・テリアをこの地の狩猟スタイルや気候等に合うように改良して作られた犬種で、改良にはウィペットビーグルダックスフントなどが使われた。その結果、脚の長いAタイプと短いBタイプと呼ばれる2つの犬種が出来上がった。このうち、脚の長いAタイプの犬が現在のアメリカン・ラット・テリアで、脚の短いBタイプの犬がテディ・ルーズベルト・テリアになった。アメリカン・ラット・テリア及びテディ・ルーズベルト・テリアの人気を高めた最大の愛好家は元米国大統領セオドア・ルーズベルトである。彼は本種の原種のイングリッシュ・ラット・テリアの愛好家でもあり、それによりアメリカン・ラット・テリアとテディ・ルーズベルト・テリアの熱烈なファンでもあった。安定したブリーディングと知名度向上に大きく尽力し、アメリカン・ラット・テリアとテディ・ルーズベルト・テリアをそれぞれ使って狩猟ゲームを行ったことにより注目を浴びるようになった。

アメリカン・ラット・テリアは犬種名の通り農場でネズミを狩るのに使われていたが、スクウィレル・ドッグ(リス猟用のツリーイング・ドッグ)としてリスを木の上に追い詰めるのにも使われていた。又、性格の明るさから知名度上昇後はペットとしても飼われるようになった。犬種クラブも存在し、愛好家も多い犬種ではあるがFCIへの申請はまだ行われていない。原産国では著名な犬種ではあるが、他国ではあまり知られていない犬種である。

特徴[編集]

地上でネズミを捕らえるタイプのテリアであるため、脚が長くすらりとした体形をしている。マズルは細く短めであるが、狩猟時にネズミを噛む力はとても強い。ボタン耳・垂れ尾だが尾は短めに断尾することもある。コートはスムースコートで、毛色はホワイトの地に茶色やブラックなどのマーキングがあるものなど。サイズ階級はスタンダードミディアムトイの3段階があり、スタンダードサイズのものは体高35.5~58.5cm、体重5.5~16kgの中型犬、ミディアムサイズのものは体高20~35.4cm、体重3~3.5kgの小型犬、トイサイズのものは体高20cm以下、体重2~3kgの小型犬である。性格はやや大人しいが明るく、好奇心旺盛である。又、穴を掘るのが大好きで、ネズミを狩ることが得意である。このため、ペットのネズミ(ハツカネズミハムスターなど)等は絶対に近づけないようにするべきである。もともとの使役上、リスも追い回すため一緒にしない方が良い。

参考[編集]

  • 『デズモンド・モリスの犬種事典』デズモンド・モリス著書、福山英也、大木卓訳 誠文堂新光社、2007年
  • 『日本と世界の愛犬図鑑2009』(辰巳出版)藤原尚太郎編・著

関連項目[編集]