アベンジャーズ (マーベル・コミック)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

アベンジャーズ (Avengers) は、マーベル社が発行するアメリカン・コミックスにおいて活躍するヒーローチームである。

1963年に「それぞれ違う能力を持ったヒーローたちが協力して戦う」というコンセプトのもとに、すでに個別で(独立して)活躍していたヒーローたちによって結成されて以来、マーベル・ユニバース最大のヒーローチームとして人気を博し、現在に至る。その特性からして、ライバルであるDCコミック社のヒーローチーム ジャスティス・リーグ(JLA)に対抗して作られたとも見ることが出来る。

目次

[編集] 特徴

アベンジャーズのヒーローチームとして特徴的な点は、基本的に家族だけで構成されるファンタスティック・フォーやミュータント限定のX-メンとは異なり、ヒーローであること以外参加条件がほとんどない、ということである。そのため、個人で主役を張るタイトルを持っているようなキャラクターからマイナーなキャラクターまで、非常に多くのヒーローが在籍経験を持ち(入ってすぐに離脱することも珍しくない)、またそのチームとしての拡張性の高さがこのチームの魅力でもある。

近年、本部の破壊、致命的な経済難などの打撃を受け、解散を余儀なくされるがその後、新たなメンバーを編入してニュー・アベンジャーズ (New Avengers) として再結成され、活動を再開した。

現在は意見の対立から政府公認のマイティ・アベンジャーズと非公認のシークレット・アベンジャーズに分裂している。

[編集] 主なキャラクター

[編集] 主要メンバー

[編集] ビッグ3

以下の3人はアベンジャーズの中核を成すメンバーであり、俗に「ビッグ3」と呼ばれる。

キャプテン・アメリカ
本名:スティーブ・ロジャース
第二次世界大戦時代にナチス・ドイツ大日本帝国相手に戦うヒーローであったが、大戦終結直前にナチスの核ミサイルを阻止する際に北極の海に投げ出され、死亡したと思われていた。その後1960年代になってサブマリナーによって仮死(冷凍睡眠)状態で発見され、復活。その卓越したリーダーシップにより、アベンジャーズのリーダーとなる(最初の途中参入メンバーでもある)。
ひ弱な青年であったが愛国者で、大戦でアメリカのために戦うため兵に志願したが体力不足で失格。超人兵士計画に志願し、超人血清の力で人間としては最高レベルの運動能力を与えられる。超人級の怪力や超能力こそ持ち合わせていないが、その豊富な経験や知識、機転を生かして戦う。また、唯一の武器であるシールド(円形の盾)は特殊合金ヴィヴラニウム製で軽量かつ非常に頑丈で、防御以外にもフリスビーのように投擲しての攻撃も得意技である。自分が生きていた1940年代と現代とのギャップに戸惑いながらも悪と戦い続けている。普段は画家をしている。
ソー
アベンジャーズの創設メンバーの一人。
北欧神話の雷神トール(ソーとはトールの綴り「Thor」の英語読み)。
父である神オーディンによって謙譲の美徳を学ぶために足の不自由な医師ドナルド・ブレイクに転生させられ、人間界に落とされたが、魔法のハンマームジョルニア(これもミョルニルの綴り「Mjölnir」の英語読み)を取り戻したことをきっかけに雷神としての力を取り戻し、ヒーロー活動を始めた。ちなみに、アベンジャーズ結成のそもそものきっかけは彼の弟ロキの策謀によるものである。
マーベル世界屈指の超人級の怪力・耐久力・その他の能力を持つが、それに加えて魔法のハンマー・ムジョルニア由来の飛行能力、次元移動やテレポーテーションが可能。
アイアンマン
本名:トニー・スターク
アベンジャーズ創設メンバーの一人。
若くして大企業の社長にして天才科学者。心臓に受けた銃創のためのペースメイカーとともにバトルアーマーも開発、それを着込んでヒーロー活動を始める。ヘンリー・ピム(後述)とともにチームの頭脳を勤める一方、表の顔トニー・スタークとしてはアベンジャーズに多額の寄付をして金銭面も支える、公私共にチームにとってなくてはならない人物である。
そのバトルアーマーには最新のハイテク技術が満載されており、ジェット推進による飛行・ソーにも劣らぬ怪力・両手からは「リパルサー・レイ」と呼ばれる光線・胸部からのビーム・レーダー・サーチライト・ステルス機能などがその一例である。さまざまな数え方があるが、現在のアーマーは推定10代目。宇宙用アーマーといった特殊タイプも多い。

[編集] ビッグ3以外のメンバー

ヘンリー(ハンク)・ピム
アベンジャーズ創設メンバーの一人。
天才的頭脳の持ち主にして世界的生化学者。トニー・スタークと並びチームの頭脳である。ワスプとは恋人。
彼自身が発見した、物質を縮小させる粒子を使って作った薬を体内に注入することによってとほぼ同サイズにまで小さくなることが出来る。更に後にその薬には物質を巨大化させる効果も存在することを発見。これらの能力を生かしてヒーロー活動を行っている。現在に至るまでに何度かコスチュームと名前を変えている。以下一覧。
アントマン
縮小能力。最初に活動を開始したときの姿。蟻と心を通わせられるヘルメットを開発し、戦いに際しては落とし穴を掘るなど蟻の大群の力を借りる。
ジャイアントマン
巨大化能力。最大約30mまで巨大化することができる。アントマンから直接ジャイアントマン化も可能。
ゴライアス
巨大化能力。コスチュームと名前を変更。
イエロージャケット
縮小、および巨大化能力。いつもは内気な性格のヘンリーが精神分裂症で人格が変わった姿。一転して積極的で少々強引な性格。武器としてワスプと同様のバイオスティング。現在は精神分裂症は治まっている。
ワスプ
本名:ジャネット・ピム。旧姓ジャネット・ヴァン・ダイン
アベンジャーズ創設メンバーのスーパーヒロイン。
ハンク・ピムの恋人だが、活発な彼女とおとなしいハンクとはすれ違いやトラブルも多い。父の仇を討つためにハンクから装備をもらい、以来、アントマン(ハンク)と活動を続けている。
アントマン(ハンク)のものと同じ縮小化薬・虫の翅に似せた飛行ユニット・体内電気を凝縮して打ち出す武器(バイオスティング)を装備している。
ハルク
本名:ブルース・バナー
天才科学者。ガンマ線に被爆したことにより、怒りを感じると全身緑色の巨人ハルクに変身するようになってしまった。ハルクの姿の時には本能のままに暴れ続けるため、ヒーローというよりはモンスターに近い、微妙な立場にある。一応アベンジャーズ創設メンバーだが、チームと折り合いがつかなくなりチーム結成の次の号で早くも離脱。現在もほとんどのヒーローとは和解できないでいる。
その怪力は地上最強と言っても良く、ソーやアイアンマンをも凌ぎ、彼と力でやりあえる相手はごく少数。また体の耐久力、強靭さも尋常ではなく、全裸での大気圏突破、再突入をも可能にする。脚力も素晴しく、一回のジャンプでとてつもない距離を跳び、これを繰り返してかなりの長距離を移動できる。これらの能力は怒りの度合いに比例して増大する。
ホークアイ
本名:クリント・バートン
サーカスで育ち、そこで無類の弓矢の腕を身につける。短気で無鉄砲で自信過剰のきらいがあり、リーダーのキャップ(キャプテン・アメリカ)に突っかかることも。最近はそこそこベテランになり、落ち着きも出てきた。ウェストコースト・アベンジャーズのリーダーを務めたこともある。スーパーパワーは全くないが、弓矢の腕前との先端に仕込んださまざまなギミックで戦う。
スカーレット・ウィッチ
本名:ワンダ・マキシモフ・レーンシャー
X-メンの宿敵であるマグニートーの実の娘で、クイックシルバーの姉。登場当初は弟と共に父(当時は親子関係については双方気づいていなかった)の下でヴィラン(悪役)をしていたが、マグニートーのやり方についていけなくなり、弟クイックシルバーとともにアベンジャーズ入りする。
その能力は、力場を作り出し、ヘックスパワーと呼ばれる力で通常ではありえない事象を起こす現実改変能力、いわば魔法である。これを駆使すれば、敵を爆発させることも味方を生き返らせることも歴史を書き換えることも地球を滅ぼすことも再生させることも可能。アベンジャーズメンバーのヴィジョン(後述)と結婚。
その能力を暴走させ、地球上から90%以上のミュータントの能力を奪い去る(ハウス・オブ・M事件)。その後、それに心を痛め、死ぬために彷徨う。
クイックシルバー
本名:ピエトロ・マキシモフ・レーンシャー。スカーレット・ウィッチの弟で、マグニートーの実の息子。
姉とともにアベンジャーズ入り。姉思いの性格。音速で走ることができる。

[編集] その他のメンバー

ブラックパンサー
本名:ティチャラ
アフリカの小国ワカンダの国王で、数少ない黒人ヒーロー。国での王務をこなすかたわら、暇を見つけては渡米してアベンジャーズの一員として戦っている。常人離れした身体能力を持つ。
近年、X-メンのストームと結婚した。
ヴィジョン
偽名:ビクター・シェイド
アントマンの宿敵ウルトロンの企みによって作られたアンドロイド。機械であるにもかかわらず、自己犠牲の精神と優しい心を持っているため、ウルトロンを裏切ってアベンジャーズに加入する。体の分子構造を変え、非実体化して空を飛んだり、逆にとてつもなく重く硬くなることができる。
スカーレット・ウィッチと機械と人間の壁を越えて結婚していたが、彼女の能力の暴走により死亡。
ハーキュリース
ギリシャ神話の半神ヘラクレス(ハーキュリースとはヘラクレス「Hercules」の英語読み)。
豪放磊落な性格で、ソーとは似た境遇同士友情で結ばれている。
ソーにも劣らぬ怪力を持ち、魔法の金属“アダマント”でできた武器のメイスはムジョルニアとも互角の力を持つ。また円盤投げ、レスリングなどの古代ギリシャのスポーツにも長けている。
ブラックウィドウ
本名:ナターシャ・ロマノフ
ロシアのロマノフ王朝の末裔。かつてはスパイとして活動していたが、ヒーローに転身。一時リーダーを務めたこともある。
全くの常人で、なんら超能力を持たないが、オリンピック選手並みの身体能力、スパイとしての経験、さまざまな装備を仕込んだ手首の“ウィドウズバイト”などを駆使して活躍している。
ビースト
本名:ハンク・マッコイ
X-メンのメンバー。70年代後半にはスカウトされ、アベンジャーズの中心メンバーとして活躍していた(詳しくはこちら)。ジーン・グレイがダーク・フェニックスと化してX-メンがピンチに陥った際、アベンジャーズの仲間に無断でチームを抜け、X-メンを助けた。以後、再びX-メンとして活躍している。

その他のメンバーは、List of Avengers members(英語版ウィキペディア)を参照。

[編集] 主な敵

ロキ
征服者カーン
タイムマシンを操る未来人。
ウルトロン
オンスロート

[編集] マスターズ・オブ・イーヴル

バロン・ジーモ
本名:ハインリッヒ・ジーモ(Heinrich Zemo)
元はナチスドイツの兵器開発責任者で、殺人光線「デス・レイ」や強力接着剤「アドヒシヴX」などを開発して戦時中のキャプテン・アメリカを苦しめた。

[編集] その他のキャラクター

ニック・フューリー
アメリカの秘密組織 S.H.I.E.L.D. の長官で、超人の関わる事件に数多く対処している、眼帯と葉巻がトレードマークな渋い男。そのためアベンジャーズやその他のヒーロー・ヴィランに関わることが非常に多い。
第二次世界大戦の時には軍曹として数々の戦功を挙げていた。彼本人は超人ではないが、超人血清の効力で普通の人間より長命になっている。

[編集] アルティメッツ (Ultimates)

現行のマーベル・コミックの世界観マーベル・ユニバースは、戦前から連綿と続いている上に、地獄・北欧神話の世界・果ては無限に存在する異世界によって成り立っており、非常にややこしい世界観となっている。

その上、商業上の都合から人気キャラが死亡しても一定の期間がたつと「死んだのはクローンで、本物は生きている」や、「死後の世界から帰ってきた(物語の舞台として死後の世界も存在するのでそういうことも出来る)」といった後付けの設定で当たり前のように復活してしまう等、別の意味で壮大になり過ぎて新規ファンの獲得が難しいのが現状であり、また、昔のセンスでデザインされたコスチュームや設定は現代の目で見ると多少難がある。

そのため、現行のマーベル・ユニバースとは別に、アルティメット・ユニバースという新しい世界観を舞台にしたコミックシリーズが2000年9月から新たにスタートした。このシリーズでは各キャラクターのコスチューム・設定・世界観ストーリーの内容等が現代風にアレンジされ、全く独立したストーリー展開で新規ファンの獲得を狙っている。

その内の一つがアベンジャーズを元にした『アルティメッツ』である。アメリカの秘密組織 S.I.E.L.D. に所属する、ニック・フューリー率いる超人特殊部隊という設定になっており、メンバーはキャプテン・アメリカソー(神なのか、雷神の名前をコードネームとしているだけなのかは謎という事になっている)、アイアンマンジャイアントマンワスプ、後からホークアイクイックシルバースカーレット・ウィッチも加入している(ハルクもこちら側の人間だが、変身すると分別が付かなくなるため、現在隔離されている)。

現在、ミニシリーズである『Ultimates Vol.1』『Ultimates Vol.2』『Ultimates2 Vol.1』『Ultimates2 Vol.2』までが刊行され、『アルティメット X-メン』や『アルティメット スパイダーマン』でもゲスト出演、スパイダーマンと競演したクロスオーバー『Ultimate Six』等も刊行されている。以下、月間シリーズこそないが事あるごとにミニシリーズが刊行されている。

[編集] 映像化作品

  • Ultimate Avengers シリーズ(2006年 カートゥーン
    アベンジャーズを現代風にアレンジしたコミックアルティメッツを元にしてアニメ映画化。各キャラクターのデザインが現代風になり、各設定も変更が加えられたオリジナルストーリー。
    • Ultimate Avengers
    • Ultimate Avengers 2

[編集] 外部リンク