アビジン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アビジン (Avidin) は生卵白中に存在する低分子の塩基性糖タンパク質で、4個のサブユニットから構成される。各サブユニットは1分子のビオチンと結合する。

ビオチンとの関係[編集]

アビジンのビオチンに対する親和性は非常に高く、ビオチンの腸管からの吸収を阻害するため、動物実験では生卵白の大量投与でビオチン不足とすることができる。

ビオチンは腸内細菌によって作られることもあって、かつてはヒトではビオチン不足に陥ることはないと考えられていた。しかし、抗生剤の服用などによって腸内細菌に影響を及ぼすこともあり、またビオチンの血中濃度が特別に低くもない患者にビオチン不足と思われる症状がみられるとき、ビオチンの大量投与で症状が緩和されたり治癒した場合もある。このことから、アビジンに関係なくビオチンの利用率には大きな個体差があるという説も出ている。

応用[編集]

ビオチンとアビジンの親和力は通常の抗原抗体反応の 100 万倍以上も強く、 ほとんど不可逆的な結合を形成するため、免疫や細胞膜の研究用試薬、あるいはがんなどの検査用試薬、さらにはモノクローナル抗体と制がん剤を結びつけてがん細胞のみを直撃するミサイル療法製剤への適用などへの応用がある。

類似のタンパク質には、ストレプトマイセスの1種から得られるストレプトアビジンがあり、これも研究用試薬として用いられている。

関連項目[編集]