アヒージョ

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海老のアヒージョ

アヒージョ西: ajillo)は、オリーブオイルニンニクで食材を煮込むスペイン料理

概要[編集]

マドリード以南の代表的な小皿料理(タパス)で、カスエラ(耐熱の陶器)にて熱したオリーブオイルごと提供される。また、マドリード以北でも提供しているバル(飲食店、酒場)は多い。

素材は魚介類を中心に海老牡蠣イワシタラエスカルゴマッシュルームチキン砂肝野菜など多種多様で、熱が通った具材をそのまま食すのと併せ、必ずバゲットチュロスをオリーブオイルに浸して食べる[注 1]

呼び名について[編集]

「アヒージョ」とはスペイン語で「小さなニンニク[注 2]を意味する言葉であるが、日本では料理自体を「アヒージョ」という。また、スペインにおいて料理名は「○○ (食材名)・アル・アヒージョ (al ajillo)」(日本語で「○○ (食材名)のアヒージョ」)という意味の呼び方をする[注 3]

ちなみに、「アヒージョ」という言い方はジェイスモの発音であり、ジェイスモではない場合は「アヒーリョ」となる。ジェイスモでも違う発音では「アヒーヨ」となる。

一般的な作り方[編集]

材料
作り方
  1. 素材の下ごしらえをする。
  2. ニンニクをスライス、または微塵切りにする。
  3. カスエラにオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪、塩を入れ、火にかける。
  4. ニンニクが少し色付いたら素材を入れる。
  5. 海老のアヒージョにはシェリー酒を仕上げに入れる[注 4]

小ぶりのアヒージョ用鍋などを使って調理することが多いが、日本においては、家庭用たこ焼き器やたこ焼きプレート付きホットプレートを利用した卓上調理も見受けられる[2]

代表的な素材[編集]

ピルピル (pil-pil)[編集]

バカラオ・アル・ピル・ピル

同様の料理にバスク料理ピルピルがある。

アヒージョとの違いはドロドロになるまで弱火で煮詰め乳化させて調理する事。調理時間の差や鷹の爪が微塵切りになる、素材となる材料が魚など諸説がある。

基本材料はニンニクと鷹の爪とオリーブオイルと塩漬けの鱈を鍋に入れ、弱火で鍋を回しながら白っぽく乳化してきたら完成である[3]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 日本でバルを営むスペイン出身のガルシア親子は「アヒージョはバゲットやチュロスと一緒でないと成立しない料理」と指摘している[1]。「日本の"スペインバル"はスペインの食文化を日本に伝える方法を間違っている」といい、「スペインの食文化の意味まで勝手に変えてしまっている」という[1]。「パンはスペインの主食であり、スペインではパエリアだってパンと一緒に食べるから、注文しなくてもパンが一緒に出てきて当然。スペインの主食の扱い方すら理解していないようなら「バル」を名乗る資格はない」と指摘している[1]
  2. ^ 正確には「刻んだニンニク」を表わす。
  3. ^ たとえばエビを使用する場合は「ガンバス (エビ)・アル・アヒージョ」(「エビのアヒージョ」)となる。
  4. ^ キノコなどには利用しない。

出典[編集]

関連項目[編集]