アトミック・ルースター

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アトミック・ルースターAtomic Rooster)は、1969年イギリスで結成されたロック・バンド。解散、再結成を経て1980年代中頃まで活動した。かつてカール・パーマーエマーソン・レイク・アンド・パーマー結成以前に活動していたバンドとして知られる。

概要[編集]

1968年、サイケデリック・ロック・バンド「クレイジー・ワールド・オブ・アーサー・ブラウン」に在籍していたキーボードのヴィンセント・クレインとドラムスのカール・パーマーが、諸問題でバンドを脱退し、ベース/フルートのニック・グラハムを加え、新しいバンドとして結成された。クレインの発案による、「ギターがメインのハード・ロックをキーボードメインで演奏する」という考えがあったと言われている[1]

翌1970年、プロデューサーのロバート・スティグウッドのバック・アップによりB&Cレコードと契約し、3月20日にバンド名と同名のデビュー・アルバムをリリースした。レコーディングはクレインの書いた譜面を見ながら行われた[1]

この直後、ニック・グラハムが音楽性の相違から、そしてカール・パーマーが「エマーソン・レイク・アンド・パーマー」結成の為脱退。後任として元アンドロメダのギタリスト、ジョン・カーン(後のジョン・デュ・カン)と、ドラムスのポール・ハモンドが加入した。ベース・ラインはヴィンセント・クレインがキーボードによって担当する、という変則的な構成になった。

特徴[編集]

音楽性[編集]

結成時はアート・ロック要素の強いキーボード・トリオであり、クレインのオルガン、時折入るグラハムのフルートが特徴。

1stアルバムは、キーボード・トリオ、ハード・プログレッシヴ・ロックの金字塔と言われている[2]。またそのスタイルを確立した作品とされる[1]

カン、ハモンド在籍時はオルガン、ギターを前面に出したダークなハード・ロック・サウンドであり、後にヴォーカル面強化のためにフレンチが加入、3rdアルバムはハード・ロック・バンドとしてのスタイルを完成させたとされる[1]

クリス・ファーロウ在籍時はソウルファンク色が強く、ベテラン・シンガーを迎えたためか、伝統的ブリティッシュ・サウンドになったとも評される[1]

再結成後は初期のハード・ロック・サウンドにヘヴィメタルの要素も加わる。但しスタジオ・セッション的なサウンドでありポップになったとも評される[1]

逸話・その他[編集]

クレインは1989年に他界する。自殺であったらしい[1]

メンバーと担当楽器[編集]

第1期 1969年~1970年[編集]


1st『Atomic Roooster』録音。

第2期 1970年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ/piano
  • カール・パーマー(Carl Palmer) - drums
  • ジョン・カン(John Cann) - guitar/vocal


1stアメリカ盤でのオーバーダビング。
1stは(基本的には)ギターレス・キーボード・トリオ・サウンドであった。
アメリカ進出に際し、ギターを前面に出したサウンドにしようとして、カンのギターをオーバーダビングし、また、グラハムのヴォーカルの一部、ベース・ソロ、フルート・ソロをカンのヴォーカルとギターに差し替えた。
ライヴ『Devil's Answer-BBC Sessions』の2曲録音。
これ以降クレインがベース・パートをorganで兼任している。

第3期 1970年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ/piano
  • ジョン・カン(John Cann) - guitar/vocal
  • リック・パーネル(Rick Parnell) - drums

第4期 1970年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ/piano
  • ジョン・カン(John Cann) - guitar/vocal
  • ポール・ハモンド(Paul Hammond) - drums


2nd『Death Walks Behind You』、ライブ『Devil's Answer-BBC Sessions』の3曲録音。

第5期 1971年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ/piano/vocal/(brass arrangement)
  • ピート・フレンチ(Pete French) - vocal
  • ジョン・カン(John Cann) - guitar
  • ポール・ハモンド(Paul Hammond) - drums


3rd『In Hearing Of...』録音。

第6期 1971年~1972年[編集]

第7期 1972年~1973年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - piano/electric piano/organ/(strng,brass arrangement)
  • クリス・ファーロウ(Chris Farlowe) - vocal
  • スティーヴ・ボルトン(Steve Bolton) - guitar
  • リック・パーネル(Rick Parnell) - drums

+

  • ビル・スミス(Bill Smith) - bass guitar(ゲスト/4th)


4th『Made In England』録音。LPのジャケットはデニム地で作られていた。
ライブ『Devil's Answer-BBC Sessions』の7曲録音。

第8期 1973年~1974年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - piano/electric piano/organ/(strng,brass arrangement)
  • クリス・ファーロウ(Chris Farlowe) - vocal
  • ジョニー・マンダーラ(Johnny Mandala) - guitar
  • リック・パーネル(Rick Parnell) - drums


5th『Nice'n'Greasy』録音。

第9期-1(再結成第4期) 1979年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ
  • ジョン・デュ・カン(John Du Cann) - guitar/vocal
  • ポール・ハモンド(Paul Hammond) - drums


再結成、ライブ活動を開始するが、ハモンドが交通事故に遭いしばらく休養となる。

第9期-2 1980年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ
  • ジョン・デュ・カン(John Du Cann) - guitar/vocal
  • プレストン・ヘイマン(Preston Heyman) - drums


6th『Atomic Rooster』録音。

第9期-3(再結成第4期) 1980年~1982年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ
  • ジョン・デュ・カン(John Du Cann) - guitar/vocal
  • ポール・ハモンド(Paul Hammond) - drums

+


ライブ『Devil's Answer-BBC Sessions』の3曲、ライブ『Live At The Marquee 1980』録音。

第10期 1982年~1983年[編集]

  • ヴィンセント・クレイン(Vincent Crane) - organ/piano/vocal/bass guitar
  • ポール・ハモンド(Paul Hammond) - drums
  • バニー・トーメ(Bernie Torme) - guitar
  • デイヴ・ギルモア(Dave Gilmour) - guitar
  • ジョン・ミザロリ(John Mizarolli) - guitar
  • ジョン・フィールド(Jon Field) - percussion


7th『Headline News』録音。

ディスコグラフィー[編集]

スタジオ・アルバム[編集]

ライブ・アルバム[編集]

コンピレーション[編集]

シングル[編集]

  • Friday The 13th / Banstead (1970年 第1期)全英7位 全米10位
  • Tomorrow Night / Play The Game (1971年 第4期) 全英8位 全米11位
  • The Devil's Answer / The Rock (1971年 第5期)全英1位 全米2位(4位との説もあり)
  • Stand By Me / Never To Lose (1972年 第7期) 全英3位 全米5位
  • Save Me / Close Your Eyes (1972年 第7期)
  • Tell Your Story(Sing Your Song) / O.D.(Vincent Crane's Atomic Rooster名義) (1974年 第8期)
  • Do You Know Who's Looking For You?/Throw Your Life Away(1980年 第9期-2)
  • Play It Again / Start To Live (1981年 第9期-3 bass:ビッグ・ジョン・マッコイ)
  • End Of The Day / Living Underground (1982年 第9期-3 bass:ビッグ・ジョン・マッコイ)
  • Land Of Freedom / Carnival (1983年 第10期)

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g マーキー 33号、1989年11月、p50
  2. ^ マーキー別冊 ブリティッシュ・ロック集成1990年9月、p18

関連項目[編集]