アスクレピオス (漫画)

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アスクレピオス (漫画)
ジャンル 中世医療漫画
漫画
作者 内水融
出版社 集英社
掲載誌 週刊少年ジャンプ
レーベル ジャンプ・コミックス
発表期間 2008年9月22日 - 2009年2月9日
巻数 全3巻
その他 プロトタイプの読切が1本ある
(同タイトル)
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アスクレピオス内水融による日本漫画作品。『週刊少年ジャンプ』に於いて2007年度19号に読み切り掲載。2008年度43号から2009年度11号まで連載。『アクスレピオス』は間違い。

目次

[編集] 概要

中世を舞台として「医術」を取り扱ったファンタジー作品。ジャンプとしては珍しいダークな展開が特徴。内水にとっては本誌3度目の連載となる。

[編集] あらすじ

"教会"が絶対的な権力をもつとあるヨーロッパ時代に、「切り裂き魔」として恐れられる一つの家系があった。その正体とは…。


注意以降の記述でアスクレピオスに関する核心部分が明かされています。 [記述をスキップ]


[編集] 登場人物

[編集] 主要人物

バズ・メディル・アスクレピオス
本作の主人公。遍歴医師の家系メディル家の当主にして、"アスクレピオス"の名を受け継ぐ少年。父親サグが異端者として捕まり処刑されたトラウマからか、非常に臆病な性格で目立つことを控えている。サグと別れて2年、メスを持つことさえもしなかったが、ロザリィが初めて彼の"手術"の患者となった。多数の薬剤を持ち合わせており、現在までこの薬で治療してきた模様。サグの横で観てきた数多くの症例をすべて記憶しており、手術の際はその記憶をたどりながら行う。左手の甲に神の目を持つ。また、動物や人形など可愛いものを見つけると、見境なく喜んでスキンシップを取ろうとする癖がある。
ロザリィ・テレスフォス
メディル家に代々仕えてきたテレスフォス家の現当主。活発な少女。ロザリィ自身はバズの父親の代からメディル家に仕えており、彼の遺志を伝えるべくバズを探していた。弱気なバズを何かと後押しする気丈な面を持ち、テレスフォス家であることを誇りに思うと同時に、"アスクレピオス"の名を汚すものは決して許さない信条を持つ。手術の補佐だけでなく護衛としての能力も長けているが、主であるバズより我侭でもある。武器はレイピア。口癖は「~っス」。
わずか8歳で、テレスフォス家の"森礼の儀"を終わらせ、実戦で実の兄と祖父以外にかなうものがいなかったという天賦の才の持ち主。ドミニクの戦死の際の遺言により、テレスフォス家を継ぐことになった。当初は約束として、護衛を引き受けたものの、祖父らが死んだことを割りきれずサグを恨んでいた。しかし、旅をつづけるうちにサグの医者としての実力を認め、彼を慕う様になる。サグが死んでしまい、祖父の遺言を守れなかったことから、サグの遺言でもある「バズを守ること」を誓っている。

[編集] アスクレピオスの関係者

ポスターレ
「伝達屋」の名を持つメディル家と関わりを持っている人物。旅の資金や患者の情報を提供する、いわゆるスポンサー。当主が襲われたときなどは、別当主に伝えるだけで、直接手を貸すことがない。だがバズに関しては異端者裁判で生き残る秘訣を授けたり、間接的ながらカリギュラから彼らを守ったりと、干渉してくることが多い。メディル家・テレスフォス家の当主以外との接触を避けるため仮面をし、変装をしている。
その正体は教皇ユリアヌスの側近コルブロ。"アスクレピオス"の医者としての腕を認めながらも立場上干渉できなかったユリアヌスに代わって、「血命録」の完成を助けるという命を彼から受けていた。
サグ・メディル・アスクレピオス
バズの父親で前メディル家当主。バズが幼いころから人の命を救うことの大切さ、"アスクレピオス"の意義を教え続けてきた。物語開始の2年前にカリギュラによって異端者として捕まり火刑に処される。
ドミニク・テレスフォス
ロザリィの祖父で前テレスフォス家当主。幼いロザリィを連れてサグ、バズ、ロザリィの兄と共に旅を続けていたが、追手の聖騎士に捕まりロザリィの兄とともに殺された。

[編集] 教会関係者

ユリアヌス
時の教会社会を治める教皇。格式ばった作法を嫌う老人。教皇となる前、治療不可能な胃癌と診断された姉を、サグに助けられたことがあり、"アスクレピオス"の医者としての腕を認めていた。ポスターレと提携して行った公開手術を以て、アスクレピオスの異端認定を解除した。
ヴィテリウス
司教。教皇と共にアスクレピオスの断絶及び血命録の奪還を狙っている。次期教皇のポストに最も近い人物。温厚そうな人柄だが、幼い時にサグの手術を見て、ユリアヌスとは逆に"アスクレピオス"の存在を教会への大きな脅威と感じていた。そのため、裏でカリギュラを残忍な聖騎士へと育て上げるなど、徹底的に異端者の根絶を行っており、"アスクレピオス"の異端認定解除も最後まで認めなかった。
カリギュラ
聖騎士の一部隊隊長。目的を果たすためならどんな手も使う卑劣な性格の持ち主で、その残忍さは教会も認めるほどの危険人物。彼のやり方に不満を持つ者は同じ隊の聖騎士たちにもいるが、口答えをしようものなら殺されてしまう。主な武器はサーベルだが、ボウガンなどの飛び道具のほうが得意らしい。バズとロザリィとは浅からぬ因縁がある。
幼い頃野盗に一家全員を殺害され、孤児となったところを「自分のコルブロが欲しい」という不純な動機からヴィリテウスに拾われた。その後、「家族を殺害したのは異端者」と教え込まれ、異端者を憎むように教育され続けた。ヴィテリウスの下数多くの異端者を殺害し彼の躍進を支えたが、その真の目的は異端者を殺すことで幼い頃の記憶を消すためだった。
ローラを餌にした作戦が失敗し、その際に同僚の聖騎士を殺害しかけたことが露見してしまい、投獄される。その後、ヴェテリウスから血命録の奪還を条件に解放され、公開手術から、帰還してきたバズたちを始末しようとするが、ポスターレの手によって細工された大砲が暴発し、瀕死の重傷を負う。殺せと懇願するも、「憎んでいる自分に治されることでパレを『殺した』罪滅ぼしをしてもらう」と考えたバズによって治療を受けていたが、途中で逃亡。その後の消息は不明。
コルブロ
「死神」の異名を持つ凄腕の聖騎士。経歴などは一切不明で、どの隊にも属さずユリアヌスの直接の護衛に就いている。ユリアヌスが枢機卿であった時代から側に仕え、暗殺から諜報まで何でもこなしていた。殺人狂のカリギュラとは別に、眉一つ動かさず人を殺すその性格から、ヴィリテウスからも不気味がられている。
アスクレピオスのスポンサーであるポスターレの正体。ユリアヌスと提携してバズに公開手術をさせることで、アスクレピオスの医術を民衆に広めた。
ネロ
教会の医師長。バズの公開手術の判決を担当する。バズの手術現場を目の当たりにし、自分の息子も救ってもらえたことから、彼の実力を本物と認めた。そして、その後の異端認定解除の会議の中心となった。

[編集] 血命録の患者

ロザリィ(盲管銃創
上記。バズを聖騎士から守った際に、腹部に銃弾を受けて盲管銃創となった。
パレ(肢体切断術・心嚢、頸動脈損傷)
外科医を目指して修行中の男。傭兵だった兄が怪我を負った際に満足な処置を受けられず死亡した為、外科医を志す。その半ばバズと出会い、当初は教会に突き出そうとするが、子供を助けようとして馬車に轢かれ、右腕が半ばまで千切れるという重症を負った。その千切れた右腕を治したバズの外科医としての腕を知り、修行を兼ねてバズ達について行く。ロザリィとは何かとぶつかりあうこともあるが、一行にとっては頼れる兄貴分的な存在だった。カリギュラの襲撃に伴いバズに変装して囮役を買って出るが、カリギュラがバズを狙って放ったボウガンの矢を自ら盾になり胸部と首元を貫通、心嚢と頚動脈を破られ失血により手術を受ける間も無く心肺停止状態に陥った。その後ポスターレによって一命を取り留めるが、バズが公開手術を行うために彼の生存は秘密にされ、最終話で再びバズたちの下へと帰還した。
ラウラ(顆粒膜細胞腫)
サン・デソー峠の麓の村に住む少女。子供でありながら大人顔負けの巨乳の持ち主で村民から不思議がられていたが、それは腫瘍が原因の病気だった。幼馴染のファビオに気に入られるために頑なに手術を拒むが、ファビオの説得によって手術を受けることを決意した。
カジモド(鼻の移植
サン・デソー峠に住む樵。傭兵時代に顔を負傷し、鼻を失うという悲劇に見舞われる。以降は醜い素顔を隠すために仮面をつけ山奥に籠り、村では「仮面の男」と呼ばれて恐れられていた。造鼻術によって腕の皮膚を移植し、元通りの鼻を取り戻した。
イアン(耳下腺腫瘍、肺挫傷
ヴィゴー市に住む少年。元々はローラの治療を受けていたが、彼女の治療法に不満を持ちバズに治療を依頼する。しかしその最中トラブルにより橋から転落し、肋骨が肺に刺さるという重症を負うが、バズがローラのメガネをメス代わりにして緊急手術を行ったことで一命を取り留め、さらにその後腫瘍もバズに取ってもらった。
ローラ・ローマン(左大腿部骨折)
イアンの専属の女医。幼いころに医者が目の前にいながら、彼の「自分の医学では救えない」ために両親が死んでしまった過去から「自分が知らないという理由で患者を死なせたくない」という信念を持っている。優秀な医科大学を卒業し、自らが学んだ医療知識に絶対的な自信を持っていた。異端の「アスクレピオス」であるバズを軽蔑していたが、転落事故で重傷を負ったイアンの治療を目の当たりにし、考えを改める。しかしその後バズの来訪に伴い連絡していた聖騎士たちを追い返そうとするが、カリギュラによって左太ももをハンマーで砕かれ、バズを誘き寄せるための餌にされてしまう。
治療後はカジモドの村で静養しつつ、パレが『死んでしまった』ことに苦心していたロザリィを陰から支えた。

[編集] 用語

医神(アスクレピオス)
メディル家の医術を受け継ぐ者の名。メスを用いて"手術"を行うというこの時代では独自の治療法を用いる。しかし、人の身体に刃物を入れることを禁じる宗教上の問題から第一級異端者に指摘され、世間では「切り裂き魔」の異名を持つ殺人鬼と誤解されている(但し、外科手術そのものが異端視されているわけではない)。
杖(ビルガ)
アスクレピオスの証の一つ。中央部から分離できるようになっており、中にはメスなどの医療器具が隠されている。
血命録(ビブロス)
アスクレピオスの証の一つ。アスクレピオスの医術によって治した、患者の血の署名を書き連ねていく名簿。物語の半世紀前、ガルパ4世によってメディル家に与えられた教会の書物で、そのページをすべて患者の名で埋めた時に『アスクレピオス』を医者として認めるという契約がなされた。血でしか文字が書けないようになっており、全てのページが埋まった時に契約成立以外にも何かが起こるらしいが、何が起こるかはバズもロザリィも知らない。
神の目
バズが持つ天賦の力。左手を患者に宛がうことにより、患者のバイタルサインを読み取って適切な処置法を編み出す。
神の霧
バズが手術を行う際に用いる道具。所謂クロロホルムのような物質で、麻酔作用がある。
メディル家
遍歴医師の家系。現在の当主はバズ。"アスクレピオス"の医術を用いていることで異端として追われ続けている。
テレスフォス家
メディル家に代々仕える従者の家系。現在の当主はロザリィ。
教会
物語の時代に於いて絶対的な権力をもつ存在。彼らのやることに少しでも口を出したり逆らった者は、容赦なく異端者扱いされ火刑に処される。
聖騎士
教会直属の騎士団。異端者を見つけ火刑に処すことを仕事にする一団。

[編集] 読切版

週刊少年ジャンプ2007年19号に掲載された読切作品、単行本3巻に収録。

[編集] 読切版の登場人物

ルカ
聖騎士の実力者で、「異端者を捕まえれば、お金になる」という理由で、職務に全くの疑問を持たずに、異端狩りをしている。その理由は妹のラウラの為の薬代をひたすら稼ぐ為である。非常にぶっきらぼうな性格ではあるが、妹のラウラのことは大切に思っている。
ラウラ
ルカの妹で、原因不明の難病を患っており、投薬治療を受け続けている。
連載版にも同名の人物が登場するが、全く関係のない人物である。

[編集] 連載版との差異

  • "アスクレピオス"が世襲制であることや、バズがその家系の出であるということは明言されていない。
  • バズは臆病な性格ではなく、自身の仕事に対して誇りを持っている。
  • ロザリィの髪型が違う。
  • ロザリィの性格がバズがトラブルに巻き込まれても空腹を理由に護衛を怠るなど、忠誠心がやや希薄のような描写がある。また、彼が万が一手術を失敗してしまった場合、彼を殺すという役目も持っている。
  • 手術の際、バズがガスマスクのようなものを着けている。
  • アスクレピオスは異端者扱いされているものの、市民に誤解されていない。
  • 市民が、聖騎士にはっきりと愚痴を零すなど、教会の権力が連載版より、それほど強くはない描写がある。
  • 同様に聖騎士の中にも、教会のやり方に疑問を持つ者がいる。

以上でアスクレピオスに関する核心部分の記述は終わりです。


[編集] 単行本

  1. 切り裂き魔 ISBN 9784088746333
  2. ごめんなさい サヨナラ ISBN 9784088746562
  3. 大きなウソ ISBN 9784088746920 併録:アスクレピオス、DISPENSER

[編集] 関連項目