アジアノロバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
アジアノロバ
アジアノロバ
アジアノロバ Equus hemionus
保全状況評価[a 1][a 2]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svgワシントン条約附属書II
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ウマ目 Perissodactyla
: ウマ科 Equidae
: ウマ属 Equus
: アジアノロバ E. hemionus
学名
Equus hemionus Pallas, 1775
和名
アジアノロバ
英名
Tibetan wild ass

アジアノロバEquus hemionus)は、哺乳綱ウマ目(奇蹄目)ウマ科ウマ属に分類される奇蹄類。

分布[編集]

インドイラン中華人民共和国トルクメニスタンパキスタンモンゴル[1][2]

E. h. hemionus モウコノロバ
モンゴル北東部に自然分布していたが絶滅[2]。中華人民共和国に飼育個体が生存している[2]
E. h. khur インドノロバ
イラン南東部、インド北西部、パキスタン[2]
E. h. kulan クーラン
トルクメニスタン[2]
E. h. luteus ゴビノロバ
中華人民共和国、モンゴルのゴビ砂漠およびその周辺[2]
E. h. onager オナガー
イラン北部および中南部[1][2]

絶滅した分布域[編集]

E. h. hemippus
イラク、イラン、サウジアラビアシリア[a 2]

形態[編集]

体長200-250センチメートル[2]。尾長30-49センチメートル[2]。肩高100-140センチメートル[2]体重200-250キログラム[2]。鬣は発達せず、尾先端の体毛もあまり房状にならない[2]。後肢にたこがない[2]。体は淡黄色や赤褐色の体毛で被われる[2]。鬣や尾先端の房毛は黒褐色[2]。正中腺には黒い筋模様が入る[2]

耳介は小型[2]

分類[編集]

  • Equus hemionus hemionus Pallas, 1775 ジゲダイ、モウコノロバ
  • Equus hemionus khur (Lesson, 1827) インドノロバ
  • Equus hemionus kulan (Groves & Mazak, 1967) クーラン
  • Equus hemionus hemippus I. Geoffroy, 1855
  • Equus hemionus luteus Matschie, 1911 ゴビノロバ
  • Equus hemionus onager Boddaert, 1785 オナガー、ペルシャノロバ Onager,Percian wild ass

生態[編集]

砂漠地帯や荒れ地などに生息する[1]。1頭のオスと、メスや生後2年までの幼獣からなる6-12頭の小規模な群れを形成し生活する[2]。以前は秋季に小規模な群れが集まり、100頭以上の大規模な群れを形成することもあった[2]。夏季は高地で生活し、冬季になると風を避けるために河川沿いや谷間へ移動する[2]。短距離であれば時速60-70キロメートルで走行することができ、時速40-50キロメートルの速度を維持しながら長距離を走行することもできる[2]

食性は植物食で、主にを食べる[2]

繁殖形態は胎生。繁殖期になるとメスを巡ってオス同士で歯や蹄を使い争う[2]。妊娠期間は331-374日[2]。春季から夏季にかけて幼獣を産む。授乳期間は9-12か月[2]。幼獣は生後2週間で親と一緒に走行できるようになる[2]。オスは生後4年、メスは生後2-3年で性成熟するが、通常メスは生後3-4年で初産を迎える[2]。寿命は飼育下で22年10か月の記録がある[2]

人間との関係[編集]

シュメール人は本種を家畜として飼育していたとされる[1]

開発による生息地の破壊、家畜との競合などにより生息数は激減している[2]。亜種クーランは絶滅したと考えられていたこともあった[2]1991年における亜種インドノロバの生息数は2,072頭とされる[2]

E. h. hemionus モウコノロバ、E. h. khul インドノロバ
ワシントン条約附属書I[a 1]
E. h. hemippus
EXTINCT (IUCN Red List Ver.3.1(2001))[a 2]
Status iucn3.1 EX.svg

参考文献[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b c d 今泉吉典、松井孝爾監修 『原色ワイド図鑑3 動物』、学習研究社1984年、90、189、196頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 小原秀雄 「アジアノロバ」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社2000年、149-150頁。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

  1. ^ a b CITES homepage
  2. ^ a b c The IUCN Red List of Threatened Species
    • Moehlman, P.D., Shah, N. & Feh, C. 2008. Equus hemionus. In: IUCN 2013. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.2.