アケビ

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アケビ
Akebia quinata
Akebia quinata
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
: キンポウゲ目 Ranunculales
: アケビ科 Lardizabalaceae
亜科 : Lardizabaloideae
: Lardizabaleae
: アケビ属 Akebia
: アケビ A. quinata
学名
Akebia quinata
(Houtt.) Decne.[1]
シノニム

Akebia quinata
(Houtt.) Decne.
f. polyphylla
(Nakai) Hiyama[1]

和名
アケビ(木通、通草)
英名
chocolate vine、five-leaf Akebia
品種
  • フタエアケビ A. q. f. diplochlamys
  • アオアケビ A. q. f. viridiflora

アケビ(木通、通草)は、アケビ科蔓性落葉低木の一種(学名: Akebia quinata)、あるいはアケビ属(学名: Akebia)に属する植物の総称である。

形態・生態[編集]

は蔓になって他物に巻き付き、古くなると質化する。

は5つの楕円形の小葉が掌状につく複葉で、互生する。

は4 - 5月に咲き、木は雌雄同株であるが雌雄異花で淡紫色。花被は3枚で、雄花の中央部には6本の雄しべミカンの房状に、雌花の中央部にはバナナの果実のような6 – 9本の雌しべが放射状につく。雌花の柱頭(先端部)には、甘みを持った粘着性の液体が付いており、花粉がここに付着することで受粉が成立する。雌雄異花でも出さないので、受粉生態にはよくわかっていない点が多いが、雌花が雄花に擬態して、雄花の花粉を目当てに飛来する小型のハナバチ類を騙して受粉を成功させているのではないか、とする仮説がある。ハエ類が甘みを持った粘着質を舐めに来る際に受粉していると考えられる。

受粉に成功した個々の雌しべは、成長して果実となり、10cm前後まで成長する。9 - 10月に熟して淡紫色に色づく。成熟した果実の果皮心皮の合着線で裂開し、甘い胎座とそこに埋もれた多数の黒い種子を裸出する。この胎座の部分は様々な鳥類哺乳類に食べられて、種子散布に寄与する。

アケビにつく昆虫[編集]

アケビを食樹として利用する昆虫として、ヤガ科の大型のであるアケビコノハが知られる。幼虫がアケビ類の葉を食べて育つが、静止時や外敵の刺激を受けたときに、背を丸めて胸部の眼状紋を誇示する独特の防御姿勢をとることが知られている。成虫は口吻が硬化しており、ブドウナシなどの果実にこれを突き刺して果汁を吸う、重大な果樹園害虫とされる。

他にアケビにつく昆虫で目立つのは、カメムシ目ヨコバイ亜目キジラミ科の小型昆虫であるベニキジラミである。幼虫がアケビの展開前の若い葉に寄生すると、小葉が二つ折りのまま展開できずに肥厚して虫癭となる。幼虫はこの中で吸汁して育ち、羽化して成虫になると外に出て自由生活を送る。成虫は体長2mmほどで、セミを小さくしたような姿。非常に鮮やかな紅色で、アケビの植物体上にいるとよく目立つ。

人間との関わり[編集]

利用[編集]

種子を包む胎座が甘みを持つので、昔から山遊びする子供の絶好のおやつとして親しまれてきた。果皮はほろ苦く、内部にひき肉を詰めて油で揚げたり刻んで味噌炒めにするなど、こちらは山菜料理として親しまれている。主に山形県では、農家で栽培され、スーパーで購入することができる。

また、東北地方などでは、新芽(山形県や新潟県などでは「木の芽」と呼ぶ)をやはり山菜として利用している。

その他、成熟した蔓は、を編むなどして工芸品の素材として利用される。

また、秋田県では、種をの原料としている。江戸時代から明治時代にかけては高級品として珍重され、明治以降生産が途絶えていたが、近年復活した[2]

栽培[編集]

商業栽培では、品質に優れたミツバアケビ由来の品種が多く用いられる。安定した結実のため、人工授粉を行うことがある。自家不和合性があり、他品種との混植などが必要である。アケビとミツバアケビは交雑しやすいため、ミツバアケビ由来の品種に対し、アケビを授粉樹として用いることもある。3葉種と5葉種では熟期が2 - 4週間程度異なる。

日本国内で栽培されるものは、ほとんどが山形県産である。

生薬[編集]

アケビまたはミツバアケビのつる性の茎は木通(もくつう)という生薬である(日本薬局方に記載の定義による)。木通は、利尿作用、抗炎症作用、通乳作用などがあり、竜胆瀉肝湯(りゅうたんしゃかんとう)、当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)などの漢方方剤に使われる[3]

また、木通とまぎらわしいものに関木通(かんもくつう)というものがある。これはアケビ類とは別の植物(ウマノスズクサ属)であり、腎臓障害を起こすおそれのある成分アリストロキア酸が含まれている。名前が似ている上、中国などでは関木通を「木通」としていることもあるので十分な注意が必要である。「木通」を利用する場合は日本薬局方のものが無難である。

アケビ属[編集]

アケビ属(アケビぞく、学名: Akebia)は、アケビ科の一つ。

Akebia chingshuiensis
ホザキアケビ Akebia longeracemosa
アケビ Akebia quinata
ミツバアケビ Akebia trifoliata
小葉が3枚。往々にしてアケビと混じって生育している。
ゴヨウアケビ Akebia x pentaphylla
アケビとミツバアケビの雑種とされる。その形態は、小葉は5枚ながら緩やかな鋸歯を持つなど、両種の特徴を受け継いでいる。ただし、アケビに「ゴヨウアケビ」の流通名を付けて販売している場合がある。

また、日本には、アケビ属以外のアケビ科植物として、常緑ムベ(ムベ属)が知られている。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2012年4月22日閲覧。
  2. ^ 池本敦「地域活性化を目指したアケビ種子抽出油脂研究会の活動」、『ビックあきた』第300巻、財団法人あきた企業活性化センター。
  3. ^ 大塚敬節 『漢方医学』 創元社〈創元医学新書〉、1990年(原著1956年)、第3版、229・238・253頁。ISBN 4-422-41110-1

参考文献[編集]

  • 茂木透写真 「アケビ属 Akebia」『樹に咲く花 離弁花2』 高橋秀男・勝山輝男監修、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2000年、150-153頁。ISBN 4-635-07004-2
  • 林将之 『葉で見わける樹木 増補改訂版』 小学館〈小学館のフィールド・ガイドシリーズ〉、2010年、230頁。ISBN 978-4-09-208023-2

関連項目[編集]

外部リンク[編集]