アクアマリンの神殿

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アクアマリンの神殿
著者 海堂尊
発行日 2014年6月
発行元 角川書店
ジャンル 医療ミステリー
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 上製本
ページ数 361
コード ISBN 978-4-04-874153-8
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アクアマリンの神殿(あくあまりんのしんでん)は、2014年角川書店から発行された海堂尊長編小説

概要[編集]

桜宮サーガと称される海堂作品群は時代設定を1988年2022年としており、本作の主人公である佐々木アツシは既刊の『ナイチンゲールの沈黙』『医学のたまご』にも登場しているが、年齢面で矛盾[1]が生じていたため、それを指摘された作者が辻褄合わせのために執筆したのが『モルフェウスの領域』であった。本作はその続編としてブロック紙3社連合北海道新聞中日新聞東京新聞西日本新聞)の夕刊にて連載された後、2014年6月に単行本化された。

『モルフェウスの領域』と同様、作者が主に執筆する医療を題材とした小説[2]SFの要素を取り入れた異色の作品となる。

ストーリー[編集]

かつて世界初のコールドスリープ被験者だった佐々木アツシは眠りから目覚めた後、桜宮市の未来医学探求センター(通称:コールドスリープ・センター)で、自身を管理していた日比野涼子の眠りの維持・管理をしながら、桜宮学園中等部に通っていた。

アツシは人工的な眠りの中で中学生を凌駕する高度な知識を有していたが、後見人の西野昌孝の指示で平凡な中学生を装っていた。 だが、謎のクラスメートの麻生夏美と結んだ不可侵条約から蜂谷一航、北原野麦の四人に拡大した『ドロン同盟』。ボクシング部での日々、文化祭での奮闘と、アツシの青春が始まった。

登場人物[編集]

佐々木アツシ
本作の主人公。
ある深刻な理由のため、世界初の「コールドスリープ」技術により五年の時を超え目覚めた天才少年。現在は桜宮学園中等部に途中編入し学園生活を送る傍ら、桜宮市未来医学探求センターでとある大切な業務を行っている。
西野昌孝
コールドスリープ技術を開発した合弁会社「ヒプノス社」の技術者。
佐々木アツシの上司にして後見人の一人で、有能で優秀な人間ではあるが気まぐれなところもある。如月翔子には「クロスケ」と呼ばれている。口癖は「人生の結末はわかり切っている」。
如月翔子
東城大学医学部付属病院・オレンジ新棟小児病棟看護師長。
佐々木アツシの後見人の一人で、アツシからは白衣の天使で観賞用美人と評される。オカン気味で暇あればアツシの世話をしに来る。
曽根崎伸一郎
マサチューセッツ工科大学教授で、ゲーム理論の若き権威者。
アツシにとってアドバイス役であり、言葉の伝え方に癖はあるが、頼れる人物である。
田口公平
東城大学医学部付属病院・医療安全推進本部センター長兼医療情報危機管理ユニット特認教授。
佐々木アツシの主治医及び、不定愁訴外来責任者。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 2006年を舞台にした『ナイチンゲールの沈黙』では5歳。16年後の2022年を舞台にした『医学のたまご』では17歳。
  2. ^ 医療を題材としない小説は『夢見る黄金地球儀』(東京創元社)がある。