アイヴァン・モリス

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アイヴァン・モリス(Ivan Morris、1925年11月29日 - 1976年7月19日)は、イギリス翻訳家日本文学研究者。

来歴・人物[編集]

ロンドンに生まれる。父は米国人の外交官・小説家のアイラ・モリス、母はスウェーデン人の小説家エディタ・モリス

第二次世界大戦で、イギリス軍将校候補生として日本語学習プログラムに参加し、それがきっかけになって日本研究を決意、ハーヴァード大学で日本語と日本文化を研究し、卒業後、ロンドン大学で『源氏物語』の文体を研究して博士号を獲得した。

1945年に、通訳として被爆した広島市を訪れた最初の外国人の一人となった。BBC(イギリス公共放送局)や、イギリス外務省に勤務し、1969年から1973年までコロンビア大学で日本文学を教えた。両親は広島に「ヒロシマ・ハウス」を設立し、母エディタは小説『ヒロシマの花』(阿部知二訳)などを書いた。

日本古典文学の研究の権威で、英文著書のほか「清少納言 枕草子」、「更級日記」や「井原西鶴」ほか古典や、昭和文学では中島敦山月記」、三島の「金閣寺」、大岡昇平野火」、大佛次郎「旅路」など多数を英訳。パズルゲームにも造詣があった。

『光源氏の世界』は、1965年にダフ・クーパー賞<Duff Cooper Prize>を受賞。1976年に旅先のイタリアボローニャで急逝。晩年の著作となった『高貴なる敗北』「第九章 大西郷崇拝-西郷隆盛」は、映画監督エドワード・ズウィックの作品『ラストサムライ』に、多大なる影響を与えた。

三島由紀夫ドナルド・キーンの友人であり、在日中には三島と小旅行にも同行し、三島は自決直前に、遺作「豊饒の海」出版に関し英文で書簡を送っている。なおモリスは『高貴なる敗北』のまえがきで、三島から託されたとの思いが強いと述べている。  

著書[編集]

  • 「The Tale of Genji Scroll」 Kodansha International , 1971
  • 「Dictionary of Selected Forms in Classical Japanese Literature」
Columbia University Press, New York 1966
  • 「The World of the Shining Prince: Court Life in Ancient Japan」
Oxford University Press , London  1964
  • 「The Nobility of Failure: Tragic Heroes in the History of Japan」
Secker and Warburg  London,1975.

日本語訳[編集]

編著 <シリーズ 世界のパズル> 1.藤井良治訳、2.沖記久子訳、1978年