アインシュタイン (単位)

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アインシュタイン(einstein)
Photon waves.png
記号 E
光子のエネルギー(実質的には光子の物質量)
SI 3.990312×10−10 J·s × 周波数
1.196265×10−1 J·m ÷ 波長
(実質的に 1 mol)
定義 1 mol の光子が持つエネルギー
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アインシュタイン(einstein, 記号:E)は、光化学で用いられる、光子物質量(モル数)に関係した単位である。

定義と意味[編集]

1アインシュタインは、1モルアボガドロ定数個)の光子が持つエネルギーと定義されている[1]。ただし、の光子あたりエネルギーはその周波数(あるいは波長)によって変わる[1]。同じアインシュタインでもエネルギーは数倍(理論上は数千倍でも数百万倍でも)変わるので、アインシュタインはエネルギーそのものを表す単位ではない。

実際はアインシュタインは、エネルギーではなく光子の物質量を表すのに使われる。つまり、「光子の物質量は10モルである」と言いたいときに「光のエネルギーは10アインシュタインである」のように言う。この際、そのエネルギーが具体的にどれだけか(何ジュールか)は問題としない。

換算[編集]

アインシュタインをジュール(あるいは他のエネルギーの単位)に換算するには、光の周波数か波長を特定する必要がある。

光子1個のエネルギーはプランク定数×周波数なので、h NA(プランク定数×アボガドロ定数)= 3.990312×10−10 J·s/mol(ジュール秒毎モル)に周波数をかければ換算係数が求まる。あるいは、h c NA(プランク定数×光速度×アボガドロ定数) = 1.196265×10−1 J·m/mol(ジュールメートル毎モル)を波長で割ってもいい。

こうして求まる換算係数は J/mol(ジュール毎モル)である。アインシュタインは実質的に物質量でありモルに等しいので、アインシュタインの値にこの換算係数をかければジュールの値が求まる。なお、換算係数でなく「1アインシュタインのエネルギー」を考える場合は、以上の全ての値に 1モルをかけて単位から /mol を消しておく。

使用例[編集]

アインシュタインは光合成の研究に用いられる。それは、酸素の生産量が与えられているとき、それに必要な光の条件は、光の周波数ではなく光子の量であるからである。例えば、1モルの酸素を生産するためには約9アインシュタインの光子が必要である。

放射照度は、E/s·m2(アインシュタイン毎平方メートル)として計測することができる。なお、SIにおける放射照度の単位は W/m2ワット毎平方メートル) = J/s·m2(ジュール毎秒毎平方メートル)である。光合成有効放射(PAR)はアインシュタインの10-6倍のマイクロアインシュタインを用いて、µE/s·m2(マイクロアインシュタイン毎秒毎平方メートル)という単位で報告されることが多い。

名称[編集]

アインシュタインという単位名称は、1905年の論文において光電効果の原因を解明し、光量子(現在は光子と呼ばれる)という考えを示したアルベルト・アインシュタインに因む。== 出典 ==

  1. ^ a b 田中郁三 『化学大辞典』1、化学大辞典編集委員会(編)、共立、1981年10月、縮刷版第26版、10頁。