アイマーク人

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アイマーク人
ایماق
総人口

191万8000[1]

居住地域
アフガニスタンの旗 アフガニスタン 169万7000[1]
イランの旗 イラン 21万4,000[1]
タジキスタンの旗 タジキスタン 7600[1]
言語
ペルシア語のアイマーク方言
宗教
スンナ派
関連する民族

ペルシア人タジク人ハザーラ人イラン系

アイマーク人英語: Aimak または Aymaq、ペルシャ語: ایماق)とは、ペルシア語を話す遊牧民・半遊牧民の集団ことである[2]。アイマーク人はヘラートのすぐ北にあるアフガニスタン西部の中央にある高地イランホラーサーン州に居る[3]。アイマーク人のペルシャ語はアイマーク方言であり、いくつかの下位方言に分かれる。なお南方のタイマーニー族[4]やイランのマレキに住むアイマーク人はパシュトー語を話す[5]

アイマーク人はチャハール・アイマークとして知られている。チャハールとは「4」の意味で、タイマーニー族(ゴール州の主な住民)、フィールーズクーヒー族[4]ジャムシーディー族[4]タイムリ族を指す。別の説では4部族にアイマーク・ハザーリー族[4]が入ったり、タイムリ族がタヒリ族やズリ族、マレキ族、ミシュマスト族と共に「小アイマーク」[6]や 「その他のアイマーク」(Aimaq-e diga)と呼ばれることがある。

起源と分類[編集]

「アイマーク」という言葉はモンゴル語で「部族」や「放牧領域」を意味している[7]。言語的にも歴史的にも証拠は無いが、古代のイランの伝説に登場する半神の王「イマ」(仏教で言う閻魔)やジャムシードと無理やり関連付ける説がある。アイマーク人は2種類に分けることが出来る。タイマーニー族やフィールーズクーヒー族、ジャムシーディー族はアフガニスタンでは伝統的な黒いテントに住んでいる。彼らはイラン人が起源であり、自分達をタジク人と呼んでいる。アフガニスタンのアイマーク族の大半はイラン系の3つの支族である。一方、タイムリ族やアイマーク・ハザーリー族はゲルに住んでいる[8]。物理的な外見や住居の形態から明らかなように[9]、彼らはモンゴル人が起源のアイマークである。

遊牧民の黒いテント
名称 出身 人口(3カ国) 備考
タイマーニー族 イラン系 59万2000人[1] ゴール州など。
フィールーズクーヒー族 イラン系 29万6000人[1]
ジャムシーディー族 イラン系 15万9000人[1]
タイムリ族 モンゴル系 33万4000人[1] タヒリ族やズリ族、マレキ族、ミシュマスト族など。
アイマーク・ハザーリー族 モンゴル系 23万9000人[1]

人口統計[編集]

2001年のアフガニスタンの民族地図。青がアイマーク人

アイマーク人の人口は調査によって異なり、25万~200万人である[7]。アイマーク人はタジク人ハザーラ人とある程度は近い関係にあるので、アフガニスタンの国勢調査ではタジク人に分類されている[7]。アイマーク人はアフガニスタンの西部や中央部に住んでおり、ゴール州では多数派を占めている。ヘラート州バードギース州の西部にも沢山住んでいて、ファラー州ファーリヤーブ州ジョウズジャーン州サーレポル州にも幾らか住んでいる[7]。なおハザーラ人の大半がシーア派であるのとは対照的に、アイマーク人は殆どがスンナ派のムスリムである[7]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i Aimaq”. JoshuaProject (2009年8月11日). 2014年1月29日閲覧。
  2. ^ A bitter harvest: US foreign policy and Afghanistan. Ashgate Pub Ltd. (2003). p. 25. ISBN 9780754636151. http://books.google.co.jp/books?id=n1pKnc3RJGIC&pg=PA25&dq=The+term+Aimaq+means&hl=ja&sa=X&ei=zNjnUuvjFMK8kgXuk4CQDw&ved=0CC0Q6AEwAA#v=onepage&q=The%20term%20Aimaq%20means&f=false. ""The term Aimaq means "tribe" but the Aimaq people actually include several different ethnic groups. The classification has come to be used for a variety of nonaligned nomadic tribes"" 
  3. ^ Janata, A.. “AYMĀQ”. In Ehsan Yarshater. Encyclopædia Iranica (Online Edition ed.). United States: コロンビア大学. http://www.iranicaonline.org/articles/aymaq-turk. 
  4. ^ a b c d 世界大百科事典 第2版. “チャハール・アイマーク”. kotobank. 2014年1月28日閲覧。
  5. ^ Vogelsang, Willem (2002). The Afghans. Wiley-Blackwell. p. 18. ISBN 0631198415. http://books.google.com.pk/books?id=9kfJ6MlMsJQC&pg=PA18&lpg=PA18&dq=taymani&source=bl&ots=54cpjBlxk3&sig=AfUVu5densvcdWoRFnpJ-e3kgtk&hl=en&sa=X&ei=rEQdT9i8JfDN4QTB5cHyDQ&ved=0CCQQ6AEwAA#v=onepage&q=taymani&f=false 2012年1月23日閲覧。. 
  6. ^ Willem Vogelsang (2002). The Afghans. Wiley-Blackwell. pp. 37–. ISBN 9780631198413. http://books.google.com/books?id=9kfJ6MlMsJQC&pg=PA37 2011年4月1日閲覧。. 
  7. ^ a b c d e Aimak, Ghor province”. アメリカ海軍大学院 (2011年11月15日). 2014年1月28日閲覧。
  8. ^ Muhammad Owtadoiajam (2011年11月15日). “A SOCIOLOGICAL STUDY OF THE HAZARA TRIBE IN BALUCHISTAN (AN ANALYSIS OF SOCIO-CULTURAL CHANGE)”. Tribal Analysis Center. 2014年1月28日閲覧。
  9. ^ "Afghanistan". Encyclopædia Britannica. Ultimate Reference Suite. Chicago: Encyclopædia Britannica, 2008.