ゆらゆら帝国

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ゆらゆら帝国
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基本情報
別名 ゆら帝
出身地 日本の旗 日本
ジャンル オルタナティヴ・ロック
サイケデリック・ロック
活動期間 1989年 - 2010年
レーベル 日本の旗ミディ1998年 - 2005年
日本の旗ソニー・ミュージック2005年 -)
アメリカ合衆国の旗Death From Abroad
公式サイト www.yurayurateikoku.com
メンバー
坂本慎太郎 (ボーカルギター
亀川千代 (ベース
柴田一郎 (ドラムス
旧メンバー
吉田敦 (ドラムス)
橋口優 (ギター)
沢田守秀 (ドラムス)
下田温泉 (ドラムス)
阿佐美和正 (ベース)

ゆらゆら帝国(ゆらゆらていこく)は、1989年に結成された日本のロックバンド。おおむねサイケデリック・ロックというジャンルで語られるが、幅広いジャンルを内包した酩酊的なサウンドで異彩を放った。2010年3月31日、同日付での解散を発表。

概要[編集]

ゆらゆら帝国というバンド名は、結成時にバンド名を決める際、いくつか挙げた候補のどれもピンと来ず、最もましだったものを選んだという程度で深い理由はないとのこと。坂本のかねてからのファンである水木しげるの漫画から取ったという説もある。

メンバーは坂本慎太郎、亀川千代、柴田一郎の3人で、このうち坂本のみが結成時のオリジナルメンバーである。このメンバーに落ち着いたのはメジャーデビュー前年の1997年で、それ以前まで加入・脱退が相次いでいた。結成時は4人編成であったが、メンバー数名が脱退したことを機会に3人構成を貫いている。メンバーについての詳細は後述のメンバーの節を参照のこと。

音楽性はサイケデリック・ロックと形容されることが多い。事実耳障りな程のファズギターやトリップ感覚をもたらすような反復を含む楽曲も少なからずあるが、90年代半ばからは比較的ストレートなロックンロールやポップスのフォーマットを導入しており、子供や女性がボーカルを務める楽曲や、ミニマル・ミュージック、音響系、ダブ、ファンクなど様々な音楽性が混在する独特のサウンドを志向していた。初期はおどろおどろしい歌唱とストーナー的な重苦しいグルーヴと共に「日本語のオリジナルロック」を追求していたが、デビュー後は特にこだわらなくなったようで、歌詞や曲名に英語が使われている楽曲が多くある。

メジャーデビューアルバムの『3×3×3』はリリースされた当時、CORNELIUSの小山田圭吾により音楽雑誌での企画“年間ベスト1アルバム”に選ばれた。坂本は「(小山田に)年間ベスト1に選んでもらって、それから周りの見る目が変わった」と後のインタビューで語っている。

ライブにおける特徴として、MCがほとんどない、アンコールがないといったことが挙げられる。演奏自体はときに非常に激しく、曲によっては暴力的なほどに大音量である。坂本はギターを弾きながら体を激しく動かし飛び上がることもある一方で、亀川はほぼ直立不動を保ち、大振りなアクションはまったく行わない。MCは、坂本が「どうも」「あと1曲です」「さよなら」「ありがと」「まぁまぁまぁ」などと言うだけで、まとまった事を喋ることはほとんどなく、他の二人は全く喋らない。また、観客からの掛け声に応じることも一切しない。以前はライブ途中での楽器の交換が基本的になかったが、2008年頃から坂本がギターを置きマラカスなどのパーカッションを持つことがあり、その際観客に手拍子を求めるような仕草(坂本本人にその意図があるかどうかは不明である)を見せることもあり、些かパフォーマンスに変化が見られた。

なお、メジャーデビュー以前のライブは坂本と吉田のみがパフォーマンスをし、亀川と橋口が全く動かないというスタイルであり、内容は激しく叫ぶ、全裸での演奏といった過激なものが多かった。最後の曲を観客からリクエストしたり、アンコールに答えることもあったという。

国内のフェスの参加のほか、2005年のレーベル移籍後はヨーロッパやアメリカでのライブ敢行や台湾のフェス出演など、海外での活動も活発に行っている。

2010年3月31日、ホームページにて「完全にできあがってしまった」と感じたことを理由に解散。また、発表の数時間前に田中宗一郎twitterにて解散を示唆するツィートを残し、批判が起こったためそのツィートを削除、謝罪するという珍事が起こった。

メンバー[編集]

坂本慎太郎

坂本 慎太郎(さかもと しんたろう、1967年9月9日 - )

ギターボーカル担当。多摩美術大学デザイン科卒業。なるべく洗わずにキープするという天然パーマのボリュームヘア、非常に薄い眉毛(のばすと海苔のようになってしまうためごく短く刈っているらしい)という特徴的なヴィジュアルの持ち主。ライブでは赤いパンタロンを着用することが多い。メジャーデビュー前は点々に剃った眉毛と、前髪を極端に短くしたロングヘアーにが半分見えるほど下がったズボンを着用し、上半身裸でライブに登場していた。

水木しげるピーター・アイヴァースを信奉し、水木しげるには実際に会って愛機のギターにイラストを書いて貰っている。自分のアイドルとしてジミ・ヘンドリックスを挙げている。好物はうどん。既婚で、子供がいる。交流のある宮藤官九郎グループ魂のライブに行っており、影響を受けたと話す。理解できない音楽にザ・フーを挙げている (クイックジャパン100号企画の対談より)。

ゆらゆら帝国独特の世界観の構築において主軸的な役割を果たし、レパートリーの作詞やCDなどのアートワークのほとんどを担当。画集も発表している。

本人曰く、喋りが得意ではないとのことで、声でのメディア露出は稀である。その際の曲紹介においても「照れ臭い」との理由からパーソナリティーに任せている。(ミュージックスクエア、1999年)。

2011年salyu × salyuの「s(o)un(d)beams」に作詞で3曲提供。その後、自身のレーベル「zelone records」を設立。9月に7インチ・レコードシングル「幽霊の気分で」でソロ・デビュー。11月18日にソロアルバム「幻とのつきあい方/How To Live With A Phantom」をリリースした。また、女性ポップスバンド・ママギタァのアルバムリリースやドラマ『まほろ駅前番外地』の劇中音楽なども担当する。2014年5月28日にセカンド・ソロアルバム「ナマで踊ろう」をリリース。ヨ・ラ・テンゴ来日公演におけるシークレット・ゲストとしての出演を除き、ゆらゆら帝国解散以降、ライブでの演奏は行なっていない。

亀川 千代(かめかわ ちよ、1969年7月29日 - )

ベース担当。前髪をまっすぐに切りそろえた腰まである黒のロングヘアー灰野敬二の影響とも言われる。インディーズの頃はボブだったが、俗に言う「姫カット」で定着した)で、いつも黒い衣装でライブに登場する。女性のような名前や風貌であるが男性である。

うねるようなメロディをもったベースラインが特徴。演奏中のこだわりは「人の音を聞くこと」で、体でリズムを取る仕種をほとんどとらない。趣味はプロレス観戦で、アントニオ猪木のファン。坂本曰く、加入時に亀川のルックスを見て「水木しげるの漫画のキャラクターだ」と喜んだという。同バンドど並行して、プロデューサーの石原洋(ex.WHITE HEAVEN)率いるThe Starsのメンバーとしても活躍(2008年解散)。ゆらゆら帝国解散以降は、自身が敬愛する灰野敬二率いる3ピースバンド不失者に加入。また、ライブでのサポートやセッションも行っている。

柴田 一郎(しばた いちろう、1968年9月2日 - )

ドラムス担当。以前はかかしのメンバーであった。バンドと初期に親交があったマリア観音のライヴにテナーサックスで出演したことがある。

皇居前でドラムの練習をしたため、右翼に拘束されたことがある。左利き。加入当初はサングラスをよくかけており、チャーリー・ワッツを踏襲したプレイスタイルだった。

またソロでの活動も行っており、電子音楽家「いちろう」としての顔もある。 解散後にはScaperec,Tokyo(スケープレック東京)というレーベルから2012年1月27日に1stアルバム「Fly Electric」をリリースしている。

旧メンバー[編集]

吉田 敦(よしだ あつし)

ドラムス担当。1989年の結成当初から1992年まで在籍。ライブでは上半身裸で、坂本と過激なパフォーマンス(ドラムセットを飛び越える、スネアドラムを持ってステージを走り回るなど)を繰り返していた。難聴の悪化を理由に脱退。

橋口 優(はしぐち まさる)

ギター担当。亀川と同時期に加入し、1992年まで在籍。吉田と同時期に脱退。

沢田 守秀(さわだ もりひで)

ドラムス担当。坂本と亀川の音楽性の変化から意見が割れ、95年に脱退。ゆらゆら帝国加入前は、音楽雑誌「MARQUEE」で編集、ライターなどを担当していた。

下田 温泉(しもだ おんせん)

ドラムス担当。沢田の脱退後に加入し、1997年に脱退。坂本は「直線的なドラムだった」と評価している。

阿佐美 和正(あさみ かずまさ)

ベース担当。ゆらゆら帝国結成以前は、坂本(G) 阿佐美(Vo)で学園祭等で活動していた。結成当初はベースとして加入。1989年脱退。 現在は映像作家として活動する。smoothace、coba(音楽プロデュサー、アコーディオニスト)、権藤知彦(ユーフォニウム奏者、作編曲家、YMO、くるり、etc)の映像制作が多い。傍ら不定期でライブ活動等も行なう。

来歴[編集]

作品[編集]

シングル[編集]

アルバム[編集]

  • ゆらゆら帝国 (1992年4月25日)
    • 冥土の口/狂っているのは君のほう/虫男/私は点になりたい/太陽のうそつき/生き物万歳/お花もどき/なぞ宇宙
  • ゆらゆら帝国II (1994年6月10日)
    • 人間やめときな/魚ちゃん/壁のない部屋/バカのふり/心は半分/奴隷と神様/夜中の果実
  • Are you ra?/アーユーラ? (1996年3月25日)
    • アイツのテーマ[1]/されたがっている/最後の一匹/グレープフルーツちょうだい/うそのアフリカ/アイドル/ファミリー/わかって下さい
  • 3×3×3 (1998年4月15日、読みは「さんかける さんかける さん」)
  • ミーのカー (1999年6月16日)
  • 太陽の白い粉 (1999年11月17日)
  • ゆらゆら帝国III (2001年2月21日)
  • ゆらゆら帝国のしびれ (2003年2月26日)
  • ゆらゆら帝国のめまい (2003年2月26日)
  • Sweet Spot (2005年5月18日、AICL-1617)初回盤のみデジパック仕様、ステッカー封入
  • 空洞です (2007年10月10日、AICL-1877)

リミックスアルバム[編集]

ライブアルバム[編集]

ベストアルバム[編集]

オムニバス参加アルバム[編集]

  • BLOODY BUTTERFLY (1991年)M-4「お葬式」、M-5「虫男」、M-6「冥土の口」を収録。
  • Tokyo Flashback 2 (1992年)M-6「バカのふり」を収録。
  • RICE-TONE CIRCLE vol.1 (1996年10月19日)M-5「昆虫ロック」、M-11「彼女のサソリ」を収録。
  • けものがれ、俺らの猿と (2001年5月30日)同名映画のサウンドトラック。M-6 「つきぬけた」を収録。
  • FINE TIME 2 〜A TRIBUTE TO NEW WAVE〜 (2005年4月6日)M-14「Frankie Teardrop」(スーサイドのカバー)を収録。
  • 乱歩地獄 オリジナル・サウンドトラック (2005年10月26日)M-23「ボーンズ」を収録。
  • A Pack To The Future (2006年12月7日)石野卓球によるDJミックスアルバム。M-2「ONE BUTTON (YURA YURA TEIKOKU)」を収録。
  • 極東最前線2 (2008年7月23日)M-3「タコ物語 (LIVE)」を収録。

自主制作[編集]

以下はすべてカセットテープによる作品。

  • ゆらゆら帝国 (1991年)生き物万歳/夜の恋人達/太陽のうそつき/神様おねがい
  • ゆらゆら帝国 (1991年)冥土の口/お花もどき/耳なし口なし/お葬式
  • ゆらゆら帝国 (1991年)心は半分/魚ちゃん/砂糖人間/お花もどき/炎ってすてき

映像作品[編集]

坂本慎太郎の作品[編集]

作品は全てインディーズレーベルzolone recordsから

シングル[編集]

  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2013年1月11日 まともがわからない zel-007(通常盤)
zel-007s(初回限定盤)
zel-008(LP)
TX系ドラマ「まほろ駅前番外地」エンディングテーマ
オリコン最高12位、登場回数9回、2013年インディーズ年間6位

7inch vinyl[編集]

  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2011年8月17日 幽霊の気分で zel-001
2nd 2013年4月20日 坂本慎太郎 feat. Fuko Nakamura / 幽霊の気分で zel-009

アルバム[編集]

  発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
1st 2011年11月18日 幻とのつきあい方 (How To Live With A Phantom) zel-002(通常盤)
zel-002s(初回限定盤)
zel-003(LP)
オリコン最高11位、登場回数10回、2011年インディーズ年間79位
2nd 2014年5月28日 ナマで踊ろう(Let’s Dance Raw) zel-012(通常盤)
zel-012s(初回限定盤)

参加作品[編集]

発売日 タイトル 規格品番 収録曲 備考
2012年10月24日 オシリペンペンズ『心』 DON-4 ゲストミュージシャンとして参加
2013年12月11日 Soup Stock Tokyoの音楽2 Music For Soup Stock Tokyo vol.2 Selected by Koichi Matsunaga (a.k.a.COMPUMA) PCD-20290 P-VINE

ミュージックビデオ[編集]

ゆらゆら帝国[編集]

監督 曲名
天久聖一 / 山口保幸 「美しい」
井本学明 「ズックにロック」「発光体」
丸山太郎 「ロボットでした」
山口保幸 「2005年世界旅行」「つぎの夜へ」「ゆらゆら帝国で考え中」「タコ物語」「ラメのパンタロン」「貫通」「空洞です」「夜行性の生き物3匹」「冷たいギフト」
不明 「ドア」「空洞です (alternate version)」

坂本慎太郎[編集]

監督 曲名
坂本慎太郎 君はそう決めた
山口保幸 死者より(From The Dead)

脚注[編集]

  1. ^ 「アイツのテーマ」は、テレビ番組『はねるのトびら』のエンディング曲に採用された。

外部リンク[編集]