やまと新聞
『やまと新聞』(やまとしんぶん)とはかつて発行されていた日本の日刊新聞。実質的な後継紙に「新夕刊」、「国民タイムズ」があった。
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[編集] 沿革
[編集] 警察新報
1884年(明治17年)10月4日、東京日日新聞の創始者でもある條野伝平(採菊)によって『警察新報』が創刊された。警察にかかわる事件情報などを報じる真面目な紙面で、小新聞サイズで振り仮名入りではあったが、他の小新聞のような挿絵や続き物などは載せなかった。売れ行きは伸びず、創刊から2年ほどしか続かなかった[1]。
[編集] やまと新聞
1886年(明治19年)10月7日、『やまと新聞』が創刊される。『やまと新聞』は『警察新報』を改題したものとみなされているが、号数は継承していない。やまと新聞社は元警察新報社のあった社屋を使用し、警察新報と同じく、條野伝平・岡本綺堂ら、東京日日新聞関係者が少なからずかかわっている。
『やまと新聞』は雑報や論説も載せたが、庶民向けの娯楽趣味の宣伝に努めたいわゆる小新聞であり、花柳界や芸能界の記事、続き読み物、ゴシップ記事などが中心的な記事であった。月岡芳年・水野年方らの挿絵でも知られ、時折つけた付録には、芳年の描いた色鮮やかな大判新聞錦絵「近世人物誌」シリーズもある[2][3]。創刊後まもなく掲載を始めた三遊亭圓朝の落語(あるいは講談)の口述筆記は日本の新聞初の試みであり、好評を博した『やまと新聞』は多くの読者を得た。
1897年、やまと新聞社は子爵高島鞆之助に譲渡され、1900年に松下軍治が買収。『やまと新聞』(松下の買収後『日出国(やまと)新聞』に改題したが、1904年に題号を復している)は福地桜痴・朝比奈知泉といった老言論人を擁し、山県系の新聞となった。東京の有力紙の一紙であり、とくに夕刊では他紙を圧する存在であったとされる[4]。
1913年、第一次護憲運動に際して桂内閣擁護の論陣を張ったため、やまと新聞社は「御用新聞」と見なされ、暴徒に襲撃された。1914年、シーメンス事件では松下軍治らが山本権兵衛内閣打倒の急先鋒を務めた。1915年に松下軍治が没すると社運が衰えはじめ、1923年に関東大震災で社屋が焼失したことで致命的打撃を受けた。
経営は1929年に松下家から離れる。その後、1940年に児玉誉士夫が経営を継承するも、新聞統制のため1944年4月を以て休刊した。
[編集] 新夕刊
1946年1月11日に児玉らの手によって、『やまと新聞』を発展させた新聞として『新夕刊』が創刊される。戦後創刊した新興夕刊紙の代表格とされ、一時期「サザエさん」も掲載されていた。
まもなく児玉が戦犯として収監されると経営権は児玉の腹心である高源重吉に移譲されるが次第に経営に行き詰まり、1949年に三浦義一に再度経営権が移譲され、1950年3月20日に『日本夕刊新聞』に改題。1952年7月10日、再び経営者が山崎一芳に移動し『新夕刊』に復題。山崎は経営するにあたり保全経済会をスポンサーに付けた。
1954年にその保全経済会が引き起こした巨額詐欺事件(保全経済会事件)に巻き込まれ、『新夕刊』の業績は悪化の一途を辿る。そのため1958年4月16日に、新創刊の新聞として『新夕刊』を『国民タイムズ』に改題する。
[編集] 国民タイムズ
『国民タイムズ』は新創刊されたものの再び経営に行き詰まり、大映社長の永田雅一が経営に乗り出して新社を設立。永田はここで同紙をスポーツ新聞に切り替え、『東京スポーツ』が誕生した。
[編集] もうひとつの『やまと新聞』
1932年8月に創刊された『帝都日日新聞』[5]。1944年4月に休刊し、1958年7月に復刊。1969年7月1日に『やまと新聞』に改題した[5][6]。
[編集] 脚注
- ^ 『大衆紙の源流』250-254頁「『警察新報』と『東京日日新聞』」
- ^ 小野秀雄の新聞錦絵コレクションには「近世人物誌やまと新聞付録」シリーズが含まれている。『ニュースの誕生 かわら版と新聞錦絵の情報世界』
- ^ 『大衆紙の源流』254-262頁「『やまと新聞』と明治十九年の新聞改革」
- ^ 伊藤信哉「20世紀前半の日本外交論壇と『外交時報』(五) (PDF)」 、『松山大学論集』第21巻第1号、2009年4月、 2頁、2012年2月16日閲覧。
- ^ a b NDL新聞情報詳細検索 帝都日日新聞(創刊:1932) [1]
- ^ NDL新聞情報詳細検索 やまと新聞(創刊:1969) [2]
[編集] 参考文献
- 土屋礼子『大衆紙の源流 明治期小新聞の研究』世界思想社 2002年
- 木下直之・吉見俊哉(編)『ニュースの誕生 かわら版と新聞錦絵の情報世界』東京大学総合研究博物館 1999年
- 春原昭彦『四訂版 日本新聞通史』新泉社、2003年
[編集] 外部リンク
- 新聞錦絵 30選(1) (「近世人物誌やまと新聞付録」シリーズを含む)
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