もりもりぼっくん

半保護されたページ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

東映不思議コメディーシリーズ > もりもりぼっくん
東映不思議コメディーシリーズ
通番 題名 放映期間
第5作 勝手に!カミタマン 1985年4月
- 1986年3月
第6作 もりもりぼっくん 1986年4月
- 1986年12月
第7作 おもいっきり探偵団
覇悪怒組
1987年1月
- 1987年12月
もりもりぼっくん
ジャンル 特撮テレビドラマ
原作 石森章太郎→石ノ森章太郎
企画
脚本
監督 小西通雄
出演者
声の出演
ナレーター
音楽 藤本敦夫
オープニング 「ぼっくん!キミがいなきゃ」
歌:伊藤かずえ
エンディング 「ジュリエットにさせて」
歌:伊藤かずえ
言語 日本語
製作
プロデューサー
  • 植田泰治
  • 西村政行(東映)
制作 フジテレビ
放送
放送局フジテレビ系列
音声形式
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1986年4月6日 -
12月28日
放送時間日曜 9:00 - 9:30
放送枠東映不思議コメディーシリーズ
放送分30分
回数全39

特記事項:
東映不思議コメディーシリーズ」第6作
テンプレートを表示

もりもりぼっくん』は、1986年4月6日から同年12月28日までフジテレビ系で全39話が放送された、ロボット特撮テレビ番組および主役ロボットの名称。東映不思議コメディーシリーズ第6作目。

概要

異生物を主人公にした作品(『ペットントン』『どきんちょ!ネムリン』『勝手に!カミタマン』の3作)から路線を転換し、『ロボット8ちゃん』や『バッテンロボ丸』以来となる、ロボットを主人公とした作品である[1]。ロボットだけではなく擬人化した動物キャラクターも同格で登場しており、両路線のスタンスが融合している[1]

前番組の『カミタマン』同様にCM前後のアイキャッチはなく、タイトルロゴが白字で表示される。

メインライターの浦沢義雄は、本作品についてあまりうまくいかなかったと述懐している[2]

あらすじ

夢がなくては真っ暗闇。この世で泣く人嘆く人。泣くな、負けるな、挫けるな!もうすぐあいつがやって来る。
この物語は、昇る朝日に友情を誓い、沈む夕日に愛を叫ぶ、誠のロボット・もりもりぼっくんの真実の記録である。 — オープニングナレーション

知蘭博士が夢見ている人間動物、そしてロボットの共存を図るための謎の「サムシング」なるものを探す、もりもりぼっくんと、その仲間のロボットや動物の人間社会での騒動を描いた。

登場キャラクター

ぼっくん

ロボットと動物の仲を取り持つために知蘭博士によって造られたロボット。エネルギー源はピーマンやトマトなどの野菜[3]

お腹の部分は目覚ましベルを備えたディスプレイになっており、必要に応じて時計を出現させて知蘭博士との定時連絡の時間をアラームで知らせるほか[4]、時間を進めたり遅らせたりして時空調整ができる。自在に首を回しウキウキパワーで物体を空中に浮上させることもできる[5][4][3]

背中に遠隔通信用ロボットピッコロバードが装着されている[5][4][3]

頭の部分はフードで覆うこともできる。基本的に「ぼっくん」と語尾につけて話す。左腹部には受話器が付いており[4]、知蘭博士と連絡を取るだけでなく、知蘭ランドの立体ファクシミリで電送された物品を受け取ることができる。また、電話に出る際には「もしもし?」ではなく「もりもり?」と相手に呼びかける。落ち込むとしばしば首の部分が引っ込み、顔を隠す。食事の際は首を上に上げて口が開き、野菜、カツ丼、アイスクリーム、ファーストフードなど人間と同様に食べることができる。食べ過ぎるとお腹の時計が誤作動しタイムスリップしてしまう。苦手な物はニンジン。

毎回次回予告の前には、交通標語を唱えている。

ロボット

学習修(がくしゅうおさむ)
勉強机ロボット。頭の部分に鉢巻をしている。相手を見るとなりふり構わず勉強を強要したがる。両腕を伸ばし相手をつかまえ股の部分にある椅子を分離させて座らせる。体は木製[7]
洗面モモコ
洗面台ロボット。ラビクリンと知蘭ランド一の美女は誰かで喧嘩する。
救急九太郎
途中から登場した救急車ロボット。2足形態から救急車に変形してけが人のもとへ駆けつけ、自動診断装置により単独で診察から救急治療までこなす[7][3]

動物

モグランプ
勉強嫌いだが博識なモグラ。学習修とは卵の食べ方でも喧嘩をする。
ラビクリン[注釈 2]
清潔好きなウサギ。救急九太郎と秘密裏に交際[7]
ジャイタイガー
巨人ファンの虎[7]。服に書いてある背番号は90。「ぼっくん殿」など、侍口調で話す。

人間

中山 フミヤ
小学5年生。サッカーの練習中にサッカーボールを探しに行った過程で、ぼっくんと出会う。その後紆余曲折の末ぼっくんの親友になる。少年野球チーム「ジャイアンツ」に所属しており、勉強よりもスポーツが得意。
井上 マドカ
フミヤのクラスメート。フミヤに好意を寄せており積極的にアタックしているが、フミヤは同じ男の子と遊びたい盛りでもあり、煙たがられている。
中山 マコト
フミヤの父。仕事は学校の体育の先生。
中山 ケーコ
フミヤの母。専業主婦。
カケフ
フミヤのクラスメートであり親友。裕福。少年野球チーム「タイガース」に所属している。マドカへの好意を積極的に表現しているが、単なる友達の1人としての扱いを出ず、フミヤに通ずる踏み台として使い捨てにされることもある。このようにフミヤとは少年野球では敵同士であり、マドカを巡っては一方的な恋敵であるが、仲は大変に良好。
井上 アサミ
マドカの妹。「姉の恋の弱味を突いてアイスクリームを奢らせる」「通りすがりの第三者に勝手にケンカを売り、ぼっくんのせいにする」「ロリコン痴漢冤罪を仕掛け、通りすがった警察官に言う」などを平然と行う問題児。マドカのことが好きなカケフでさえ、「友達と遊びたいから妹の面倒を見て欲しい」と頼まれたら逃げ出す。
アイアンおばさん
知蘭博士の妹。兄の知蘭博士を「知蘭兄ちゃん」と呼ぶが兄妹仲は良くない。初登場の第17話では知蘭ランドをゴルフ場にしようとを企んでいた。
知蘭博士
知蘭ランドの主である白髪の科学者。人間と動物とロボットの共存を夢見ており、その近道となるであろうサムシングを探すべく、ぼっくんを作った。アイドルの伊藤かずえのファン。阪神タイガースのファンでもあり、読売ジャイアンツとの試合内容によってはジャイタイガーに八つ当たりする。

サムシング

人間と動物とロボットが共存できる唯一の手がかりとされている「もの」。その正体はサムシング族サムシング科のアメーバ状の不定形生物[4]。第27話でついにその姿を現し、ぼっくんたちを振り回す。自分を涙を与えることで、違うもの同士を仲良くさせることができるが、100回泣くと死んでしまい、これまでに99回泣いている[4]

出演者

声の出演

スーツアクター

  • ぼっくん - 竹神昌央
  • モグランプ - 和泉匡俊
  • ラビクリン - 村田裕美子
  • ジャイタイガー - 宮沢淑郎
  • 救急九太郎 - 藤山健剛
  • 洗面モモコ、学習修 - 城谷光俊

スタッフ

主題歌

OP
「ぼっくん!キミがいなきゃ」
ED
「ジュリエットにさせて」
作詞 - 冬杜花代子 / 作曲 - 加藤和彦 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - 伊藤かずえ

劇中歌

オリジナル
「明日からムテキ!」(第13、28話)
作詞 - 浦沢義雄 / 作曲 - 藤本敦夫 / 編曲 - 田中公平 / 歌 - 坂本千夏
「サムシング、それは・・・」(第27話)
作詞 - 浦沢義雄 / 作曲 - 藤本敦夫 / 編曲 - 田中公平 / 歌 - 北原拓
流用歌
「花紀行」「VOYAGER〜日付のない墓標
歌 - 松任谷由実(第15話)
「キャンドルを消さないで」
歌 - 大西結花(第15話)
JINGI・愛してもらいます
歌 - 中山美穂(第23話)
さらば涙と言おう
歌 - 森田健作(第24話)

放送日程

放送日 話数 サブタイトル ゲスト 脚本 監督
1986年4月6日 1 登場!不思議ロボット 浦沢義雄 小西通雄
4月13日 2 恋のウキウキパワー!

4月20日 3 出動!ピッコロバード

坂本太郎
4月27日 4 恋のライバル カケフ君

5月4日 5 カケフの仲良し大作戦
  • 木村修
  • 福岡康祐
  • 泉福之助
小西通雄
5月11日 6 私は伊藤かずえです!!
  • 伊藤かずえ[9]
  • 佐渡稔
  • 小山昌幸
  • 高田恵梨子
  • 佐藤法義
5月18日 7 父さんは素敵な香り?!
  • 直井健一郎
佐伯孚治
5月25日 8 わてが救急九太郎だす
  • 松矢光志
坂本太郎
6月1日 9 妖怪ヘルシーばばあ
  • 野村幸子
  • 野原一善
佐伯孚治
6月8日 10 ズッコケ!真昼の決斗 坂本太郎
6月15日 11 燃えろジャイタイガー
  • 小池栄
  • 茂木幹雄
  • 高橋利安
  • 伊藤義明
  • 榎本篤雄
  • 三宅友美子
近藤杉雄
6月22日 12 九太郎!涙の純愛物語

6月29日 13 知蘭博士の愛のムチ 坂本太郎
7月6日 14 危険なハイキング

7月13日 15 怪談 かえるヶ池の姫君

近藤杉雄
7月20日 16 名医 救急9太郎を救え
7月27日 17 アイアンおばさん現わる

坂本太郎
8月3日 18 サムシング探しに夢中
  • 泉福之助
8月10日 19 忍術使い児雷也参上! 冨田義治
8月17日 20 アイアンおばさんの陰謀

うらさわよしお 近藤杉雄
8月24日 21 謎の覆面美少女剣士
  • 古原鉄平
  • 木村修
  • 内海香緒利
8月31日 22 学習修の勉強とは何だ
  • 渡辺寛二
鳥山正晴 冨田義治
9月7日 23 原始人がやってきた! うらさわよしお 坂本太郎
9月14日 24 恐怖の信玄袋マシーン

9月21日 25 知蘭ランド恐怖の遠足

冨田義治
9月28日 26 ぼっくん過労で倒れる
  • 井上飛敏
  • 井上大輔
10月5日 27 サムシングついに登場!
  • 原島達也
  • 日向恵子
  • 杉田智子
坂本太郎
10月12日 28 サムシングの涙を奪え!
  • 日向恵子
  • 杉田智子
10月19日 29 友情のトライアングル 鳥山正晴 近藤杉雄
10月26日 30 サムシングの露天風呂
  • 末松芳隆
  • 日向恵子
  • 杉田智子
うらさわよしお
11月2日 31 マドカは過激な女の子
  • 藤村奈緒
  • 日向恵子
  • 杉田智子
冨田義治
11月9日 32 ファーストフードの恐怖
  • 日向恵子
  • 杉田智子
11月16日 33 バイキングの贈り物
  • 福原一臣
  • 末松芳隆
  • 日向恵子
  • 杉田智子
岡本明久
11月23日 34 サムシングの風立ちぬ
11月30日 35 怒りのタコ大明神 近藤杉雄
12月7日 36 ターザンはひとりぼっち
  • 及川ヒロオ(ターザン 役)
12月14日 37 サムシングは泣かない
  • 小池榮
  • 日向恵子
  • 杉田智子
坂本太郎
12月21日 38 花よめはアイアンおばさん
  • 佐渡稔
12月28日 39 愛の涙は永遠に!
  • 日向恵子
  • 杉田智子
  • 伊藤かずえ[9]

ネット局

視聴率

  • 最高視聴率:17.7%(東映不思議コメディーシリーズ歴代9位)

ビデオリサーチ調べ、関東地区

映像ソフト化

2008年7月21日発売の「石ノ森章太郎 生誕70周年 DVD-BOX」に第1話が収録され、初のソフト化となった。

コミカライズ

CS放送・ネット配信

CS放送
ネット配信

脚注

注釈

  1. ^ それに関連するのか、石ノ森氏が比較的近年に描いたロボコンの絵(復刻単行本の表紙になっている)には、ぼっくんのように両手が指になっているものがある(原作のロボコンは3本指だがそれとも異なる)。
  2. ^ 書籍『特撮ヒーローの常識 80年代篇』では、名称をラビクリーンと記載している[4]
  3. ^ 資料によっては、知覧博士と記述している[3]
  4. ^ 本作より目玉マークと現行ロゴタイプに移行。

出典

  1. ^ a b 甦る!石ノ森ヒーローファイル 2013, p. 86, ヒーローファイル もりもりぼっくん
  2. ^ 「スーパー戦隊制作の裏舞台 浦沢義雄」『スーパー戦隊 Official Mook 20世紀』《1996 激走戦隊カーレンジャー》講談社〈講談社シリーズMOOK〉、2018年8月9日、32頁。ISBN 978-4-06-509607-9 
  3. ^ a b c d e f 東映×石ノ森 2010, p. 155, 「もりもりぼっくん」
  4. ^ a b c d e f g 常識 2013, pp. 124–125, 「もりもりぼっくんは、何を探してる?」
  5. ^ a b 全怪獣怪人 下 1990, p. 404
  6. ^ 甦る!石ノ森ヒーローファイル 2013, pp. 77、86.
  7. ^ a b c d 全怪獣怪人 下 1990, p. 405
  8. ^ 常識 2013, p. 149.
  9. ^ a b c 常識 2013, pp. 126–127, 「『もりもりぼっくん』に登場した人気アイドルは誰?」
  10. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1986年(昭和61年)4月 - 12月、テレビ欄。
  11. ^ 「全国縦断放映リスト」『アニメージュ』1988年3月号、徳間書店、127頁。 
  12. ^ 『北日本新聞』1986年7月25日付朝刊、テレビ欄。
  13. ^ 西日本新聞』1986年(昭和61年)4月 - 12月、テレビ欄。

参考文献

関連項目

不思議コメディーシリーズの作品
テレビ朝日の『もりもりぼっくん』路線の作品
フジテレビ 日曜 9:00 - 9:30
前番組 番組名 次番組
勝手に!カミタマン
(1985年4月7日 - 1986年3月30日)
もりもりぼっくん
(1986年4月6日 - 12月28日)
おもいっきり探偵団 覇悪怒組
(1987年1月11日 - 12月27日)