まど・みちお

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
まど・みちお
誕生 1909年11月16日(102歳)
山口県都濃郡徳山町(現周南市
職業 詩人
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 台北工業学校土木科卒
活動期間 1934年 -
代表作 『やぎさんゆうびん』
『ぞうさん』
『ふしぎなポケット』
主な受賞歴 野間児童文芸賞
サンケイ児童出版文化賞
日本児童文学者協会賞
小学館文学賞
国際アンデルセン賞作家賞
日本芸術院賞
テンプレートを表示

まど・みちお1909年11月16日 - )は、日本詩人である。本名は石田 道雄(いしだ みちお)。25歳のときに北原白秋に認められ、33歳のときに召集される。詩作りは20代から始め、以来詩を作り続けている。創作意欲の源は、政治・行政・教育・経済・戦争などに対する不満である[1]。『ぞうさん』や『やぎさんゆうびん』などの、そのおおらかでユーモラスな作品は童謡としても親しまれている。

目次

[編集] 経歴

現在の山口県徳山町(現周南市)に生まれる。幼い頃に父が仕事の都合で台湾へ渡り、さらにみちおが5歳の時に母が彼の兄と妹を連れて同地に移住したため4年ほどの間、祖父と2人での生活を送っている。その後、彼も祖父のもとを離れて台湾へ渡った。

台北工業学校土木科に在学中、数人で同人誌『あゆみ』を創刊し詩を発表。卒業後は台湾総督府の道路港湾課で働いていたが1934年、雑誌『コドモノクニ』の童謡募集に応じて5篇を投稿、そのうちの2篇が特選に選ばれたのをきっかけに詩や童謡の投稿を本格的に行うようになる。1936年には山口保治によって童謡『ふたあつ』が作曲された。その翌年には同人誌『昆虫列車』の創刊に参加し、1939年の廃刊まで活動する。

1943年、召集によって台湾の船舶工兵隊に入る。マニラを皮切りに各地を転戦し、シンガポールで終戦を迎える。日本に戻り、1948年には出版社に入社。雑誌『チャイルドブック』の創刊にたずさわり詩や童謡の発表をしながら子供のための雑誌、書籍の編集やカットに関わった。

1959年に出版社を退社した後は、詩・童謡・絵画に専念する。1963年にはそれまでに作った童謡を『ぞうさん まど・みちお子どもの歌一〇〇曲集』としてまとめる。その5年後、はじめての詩集となる『てんぷらぴりぴり』を出版し第6回野間児童文芸賞を受賞。1976年、『まど・みちお詩集』(全6巻)によって第23回サンケイ児童出版文化賞を受賞。第1巻『植物のうた』は、日本児童文学者協会賞にも選ばれた。同年、川崎市文化賞を受賞。

その後の賞歴を箇条書きする。

  • 1979年 『風景詩集』により第22回厚生省児童福祉文化奨励賞。
  • 1980年 第23回日本児童文芸家協会児童文化功労賞。
  • 1981年 第4回巌谷小波文芸賞。
  • 1986年 『しゃっくりうた』により第35回小学館文学賞
  • 1992年 まどの生誕地である山口県徳山市(当時)から、市民文化栄誉賞。
  • 1993-1994年 『まど・みちお全詩集』により第43回芸術選奨文部大臣賞および第40回産経児童出版文化賞大賞、第16回路傍の石文学賞特別賞。
  • 1994年 国際アンデルセン賞(Hans Christian Andersen Award)作家賞。
  • 1998年 第47回神奈川文化賞。
  • 1999年 1998年度朝日賞。
  • 2001年 『うめぼしリモコン』により第11回丸山豊記念現代詩賞。
  • 2003年 第59回日本芸術院賞

1992年には、皇后美智子の選・英訳による『どうぶつたち』(The Animals)が日本およびアメリカで出版された。

満90歳(1999年11月)を過ぎた頃からは、自らの「老い」を見つめた詩も増えているとされる[2]

2008年末、腰を痛めたのを機に入院し[3]、2009年11月現在、療養中であるが[3]、創作活動は行っている[2][3]

2009年、満100歳を迎えるにあたり、新作詩集2冊(『のぼりくだりの…』『100歳詩集 逃げの一手』)が11月に刊行された[4]ほか、出身地の周南市ではさまざまな記念イベントが開催された[5][6]

[編集] 作品

[編集] 『やぎさんゆうびん』

1939年、「昆虫列車」に初出、1953年にNHKラジオで放送された(作曲:團伊玖磨)。白ヤギと黒ヤギの間で終わりなく繰り返される手紙のやりとりがユーモラスな作品である。

[編集] 『ぞうさん』

1948年に書かれたもので、1953年に團が曲をつけてNHKラジオで放送された。その歌詞は自らのもつ差異を肯定し、誇りとするものとされている[7]周南市徳山動物園には『ぞうさん』の歌碑がある[8]

みちおは『ぞうさん』について次のように語っている。

「『鼻が長い』と言われれば からかわれたと思うのが普通ですが、子ゾウは『お母さんだってそうよ』『お母さん大好き』と言える。素晴しい」[1]

[編集] 『ふしぎなポケット』

1954年発表。たたくたびに中のビスケットが増える魔法のポケットがほしいと歌う作品。作曲は渡辺茂

[編集] おもな著作・関連作品一覧

[編集] 詩集

  • 『てんぷらぴりぴり』(大日本図書、1968年
  • 『まめつぶうた』(理論社、1973年
  • 『まど・みちお詩集』(全6巻 銀河社、1974-1975年
  • 『風景詩集』(銀河社、1979年)
  • 『つけもののおもし』(ポプラ社、1979年)
  • 『いいけしき』(理論社、1981年
  • 『しゃっくりうた』(理論社、1985年
  • 『くまさん』(童話屋、1989年
  • 伊藤英治編『まど・みちお全詩集』(理論社、1992年初版、1994年増補新装版、2001年新訂版。右のISBNコードは新訂版。 ISBN 9784652042311
  • 『それから…』(童話屋、1993年)
  • 『メロンのじかん』(理論社、1999年)
  • 『おなかの大きい小母さん』(大日本図書、2000年
  • 『きょうも天気』(至光社、2000年)
  • 『そのへんを』(未知谷、2006年、写真:みやこうせい
  • 市河紀子編『のぼりくだりの…』(理論社、2009年)
  • 水内喜久雄『100歳詩集 逃げの一手』(小学館、2009年)

[編集] エッセー

[編集] 詩画集

[編集] 翻訳絵本

  • 皇后美智子選・英訳『どうぶつたち(The Animals)』(絵:安野光雅、すえもりブックス、1992年 ISBN 9784915777066
  • 皇后美智子選・英訳『ふしぎなポケット(The Magic Pocket)』(絵:安野光雅、すえもりブックス、1998年 ISBN 9784915777219

[編集] 童謡

[編集] 合唱曲

  • 児童(女声)のための合唱組曲『虫の絵本』(作曲:吉岡弘行
    • テントウムシ
    • チョウチョウ
    • ガガンボ
    • セミ
  • 混声合唱組曲『宇宙のうた』(作曲:近藤春恵
  • 女声(児童)合唱曲『花と木の歌』(作曲:今井邦男
  • 『こんなにたしかに』(作曲:山本純ノ介
  • 混声合唱組曲『詩の歌』(作曲:三善晃
  • 『うたをうたうとき』(作曲:信長貴富木下牧子
    • コスモスのうた
    • いちばんぼし
    • かいだん I
    • やどかりさん
    • サザンカ
    • かいがらさん

[編集] 同人誌

  • 昆虫列車
詩人の水上不二と発行
  • 資料 水上不二さんの詩(ポエム・ライブラリー夢ぽけっと 2005年)

[編集] 校歌

[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ a b 井上圭子「100歳迎え新作詩集 まど・みちおさん」、『東京新聞』2009年(平成21年)10月28日 水曜日【暮らし】、 10面。
  2. ^ a b 『NHKスペシャル』(2010年1月3日放送済み)「ふしぎがり~まど・みちお 百歳の詩~」番組紹介 日本放送協会 2010年1月6日閲覧。
  3. ^ a b c 佐々波幸子 (2009年11月16日). “詩人まど・みちおさん100歳「何か新しいことできる」”. asahi.com. 朝日新聞社. 2010年1月6日閲覧。
  4. ^ 特集「詩人 まど・みちお 100歳での新作詩集を語る」”. 『週刊ブックレビュー』2009年11月21日の放送内容. 日本放送協会 (2009年11月21日). 2010年1月6日閲覧。
  5. ^ まどさん100歳祝う 周南、2カ所でイベント”. 山口新聞. 山口新聞社 (2009年10月26日). 2010年1月6日閲覧。
  6. ^ まど・みちおさん100歳 地元の周南、祝福ムード”. 山口新聞. 山口新聞社 (2009年11月17日). 2010年1月6日閲覧。
  7. ^ MSN毎日インタラクティブ「この国はどこへ行こうとしているのか まど・みちおさん」(毎日新聞2007年7月6日
  8. ^ 周南市徳山動物園史跡めぐり」・「まど・みちお

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語