ひとまねこざる

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ひとまねこざる』(原題:Curious George)は、ハンス・アウグスト・レイマーガレット・レイ英語版の夫妻による絵本のシリーズである。

当稿では後に別スタッフにより制作され、日本でもやはり別スタッフにより邦題も変更して翻訳された『おさるのジョージ』についても解説する。

概要[編集]

主人公は「黄色い帽子のおじさん」によってアフリカから大都市(ニューヨーク)に連れて来られた、「じょーじ」という名前の、知りたがりやで、ヒトの真似をしてあれこれやるのが大好きなさるである。一作目の『ひとまねこざるときいろいぼうし』において、じょーじをアフリカから文明都市に連れてきたことを肯定的に表現しているため、植民地主義の文脈で解釈されることがあるが、これは、作者の動物園好きを反映しているものと解釈する方が自然である。

両シリーズの違い[編集]

日本語題 作者 日本初年 書式 主人公の表記
ひとまねこざる レイ夫妻 ハンス・アウグスト・レイ 1954年 光吉夏弥 縦書き じょーじ
おさるのジョージ ヴァイパー ヴァイパー、ウェストン 1999年 福本友美子渡辺茂男など 横書き ジョージ

ひとまねこざる[編集]

なお原著の発行年と日本語訳の発表年は順序が異なっているので、原著の発行年に従って読まないとストーリーがつながらないことに注意。

邦題 原題 日本での初版 原著の発行年
ひとまねこざる Curious George Takes a Job 1954年12月10日 1947年
ろけっとこざる Curious George Gets A Medal 1959年12月10日 1957年
じてんしゃにのるひとまねこざる Curious George Rides A Bike 1963年12月1日 1952年
たこをあげるひとまねこざる Curious George Flies A Kite 1966年11月16日 1958年
ひとまねこざるときいろいぼうし Curious George 1966年11月16日 1941年
ひとまねこざるびょういんへいく Curious George Goes to the Hospital 1968年12月5日 1966年

おさるのジョージ[編集]

ハンス・レイの死後、この作品を原案にした『おさるのジョージ』シリーズ(原題:the Curious George "New Adventures")がヴァイパー・インタラクティヴ(C. Becker, D. Fakkel, M. Jensen, S. SanGiacomo, C. Witte, C. Yu)によって1998年より制作され、挿絵もヴァイパーや、マーサ・ウェストン(Martha Weston)が担当した。そのため、レイ夫妻原作の作品も『おさるのジョージ』として紹介されることがある。

  • 『のりものだいすき』(Curious George Rides
  • 『かずのほん』(Curious George's 1 to 10 and Back Again
  • 『A.B.C』(Curious George's ABCs
  • 『いたずらだいすき』(Curious George's Are You Curious?
  • 『うさぎとかくれんぼ』(Curious George and the Bunny
  • 『ゆかいなさかなつり』(Curious George Goes Fishing
  • 『はんたいことば』(Curious George's Opposites
  • 『はじめてのロケット』(Curious George and the Rocket
  • 『メリークリスマス おさるのジョージ』(Merry Christmas Curious George

映像化[編集]

どちらの映像作品も、日本ではレンタルソフトで公開されている。

  • 当初は人形アニメで制作された。
  • 2006年にはアニメ映画となった。基本は手描きだが、無生物の部分にはCGもかなり使用している。基本設定は同じものの、細かい部分は大きくアレンジされている。原作ではジョージの振る舞いを、きいろいぼうしのおじさんがフォローしていたが、この映画では博物館の学芸員のテッド(おじさんに名前がついた)の駄目人間としての振る舞いを、ジョージがフォローする形式になっている。劇中年度も公開時に再設定され、携帯電話や立体映像が話に組み込まれているが、一方でジョージが凧や風船やロケットに乗るなど、かつての絵本からのオマージュも組み込まれている。公開時間約90分。この長編版は後に続編が作られた。
  • NHK Eテレで放送されているアニメ版は長らく土曜の08時00分00秒~08時23分30秒に放送されていたが、2010年度より08時35分00秒~08時58分30秒の放送になった。

サブタイトル(アニメ版)[編集]

No. サブタイトル Subtitles
シーズン1
1 たこたこ、あがれ!
名探偵ジョージ
Curious George Flies a Kite
From Scratch
2 ハトさんのおうち
数字あわせ
Curious George's Home for Pigeons
Out of Order
3 ドーナツこわい
ポンプはおもい
Zeros to Donuts
Curious George, Stain Remover
4 うきうきボート
ローラーチーム誕生
Buoy Wonder
Roller Monkey
5 ポッポ時計
ウサギとかくれんぼ
Curious George On Time
Curious George's Bunny Hunt
(6~30)

登場人物[編集]

(声の出演の欄に2つ名前がある場合…前者はEテレ版、後者は映画版)

主要人物[編集]

字幕はジョージが黄色、テッドが水色、語りが緑色。

語り - 岩崎良美
ナレーションとして、時々ジョージの気持ちなどを代弁していることもある。また、本作の主題歌を歌っている。
ジョージ 
声 - フランク・ウェルカー(原語版流用)
主人公である子供のサル。当然といえば当然だが、裸で過ごしている(但し、冬の外出時はコートを着る)。好奇心旺盛・知りたがり(curious)で色んなものに興味を示す。悪意はないが、遊びに夢中になる内に、説明や注意をよく聞かないまま行動することがある。また禁止事項を教わってもすぐに忘れる事はしょっちゅう。そのため結果的に物を壊したり、その場がメチャクチャになるなどよく騒動となってしまう。しかし、その度に試行錯誤を繰り返して元に戻す、時には以前の状態より良い結果を生むこともあり周りの人間からも「よくやった」などと褒められる展開となる。
小学校低学年ぐらいの知能を持っていて、人間の言葉をある程度理解していたり簡単な数を数える事もできる。対してジョージが周りの人間と会話する時は、鳴き声や表情やジェスチャーで意思疎通を図っている。表情豊かで喜んだり落ち込んだり、ホッとした時は手でおでこの冷や汗を拭って「シュ~(元のアニメの吹き替えによるもの)」などと言っている。手先が器用で、やペンなどで簡単な絵を描いたり、セロハンテープはさみなどを使って工作したりできる。また、両利きである。
尻尾は無い。普段は二足歩行をするが、走る時に四本足を使うことがある。
ちなみにこの物語に登場する人間は皆、テッドの知人などから「やあ、ジョージ!」と挨拶されるのはもちろん、街中などでは他人も「人間の子供」のように親しみを持って接している。サルという理由で驚かれたり、「こっちに来るな」など拒絶されることはほとんどない。
黄色い帽子のおじさん
声 - 原康義/山寺宏一
名はテッド。ジョージの飼い主。本業は博物館学芸員。トレードマークは黄色い鍔広の帽子(ピスヘルメットまたはキャンペーンハット)で、背広もネクタイも黄色いものを好んで着ている。ジョージの行動に手を焼くこともあるが、一番の良き理解者。基本的にのんびりした性格で心が寛大であり、ジョージが少々失敗しても許してくれる。お気に入りの黄色い帽子に穴を開けられても、悪戯で家中をめちゃくちゃにされても怒らない。
普段は高層アパートに住んでいる。近くに牧場や公園などがある自然豊かな緑に囲まれた郊外に別荘を持っていて、時々ジョージと共にそこで過ごしている。
子供の頃に青い帽子と青いシャツ、さらに赤い半ズボン(おばあちゃんからもらった)を着せられたことがあった。しかし、好みじゃなかったのか、黄色いおじさんは「これ以降、黄色いものを身につけるようになった」と語っている[1]

街に住む人々[編集]

ドアマン
声 - 境賢一/宝亀克寿
ジョージとテッドが暮らすマンションのドアマン。赤い制服を着ていて帽子を被っている。頭はスキンヘッド
シェフのピスゲッティ
声 - 宝亀克寿
イタリア料理屋のシェフ。ニョッキの飼い主。料理に使われている野菜は店の屋上で育てた物を使用している。
ワイズマン博士
声 - 土井美加
女性研究者。メガネをかけている。テッド曰く「天才」。だが、天才ゆえかテッドやジョージには詳細を告げずに実験や研究に参加させることがたびたびある。
スティーブとベッツィー
声 - 亀井芳子(スティーブ)、細野雅世(ベッツィー)
小学生ぐらいの兄妹。スティーブ曰く「ぼくはもう5年生だ」。いつも2人で遊んだり、飼い犬のチャーキーの散歩をするなどほとんど一緒に行動している。兄はお調子者ですぐふざけるので、妹がいさめる役目となっているが、幼さもあり兄のペースに乗せられることもある。
第86レスキュー隊員
声 -
メガネをかけた男性職員(スティグ)、黒人の男性職員(ステュー)、女性職員(アンディ)の3人でいつも活動している消防士。出動内容はほとんどが救助。  
ケイリー
声 - 小島幸子
デパートにあるチョコショップの経営者。チョコを補充する為に、ジョージに店の代理を頼ませた事がある。

田舎(黄色い帽子のおじさんの別荘がある地域)に住む人々[編集]

ビル
声 - 竹内順子
田舎に住む男の子。ジョージとは仲が良いが若干、都会コンプレックス(都会やそこに住む人に対して劣等感)があるらしい。そのため時々「都会っ子は知らないだろうけど…」などとジョージに向かって発言することがある。新聞配達のバイトをしている。家の庭に小屋があり、その中で数匹のウサギを飼っている。
アリーにダンスパーティーに誘われた際、踊れないことを理由に別の場所へ一時引っ越すことを考えていた。
レンキンス夫妻
声 - 星野充昭(夫)・片岡富枝(妻)
田舎で農場・牧場を営んでいる夫婦。力仕事もこなすためか夫婦揃って大柄な体格。農場では野菜などを育てるのはもちろん、牛やブタなどの家畜を飼っている。また、リンゴジュースを作るための施設なども持っている。奥さんは機械いじりが得意で手造りで様々な物を造ったり、ジョージが時々自転車などを壊しても簡単に修理してくれる。多忙なためか、海へは約50年ぶりに来たといい、ビルが捕まえた砂ガニを大きな虫と勘違いした。夫妻以外の詳しい家族構成は不明だが、アリー(声 - 釘宮理恵)というおてんばな性格の幼い孫娘がいる[2]
クイント
声 - 立川三貴
おじさん。奥さん(声 - 宮寺智子)と暮らしている。詳しくは不明だが、近くの川や湖などで水質調査や生き物の生態を観察している。他にも湖で一人で小さなボートに乗って釣りをしていることが多い。
実は男3人女2人の五つ子(生まれた順番は不明)。フリント(声 - 多田野曜平)…クイントの弟、駅長として勤務。ウイント(声 - 辻親八)…保安官。スプリント(声 - 雨蘭咲木子)…過去にオリンピックで金メダルを3個獲得している。ジョギングが趣味で、洗車場を経営している。ミント…このアニメの中の国のお札を印刷している(日本で言う造幣局のような所に勤務)。5人とも「さかなクラッカー」が大好き[3]

動物たち[編集]

このアニメには、ジョージ以外にもいくつかの動物が出てくる。動物たちの声はジョージと同じく原語版流用である。

ハンドリー
声 - レックス・ラング
ダックスフントのオス。ジョージたちが暮らすマンションで番犬として1階のエレベーター前でいつも見張っている(ジョージが脚を骨折してから、完治する間はジョージの介護をしていた事がある)。お客さんの忘れ物などを見つけたら知らせるなど、職務に勤しんでいる。
真面目な性格で自分の仕事に誇りを持っており、ドアマンからも信頼されている。ジョージについては「また何か面倒なことを起こすんじゃないか」と若干煙たがっている。
首輪を排水溝に落として鼻を突っ込んでいた際、迷い犬などを一時保存するセンターに連れて行かれたが、ジョージに助けられ、一時はジョージを信頼した。
「餌の量は丁度カップ1杯」など決まったやり方でないと嫌がる、拘りの強い性格でもある。また猫アレルギーでもある。
チャーキー
声 - ロブ・ポールセン
グレー色のオス犬。人懐こく、遊ぶのが大好き。スティーブ曰く「脱走の名人、いや名犬だ」。いつも元気だが、少々落ち着きがなくジョージも手を焼くほど。
ニョッキ
声 - デビ・デリーベリー
ピスゲッティさんが飼っているメス猫。ジョージよりも若干幼いらしく危険を認識出来ていないと思われる。周りの心配もよそに高いところや狭いところなど興味があれば、それほど怖がらずに行くことがあるため、少々危なっかしい。
コンパス
声 - ロブ・ポールセン
ジョージたちが暮らすマンションの屋上で飼われている鳩。飼い主はドアマン。ジョージの部屋のベランダや工事現場、博物館など都会のあちこちに出没するあたり、行動範囲は割と広く、自由に飛び回っているが、周りが思う方向には飛べない。なお、ジョージの事をサルとは分かっていない様子。
ジャンピー
声 - ジム・カミングス
テッド(黄色いおじさん)の別荘のそばにある木の辺りに住み着いているリス。動きがすばしっこく食いしん坊で、普段は木の実などを食べている。小鳥にエサをあげようとしたジョージと、そのエサを食べようとするジャンピーとでエサを巡って知恵くらべによる攻防をしたことがある。

脚注[編集]

  1. ^ 2013年3月16日放送「レモネードはいかが?」より
  2. ^ 2012年4月14日放送「おてんばアリー」より
  3. ^ 2012年11月3日放送「ビックリ・パーティー」より

関連項目[編集]

外部リンク[編集]