はだしのゲンの登場人物
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当記事では中沢啓治自身による原爆の被爆体験を元にした漫画、『はだしのゲン』(Barefoot Gen)の登場人物について解説する。なお、映像化などが行われた際のキャストについては、親記事を参照。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
目次 |
[編集] 登場人物について
はだしのゲンは全10巻であるものの登場人物の入れ替えが激しく、1巻から10巻まで全巻に登場している人物は主人公のゲンだけ[1]でそれ以外は皆無である。原爆投下後の広島の惨状について触れるシリアスなストーリー作品であるためにゲンの肉親や身内は途中で死んでいるケースが多く、原爆投下もしくはその原因で死んだ人物は進次・英子・大吉・君江・松吉・夏江・光子であり、栄養失調で死んだのは友子、そして殺害された人物はムスビである[2]。第一部・第二部に登場して最後までその後の所在が確認されていない人物は浩二・昭・隆太・勝子・雨森・朴・伝次郎・竜吉・倉田・政・秀である。作中で昭和天皇の戦争責任論について言及する人物はゲン・大吉・君江・勝子・太田・横道・義眼の男性である。
ゲンの同居するメンバーは1巻では家族だったが、2巻の原爆投下により母親と友子だけとなり、3巻では隆太が加わり途中で別れ、そして昭と浩二と再会したものの友子と死別し、7巻の君江の死まで生き残った兄弟と暮らしてたがそれぞれの目標のために別れ、9巻以降は原爆孤児の隆太と勝子、後に死亡するムスビと夏江と同居する事となる。一方原爆孤児の隆太は4巻でゲンと別れて以降隆太軍団とヤクザ生活を送り、ヤクザの世界から縁を切った後に松吉を養父代わりとしさらに夏江も加わったが両者共々死亡し、最終的にはゲン・隆太・ムスビ・勝子の4人のメンバーで同居する事となる。
登場人物紹介で触れる実在の人物は顔が登場する影響ある人物であり、名前だけ登場の人物(例:『トルーマン』『アイゼンハワー』)や、また顔が出ても作中に影響がない人物(例:『山本富士子』『吉田茂』)ついては本項では触れない。
[編集] 中岡家
- 中岡 元(なかおか げん)
- この作品の主人公。通称「ゲン」。中岡家の第四子・三男。登場時は国民学校(小学校)2年生。以後は小学校4年生、中学校1年生、中学卒業後の順に章立てが成されていく。お調子者だが、根は真面目な性格。原爆投下の際に女性に呼び止められた事により建物の塀の影に入っていたため、熱戦の直撃を受けず奇跡的に助かった。原爆症の影響で直後に脱毛してしまうが後に再び生え揃った。原爆で父・姉・弟を亡くしながらもたくましく生きていく。特技は絵画と浪曲と読経。また、浪曲を朗々と詠み上げたり、英語の歌や、お経を短期間で習得しており、記憶力にも優れている。ケンカも強く、相手の股間への頭突きや手足への噛み付きが必殺技。劇中のケンカでは同年代相手ではほぼ負け知らずで、「鍛え方が違う」と相手に度々言うほどの修羅場をくぐっている。身なりは常に小学校・中学校時代の制服と帽子を被り、下駄の絵付け職人の息子にもかかわらず「はだしの主人公」なのだが、下駄を履く描写は被爆前に若干と、被爆後、頭髪が生える同時あたりからは、ほぼ下駄姿で定着し(はだしの時もある)、卒業後は高校進学せずに中卒なので制服はなく帽子を脱ぎ髪をのばし、服装もカジュアルに、足元はスニーカーとなる。はだし以上に、ほぼ一貫しての腕まくりが特徴である。
- 尊敬する相手は両親。父母の死後も回想シーンに幾度か登場しており、その言葉により励まされ成長していく。初恋の相手は中尾光子であり、当初は光子が犬猿の仲の重蔵の娘と知って落胆したが、自分が書いた光子の似顔絵を隆太が見せる事で仲介し、それにより2回もデートしたが、光子は原爆症で急死してしまう。
- 思想は戦時中、父親の強い刷込を基に、なおかつ戦争直後における悲惨な体験から、天皇制や軍国主義をその元凶と信じている。戦争を憎んでいるために、戦争を美化したりする者に対しては厳しく、大人に対しても鉄拳制裁を加える事がある。アメリカに対しても原爆投下以外に進駐軍兵士の横暴さや被爆者を食い物にする組織を目撃した影響などから良く思ってない。一方、父親の影響と朴との交流で、当時差別の対象となっていた朝鮮人に対しては蔑視が無い。ただし戦前編の描写で朝鮮人を侮辱した歌を歌って大吉に殴られたり、原爆投下直後にはあまりの原爆被害の悲惨さに兵士に向かって「戦争に勝ってアメリカをやっつけてくれ」と言う描写も見られる。
- 物語の殆どは生きることに精一杯だったが、中学生の頃から画家を目指すようになり、最後は未来を切り開くために東京に旅立つ。なお、幻となった続編の構想では、フランスで絵の修業をすることになっていた[3]。
- モデルとなった人物は作者本人。原爆が投下された時、頬に釘が刺さったというエピソードがあった。
- 中岡 大吉(なかおか だいきち)
- ゲンの父親。下駄の絵付け職人。京都で蒔絵と日本画の修行をして広島に帰り、君江と見合い結婚した。「踏まれても踏まれても真っ直ぐ伸びる麦のように強くなれ」とゲンら兄弟に言い聞かせて育てた。戦時中から「日本は負ける」「朝鮮人を馬鹿にするな」と叫び、戦争に強く反対していた為、特高警察に連行され激しい暴行を受ける。また、町内で開催される竹槍訓練に酩酊状態で参加したり、放屁する等全くやる気が無く、そのことを指導官や町内会長らから指摘されても「こんなもので戦っても銃で攻撃されたら皆殺しにされるだけで無駄なこと」「日本は他の国と仲良くしなければならない」等と言い放ち途中で抜け出した。この一件が原因で指導官や町内会長を激怒させただけでなく、町内の住民ほぼ全員を敵に回してしまう。実写版では、日頃の反戦的な態度に加え、戦意高揚のためのプロパガンダアートを描くことを拒否した過去(映画版)や、左翼系の劇団と関わりがある疑い(テレビ版)などの背景が付与されている。このため、自分はもとよりゲンら家族までが周囲から様々な迫害を受けたが、決して自分の節を曲げる事は無かった。君江も呆れるほどの頑固者であったが、寧ろ何の飾り気の無い素の姿に君江を含め家族全員は支持そして尊敬していた。そんな不憫な家族を思い予科練に行くと決めた浩二に反対したが、最後は浩二に対し生きて帰ることを願いながら万歳三唱で送り出した。原爆投下の際に英子・進次ともども自宅の下敷きになり、家族を見捨てる事をためらうゲンに対し、強く生きることを諭しながら焼死した。物語の早い段階で死亡したが、ゲンの生き方に最も強い影響を与えた人物であり、回想シーンや遺骨や幻影の形で死後も作中に頻繁に登場する。
- モデルとなった人物は作者の父。
- 中岡 君江(なかおか きみえ)
- ゲンの母親。優しく芯の強い女性である。夫の大吉の志を理解しつつも、子供達までもが非国民扱いを受ける事を苦悩し、戦争を恨む。原爆投下の際は、2階のベランダで洗濯物を干していた最中で、屋根の影に入っていたため熱線を浴びず、風圧で吹き飛ばされたが家屋の下敷きにならずに助かった。作品冒頭の時点で既に身重であり、原爆の猛火の中で末娘の友子を産み落とす。未亡人となりゲン達を抱えて艱難辛苦、辛酸を舐めるが、ゲンの大きな心の支えであり、 隆太や隆太の仲間からも慕われる。1948年に吐血し、隆太の活躍で手に入れた金で入院する。そこで、余命4カ月を宣告を受けるが本人には知らされずに退院し、自宅療養する。1949年、大吉との新婚旅行先であった京都への旅行中に吐血、病院へ行くも、ゲンたちに看取られ客死する。火葬後は放射能の影響で遺骨らしい遺骨が残らなかった。死因は原爆症による胃癌であった。母の骨が残らなかったのは作者の実体験を元にした話であるが、実際の中沢の母は60歳まで生きたとされている(1966年死去)。
- モデルとなった人物は作者の母・君代。
- 中岡 浩二(なかおか こうじ)
- 中岡家の第一子・長男。登場時17歳。病理学の研究家を志していた。戦時中は家族が「非国民」として迫害されるのを撥ね返す為、海軍の予科練に自ら志願。軍隊の内部から戦争の悲惨さを実感し、また同胞の花田の自殺を訓練中の事故死として処理され、国の為に息子が死んだ事を喜ぶ花田の両親を見て、父の言っていたことが正しかったこと改めて知る。
- 戦場へ行く事なく終戦を迎え、広島に戻る。6巻の発言で特攻隊にいたようである。戦後は父亡き後の大黒柱として、家計のため鉄工所に就職する。後に高い給金に惹かれ景気の良い博多の炭鉱に出稼ぎに行く。後半は広島市近郊の工場に再就職し、広子という女性と結婚する。アニメ映画版には登場しない。
- モデルとなった人物は作者の長兄・浩平。
- 中岡 英子(なかおか えいこ)
- 中岡家の第二子・長女。国民学校5年生。主人公の美人で清楚な姉といった設定で、元々病弱だったゆえに学校の集団疎開には行けなかった。鮫島竜吉に金を盗んだなどとでっち上げられ、担任も「非国民の子供だから」などと言い分もろくに聞かず事実確認もせず文字通り身ぐるみ剥がされる身体検査をされた(同時に、ゲンも「戦争反対」の作文を書いたことで職員室に連行されている)。当然、このことを聞いた大吉は激怒し、学校に殴り込んで竜吉と担任を鉄拳制裁し(テレビドラマ版では竜吉は殴られていない)、竜吉が嘘を白状したことで英子の無実が晴れた。原爆投下の際に家の下敷きになり、焼死した。なお漫画版と実写映画版・テレビドラマ版では死に際して差異(ゲンが家に帰った時には既に亡くなっていた)があるが、作者の中沢の姉は原爆投下で柱に押し潰され即死状態だった[4]。
- モデルとなった人物は作者の姉・英子。
- 中岡 昭(なかおか あきら)
- 中岡家の第三子・次男。登場時は国民学校3年生。原爆投下時は、学校の集団疎開により広島県山県郡の山間部にいたため、原爆投下の難を逃れた。集団疎開の際にはあまりにひもじい生活のため、一度脱走を図っている。戦後は、中岡家の暮らしを支えるために家庭菜園をはじめとする食糧調達に勤しんでいた。浩二が博多に出稼ぎに行った後は、自分が父親・長兄の替りをつとめなければならない重圧からか、いささかヒステリックな言動が目立つようになる。戦争犯罪者や原爆の開発者に対し憎悪を露わにするゲン・浩二と違い、昭はそういった感情をあらわにする場面は無い。中学2年生のときに繊維問屋の商人を目指すため、大阪に旅立った。浩二と同様アニメ映画版には登場せず、また、テレビドラマ版にも登場しない。
- モデルとなった人物は作者の次兄・昭二。作者の話によれば疎開してた時、枕の中に入っていた大豆を食べ尽くしたことがあった。
- 中岡 進次(なかおか しんじ)
- 中岡家の第五子・四男。未就学児。推定年齢は4~5歳ぐらい。いつもゲンの傍にいて、ゲンの浪曲に合わせて踊るのが得意。食べ盛りでいつもお腹を空かせてはゲンと兄弟喧嘩になる。原爆投下の際に家の下敷きになり、ゲンがガラス屋の堀川から貰った模型の軍艦(ガラス屋のエピソードが割愛されたアニメ版ではゲンの手製となっている)を抱いたまま焼死した。
- テレビドラマ版では大吉に促され、軍艦マーチの替え歌を唄いながら焼死するエピソードになっている。作者の実体験では、家族の遺骨を掘り起こした際、弟の頭蓋骨を持った瞬間が脳裏にこびりついて、焼かれて死んだことを『殺すんだったらもっと楽に殺してくれと思った』と後に語っている。
- モデルとなった人物は作者の弟・進。
- 中岡 友子(なかおか ともこ)
- 中岡家の第六子・次女。1945年8月6日、原爆投下後間もなくして誕生。「友達がたくさんできるように」との願いをこめてゲンが名づけた。しかし栄養失調と原爆症の併発のため1年後(テレビドラマ版では1946年8月)に死去(単行本では1947年8月6日と誤記されているのもある)。実際に中沢の妹として、被爆直後に誕生しているが、実際には4か月後の12月に栄養失調で亡くなっている。
- モデルとなった人物は作者の妹・友子。
[編集] 隆太軍団
- 基本的に原爆孤児集団であり、隆太が強いリーダーシップを執っている。2巻で初登場時のメンバーで死亡者も出ており、さらに窃盗により警察に捕まった事でみな別れ、ヤクザへの加入時に隆太と共に行動出来たのはムスビとドングリであり、最後まで一貫として隆太と行動したのはムスビである。同じ原爆孤児である大原夏江は隆太・ムスビ・勝子と共同生活するが、隆太とヤクザ生活を送っていないため「ゲンの人生に関わった人々」の項目で扱われている。8巻で隆太の原爆投下後の回想シーンの中に謎の女児が登場しており、さらにムスビの髪型が5巻以降の髪型であるために2・3巻と明らかに矛盾している。
- テレビドラマ版ではゲンが江波に向かう途中、隆太以外が警察に捕まった。
- 近藤隆太(こんどう りゅうた)
- ゲンの弟・進次と瓜二つの戦争孤児。登場時は国民学校1年生。原爆投下前は広島市水主町(かこまち、現:広島市中区加古町)に住んでいた。作中での活躍からゲンの弟と勘違いされがちだが、血もつながっていない全くの他人である。両親と3人暮らし。原爆が投下された時は、蝉が止まっていた木の陰にいたおかげで助かったが、父は木の枝に体を貫かれ即死、母は足を吹き飛ばされ隆太を逃がした後に焼死し、天涯孤独の身になる。その後、同じ境遇のムスビやドングリ達と出会い孤児窃盗グループのリーダー格となる。ある日隆太はゲンと君江の前に現れ米を盗み、進次が生きていると勘違いしたゲンは隆太を追いかけたが、そこで自分は進次でないと主張する。後に農家で食料を盗み警察に捕まりそうだったが、ゲンにより弟そっくりという理由で被害者にバイト代を払う事で警察行きをまぬがれ、その恩によりゲンを『あんちゃん』と呼び、さらに進次を失った君江の心の支えとなる。これ以降ゲンを慕い、以降は弟分として最後まで作品を牽引する名コンビ役を担っており、出番もゲンに次いで多い。
- 一時期は中岡家で実子同然に暮らす。しかし、ゲンを半殺しにしたヤクザの大場と三次を拾ってきた旧日本軍の拳銃で射殺してからはゲン達の前から姿を消し、岡内組の政に拾われ門下に入る。ヤクザの下働きを続けてきた為に、2年後のゲンとの再会時は更に不良に磨きがかかる。再びゲンと袂を分かとうとしたが、ドングリの死をきっかけに、勝子を連れ戻そうとする政と秀に発砲し負傷させ、ヤクザの世界と縁を切る。以後は家を仲間で手作りし、放浪していた元新聞記者・平山松吉を養父役に、勝子、ムスビと四人で生活する。日を置き、病いに倒れた君江の入院費を調達すべくヤクザから賭場荒らしを成功させるも、報復から逃れる為に警察に自首して感化院に入所。7ヶ月後、雨の日に火事を起こして感化院を親戚のおじへの報復を目論むノロと一緒に脱獄に成功した。ノロから譲り受けた財産を活用し、養父・平山松吉の小説の自費出版にこぎ着け、松吉の最期を看取った。また京都旅行にゲンと同行し君江の死を見届けた。窃盗、万引き、そして靴磨き、骸骨売り等から、夏江と勝子の仕立てた洋服をムスビと路上で売る事で商売の術を逞しく身に付けて行く。兄弟と別れたゲンが市の委託を受けた業者により家を撤去されそうになった際にゲンともに妨害し、再びゲンと同居する。最後は麻薬漬けにされて死んだムスビの復讐の為、単独でバー「マドンナ」のマスターとヤクザ2人を射殺して自首を決意したが勝子に止められて共に東京へ逃避行する。二人ともに運送トラックの荷台に乗っていた。
- 前述のとおり、未成年でありながら5人もの人間を殺しているが、その内4人が敵討ちと関係のない人物である。
- プロ野球チーム「広島カープ」の熱狂的なファンで、好きな選手は白石勝巳。巨人や阪神などの大都市球団に強い対抗心を抱く。愛唱歌は東京ブギウギ。「人のものはワシのもの、ワシのものはワシのもの」という自己中心的なセリフをスリをやった後などに発する。裏社会での生活の影響で孤児狩りや警察の腐敗などゲンが知らない事も知っている。中沢自身は生真面目過ぎるゲンよりも 隆太を描く時が生き生きとして楽しく本当の自分の性格じゃないかと思うと語っている。アニメ版ではヤクザとの関わりは無く、ゲンと同じ学校にも通っている。
- 勝子(かつこ)
- 一歳下の隆太と共にいた原爆孤児の少女。両親は避難所で火傷により死亡した。登場時は10歳。ゲンとは同い年。顔の左半分と両手が火傷でケロイドになっており、そのため心無い人々に「オバケ」扱いされる。ケロイドを隠すため、常にほっかむりをしミトンの手袋を着用している。いつも閉じているがケロイド側の片眼の機能は有ると思われる。隆太とは恋仲で、共に物語終盤まで生き残った。ムスビの仇討ちのために3人のヤクザを殺した隆太の自首を止めさせ、隆太と共に東京へ逃げた。また原爆で傷を負わされたためかゲン同様に天皇を激しく嫌っている。性格は勤勉かつ器用で独創性もあり、養父・松吉から積極的に読み書きを教わり、後に合流した夏江と共に洋裁店を開く夢を切っ掛けに、裁縫技術だけではなくデザインセンスまでも独学で習得する。1950年頃からスカート姿として描かれることから、当時の日本の立ち直りが伺える。アニメ版では隆太ではなく政(アニメオリジナルキャラ)に付き慕っており、また頭にほっかむりをしていないなどキャラデザインも異なる。
- ムスビ(むすび)
- 本名は勝二(かつじ)。隆太と共にいた原爆孤児の一人。両親と弟と4人暮らしだったが原爆投下後、自分以外の家族は家の下敷きになり焼死した。警察に捕まった際にその追っ手から逃れた少年で、顔が三角形からムスビとあだ名されたと推測される(初登場時はムスビらしき少年が描かれているが名無しである)。前半は特徴の無い描かれ方だったが、隆太不在時のゲンとのコンビから存在感を増し、後半はハート柄のシャツを着るなど小粋に描かれ、総務、経理的な屋台骨を任される存在となる。10巻の発言で会社勤めをしているようである。隆太の広島カープ狂いに対し、巨人軍の一流選手を言い並べ隆太を冷やかすなど現実主義的描写が散見する。
- しかし、物語終盤にて女給にうかつに釣られて入店したバーのマスターに、総合ビタミン剤と偽られて麻薬(ヒロポン)を注射され麻薬中毒にされてしまい、薬物依存症に耐えきれず、うっかりゲンたちの前で麻薬を使おうとしてバレてしまう。居たたまれなくなって家を飛び出し、隆太たちと洋裁店立ち上げのために貯めてきた郵便貯金60万円を使い果たしてしまった。バーのマスター宅に麻薬を盗みにいったが見つかってしまい、内臓が破裂するほどの暴行を受けて川辺に投げ捨てられる。最後は、虫の息になりながらも隆太達のところに帰り着き、貯金のことなどを打ち明けるが、「金はまた貯めればいい」と自分を許してくれた皆に感激し、「ありがとう」と絞り出しながら息を引き取った。火葬後、ムスビの遺骨は中岡家の墓に納められた。アニメでは顔が全く違うキャラクターである。
- ドングリ(どんぐり)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人で、ムスビと共に警察の追っ手から逃れた少年。原爆投下前は紙屋町に住んでいた。初登場時と後ではかなり違ったタッチで描かれている。後に隆太とムスビと共にヤクザの鉄砲玉の仕事をしていたが、仕事中に竜造を射殺したが、その仲間に撃たれて死亡。
- ラッキョウ(らっきょう)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人。坊主頭が特徴(元からだったのか、原爆症が原因なのかは不明)。ある農家から芋を盗んで逃げる途中に追ってきた百姓に頭を殴打され、「梅干しが食べたいよ…」と言い残し死亡。
- カッチン(かっちん)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人で、ムスビと共に警察の追っ手から逃れた少年。両親と兄、姉と5人暮らしだったが原爆投下後、自分以外の家族は家の下敷きになり焼死した。、盗みに侵入した進駐軍駐屯地から逃走中に銃撃を受け負傷、ゲンの手当を受けるも出血多量で死亡した。アニメでは農家から芋を盗む際に逃げ遅れ、棒で殴られ崖から転落し、死亡する。最期は政や仲間たちによって、彼の実家の跡地に葬られた。
- タヌキ(たぬき)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人で、ムスビと共に警察の追っ手から逃れた少年。ゲンに隆太がヤクザの二人組を殺した事を伝えたが、その後の行方は不明。
- 信平(しんぺい)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人。警察の追ってから逃げるのを失敗したのか、ムスビ達との再会した時にはいなかったので、その後の行方は不明。
- 明夫(あきお)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人。信平同様、警察の追ってから逃げるのを失敗したのか、ムスビ達との再会した時にはいなかったので、その後の行方は不明。
- もう一人の原爆孤児(もうひとりのげんばくこじ)
- 隆太やムスビと共にいた原爆孤児の一人で、名前は不明で、いつのまにかいなくなったのでその後の行方は不明。
- 政(まさ)
- アニメに登場するオリジナルキャラクター。闇市では名の知れた浮浪児たちの頭的存在で「アニキ」と呼ばれている。ムスビたちを従えている。浮浪児たちの収容所から脱獄した過去があり、収容所の恐ろしさも知っている。学校の授業を密かに覗いていた勝子を「浮浪児の来るところじゃない」と叱った先生に対し「好きで浮浪児になったわけじゃない」と怒り、ナイフで殺そうとするが、ゲンに阻止される。その後、暴行されていた浮浪児たちを助けたことで警官に追われていたゲンたちを助けた。アニメでは、ペニシリンのことなどをゲンに教えるなど情報通。また、造船所に鉄くずを盗みに行く時もゲンたちと同行した。未成年だがタバコを吸っている。学校に通っていれば中学一年くらいの年齢。アニメ版では隆太はヤクザになっておらず、その代わりのキャラクターといえる。なお、アニメ版では隆太はヤクザと関わっておらず、ゲンと同じ学校に通ってはいるが、度々授業をサボり、闇市に行くなど、不良っぽい少年という設定になっている。
[編集] 戦中の中岡家の近隣
- 朴(ぼく)
- 中岡家の隣に住んでいたロイド眼鏡の朝鮮人の男性。徴用(尚、史実における徴用の朝鮮人への適用は、1944年9月より[5]、1945年8月の終戦までの11ヶ月間の実施であり、日本本土への朝鮮人徴用労務者の派遣は1945年3月までの7ヵ月間である[5]。)のため、朝鮮に妻と子供を残し、父親と朝鮮から広島に移り住む。朝鮮人である事で差別されていたが、隣の中岡家の家族が差別無く親切に付き合ってくれたことで好意を抱く。また、非国民と迫害されても戦争に反対する大吉を尊敬し、近所では大吉が警察の拷問から帰ってきた時には祝いの米を贈るなど、朝鮮人の朴だけが中岡家の味方だった。
- 原爆投下の際にはパニックに陥った君江を発見しゲンと一緒に避難させた。無傷で助かった理由は一切不明。一方で重傷を負った父親を見つけ救護所で治療を懇願してまわるも、朝鮮人であるが故に人間らしい手当てを施される事なく、もがき苦しむ父親の臨終を見届けた。それまで穏和な性格で描かれていた朴だったが、父親の死を契機に日本人への復讐を誓う(怒りの度合いは、父親の荼毘の際、原爆投下後に初めて訪ねてきたゲンにも怒りをぶちまけたほどであった)。しかし、ゲンが朴の怒りを神妙に受け止め、父親の荼毘を手伝った事から中岡家への良心は失わなわず、その後も中岡家への協力を惜しまなかった。
- その後、戦後の闇市で財を成し店を経営できるまでの裕福な状態になり、以後度々ゲンの願いを快く受け入れる資産家として登場する(かなり顔の印象が変わっており、サングラスをかけ、髭を生やしている)。また、故郷の朝鮮が南北に分断して対立する朝鮮戦争が起こった事に悲観していた。アニメ版では「近所の人のいいおじさん」といった感じで登場する端役で、原作での彼の背負う苦悩は一切描かれなかった。また テレビドラマ版では現在の慣習に合わせ、苗字を日本語読みの「ぼく」から朝鮮語読みの「パク」と読み方を変更し、「永甫」という名前が新たに設定された。またアニメ版同様彼の背負う苦悩はほぼ描かれていなかった。
- 鮫島 伝次郎(さめじま でんじろう)
- 原爆投下前は町内会長を務めていた俗物な戦争支持者で、市内の竹槍訓練の際に大吉が戦争反対を訴えた事を契機に、戦争に反対する中岡家を非国民として徒党を組み忌み嫌い、大吉を危険思想の持ち主だとして警察に突き出したり、中岡家が大切に育てた麦畑を荒らすなど多くの嫌がらせ行為を行った。 原爆投下の際、息子の竜吉と共に家屋の下敷きとなり、通りかかったゲンに懇願し渋々ながらも救出されるが、逆にゲンから大吉・英子・進次の救出への協力を頼まれたときには、押し寄せる炎より我が身可愛さから逃亡した。5巻にて講演会をしているのをゲンがたまたま発見した形で再登場。戦後は軍の倉庫などから盗みを働きつつ、ヤクザと結託したりして、闇市で資産を蓄え商店会会長に就任しており、その事を知って憤慨したゲンは火を使い講演会を妨害する。6巻では隆太が賭場荒らしの際の宿でヤクザや倉持と共に賭博をしていた。9巻では自らを戦時中からの戦争反対派・平和の戦士であったと偽り、その後市会議員を経て県会議員となっている看板で登場し、それに憤ったゲンは隆太とムスビと共に看板を破壊した。第1巻から健在な登場人物で、ゲンにとって朴と対極を成すキャラクターである。
- 鮫島 竜吉(さめじま りゅうきち)
- 鮫島伝次郎の息子。国民学校6年生。父親を真似て中岡家の英子、ゲン、進次の3姉弟を執拗にいじめるが、ことあるごとにしっぺ返しを喰らう。 原爆投下後は父親と一緒にゲンに助けられるが、父親と同じく中岡家を助けることなく逃亡する。ドラマ版では、大吉に問い詰められた際、偽証を白状するなど人間性が改善されている。その後の消息についての描写は原作・映画・テレビドラマ版でも描写は無く不明。実写映画版、テレビドラマ版では名前を「たつきち」と読む。
- 鮫島 伝次郎の妻(さめじまでんじろうのつま)
- 原爆投下前、「中岡さんをいじめない方がいい」「中岡さんが言っていることが正しいような気もする」と述べ伝次郎を諌めた。原爆投下以後の登場はない。
- 堀川(ほりかわ)
- 原爆投下前、ゲンの近所に住んでいたガラス屋。戦争で片足を失い、愛息も予科練に志願して戦死、妻も病気がち、おまけに借金に苦しんでいた。自分を助けようと他人の家のガラスを割っていたゲンに感激し、予科練に志願して戦死した息子の物だった形見の軍艦模型をゲンにプレゼントする。原作では原爆投下後の消息は不明。実写映画版では原爆投下後も無傷で生存し、ゲンと一緒に死亡した妻を荼毘に付す。テレビドラマ版には登場せず、軍艦の模型も登場してない。
- 土橋(どばし)
- 原爆投下前、町内に住んでいた男。中岡家を非国民として忌み嫌い、中岡家が大切に育てた麦畑を荒らした。鮫島伝次郎とは将棋を指す仲。その後の消息についての描写は原作・映画・テレビドラマ版でも描写は無く不明。
- 木島(きじま)
- 原爆投下前、ゲンの通っていた国民学校の教師であり、ゲンのクラスの担任。兵隊に出す手紙で戦争反対の内容を書いたゲンを殴った。盗みの濡れ衣を着せられた英子を疑った為、大吉に殴られる。その後の消息についての描写は原作・映画・テレビドラマ版でも描写は無く不明。
- 沼田(ぬまた)
- 原爆投下前、ゲンの通っていた国民学校の教師であり、英子のクラスの担任。盗みの濡れ衣を着せられた英子を疑い裸にした為、大吉に殴られた。その後の消息についての描写は原作・映画・テレビドラマ版でも描写は無く不明。
- 鯉を飼っている男
- 原爆投下前、鯉をたくさん飼っていた男。君江の病気を治す為に鯉を盗ろうとしたゲンと進次を殴りつけたが理由を知り、鯉を譲った。その後の消息についての描写は原作・映画・テレビドラマ版でも描写は無く不明。アニメでは中岡家に行き、草餅を持ってきた。原作では体格の良い中年男性、アニメでは先端がへの字に曲がったようなヒゲを生やした坊主頭の男性と全く別人に描かれている。
[編集] 江波地区の人々
- 吉田 政二(よしだ せいじ)
- 県美展で何度も入賞実績のある、家族に将来を有望されていたアマチュア画家。戦争が終わったらパリへ行って絵の勉強をするはずだったが、学徒動員の勤労奉仕で広島市にでたばかりに原爆によって全身に大火傷を負い、そのせいで家族はもとより町の人からも「オバケ」と罵られ、「ピカの毒がうつる」として介護も受けられず放置されていた。1日3円(テレビドラマ版では1週間100円、アニメ版では一日10円)で身の回りの世話の仕事を始めたゲンと隆太の叱咤を受けて奮起するも病状が悪化し、未完成の絵と愛用の画材をゲンに託して肺病で亡くなる(アニメ版とテレビドラマ版では生存)。
- 吉田 英造(よしだ えいぞう)
- 政二の兄。地元の資産家。路上で仕事を求めていたゲンに政二の世話を託す。政二を避けながらも、一方で身を案ずる場面もあるなど、兄として弟を気にかけている。なおテレビドラマ版では酒問屋の主である、
- 吉田 ハナ(よしだ はな)
- 英造の妻。原爆が落ちる前は義弟の政二とも仲むつまじく接していたが、政二の被爆後は一転して忌み嫌うようになる。常に世間体を気にしている。テレビドラマ版では花子という名前で登場している。また、ゲン達に政二の為に世話をさせないように言った事もある。
- 吉田 冬子・秋子(よしだ ふゆこ・あきこ)
- 英造・ハナ夫妻の娘で政二の姪。原爆が落ちる前は叔父の政二とも非常に仲むつまじく接していたが、政二の被爆後は一転して忌み嫌うようになる。近所の人間から「オバケの家の子」と白眼視されていたという描写もあり、姉の冬子については良心の呵責があるように描かれている場面もあるが、 結局は政二が死んだ時には母と姉妹共に喜ぶ。その光景を見たゲンに家の屏に落書きされる。テレビドラマ版では、登場しない。
- 林 キヨ(はやし きよ)
- 君江の幼馴染。原爆で家が失った君江たちに、自宅の一室、後に倉庫を貸す、幼少の頃いじめから助けてくれていた君江への恩義を忘れていない人情味ある人物である。夫・正造(しょうぞう)は沖縄で戦死。テレビドラマ版では清子(きよこ)という名前で登場している。
- 林 キヨの姑(はやしきよのしゅうとめ)
- 性悪で了見が狭く、居候、また店子として、次々と増える中岡家の人間に終始辛く当たる。キヨのことは呼び捨てでこき使っている。ゲンが似島で貰ってきた米を、君江が林家から盗んだものと主張し、君江を派出所に突き出したあげく、君江が米を盗んでいない事が判明しても謝るどころか開き直ってゲン達のせいにする始末で、浩二が帰ってきた時は沖縄で戦死した息子(キヨの夫)を思い出してムカムカすると言い出し、ついには中岡家を追い出す。 退去の際、ゲンと隆太によって肥溜め落としの報復を受ける。テレビドラマ版ではセツと名前が与えられた。
- 林 辰夫・竹子(はやし たつお・たけこ)
- キヨの子供。根性は祖母の影響が強くゲンたちを嫌い、祖母から許しをもらってゲンたちをいじめる。退去の際、ゲンと隆太によって馬糞喰らわせの報復を受ける。テレビドラマ版ではゲンの父達の骨を捨てようとしたため、ゲンに指を噛みちぎられる。また、父が戦死した事を知った時は悲しんでいた。
[編集] 元川小学校の関係者と家族たち
- 雨森 頑吉(あまもり がんきち)
- ゲンの同級生。通学途中に腹痛をおこし、中岡家の軒先で野グソをしようとしたところをゲンに怒鳴られ、以降「クソ森」と呼ばれるようになる。当初は野村道子のカツラをからかったことなどからゲンとケンカになり、原爆ドームで命がけの早登り勝負を行う。友子の一件があって以降は一転して悪友となる。8巻では朝鮮戦争の事を知らない事で政治に無関心と指摘され、10巻の卒業式でゲンと一緒に帰った。中学卒業後は高校に進学。不良の兄がいる設定だが[6]、本編には登場していない。
- 野村 道子(のむら みちこ)
- ゲンの同級生。ゲンと同様、原爆症のため髪が抜け落ち丸坊主になったため、亡き母がつくってくれたカツラを着用している。カツラが雨森らにバレてからかわれていたところをゲンに助けられた。
- 野村 澄子(のむら すみこ)
- 道子の姉で、姉妹で市営住宅に住んでいる。両親や親類が全員原爆で死亡(ただし前述のとおり原爆症で丸坊主になった道子のためにカツラを作ってるシーンがあることから直接原爆で死んだわけではない)し姉妹のみ生き残り、物々交換で生活していた。通りすがりの米兵に強姦された事をきっかけに、姉妹の生活とアメリカへの復讐のためにパンパンになり生計を立てている。
[編集] 波川中学校の関係者と家族たち
- 太田教諭(おおたきょうゆ)
- ゲンの中学の時の担任で、数学担当。他の教師のように体罰を加えず、労を惜しまぬ熱心な教え方から、ゲンを始め生徒たちに慕われていたが、戦争反対派でデモにも参加しており、警察予備隊(現在の陸上自衛隊)の設立に反対を唱えていた為にレッドパージで公職追放され学校を去る事になる。しかし太田を慕っている生徒全員が太田の自宅に集まった。私塾を開いた際、偶然ゲンに再会した。特攻死した友人がいる。
- 相原 勝男(あいはら かつお)
- ゲンの中学の同級生。原爆で家族を失った。戦争を肯定する主張をしてゲンと対立したが、それは相原が原爆症の発症で医者から余命の宣告を受けており、生きること対する虚無感を抱いたためで、本心では戦争を憎んでいた。投球のコントロールがよく球威もあり、それでヤクザ(街宣右翼)を懲らしめたこともあるが、そのヤクザに後頭部を殴られて医者に「今夜がヤマ」と言われるほどの大怪我を負った。原爆症の発症で人生への彼に生きる希望を与えるためにゲンと隆太が自宅近くでキャッチボールをし、「お前はプロ野球の大投手になれる」とゲンから励まされ、生きる勇気を持つ。その後、亡くなった描写はないが、ゲンも学校には通わず、看板屋で働きながら絵の修行をしていたので、中学生活の描写はないが、義母共々、以後のストーリーには登場しない。
- 相原 トミ(あいはら とみ)
- 相原の義母。相原とは焼け跡で出会い、相原に「死んだ自分の母親に似てるから一緒にいたい」と言われて生きる勇気を持ち、自身も同年代の息子を失った事もあって一緒に暮らし始めた。しかし、相原が自ら死ぬ事を願うようになると、彼を説得してはいたものの、「あの子は死なせた方がいいのよ」と諦観した。
- 横道 徹(よこみち とおる)
- ゲンの中学の同級生。学校で問題を起こして少年院送りにされたため、ゲンとは面識が薄い。中学3年生になって釈放され、校長や他の教師たちに少年院に入れられたのを怨み、卒業式後、校長や他の教師たちを呼び出して仲間と共に集団リンチする。
- 卒業式では天皇制や戦争を嫌悪するとするゲンに同調したが、集団でのリンチ行為を嫌うゲンから制裁のパンチを喰らう。
- 波川中学校の校長(なみかわちゅうがっこうのこうちょう)
- 共産主義を忌み嫌い、レッドパージの対象とされた太田教諭を共産主義者と決め付ける。
- 卒業式終了後、他の教諭たちともども横道たちにリンチを受け、皮肉にも卒業式で国歌斉唱を阻止して卒業式をぶち壊したゲンに助けられる。ゲンに礼を述べるが「心の底から子供が好きな人以外は教師になるな」などとゲンに一喝された。
- 平岡(ひらおか)
- 英語担当。体罰技は平手打ち。校長と共に登場することが多い。
- 卒業式終了後、校長や後述の教師ら同様に横道グループから報復リンチされる。
- 片山(かたやま)
- 職業科担当。体罰技はソロバンの上で上正座。
- 卒業式終了後、校長や後述の教師ら同様に横道グループから報復リンチされる。
- 久保川(くぼかわ)
- 体育担当。敗残兵。体罰技は裸で冬の運動場走り。
- 卒業式終了後、校長や後述の教師ら同様に横道グループから報復リンチされる。
- 広川(ひろかわ)
- 国語担当。女性教諭。体罰技は、教員室みせしめ立ち。
- 卒業式終了後、校長や後述の教師ら同様に横道グループから報復リンチされる。
- 大袋 大二(おおぶくろ だいじ)
- 卒業式に参列した父兄。県会議員で尊皇家である。卒業式の際に国歌斉唱で君が代を歌う事に反対したゲンが卒業式を滅茶苦茶にしたとして、校長に抗議して、ゲンに天皇を侮辱された事に憤りを露にした。しかし同じ父兄である義眼の男性に反論された。
- 義眼の男性(ぎがんのだんせい)
- 卒業式に参列した父兄。天皇の戦争責任に言及したゲンを咎めた大袋大二に対し、彼は正反対にゲンに同調している。過去に徴兵され軍隊生活で上官に馬の手入れの悪さにより馬の排泄物まみれにされ、棒で何度も殴られた事で左目を失明し、このような苦い経験を語る際に周囲の前でその義眼を外している。そのような軍隊生活を味わったためか、敗戦により軍隊がなくなったので日本は戦争で負けてよかったと述べている
[編集] ヤクザ
グループを正確に分けると、「大場・三次」「岡内組」「打山組」「麻薬密売」の4グループである。ちなみに主要的なヤクザキャラクターはほとんどが隆太に殺傷されており、特に「岡内組」以外のグループは元と隆太の別れの原因となった。
- 大場(おおば)
- かつて暴力団島田組の構成員だったが、終戦当時は無所属。身内は死んでいる。浮浪児を集めて利用し、食料や金を得ていた。ゲンたちを騙し、進駐軍駐屯地から盗ませた粉ミルクを闇市で売りさばく。真相を知って挑みかかってきたゲンと隆太を三次に命じて返り討ちにする。その後、銃を手にした隆太に射殺された。
- 三次(みつぎ)
- 大場の弟分で、着流しのヤクザ。大場と同じく身内は物故。生き別れだった大場と闇市で再会し、大場が新しく組を構えるために協力する。大場が隆太に射殺された後、隆太に命乞いをするも叶わず、射殺された。
- 政(まさ)
- 暴力団岡内組幹部。サングラスをかけている。政は「首切りの政」と言われており、警官からも恐れられている。大場や三次を殺し逃走していた隆太たちを匿い、舎弟として働かせる。後に、脱走を図った隆太たちを連れ戻そうとして逆に腕を撃たれ負傷。それに懲りたのか隆太たちのことは諦めたようで、以降は姿を現さなくなった。
- 秀(ひで)
- 暴力団岡内組幹部。政の弟分。角刈りが特徴。脱走を図った隆太たちを連れ戻そうとゲンを痛めつけるが、逆に撃たれ負傷。それに懲りたのか隆太たちのことは諦めたようで、以降は姿を現さなくなった。
- 打山組の親分(うちやまぐみのおやぶん)
- 暴力団打山組の親分。賭場を主催していた際に隆太が荒らしに入り、隆太は作った偽のダイナマイトで親分を脅し、大金を持たせ川に連れて行き、そこで親分は隆太に騙されたと知って激怒したが、片腕を撃たれ川に落ちる。後に部下に隆太殺害命令を下し、広島市全域に包囲網を敷き、それにより隆太の東京逃避生活は阻止された。なお、岡内組、打山組は、終戦直後の広島で抗争事件を繰り広げた実在の暴力団の名前をもじったものである。[要出典]
- 竜造(りゅうぞう)
- 暴力団打山組幹部。いつも懐にダイナマイトを持っていることから「マイトの竜造」と呼ばれている。靴磨きのふりをして近づいたドングリに射殺される。
- クロ(くろ)
- 暴力団打山組の構成員。賭場の前で立ち番をしていたところ、通りがかった隆太と揉める。その場は隆太の股間に蹴りを入れて収まったが、隆太が賭場荒らしに入った時は仕返しに股間を蹴られてしまう。後に隆太が、打山組の包囲網が敷かれた広島市から逃亡しようとした際に再び対峙する。その時は、格闘に加わって負傷したゲンを救おうとした隆太に、腕に撃たれ負傷。
- バー「マドンナ」のマスター(ばー「まどんな」のますたー)
- サングラスをかけている。表向きはバーのマスターだが、本当の顔は麻薬売人のヤクザで、ムスビに「ビタミン剤」と偽り麻薬中毒にし金を巻き上げる。無断で自宅に侵入し無一文となりながらも麻薬を打ってくれるよう懇願するムスビを暴行し川に捨て、死に追いやった。復讐の怒りに燃えた隆太に片腕、ついで頭部を撃ち抜かれ死亡した。
- 大場 ミチ(おおば みち)
- バー「マドンナ」の女給で、マスターの愛人。マスターと共にムスビを麻薬中毒にする。復讐に来た隆太に拳銃で右手の甲を撃ち抜かれ、隆太に親分を呼び出される。隆太が親分を射殺した後、周囲に助けを求めた。
- 麻薬密売の親分(まやくみつばいのおやぶん)
- バー「マドンナ」のマスターと大場ミチの親分。スキンヘッドの付き人がおり、飼い猫を連れている。「子分が死んで親分だけが生き残るのは不公平」だとして隆太に付き人ともども頭を撃ち抜かれ死亡。
[編集] ゲンの人生に関わった人々
- ゲンを校門前で呼び止めた女性(げんをこうもんまえでよびとめたじょせい)
- 中年女性で名前は不明、テレビドラマ版では大野実の母と名乗っている。1945年8月6日8時10分過ぎ、校門に入ろうとしたゲンを呼び止め、その日の授業はどこで行なうかを聞く。この時ゲンは学校の塀を背にしてちょうど日陰に入っていた為、直後に投下された原爆の閃光や爆風の直撃を浴びずに済むことになり、逆にこの女性は閃光と爆風の直撃を受けて熱線で皮膚が焼きただれ即死した。この女性がゲンを呼び止めなければゲンは死亡していた可能性が高く、ゲンの命の恩人といえる存在である。作者の中沢の原爆投下時の実体験に基づくエピソードであり、中沢は「この時呼び止められたのが生死を分けた」と述べている[7]。アニメ版ではゲンと同じ小学校の女生徒になっている。また、このときゲンは塀を背にしていないが、落とした石を拾おうとしてかがんだ際に塀の影に隠れた形になっている。
- 大原 夏江(おおはら なつえ)
- ゲンが似島へ米を貰いにいった際に出会った踊り子の少女。姉の英子に似ており、ゲンらに慕われる。顔全体の火傷で虐められて作中で何度も自殺を図るが、ゲンに止められ叱咤される。2巻で登場しゲンと別れ、6巻で入水自殺を図ろうとしたところでゲンに助けてもらうところで再会し、原爆孤児の隆太・勝子・ムスビの仲間に入り共同生活するようになり明るさを取り戻した。そこで勝子らと洋裁店を開く決意をする。しかし盲腸で入院後に再び死を考えるようになり、広島市郊外の五日市町(現:広島市佐伯区)に住む陶芸家に自分の骨壺を作りたいと訪れた事もあった。そこで骨壷を作るが生きる勇気を与えるためにゲンに壷を割られ、ゲンの叱咤で立ち直ったのも束の間、直腸ガンでこの世を去るが、医者は死因を胃潰瘍と診断した。死後にABCCの関係者が来るが、ゲンに追い返される。夏江の遺骨はゲンが作った骨壷に納められ、中岡家の墓に納められる事となった。なお、彼女も勝子同様、1950年にはスカート姿となる。
- 中尾 光子(なかお みつこ)
- 女子学生。ゲンが中学の卒業式の帰路、雨森と別れた直後の広島市内の左官町電停(現・本川町電停)で出会い一目惚れした。当初はゲンと犬猿の仲だった父親に叱られるのを恐れて交際を嫌がっていたが、隆太の一喝とゲンの想いを受けて後に交際を始め、厳島に初デートをした。ゲンの初恋の相手で、将来は医師を目指していた。原爆が投下された時は防空壕の中に入っていたため助かったが、母と弟の悟は熱線で皮膚にヤケドを負い歩けなかった。結局最後まで助ける事はできず2人とも見殺しにしてしまい、その事を後悔していたが、ゲンに励まされ立ち直る。清楚かつ繊細な容姿とは裏腹に、ゲンに影響されたのか、はたまた父親ゆずりの血かゲンと同じくらいに気が強く、襲い掛かったヤクザに焼きたてのお好み焼きを顔面に押しつけてこらしめた。しかし、直後、帰宅して間もなく、入浴中に大量に吐血し白血病で死去。
- 中尾 重蔵(なかお じゅうぞう)
- 光子の父。ゲンがアルバイトをしている看板屋『中尾工社』の社長で隻眼の元大日本帝国陸軍軍曹。スクーターを運転中も軍歌を口ずさみ、会社での朝礼の際の作法が軍隊式だったり社歌は軍歌の歌詞を替え歌にするなど当初熱心な戦争賛美者で、凶暴な性格でよく従業員に暴行を働いていた。しかし一方で、原爆で生き残った唯一の家族である娘の光子を心から愛するよき父親でもある。ゲンとは会社で決別して以来犬猿の仲であり、ゲンが光子の父親が重蔵であった事で落胆された。スクーターのパンクを部下の黒崎のせいにして殴り、娘の光子が白血病で死んだ際には光子の死をゲンのせいにして殴ろうとするなど、責任転嫁する性格でもあった。しかし娘の死後、部屋に残された父親へのメッセージを兼ねた手紙(遺書)を読んだのを境に戦争を美化し続けた己の愚かさを恥じ、核兵器と戦争を憎むようになり、平和主義者へと転じ、トレードマークだったサングラスも外し和服姿になる。後に光子の遺書からゲンが愛娘の光子を心から愛してくれたことを知り、ゲンとも和解する。なお、和解の際にゲンから生前の光子の肖像画を頂いたことに感動し、ゲンの画家としての才能を認めている。ゲンが東京へ旅立つ際、沢山の餞別を渡してゲンを天野星雅・達郎とともに見送った。実際に作者は看板屋に就職し重蔵のような軍隊帰りの親方に暴行を受けている。
- 鉄男・さち子(てつお・さちこ)
- ゲンと隆太が、疎開中の昭を迎えに行く道中で出会った兄妹。母親と共に島根県の松江にいる親戚の家に向かう途中に母親が体調不良で倒れ、食料調達のため、農家の近所で鉄男が空腹を訴えるさち子を殴り、人々からの同情心を利用して食料を恵んでもらっていた。初めはゲン達を追い払うが、鉄男も体調不良で倒れて身動きがとれなくなったことから、代役を務めてくれた事で感謝する。感謝の礼としてゲンに種麦を渡した。
- 民吉(たみきち)
- 雨森の住む原爆スラムの住民。原爆投下時の大怪我で左足を失っている。原爆症で死期にある娘の春の「死ぬ前に、生き別れた娘の泰子(たいこ)に会いたい」という願いをかなえる為、赤ん坊を貸してくれるよう奔走するがことごとく断られる。そこで、ゲンの家から友子を連れ出し、泰子が生きていたと嘘をついて春を元気づけようとする。初めは鉄達にゲンを追い払ってもらっていたが、ゲンの強い訴えで自分の身勝手さを恥じて友子を引き渡すことにした。
- 春(はる)
- 民吉の娘。原爆投下当時、夫の達二(たつじ)と民吉、生後2週間の娘の泰子と暮らしていた。原爆投下で達二は死亡。泰子を連れて民吉と共に逃げる途中、火にまかれて泰子を見失う。泰子に会いたいという願いを持ったまま原爆症で死の床に倒れ、民吉が連れてきた友子を泰子と信じ、子守唄を歌ってあげながらこの世を去る。
- 鉄・銀太・三吉・幸吉(てつ・ぎんた・さんきち・こうきち)
- いずれも雨森の住む戦後集落の住民。原爆で家族を亡くし、原爆症の死の恐怖から酒と喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていたが、民吉が拉致してきた友子によって生きる希望を持ち始める。彼らは友子を「わしらのお姫さま」と慕っていた。初めは雨森ともども友子を取り戻すゲンを因縁を付けてまで追い払っていたが、ゲンの強い訴えで改心して友子を引き渡し、友子の治療費を捻出するために働く。最後はゲンと共に友子を弔う。
- 鉄矢・三郎(てつや・さぶろう)
- 米兵に骸骨を売り歩いていた兄弟。原爆投下前は大豪邸に住んでいたが、原爆で家と両親を失い、弟の三郎も失明してしまう。アメリカへの復讐と三郎の眼の手術費を稼ぐため拾い集めた骸骨を売る。
- 廣川 千恵(ひろかわ ちえ)
- ゲンが出会った女の子。男の子にいじめられていた所をゲンに助けられる。
- 廣川 清吉(ひろかわ せいきち)
- 千恵の父。ABCCにて調査用死体の収集の仕事をしている。献体を募る為にあちこちの家を廻るたびに「死体をあさるハゲタカじゃ」と罵られ、そのため娘の千恵がいじめられている。娘のために、仕方なく汚れた仕事をしており、ゲンも彼を責めようとはしなかった。ゲンに、ABCCと医者との癒着関係を話す。
- 倉田医師(くらたいし)
- 倒れた君江を診察した医師。ABCCでの診察を薦める。廣川清吉からABCCの真相を聞いたゲンに糞尿責めの仕返しをされる。その後も隆太に襲撃される宿で鮫島と一緒にヤクザのサイコロ賭博をするなど、悪事を続けている模様。
- マイク・ヒロタ(まいく ひろた)
- 進駐軍の少尉。日本人のような顔つきであるが実は日系アメリカ人の2世である。第二次世界大戦時のアメリカでは日系人の強制収容という差別があったために反日的であり、(ヒロタの視点で)卑怯な騙まし討ちである真珠湾攻撃をした日本が報復として原爆投下をされるのは当然だと原爆投下を一貫として肯定しており、原爆の非人道性を告発する図書『夏のおわり』を無償で配っていたゲンと隆太とムスビを拘束し、呉市の基地へ連行する。米軍の工作機関であるキャノン機関とも関係があるらしく、ゲンたちを洗脳してスパイにしようと企むが、ゲンたちが拷問に備え、洗面器で尻を叩き、その際衝撃を逃がす特訓をしているところを見て、恐怖のあまり狂ったと勘違いし、狂人をスパイにしても役に立たないとして釈放する。
- 倉持 勇造(くらもち ゆうぞう)
- 戦時中は満州にいた元大日本帝国陸軍軍曹。終戦後に鉄くずを貯め込み、それを売って大金持ちになる。歯はすべて金歯。朝鮮戦争の特需成金。悪路を猛スピードで車を飛ばし、歩いていたゲンと隆太を泥まみれにする。その後、レストランで再び出くわす。泥まみれにした件を悪びれもせず札束で解決しようとし、店内に大声で聞こえよがしな倉持の戦争賛辞、中国兵殺しの自慢話に怒ったゲンと暴力沙汰に発展する。歴戦の軍人だけにゲンと隆太の2人を腕力で圧倒するが、股間突きを食らい、その後愛車を石で壊された。
- 天野 星雅(あまの せいが)
- 木板に直接絵を描いて売っていた画家。作品は全く売れないが、絵画の腕は一流で、大月の代理を中尾から任せられるほどである。ゲンが政二から預かった油絵の具を譲り受ける。未来に希望を捨てないゲンに絵を教え、ゲンが政二との出会い以来、本格的に絵描きを目指すきっかけとなった。最後は東京へ旅立つゲンを見送る。
- 天野 達郎(あまの たつろう)
- 星雅の孫。生活苦により絵の具が買えない祖父の為にゲンの持っていた夏江の骨壷を金品と勘違いして盗むが、星雅に諭されて以降はゲンを兄のように慕う。また、黒崎と大月に痛めつけられているゲンを見かねて助けに入った。
- 黒崎(くろさき)
- ゲンがアルバイトをしていた看板屋の社員。原爆で家族親類を失って戦災孤児となり、その後、広島郊外の島にある寺の住職に拾われ、強制労働や拷問を受ける。島を脱出した後、看板に書かれた「人工の虹」を見て感動し中尾重蔵の看板屋に入社、暴力を受けながらも大月の腰巾着として働く。ひねくれた性格、ヒガミ根性になってしまったのは外的要因のせいと自らを語り、ポジティブ思考で年下で自分より上達の早いゲンを僻む。また、前述の悲惨な体験から、寺の鐘の音がトラウマになっている。看板屋の朝礼に参加した際にあくびをしたり、ゲン達がクビになった事を喜んだ事で重蔵に殴られるなど、最後まで暴力を受けっぱなしだった。
- 大月 徹(おおつき とおる)
- ゲンがアルバイトをしていた看板屋につとめる画家。自称広島一の絵描きだが、その性格は非常に悪く、謝っているゲンにケンカをけしかけ、黒崎共々ゲンを痛めつける。仲介して来た達郎を傷つけられ怒ったゲンに投げ飛ばされた拍子に利き腕の右腕の骨を折ってしまい、全治3ヶ月の重傷を負う。その後完治し、看板屋の朝礼にも参加した際にゲンと星雅がクビになったのを喜んだ。ちなみに給料は他の社員よりも多く貰っているらしい。
- 鉄・重(てつ・しげ)
- 黒崎のチンピラ友人。黒崎に唆されてゲンの腕を切断しようとしたが、逆にゲンにコテンパンにされる。
[編集] 隆太の人生の途上にいた者たち
- 平山 松吉(ひらやま まつきち)
- 元新聞記者。原爆投下前は広島市の十日市に住んでいた。原爆で一家7人全員(両親、妻、3男1女)を失い、放射線障害の影響で疲れやすく、家族を失ったPTSDもあってまともに働く事が出来ない。その為に親戚からも嫌われ行く当てもなく呆然としていた所をゲンたちと出会い、以降ゲンたちと行動を共にする、孤児の施設への強制収容から守るため隆太たち孤児の父親代わりになる。一時は隆太たちとの交流で元気を取り戻したが原爆症が悪化、自らの被爆体験に基づく小説『夏のおわり』を遺し、この世を去る(アニメでは生存)。ゲンや隆太からはおっさん、勝子とムスビからはお父ちゃんと呼ばれ慕われていた。過去に自分の書いた小説で一等を取り、賞品のメダルを獲得した事がある。なお、遺作『夏のおわり』はゲンや隆太の奔走により進駐軍のプレスコードをかいくぐり無事出版された。
- ノロ(のろ)
- 本名は中里年男(なかさと としお)。ノロさを強調するためか常に鼻水を垂らしている。元々は裕福な油屋の息子であったが、原爆で両親を亡くした。
- 被爆後、生き残った妹とともに親類のおじを頼るも、両親の財産は奪われ、厄介者として嫌がらせをうけ、妹は虐待の末に死亡。空腹に耐えきれず盗みに入り、おじに捕まり警察に突き出され感化院に収監される。
- 脱獄を企んだ隆太に一緒に連れて行くように頼み、脱獄計画の際に雨の日に一緒に火事を起こし、その混乱の最中に濡れた布を使い塀を越え感化院から脱獄し、さらに囚人服から民間服に着替えるために小学生兄妹の服を奪い、広島に帰った。包丁を携え仇討ちを試みるも飼い犬の攻撃により返り討ちを浴び重傷を負うが、隆太とゲンの協力のもと、おじを懲らしめ、両親の財産を取り返す。
- ノロのおじ(のろのおじ)
- ノロの親戚、ノロの兄妹引き取り後、財産を奪い取り、虐待を重ねる。ノロに復讐されそうになる寸前に凶暴な飼い犬でノロを殺そうとノロを追い返し、仲間を連れに再来したノロを再び犬に殺害させようとしたが、隆太に犬を射殺された事で命乞いした。15年間青春の全てを国の為に犠牲にして戦争を戦うも、敗戦を機に何もかも信じられなくなり、鬱憤晴らしにノロ兄妹につらく当たってしまったと理由を打ち明け、ノロに謝罪した。ゲンと隆太の仲介により、奪い取った財産を返す条件としノロたちに二度と自宅に来ない事を約束させる。
- クソを集めている男
- ゲンが墓参りしている時に出会った中年の男。無断でクソを取った為、その家の住民達に追われていたところをゲンに助けられた。クソを畑の肥料にし、育てた野菜を家の住民に配り、クソを集めていた。足を痛めた為、ゲン(後に隆太も加わる)が代役することになり、クソ集め(桶一個分200円)することになった。
[編集] その他の人々
- 熊井大二郎(くまい だいじろう)
- 浩二が予科練の赴任途中に出会った、出撃を5日後に控えた特攻隊員。一人称は「俺」。学徒出陣で海軍に来たため、母校にやり残した研究があった。旧制三高の寮歌「紅萌ゆる丘の花」を中山と歌って浩二を見送るシーンがある。浩二を「ヒヨコ」と呼んでいた。
- 周囲の空気にのまれ特攻隊に志願したものの、母親と婚約者への未練があり、出撃の飛行ルートが実家周辺だったため隊列を抜けて実家上空で周回したあげく燃料切れで飛行機を墜落させてしまい、非国民のレッテルを貼られてしまう。それにより自暴自棄になり死を決意する。呑んだくれて、生に対する思いを浩二に託す。その後の消息は不明。中山とともに大学の研究を遂げたがってた。
- 中山(なかやま)
- 熊井と共に浩二が予科練の赴任途中に出会った特攻隊員。一人称は「俺」。酔った熊井から浩二を庇ったりすることから熊井より優しい性格。熊井と同期。その後の消息は不明。熊井とともに大学の研究だけでもやり遂げたがってた。
- 花田 照吉(はなだ てるきち)
- 浩二の予科練での同期生。かっこよさに憧れ予科練に志願したが、訓練で連日失敗を繰り返し、教官には殴られ他の同期にはバカにされる日々を送っていたなか、唯一浩二だけが励ましてくれた。あまりの辛さに脱走を図るが、途中崖から落ちて左足首を骨折して失敗、教官からリンチされ、その翌日トイレで首吊り自殺する。その死は大堂少佐と口裏を合わせて訓練中の事故として表向きに処理されたため、照吉の両親は「名誉の死」として喜び、浩二に真相を告げられても「なんてことを言うのだ」と逆に浩二をなじった。
- 大河原(おおがわら)
- 浩二の予科練の教班長。階級は兵曹。花田の失敗で浩二をはじめ、他の予科練生にも連帯責任として棒で尻を叩くなどの罰を行う鬼教官。花田の自殺後も何事も無かったかのような涼しい顔をしていた。
- 杉田(すぎた)
- 君江の話で登場した大吉の友人で、演劇を通じて戦争反対を訴える反戦活動家。しかし特高警察に追われ、巧みに逃げ回ったもののスパイが杉田の仲間の振りして接近し、逮捕される。杉田は特高警察からは爪を剥がされ、畳針で刺され、水を耳や鼻に流し込み、体を殴る蹴る等の拷問で死亡する。死体は心臓麻痺として事故処理された。作者の別作品「ゲキの河」の登場人物・大道栄造(主人公・大道激の父)とキャラクターが重なっている。
- 広子(ひろこ)
- 浩二の婚約者。浩二らの家が壊される前に、アパートに浩二と共に移り住んだ。後に浩二と結婚する。ゲンが絶賛するほど美人。
- 島の住職(しまのじゅうしょく)
- 瀬戸内海の小島に住んでる住職。原爆孤児を15人も保護していることから、慈悲深いお坊さんと住民から慕われているが、実は原爆孤児の援助金を使って贅沢三昧する守銭奴であり、孤児を一日中こき使い、病気の孤児に金を出さず、さらに自分に歯向かわないよう自分に逆らった孤児を見せしめに拷問するなどの悪事を働いている。孤児であった黒崎を引き取るが、黒崎が想いを寄せていた孤児が原爆症で体調を崩した際に治療費を出さないばかりか悪態をついたため、怒りにかられた黒崎に襲いかかられた。しかし、子供のうえ栄養失調で体力も弱っていた黒崎が勝てる相手ではなく返り討ちしたばかりか、棒で何度も殴り、三日断食させている前で食事を取る嫌がらせをし、牛小屋で牛の糞尿まみれにするなどの虐待を行い、結局黒崎は脱走した。このような生活を送った黒崎は寺の鐘の音がトラウマになってしまった。
- 川村 完次(かわむら かんじ)
- 光子の話で登場した光子の小学校時代の同級生。話の中で原爆で家族や親類を亡くし、ヤクザに拾われ、ある日親分に対立する組の幹部をキャバレーで皆殺しにすれば大幹部に出世するとそそのかされ実行するものの、逃げる際にその仲間に蜂の巣にされ死亡した。皮肉にも完次の死後に所属していた組と対立していた組は仲良くなっていた。
[編集] 実在の人物
- 昭和天皇(しょうわてんのう)
- 戦後に荒廃した広島に行幸で訪問した。ゲンは、父大吉の教育の元で昭和天皇の戦争責任論を主張しているために戦後も国の象徴として生きている天皇を激しく嫌っており、君が代が国歌である事も激しく嫌っている(卒業式で君が代を歌おうとしたのをゲンがやめさせて生徒全員で「青い山脈[8]」を歌うシーンがある)。作中の昭和天皇はゲンをはじめ諸登場人物から原爆投下を招いた責任者として憎悪の対象になり、ゲンにとって最も許せない人物とされている。
- ダグラス・マッカーサー(だぐらす・まっかーさー)
- 連合軍最高司令官であり、連合国軍最高司令官総司令部。第7巻でゲンにとって、アメリカ側の戦争責任者として、日本側の最高責任者である昭和天皇とともに、憎悪の対象になっている(しかし原爆投下を決定したのはマッカーサーでなくトルーマンである)。後の朝鮮戦争で中華人民共和国に戦争を仕掛けると過激な命令を出したためにトルーマン大統領に司令官を解任された。その際、戦後日本に自由と民主主義をもたらした恩人として彼の帰国を惜しむ日本人の姿も描かれる。隆太からは『マッカッカ元帥』と呼ばれていた。
- アルベルト・アインシュタイン(あるべると・あいんしゅたいん)
- 米国の物理学者。劇中では、広島型原爆の実験に参加している[9]。また、原水爆禁止世界大会を提唱したことも、劇中では記述されている。
[編集] 脚注
- ^ キャラクターの造形としては、進次と隆太も全巻に登場している
- ^ ラッキョウ・カッチン・ドングリは隆太の仲間であるもののゲンとの行動はしていないので身内に含まれない
- ^ “「はだしのゲン」の作者、中沢啓治さん(70)が視力の衰えで漫画家を引退”. 読売新聞. (2009年9月15日)
- ^ 中沢はこの光景を実際には見ておらず、立ち会った中沢の母が姉に呼びかけても返答がなかったので即死だったのだろう、と母から伝えられている。
- ^ a b 朝日新聞 昭和34年(1959年)7月13日2面
- ^ 単行本4巻の元と雨森の喧嘩時に発言した野村のセリフより。
- ^ 教育史料出版会 中沢啓治「はだしのゲン 自伝」より
- ^ もっとも、「青い山脈」の作詞家西条八十と歌手藤山一郎も戦時歌謡を多く出していた。
- ^ 実際にはアインシュタイン自身はマンハッタン計画に参加しておらず、原爆開発で携わったのはアメリカ大統領フランクリン・ルーズベルトにナチスに先を越されぬよう米国も原爆開発を急ぐよう嘆願した手紙に署名したことだけである。
