ドラえもん のび太の日本誕生
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(のび太の日本誕生から転送)
『ドラえもん のび太の日本誕生』(どらえもんのびたのにっぽんたんじょう)は、月刊コロコロコミック1988年10月号から1989年3月号に掲載された大長編ドラえもんシリーズの作品。および、この原作を元に1989年3月11日に公開された映画作品。大長編シリーズ第9作、映画シリーズ第10作。映画ドラえもん10周年記念作品。
映画監督は芝山努。配給収入20億2000万円、観客動員数420万人。同時上映は『ドラミちゃん ミニドラSOS!!!』。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
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[編集] 概要
- 興業記録は、同シリーズでは原作者藤子・F・不二雄存命時には破られることはなかった。藤子Fの死後、配給収入は1998年公開の『のび太の南海大冒険』に破られる事になるが、2012年現在でも最大の観客動員数となっている。
- 藤子・F・不二雄の葬儀の日(1996年9月29日)に、追悼特番として本作が放送された。
- 公開直前の1989年3月4日には、ドラえもん映画公開記念スペシャルとして『ドラミちゃんと日本誕生!』も放映されている。
- 公開後の1990年に、続篇的内容のゲーム『ドラえもん ギガゾンビの逆襲』が発売された。
[編集] あらすじ
家でも学校でも叱られてばかりののび太は家出しようと思い立つが、どこもかしこも私有地か国有地でどこにも自分の思い通りになる土地がない。ドラえもん以下4人も各々の理由で家出するも行くところがなく途方に暮れていた。それならばいっそのことまだ人間が誰も住んでいない太古の日本へ行こうと思い立ち、史上最大の家出へと出発した。
誰にも邪魔されないユートピアが出来上がったが、一時帰宅したところ、本物の原始人と思しき少年ククルに出会う。ククルの一族であるヒカリ族は、凶暴なクラヤミ族と精霊王ギガゾンビの襲撃を受けたという。のび太たちはヒカリ族を救うため、中国大陸へ向かうことにする。
[編集] 舞台
[編集] ゲストキャラクター
- ククル
- 声 - 松岡洋子
- ヒカリ族の少年。集落近くの川で魚をとっていたため辛くもただ1人、クラヤミ族の襲撃を免れた。その後時空乱流(時空間の乱れ)に巻き込まれて現代の日本に転移してきた。仲間たちを救うべく、ドラゾンビことドラえもんの力を借りてクラヤミ族に立ち向かう。将来はウンバホ(「日の国の勇者」の意)と改名し、ヒカリ族の族長となる。なお、『チンプイ』の春日エリは、彼の子孫である。[1]
- タジカラ
- 声 - 仲木隆司
- ククルの父。クラヤミ族に立ち向かうなどかなり勇敢である。
- タラネ
- 声 - 玉川紗己子
- ククルの母。
- 長老
- 声 - 北村弘一
- ヒカリ族の長老。かなりの高齢。
- ウタベ
- 声 - 二又一成
- ヒカリ族の一員で、歌が得意な男(漫画では太目の中年、映画では痩身)。日本に案内された直後の宴で、ドラゾンビを称える歌を作った。ジャイアン曰く「石器時代の偉大なアーティスト」。
- ヒカリ族
- 声 - 茶風林、坂東尚樹、梁田清之
- 7万年前、現在の中国上海市奉賢区付近に住んでいた原始人部族。ドラえもんたちの手助けにより、未開の地である日本に移住する。ドラえもんが変装したドラゾンビを神様と思って崇拝する。
- 因みに劇場公開された当時は藤村新一による旧石器捏造事件や、牛川人の正確な調査結果(人骨ではなくナウマンゾウの骨の可能性が高い)が発覚する前で、原作漫画には「ヒカリ族以前にも絶滅した人類=原人がいた」との記述があったが、日本に人がいた確実な証拠は作中の通り3万年前までしか遡らないようである。
- ギガゾンビ
- 声 - 永井一郎
- 本編における黒幕。
- 嵐と雷を操る不死身の精霊王。当初は典型的な呪い師と思われていたが、その正体は23世紀の人間であり、クラヤミ族を奴隷化して7万年前の世界の支配を企み、過去⇔未来の時間航行を遮断する時間犯罪者。この行為よりタイムパトロールから容疑をかけられていたため、地底に基地を作っていた。最後はタイムパトロール隊に逮捕された。てんとう虫フィルムコミックスで逮捕の際に「山田博士」と呼ばれている。
- ツチダマ
- 声 - 高島雅羅
- ギガゾンビの部下で、言葉を話す土偶(遮光器土偶に酷似)。クラヤミ族を操っていた。形状記憶セラミック製で再生能力を持っており、粉砕されても復活する。飛行能力を持ち、岩をも吹き飛ばす衝撃波を発生させることができる。時折「ギーガー」という奇怪な声をあげる。猛吹雪の中でも飛行が可能。ドラえもんのひみつ道具「瞬間接着銃」により身動きが取れなくなり、最後にはギガゾンビに見捨てられて土砂の下敷きになる。
- 映画では一体のみだが、漫画では複数の個体が存在している。
- クラヤミ族
- 声 - 広瀬正志(リーダー)、岸野一彦、郷里大輔
- 7万年前の中国に住む、猿人に近い種族でゴリラのような顔をしている。ヒカリ族に比べると身体能力は高く背も大柄だが知能が低いようで、ギガゾンビやツチダマの下僕と化している。ジャイアンに「マックラ(真っ暗)族」と誤って呼ばれる。
- ペガ
- のび太がドラえもんの道具で作り出した3匹の架空動物の一匹。馬と白鳥のアンプルを同時に使って作られたペガサス。のび太はペガにしか乗らず(しずかを同乗させる事も)、名前を口にする機会もペガが最も多かった。最後は三匹ともタイムパトロールに引き取られ、「未来の空想サファリ・パーク」で育てられることになった(三匹とも架空動物であるため、原始時代はおろか20世紀に生存すれば生物の歴史を狂わすことになるため)。最後タイムパトロールに引き取られてのび太と別れる際に残像として甦っており、のび太にとって思い入れ深い存在となっている。
- グリ
- のび太がドラえもんの道具で作り出した架空動物。ワシとライオンのアンプルで作られたグリフィン。ドラえもんとククルが乗る。
- ドラコ
- のび太がドラえもんの道具で作り出した架空動物。ワニとシカとトカゲ(映画ではコウモリ)のアンプルで作られた龍。ジャイアンとスネ夫が乗る。その外見でワニやサーベルタイガーをビビらせる等、意外に活躍している。しずかは「ドラちゃん」と呼び、ドラえもんから「紛らわしい名前付けないでよ」と突っ込まれた。
- タイムマシン
- 声 - 三ツ矢雄二
- 言葉を発し行き先は音声で認識する。なお、前作映画『ドラえもん のび太のパラレル西遊記』で音声機能が搭載されたが、前作は原作漫画が存在しなかったため、原作においてしゃべるのは本作が初めてである。
- マンモス
- 声 - 大宮悌二
- ドラえもん達とはぐれたのび太の前に現れるマンモス。のび太に食料を与え、謎の小箱を託した。その正体はタイムパトロール隊。ギガゾンビのアジトを突き止めるために後期更新世にワープして張り込みをしていたが、ギガゾンビに警戒されないため隠密行動と言う形で変装していた。
- 地主
- 声 - 田口昂
- のび太たちがいつも遊んでいる空き地の地主。恰幅の良い体型ではげ頭。家出したのび太が空き地に住もうとしたところ、キャンピングカプセルをレンチでたたき止めた(原作では揺さぶった)。不動産会社から土地を3億円で売るように勧められていた(当時はバブル景気の真っ只中)。
- タイムパトロール隊員
- 声 - 橋本晃一
- 少年
- 声 - 真柴摩利
- 少女
- 声 - 林玉緒、前田雅恵
- 頭に花を乗せ、祭りの際は踊りを担当。
[編集] スタッフ
- 製作総指揮・原作・脚本:藤子・F・不二雄
- 作画監督:富永貞義
- 監修:楠部大吉郎
- 美術設定:川本征平
- 美術監督:沼井信朗
- 録音監督:浦上靖夫
- 整音:大城久典、内山敬章
- 音楽:菊池俊輔
- 効果:柏原満
- 撮影監督:斎藤秋男
- 特殊撮影:三沢勝治
- プロデューサー:別紙壮一、山田俊秀、小泉美明、波多野正美
- 監督:芝山努
- 原画:大塚正実、本多敏行、木上益治、渡辺歩、船越英之、神村幸子 他
- 制作協力:藤子プロ、旭通信社
- 制作:シンエイ動画、小学館、テレビ朝日
[編集] 登場する秘密道具
今作に登場する道具の数はシリーズ最多。
- キャンピングカプセル
- どこでもドア
- 万能クリーナー(映画のみ)
- タイムマシン
- トレアドール
- 原始生活セット
- タケコプター
- らくらくシャベル
- らくらくつるはし(原作のみ)
- らくらくオノ(原作のみ)
- らくらくノコギリ(原作のみ)
- 花園ボンベ
- 畑のレストラン
- 動物の遺伝子アンプルとクローニングエッグ
- ラジコン雨雲
- ラジコン太陽
- ノビール水道管
- ノビールガス管
- ノビール下水管
- 万能ペットフード「グルメン」
- ミニ家具
- 時空震カウンター
- 翻訳コンニャク(映画ではお味噌味)
- 衛星写真
- 訪ね人ステッキ
- ひらりマント
- オートマチック花火
- レーザー検査機
- リニアモーターカーごっこ
- レスキューボトル
- ウルトラタイムウォッチ
- 通り抜けフープ
- 瞬間接着銃
[編集] 主題歌
- オープニングテーマ『ドラえもんのうた』
- 作詞/楠部工、補作詞/ばばすすむ、編曲·作曲/菊池俊輔、うた/山野さと子、セリフ:大山のぶ代/ドラえもん(コロムビアレコード)
- エンディングテーマ『時の旅人』
- 作詞/武田鉄矢、作曲/堀内孝雄、編曲/若草恵、うた/西田敏行(CBS・ソニーレコード)
[編集] 原作と映画の相違点
- 原作では具体的にほしい道具の名前(キャンピングカプセルに着せ替えカメラにグルメテーブルかけ)を言うが映画では道具出してと言う。
- 映画では不動産屋は登場しない
- 裏山でキャンピングカプセルが原作ではひっくり返されるが映画ではわしづかみにされる。
- 山奥村がダムの底に沈んだニュースが放送されない。
- 映画では山奥村から入り込んだ水を万能クリーナーで吸い取っている。
- 原作ではスネ夫とジャイアンは自分の土地の範囲を言い争うが映画ではのび太と一緒に線を引き合う。
- 原作ではらくらくシャベルのほかにつるはし、オノ、ノコギリも出すが、映画では出さない
- ドラコの組み合わせがワニとシカとトカゲから、ワニとシカとコウモリになっている。それに合わせて映画では羽が生えている。
- 原作ではのび太が居眠りしてたと言っているが映画では言っていない。
- 映画ではのび太が大根にかぶりついている。
- 家出の相談をしているときなんの話と聞かれたとき、映画ではスネ夫がジャイアンのリサイタルの相談といってジャイアンに殴られている。
- 神隠し伝説の説明が原作では5つだが映画では中国の話1つ(てんとう虫フィルムコミックスでは5つ)。
- 原作ではトキの群れを見かけたとき原作ではすっかり全滅と言っているが映画ではほとんどとなっており、まだ生き残りがいる可能性があるようになってる。
- 原作ではククルの身元が分かった際の説明の中でドラえもんが「東経108度2分」と説明していたが、映画では「東経118度2分」に変更されている。
- 映画では、ククルに食べさせる「ほんやくコンニャク」がお味噌味(「ほんやくコンニャクおみそ味」)となっている。これはククルが味噌の素朴な味が好みであるという事から、ヒカリ族が日本人の先祖であると言う事実を導き出すため。
- のび太がククルに部屋で休むよう説得したが断られる場面で、原作では拗ねてしまうが、映画では欠伸をしていた。
- ククルにドラえもんの力を見せた後のび太は原作では起きてくるが、映画では寝たまま。
- 原作ではのび太は一人でペガに乗るが、映画ではしずかと乗っている。
- クラヤミ族のボスがドラえもんに反撃する。
- ツチダマがドラえもんをタヌキの化け物と呼ぶ。
- どこでもドアの新機能の説明がカットされている。
- しずかがドラコをドラちゃんと読んでドラえもんが紛らわしいと怒る。
- 原作ではドラえもんはタケコプターの修理を行っていたが、映画では家造りの手伝いをしていた。また、原作ではジャイアン達がドラえもんに鋸等を出させようとしていた。
- 原作ではジャイアンが歌うのを止めて火山の噴火を花火だとごまかすが、映画ではジャイアンを止められず花火でごまかしている。
- 原作ではグルメンをたくさん置いていくが映画では一つだけ。
- 氷点下50度の説明が原作では飛んでいる時だが映画では着陸してからになっている。
- 原作ではジャイアンに尋ねられてリニヤモーターカーごっこを渋るりながら出すが、映画では自主的にすぐ出す。
- 階段を見つけるのがスネ夫からジャイアンになっている。
- 映画ではツチダマはレスキューボトルをすぐ破壊せず、ギガゾンビのところへ持ってきている。
- のび太の見る幻にママとパパが登場する。
- 夢の中で裁判がおこなわれる。
- ホースから栄養ドリンクが送り込まれるのが映画では丼になっている。
- 原作ではマンモスのことを夢として認識しているが、映画では夢じゃなさそうだと言ってる。
- クラヤミ族をおもちゃでごまかさない。
- ジャイアンが飛び降りない。
- 原作では通り抜けフープの超空間が曲がりくねっているが、映画では長くなっている。
- ギガゾンビのショックステッキが23世紀式だというセリフがない。
- 原作ではツチダマは5体いるが、映画では1体しかいない。
- 桃太郎印のきびだんごを探さない。
- ドラコに脅かされた虎が、原作では壁にしがみつくが映画では土下座になっている。
- 原作では落盤が起こる前にツチダマを倒しているが、映画では起こった後に倒している。
- のび太が小箱を出すシーンで原作ではドラえもんが慌ててポケットから道具を出してる時に出したが、映画では諦めかけていた時に出した。
- ギガゾンビの罪名が、原作では「歴史破壊未遂罪」だが、映画では「亜空間破壊未遂罪」に変更されている。
- 映画のラストではスネ夫に「ジャイアンの先祖はクラヤミ族じゃないの?」と言われたジャイアンが殴ろうとして「ほら、やっぱり」と突っ込まれてる。
[編集] その他
- 『いつでもどこでもスケッチセット』(てんとう虫コミックス41巻収録。『小学四年生』1989年7月号掲載)では、ドラえもんの道具により本作品の一部分が描かれている。これは通常の原作と大長編を結び付ける数少ないエピソードの一つであり、また映画の後日談に当たる話としては唯一のものである(逆に以前に通常の原作で登場した者が、後の大長編にゲスト出演した例は『ドラえもん のび太と雲の王国』がある)。
- 作中、ドラえもんが時空乱流によるものかもしれないとして話している神隠しのエピソードは、実際に伝えられている話に基づいているものの、その多くは誇張や創作を含んだ都市伝説である[2]。
- 原作冒頭では、『山おく村の怪事件』(てんとう虫コミックス7巻収録。『小学館BOOK』1974年3月号掲載)に登場した廃村、山奥村のその後が描写されている。
- この作品から、オープニングテーマ『ドラえもんのうた』が山野さと子版になり[3]、1998年『のび太の南海大冒険』・2000年『のび太の太陽王伝説』の2作除く2004年『のび太のワンニャン時空伝』までの作品で使用された[4]。なお、本作はOP前のプロローグではククルの登場のみでのび太らが登場せず、ククルが時空乱流に吸い込まれた後、地球の全景が現れて、どこからともなく「ドラえも~ん!」の叫びが聞こえてOPに入る、という珍しい構成である。
- 本作から音響にドルビーステレオ方式が採用された。
- 西田敏行が歌う主題歌「時の旅人」は、後に作曲した堀内孝雄や作詞した武田鉄矢によってそれぞれカバーされ、堀内孝雄のバージョンは1996年のフジテレビ系作品『700年前の約束』のイメージソングとして使用された。
- ククルは翻訳コンニャクを食べてドラえもんたちと意思疎通が出来るようになったが、ククルの父たちは翻訳コンニャクを食べておらずドラえもん達と意思疎通を行っているため矛盾点がある。
[編集] 脚注
- ^ 『チンプイ』第5話
- ^ Gil Pérez(1593年のマニラ兵士)、英外交官ベンジャミン・バサースト失踪事件、作家アンブローズ・ビアス失踪事件、ノーフォーク連隊集団失踪事件(ガリポリの戦い#損害)、中国兵士集団失踪事件 等
- ^ テレビシリーズ版では1992年10月9日放送分から山野版を使用。
- ^ テレビシリーズ版での使用は2002年9月20日放送分まで
[編集] 受賞歴
- 第7回ゴールデングロス賞優秀銀賞
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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