ねらわれた学園 (2012年の映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ねらわれた学園
監督 中村亮介
脚本 内藤裕子
中村亮介
原作 眉村卓
出演者 渡辺麻友AKB48
花澤香菜
本城雄太郎
小野大輔
戸松遥
平田広明
内田直哉
音楽 村井秀清
主題歌 渡辺麻友「サヨナラの橋
supercell銀色飛行船
制作会社 サンライズ
製作会社 ねらわれた学園製作委員会
配給 松竹
公開 日本の旗 2012年11月10日
上映時間 106分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
テンプレートを表示

ねらわれた学園』(ねらわれたがくえん)は、眉村卓作の同名の小説『ねらわれた学園』を原作とした、2012年11月10日公開の日本のアニメーション映画

概要[編集]

たびたび映画化およびドラマ化された眉村卓のベストセラー小説『ねらわれた学園』の初のアニメ映画化作品であり[1]、テレビアニメ『魍魎の匣』などを手がけた中村亮介の劇場初監督作品である。ヒロイン役には初主演声優となるAKB48渡辺麻友が抜擢された。サンライズ第8スタジオが製作、中村監督自らが脚本を執筆[2]

未来人超能力、学園を支配するファシズムなど、個々の要素は原作を踏襲しているが、全体的なストーリーは本作オリジナルのものである。原作にあったSF色・サスペンス色は大幅に薄められ、思春期の少年・少女の恋愛友情が中心テーマとなっている。作中明示はされないが、原作の次世代の物語となっており、原作の登場人物が作中に登場したり、言及されたりする[引用 1]。時代設定は現代で、携帯電話がキーになるなど、新たな解釈でアレンジがなされている[4]

2Dアニメの魅力を改めて示そうと3DCGは使わず、今の人たちに好きだと思われる絵、気持ちいいと感じられる絵を取り入れる努力をしたという[5]。結末は観客それぞれで解釈できるように仕上げている[5]

入場者プレゼントはキャラクターミニサイン色紙(全4種ランダム)[6]

キャッチコピーは「チカラをください――」「季節(とき)が過ぎて、僕らは キセキの意味を知る――」。

登場人物[編集]

関ケンジ
声 - 本城雄太郎 / 吉永拓斗(子供)
本作の主人公。ナツキと家は隣同士で幼馴染。裏表のない性格をしている[7]。実家は旅館で、父・母(声 - 最所美咲)・妹・祖父の耕児と暮らす[8]。犬のシロ(声 - 麦穂あんな)を飼っている[9]。カホリに好意を抱いている。
涼浦ナツキ
声 - 渡辺麻友AKB48) / 遠藤舞衣(子供)
幼馴染のケンジに密かに思いを寄せる。活発ながら繊細な心の持ち主である[10]。父・母・弟とネコ1匹と暮らす[11]。髪型はショートカット。
春河カホリ
声 - 花澤香菜
ケンジやナツキのクラスメイトで生徒会書記。父は漁師で同僚を助けようとして亡くなったため、母子家庭である[12]。亡き父が感じられるため、サーフィンを趣味とする[13]。髪型はストレートのロングヘアで、黄色のカチューシャをしている。
京極リョウイチ
声 - 小野大輔
転校生。「花巻市から来た」と挨拶する[14]。自身を『夏の夜の夢』で言えばパックだとカホリに話す[15]
山際ゆりこ
声 - 戸松遥
昨年に携帯電話で事件を起こし不登校となったため、中学2年で留年した[14]
京極の使い魔
声 - 平田広明
リョウイチの行動を監視する謎の生物[16]
関耕児
声 - 内田直哉
ケンジの祖父。
斉藤先生
声 - 木内秀信
ナツキらの担任(2年1組)で、担当教科国語[17]。実家が神社神主をしているため、賽銭とかけて「さいせん」というあだ名を持つ[16]
2年1組
ナツキらの所属するクラス[18]。遠藤さおり(声 - 伊藤かな恵)ら20人が在籍する[19]
神野ゆう
声 - 木村良平
生徒会副会長[20]
曽我はるか
声 - 石川由依
生徒会長[21]
天野だいと
声 - 菊本平
生徒会書記[22]
近藤ゆかり
声 - 佐々木智代
生徒会会計[22]
超能力者
声 - 清水秀光
ケンジの家の茶の間で流れるテレビの出演者[23]。「テレパシー、それは物理法則です」が決め台詞[24]

スタッフ[編集]

主題歌[編集]

漫画版[編集]

角川書店ニュータイプエース』V0l.12(2012年8月10日発売)よりコミカライズ版が連載されている。著者は石川樹。

作品の舞台[編集]

神奈川県鎌倉市の中学校を舞台としている[27]が、作中にはナツキとカホリが語り合う場として藤沢市江の島も登場している[3]

コラボレーション企画[編集]

脚注[編集]

引用
  1. ^ 『-ケンジの祖父は原作の主人公と同じ耕児という名前です。ということは、この物語は原作で書かれた世代の、後の世代の話と解釈してよいのでしょうか? そうです。原作へのオマージュです。すると当然、京極の母親はあの人ということになりますけど、それは原作を読んでいる人なら察しがつくでしょうし、もし読んでいなくても京極には現代人の母親がいたんだと理解してもらえれば十分であるようなストーリーにしました。』[3]
出典
  1. ^ 眉村ほか 監修(2012):22ページ
  2. ^ アニメ映画『ねらわれた学園』の試写会が京都の立命館大学で開催”. CinemaLeaf編集部 (2012年9月7日). 2012年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月24日閲覧。
  3. ^ a b 「ねらわれた学園 劇場用プログラム」編集・発行:松竹株式会社事業部(2012)
  4. ^ 名作の舞台を現代に置き換えると「超能力」とは何なのか。「ねらわれた学園」中村亮介監督に聞く1exciteニュース 2012年11月8日
  5. ^ a b アニメ映画『ねらわれた学園』の試写会が京都の立命館大学で開催”. 株式会社イード (2012年11月11日). 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  6. ^ 『ねらわれた学園』入場者プレゼントがキャラクターミニサイン色紙に決定[リンク切れ]シネマリーフ 2012年11月8日
  7. ^ 眉村ほか 監修(2012):10ページ
  8. ^ 眉村ほか 監修(2012):40, 137ページ
  9. ^ 眉村ほか 監修(2012):36, 137ページ
  10. ^ 永野寿彦. “映画『ねらわれた学園』渡辺麻友 単独インタビュー - シネマトゥデイ”. シネマトゥデイ. 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  11. ^ 眉村ほか 監修(2012):25ページ
  12. ^ 眉村ほか 監修(2012):14, 35, 36ページ
  13. ^ 眉村ほか 監修(2012):36ページ
  14. ^ a b 眉村ほか 監修(2012):13ページ
  15. ^ 眉村ほか 監修(2012):47ページ
  16. ^ a b 眉村ほか 監修(2012):121ページ
  17. ^ 眉村ほか 監修(2012):18, 122ページ
  18. ^ 眉村ほか 監修(2012):122ページ
  19. ^ 眉村ほか 監修(2012):122, 123ページ
  20. ^ 眉村ほか 監修(2012):37ページ
  21. ^ 眉村ほか 監修(2012):31, 32ページ
  22. ^ a b 眉村ほか 監修(2012):124ページ
  23. ^ 眉村ほか 監修(2012):125ページ
  24. ^ 眉村ほか 監修(2012):18ページ
  25. ^ 鴇田 崇 (2012年11月12日). “『ねらわれた学園』渡辺麻友、アイドル続行宣言!”. マイナビニュース. 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  26. ^ ナタリー - [Power Push] ryo(EGOIST / supercell)インタビュー (2/4)”. ナタリー. ナターシャ (2012年10月11日). 2012年12月27日17:56閲覧。
  27. ^ 大林監督もエール、アニメ「ねらわれた学園」新映像”. 読売新聞 (2012年11月3日). 2012年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月17日閲覧。
  28. ^ 早稲田大学『ねらわれた学園』試写会特別講義|eo映画”. ケイ・オプティコム (2012年10月29日). 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  29. ^ よみうりランド×映画「ねらわれた学園」 "あなたの初デート応援します"”. よみうりランド. 2012年11月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  30. ^ 映画『ねらわれた学園』初日舞台挨拶レポート - ニュース - アニメイトTV”. アニメイト (2012年11月12日). 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。
  31. ^ 高橋克則 (2012年11月1日). “映画「ねらわれた学園」が江ノ島電鉄とコラボ 作品舞台でスタンプラリー開催”. 株式会社イード. 2012年11月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月18日閲覧。

参考文献[編集]

  • 松竹株式会社事業部 編『ねらわれた学園 パンフレット』松竹株式会社事業部、2012年11月10日
  • 眉村卓・講談社・ねらわれた学園製作委員会 監修『公式ガイドブック ねらわれた学園』角川書店、2012年11月17日、143p. ISBN 978-4-04-110332-6

外部リンク[編集]