猫踏んじゃった

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楽譜(変ト長調)

猫踏んじゃった(ねこふんじゃった)は、作曲者不詳、変ト長調または嬰ヘ長調の世界中で親しまれている曲。ピアノ独奏が基本だが、多数のアレンジやバリエーションが存在する。

作曲[編集]

先述の通り、この曲は作曲者も発祥国も明らかになっていない。

一説によればフェルディナント・ロー(Ferdinand Loh)だとされている。ドイツ版の曲名「ノミのワルツ(Flohwalzer)」は作曲者の略名(F. Loh)が誤記されたものから来ているというのである。ただし、「フェルディナント・ローなる人物は実在せず、最初にこの説を紹介した書籍の筆者によるジョーク」だとも言われている[1]

作詞[編集]

NHKみんなのうた』では阪田寛夫が作った歌詞が使われた。また、丘灯至夫1954年に作ったという別の歌詞も存在する[2]

なお、丘灯至夫が「阪田寛夫による歌詞が自身の歌詞と類似している」として日本音楽著作権協会に審査申請を行ったが、1969年10月に協会は「丘の歌詞と阪田の歌詞はそれぞれ別個のものである」と判定した[3]

なお、この曲は世界中で親しまれており、国や地域ごとに様々な歌詞や曲名が付けられている。

曲名[編集]

世界中で約26種類の曲名がつけられている。宮本ルミ子らによれば、曲名にネコが含まれているのは日本の他、台湾韓国ルーマニアブルガリア[4]フィンランドである。

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  • ねこふんじゃった(日本)楽譜
  • ねこのマーチ(ブルガリア)
  • 猫の踊り(韓国)
  • 子猫之舞(台湾)
  • 黒猫のダンス(ルーマニア)
  • 猫のポルカ(フィンランド)

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  • 犬のワルツ(ロシア)
  • 犬のポルカ(チリ)

その他動物[編集]

  • アヒルの子たち(キューバ)
  • 三羽の子アヒル(キューバ)
  • ロバのマーチ(ハンガリー)
  • お猿さん(メキシコ)

ノミ[編集]

  • 蚤(ノミ)のワルツ(ドイツ、ベルギー)
  • ノミのマーチ(オランダ、ルクセンブルク)

その他[編集]

  • Kalle Johansson (スウェーデン)
  • トトトの歌(イギリス、アメリカ)
  • カツレツ(フランス)
  • チョコレート(スペイン)
  • 公爵夫人(デンマーク)
  • 三女の足(デンマーク)
  • 道化師ポルカ(アルゼンチン)
  • 追い出しポルカ(マジョルカ島)
  • 箸 -Chopsticks-[5](イギリス、アメリカ、カナダ、ハンガリー)
  • 黒のメロディー(ユーゴスラビア)
  • サーカスソング(イギリス、アメリカ、カナダ)
  • 泥棒行進曲(中国)

編曲[編集]

みんなのうた[編集]

みんなのうた
ねこふんじゃった
歌手 天地総子東京放送児童合唱団
作詞者 阪田寛夫
作曲者 不詳
編曲者 越部信義
映像 アニメーション
映像制作者 和田誠
初放送月 1966年10月 - 11月
再放送月 1967年2月 - 3月
2004年2月 - 3月
2006年8月23日
2006年12月11日
2007年1月2日(以上 なつかし)
2021年2月
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『みんなのうた』では『ねこふんじゃった』というタイトルで、1966年10月 - 11月に放送、歌は天地総子東京放送児童合唱団。映像はモノクロで、アニメーションは和田誠が担当した。

その後、2003年から始まった『なつかしのみんなのうた』の一環(最終作)として、2004年2月に37年ぶりの再放送となった。また衛星第2テレビでも、2006年8月23日・同年12月11日2007年1月2日の3回に渡って、『たのしいね』と共に放送された。映像はNHKみんなのうたDVDーBOX第3集に収録されている。

脚注[編集]

  1. ^ ねこふんじゃったの作曲家
  2. ^ 作詞家・丘灯至夫さんが死去 「高校三年生」「ねこふんじゃった」”. オリコン (2009年11月24日). 2011年7月18日閲覧。
  3. ^ 『音楽年鑑 昭和45年版』音楽之友社、1970年、25頁。NDLJP:2526523/47
  4. ^ ねこふんじゃったの題名あれこれ - 2021年12月4日閲覧。
  5. ^ 人差し指で弾く技法より「箸」と呼ばれている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]