にゃんぱすー

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にゃんぱすーとは、あっとによる漫画作品『のんのんびより』の登場人物・宮内れんげが使用する挨拶テレビアニメ第1期が放送された2013年度の「アニメ流行語大賞」にて金賞を受賞した。

経緯[編集]

コミックアライブ編集部は、「にゃんぱすー」という言葉はあっとのノリで「印象に残ってつぶやきやすい言葉を」という理由から選ばれており、予想以上の反響だったと述べている[1]

意味・用法[編集]

KADOKAWAのプロデューサー・吉沼忍は「にゃんぱすー」について、小学1年生が考えた「おはこんばんちわ」のような様々な場面で対応できる挨拶と説明している[2]

作中での使用[編集]

原作漫画では第2話で初めて使用される[3]。なお、「にゃんぱすー」は宮内れんげが原作漫画で初めて発した言葉となっている[3]

ライターのたまたまごは、原作漫画では初期に使われて以降ほとんど使われないが、アニメでは製作スタッフがファンの人気を汲み取り使われる回数が増えているのではと推察している[4]。また、KADOKAWAのプロデューサー・山下愼平は第2期では第1期よりも「自然にさらっと」出てくると述べている[5]

反響・評価[編集]

アニメ流行語大賞 2013[6]
対象語 対象語を使用するキャラクター(登場作品)
金賞 にゃんぱすー 宮内れんげのんのんびより
銀賞 駆逐してやる エレン・イェーガー進撃の巨人
銅賞 俺はフリーしか泳がない 七瀬遙Free!

2013年に『のんのんびより』のテレビアニメ化(第1期)が行われると「にゃんぱすー」の掛け声がアニメファンを中心に話題となり[7]ガジェット通信が主催する「アニメ流行語大賞 2013」では1位となる金賞を受賞した[6][4]。ガジェット通信は金賞を受賞した「にゃんぱすー」について、宮内れんげが「にゃんぱすー」とダルそうに言っているのが人気の要因となったようだとコメントしている[6]

上述のように「にゃんぱすー」という言葉が話題となったことから、ウェブサイト「まんがStyle.」は実際に存在するニャンパス株式会社の代表・登尾徳誠へ反響に関する以下のようなインタビューを行っている[8][注 1]

Q:反響の方はどうでしたか?
A:ホームページのアクセス数が150倍くらいになりました。 私としてはニャンパス株式会社が認知されてとてもありがたいです。 — 出典:[9]

アニメ見放題サービス「dアニメストア」が特集ページ「みんなで選んだアニメ特集 “迷言”」を公開し、「意味不明だけど気になる言葉!」のうちの一つとして「にゃんぱすー」を紹介した[10]

日本将棋連盟常務理事の九段・鈴木大介がプロ将棋界唯一となる団体戦「ABEMAトーナメント」(第4回)で九段・佐藤天彦をリーダーとする「チーム天彦」に、四段・古賀悠聖と参加した。第4回大会から各チームがTwitterアカウントを持って日々発信することになり、鈴木が最初に「にゃんぱすー」と投稿したことから、チームメートの佐藤はチーム名に「にゃんぱすー」を採用することを決めたという。なお、鈴木は「にゃんぱすー」と投稿した理由について「ツイッターを使用するのが初めてで何を投稿すればいいか分からなかったから」としていたものの、将棋界で聞き馴染みのなかったこの言葉はすぐに浸透していったという[11]

コラボ商品[編集]

2014年3月22日から翌23日まで東京ビッグサイトにて開催されたイベント「AnimeJapan2014」のコラボ商品として、赤塚不二夫による漫画作品『もーれつア太郎』に登場するニャロメケムンパス、そして『のんのんびより』に登場する宮内れんげの3キャラクターが描かれたTシャツが発売された。なお、ニャロメから「ニャ」、ケムンパスから「ンパス」を取ってつなげると「ニャンパス(にゃんぱすー)」となり、このコラボTシャツ名も「『ニャロメ+ケムンパス=にゃんぱすー』Tシャツ」となっている[12]

2021年4月16日から25日までキュアメイドカフェ(オノデン本店4F ジーストア・アキバ内)にて開催されたイベント「『のんのんびより のんすとっぷ』かふぇ」では登場キャラクターをイメージしたコラボメニューが登場し、その中で注文の際に「にゃんぱすー」と挨拶した人のみ注文できる「れんちょん進級おめでとうドリンク」も用意された[13]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ニャンパス株式会社の会社名は「にゃんぱすー」が由来ではないと登尾は同インタビュー内で述べている[9]

出典[編集]

  1. ^ “マンガ質問状:「のんのんびより」 “にゃんぱすー”誕生は作者のノリから”. MANTANWEB. (2013年12月23日). オリジナルの2021年5月31日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210531124043/https://mantan-web.jp/article/20131222dog00m200040000c.html 2022年6月11日閲覧。 
  2. ^ “アニメ質問状:「のんのんびより」 “にゃんぱすー”の意味は!? 年末に新たな発表も”. MANTANWEB. (2013年11月9日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102013/https://mantan-web.jp/article/20131108dog00m200066000c.html 2022年6月11日閲覧。 
  3. ^ a b “『のんのんびより』コミック&TVアニメ完結記念 原作者・あっと&川面真也監督対談②”. Febri. (2021年4月15日). オリジナルの2021年6月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210624031325/https://febri.jp/topics/nonnonbiyori_interview_2/ 2022年6月11日閲覧。 
  4. ^ a b “ネット・アニメ流行語大賞「にゃんぱすー」ってなんなんだ”. エキサイトニュース. (2021年12月4日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102013/https://www.excite.co.jp/news/article/E1386085801061/ 2022年6月11日閲覧。 
  5. ^ “アニメ質問状:「のんのんびより りぴーと」 2期の「にゃんぱすー」は自然にさらっと”. MANTANWEB. (2015年8月1日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102013/https://mantan-web.jp/article/20150731dog00m200037000c.html 2022年6月11日閲覧。 
  6. ^ a b c “『ネット流行語大賞 2013』『アニメ流行語大賞 2013』をそれぞれ発表! それぞれの今年の大賞は?”. ガジェット通信. (2013年12月2日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102012/https://getnews.jp/archives/466655 2022年6月11日閲覧。 
  7. ^ “「にゃんぱすー!」でおなじみ『のんのんびより』TVアニメ第3期制作決定”. 超アニメディア. (2019年5月11日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102021/https://cho-animedia.jp/article/2019/05/11/12282.html 2022年6月11日閲覧。 
  8. ^ “『のんのんびより』の影響で田舎に憧れるアニメファンが急増中? その魅力とは”. マイナビニュース. (2013年11月26日). オリジナルの2021年4月28日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210428012422/https://news.mynavi.jp/article/20131126-a152/ 2022年6月11日閲覧。 
  9. ^ a b 「のんのんびより」の『にゃんぱすー』で話題の「ニャンパス株式会社」にインタビュー!”. まんがStyle. (2013年10月25日). 2013年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月12日閲覧。
  10. ^ “「のんのん」「俺ガイル」「リゼロ」「SAO」アニメ史に残る(?)迷言といえば? dアニメストアで大特集”. アニメ!アニメ!. (2020年9月1日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102012/https://animeanime.jp/article/2020/09/01/56013.html 2022年6月11日閲覧。 
  11. ^ “将棋界に突如やってきた「にゃんぱすー」鈴木大介九段のツイートから急拡大 大盤解説会のあいさつでも”. ABEMAニュース. (2021年6月8日). オリジナルの2022年6月10日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20220610102013/https://times.abema.tv/articles/-/8661581 2022年6月11日閲覧。 
  12. ^ “何この夢のコラボ! まどマギとラスカルが……艦これとガルパンとストパンが……! 「AnimeJapan 2014」のグッズが相当豊作な件”. ねとらぼ. (2014年2月27日). オリジナルの2021年5月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210514170307/https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1402/27/news105.html 2022年6月11日閲覧。 
  13. ^ “Blu-ray&DVD発売記念! 「『のんのんびより のんすとっぷ』かふぇ」、4月16日(金)~25日(日)キュアメイドカフェで開催!”. アキバ総研. (2021年4月13日). オリジナルの2021年5月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210507125013/https://akiba-souken.com/article/50327/ 2022年6月11日閲覧。