すっぴん
すっぴんとは、化粧をしていない状態(ノーメイク)のこと。主に女性に対して使われる言葉である。
三省堂『大辞林(第二版)』には、「【素っぴん】 (1)(女性や俳優が)化粧をしていないこと。また、その顔。素顔。 (2)しらふ。」とある。
化粧をしている状態としていない状態では別人に見えてしまうような女性もおり、普段からしっかり化粧をする女性の多くはすっぴんを周囲に晒すことを嫌う。逆にまったく化粧をしない、あるいは仕事や冠婚葬祭の時だけ化粧をするという女性もおり、そのような女性に対してもすっぴんという言葉は使われる。つまり化粧をしていない女性という意味で捉えるのが普通である。
「戦後高度経済成長期以降は成人女性の多くが化粧をするのが常識となっており、口紅も塗らずファンデーションも施さず化粧しない女性は、社会人としてふさわしくないと評価される。」という言説は、新聞[1][2][3]、テレビ放送、雑誌、インターネット上のブログ[4]や掲示板[5][6][7][8][9][10][11][12][13][14][15][16]などで広く流布されている。
前記の仮説が現実社会において雇用主が被雇用者または就職活動をしている女性に対して求める条件ならば、化粧しないで就職活動の面接に臨んだ女性は100%絶対に不採用になり、就職後も化粧しないで就業した女性は、雇用主が規定する就業規則や服務規定や雇用契約に違反したという理由で懲戒処分の対象になり、化粧して就業する状態に改めなければ懲戒解雇(または免職)されるので、理論上はこの世で化粧しない状態で就業している女性は一人も存在しないはずである。だが、現実には成人や就業経験がある社会人なら、自分が雇用され所属している組織(国家や自治体の機関、民間の法人)においても、自分が雇用され所属している組織の取引先の組織にも、自分が消費者や生活者として応対を受ける、国家や自治体の機関、民間の法人などの、営業や販売や接客の職員の中に、見た目や体感として(犯罪の捜査や科学技術の研究ではないので皮膚表面の物質を採取して鑑定するわけではないので)化粧せずに就業している女性の被雇用者は、多種多様な産業や企業や事業所や職種において広範に存在している。化粧しないで就業している女性が一人も存在しないなら、化粧しないで就業している女性に対する批判も存在しない。化粧しないで就業している女性に対する批判が社会に存在するということは、化粧しないで就業している女性が存在している証拠であり、化粧しないで就業する女性の被雇用者を雇用主が就業規則や服務規定や雇用契約において容認している証拠である。
前記のいずれの媒体においても、他者に検証可能な客観的な事実に基づいた出典を示している記事は存在しない。例えば、雇用主である国家や自治体の機関、民間の法人の就業規則や服務規定や雇用契約として、男性の被雇用者には要求しないが、女性の被雇用者に対して、業務上の合理的な理由は無く、女性であることを理由として、化粧をしていない状態での就業を禁止し、雇用主が要求する条件を満たす化粧をして就業することを義務付け、違反者は懲戒処分の対象とするなどと規定した就業規則や服務規定や雇用契約が、雇用主の名称を明示して示されたことは無い。厚生労働省が公開しているモデル就業規則[17]においても、女性の被雇用者に対して化粧をしていない状態での就業を禁止し、雇用主が要求する条件を満たす化粧をして就業することを義務と規定する条項は存在しない。
なぜなら、女性に対して女性であることを理由に、国家の法律や、自治体の条例や、事業組織の運営や雇用関係の規則において、人為的または社会的に作られた、男女には性による差別や異なる役割があるべきという特定の価値観に基づく禁止や義務を強要することは、日本国憲法第14条[18]、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の前文と第1条~第15条[19][20]、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の第1条~第15条[21]、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則[22]などの法律において違法化されているからである。厚生労働省が公式サイトにおいて、「雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために」のページ[23][24][25][26]において解説・啓発しているからである。法律で禁止されていることは常識やマナーや義務ではない。
雇用主が就業規則や服務規定や雇用契約において、女性の被雇用者に対して、業務上の合理的な理由は無く、女性であることを理由として、化粧をしていない状態での就業を禁止し、雇用主が要求する条件を満たす化粧をして就業することを義務と規定していないということは、雇用主にとって被雇用者である女性が化粧をしていない状態で就業することは絶対に容認しないことではなく容認できることであり、化粧をして就業することは必要不可欠なこととは認識していない、化粧をしないで就業するか化粧をして就業するかは個人の価値観に基づく判断に任せるということである。
「業務上の合理的な理由は無く、女性であることを理由として、化粧をしていない状態で就業することは成人女性や社会人女性として失格、化粧をして就業することは成人女性や社会人女性として必要不可欠な条件」との考え方や主張は、「女性は結婚したら、妊娠したら、出産したら、仕事を退職して専業主婦になって家事や育児に専念すべき」という考え方や、「男性は経営者や管理職や専門職として処遇する職種であるべき、女性は補助的な職種であるべき」という考え方と同様に、個人の価値観に基づく考え方や生き方の多様性を容認せず、自己決定権を尊重せず、女性に対して女性であることを理由に人為的または社会的に作られた、男女には性による差別や異なる役割があるべきという特定の価値観に基づく禁止や義務を強要することと同様に、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約が、国家や社会から政策や法律や制度として除去し解消することを目ざしていることである。
「化粧することが成人女性や社会人女性として必要不可欠な教養やマナーや規範や義務であるいう考えが常識であり、口紅も塗らずファンデーションも施さず化粧しない女性は社会人としてふさわしくないと評価される」との認識は、前記の法律に違反していること、そのように主張する論者が、女性に対して化粧していない状態での就業の禁止や就業時の化粧を義務付けた就業規則や服務規定や雇用契約の実例を提示できない(違法なので労働基準監督署が承認しない)こと、他者に検証可能ないかなる出典も提示できないことにより、事実ではなく、不勉強や無知に基づく誤認や誤解や妄想である。
1979年に国連総会で女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約が採択され、1980年に政府が署名し1985年に国会が批准法案を可決して加盟した日本も含めて、2012年1月現在、世界の186か国が加盟している[27]。下記に条文の一部を引用する。
- 第二条
- 締約国は、女子に対するあらゆる形態の差別を非難し、女子に対する差別を撤廃する政策をすべての適当な手段により、かつ、遅滞なく追求することに合意し、及びこのため次のことを約束する。
- (a)男女の平等の原則が自国の憲法その他の適当な法令に組み入れられていない場合にはこれを定め、かつ、男女の平等の原則の実際的な実現を法律その他の適当な手段により確保すること。
- (b)女子に対するすべての差別を禁止する適当な立法その他の措置(適当な場合には制裁を含む。)をとること。
- (c)女子の権利の法的な保護を男子との平等を基礎として確立し、かつ、権限のある自国の裁判所その他の公の機関を通じて差別となるいかなる行為からも女子を効果的に保護することを確保すること。
- (d)女子に対する差別となるいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの義務に従つて行動することを確保すること。
- (e)個人、団体又は企業による女子に対する差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。
- (f)女子に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。
- 第五条
- 締約国は、次の目的のためのすべての適当な措置をとる。
- (a)両性のいずれかの劣等性若しくは優越性の観念又は男女の定型化された役割に基づく偏見及び慣習その他あらゆる慣行の撤廃を実現するため、男女の社会的及び文化的な行動様式を修正すること。
— 女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する条約 , 外務省>外交政策>人権・人道>女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する条約>全文
近年は化粧をする男性もでてきたが、男性に対してこの言葉が使われることはあまりない。
[編集] その他
上記から転じて、どの能力も付加しない状態のことを「すっぴん」と呼ばれることがある。
- ファイナルファンタジーV(1992年、スクウェア→スクウェア・エニックス)でのジョブ(職業)。ただし、他のジョブをマスターするとそのジョブ固有の能力が付加されるので、厳密にはすっぴんとは異なる。
- DS版ファイナルファンタジーIII(2006年、スクウェア・エニックス)のジョブの一つ。こちらはどのジョブの能力も付加されない。
- 星のカービィシリーズにおいて、コピー能力を身に着けていないカービィ。
[編集] 脚注
- ^ 読売新聞>教育>就活>マナーの極意>女性の身だしなみ ナチュラルに
- ^ 読売新聞>教育>就活>就活にカツQ&A>就活の身だしなみについて教えて
- ^ SankeiBiz>GO就活 大切な身だしなみ 夏の装い、今一度見直して
- ^ マイナビ>身だしなみ・持ち物編
- ^ 読売新聞>発言小町>ノーメイク。。。ものすごい嫌悪感
- ^ 読売新聞>発言小町>なぜ化粧をしないのか
- ^ 読売新聞>発言小町>仕事の際、なぜ化粧が必要なのか
- ^ 読売新聞>発言小町>なぜ仕事をする上で、女性には化粧が必要なのか
- ^ 読売新聞>発言小町>職場に化粧
- ^ 読売新聞>発言小町>仕事の時の化粧について
- ^ 読売新聞>発言小町>スッピンは迷惑
- ^ 読売新聞>発言小町>化粧で人格否定
- ^ 読売新聞>発言小町>面接時の化粧はエチケット
- ^ 読売新聞>発言小町>マナーとしての化粧、ベースメイクは必須ですか
- ^ 読売新聞>発言小町>後輩に。どこまでマナーとして指導していい
- ^ 読売新聞>発言小町>23歳。常にすっぴんは非常識でしょうか
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>雇用・労働>労働基準>事業主の方へ>モデル就業規則
- ^ 総務省>法令データ提供システム>日本国憲法
- ^ 外務省>外交政策>人権・人道>人権外交>女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約
- ^ 外務省>外交政策>人権・人道>人権外交>女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約>全文
- ^ 総務省>法令データ提供システム>雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律
- ^ 総務省>法令データ提供システム>雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律施行規則
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>雇用・労働>雇用均等>雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>雇用・労働>雇用均等>雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために>企業において募集・採用に携わるすべての方へ男女均等な採用選考ルール
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>雇用・労働>雇用均等>雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために>セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へ
- ^ 厚生労働省>政策について>分野別の政策一覧>雇用・労働>雇用均等>雇用における男女の均等な機会と待遇の確保のために>均等法Q&A
- ^ 外務省>外交政策>人権・人道>女子に対するあらゆる形態の差別を撤廃する条約>締約国一覧