ぎなた読み

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ぎなた読み(ぎなたよみ)は、文章の区切りを間違えて読むこと。また、わざと文章の区切りを意図的に変えて読むことで、弁慶ぎなた式(べんけいぎなたしき)ともいう。

この言葉は、「弁慶が、なぎなたを持って」という一節を「弁慶がな、ぎなたを持って」と読み間違えた人がいたことに由来する。

いわゆる言葉遊びの一種で同様のことを意図的に行う文学上の手法として、掛詞がある。 20世紀後半までは、電文パズル電報、それ以後は「誤変換」として意図的に楽しまれている。

目次

[編集] 文学作品などでの利用例

  • 井上ひさしの『国語事件殺人辞典』
  • 篠原資明が考案した詩のジャンル「超絶短詩
  • 一休さんのエピソードに、「ここではきものはぬぐべし」(ここで、履き物を脱ぐべし)(ここでは、着物を脱ぐべし)というものがある。
  • 近松門左衛門は、句点を軽んじた数珠屋に「ふたえにしてくびにかけるじゅず」を注文したという。数珠屋は「二重にして、首にかける数珠」と読みとても長い数珠を作ったが、実際に注文したのは「二重にし、手首にかける数珠」だった。
  • つボイノリオは、この手法により卑猥な単語を連想させる楽曲(『金太の大冒険』、『吉田松陰物語』など)を持ちネタとしている。
  • かつて日本テレビ系で放送されていたクイズ番組マジカル頭脳パワー!!』の「マジカルフレーズ」というコーナーでは、この手法によるクイズ「マジカルワード2つの意味」が放送されていた。
  • フジテレビ系で放送されている『脳内エステ IQサプリ』でも、この手法を使ったクイズが時々出題されている。
  • 漫画・アニメ『名探偵コナン』では名前をローマ字で書くことで、「な行を『ん+母音』と読み変える」というトリックが登場した。
  • 小学校の国語科の授業にて、文節句読点の重要性を伝えるために用いられることがある。
  • ニンテンドーDSのゲーム『どきどき魔女神判!』の作中に、「おまん(饅頭)」という単語を絡めてこの手法を用い、卑猥な単語を連想させるイベントがある。上記のつボイノリオの楽曲にもほぼ同様のネタがある。
  • 田河水泡―高見沢仲太郎(本名)が姓の「Takamizawa」を使って考案したペンネーム
  • ギャグ漫画においても、ぎなた読みをするキャラが多数登場することがある。
例:超人キンタマンにて
金太舞次郎 (きんた・まいじろう) →きんたま・いじろう
金太真無代 (きんた・まないよ)  →きんたま・ないよ
金太真黒以造(きんた・まくろいぞう)→きんたま・くろいぞう
と読み替えのできるキャラクターがおり、この読み方はつボイノリオの『金太の大冒険』と同様のネタに基づくぎなた読みとなっている。

[編集] ぎなた読みをして意味が通る例

[編集] 同音のもの

[編集] 単純に意味が異なる例

  • あいたい:「会いたい」と「あ、痛い」と「相対」
  • あきた:「飽きた」と「あ、来た」と「秋田
  • あきない:「飽きない」と「あ、着ない」と「商い」
  • あきる:「飽きる」と「あ、切る」
  • あきれる:「呆れる」と「あ、切れる」
  • あくのじゅうじか:「悪の十字架」と「開くの10時か」
  • あくまで:「悪魔で」と「飽くまで」と「開くまで」と「空くまで」と「明くまで」と「あ、熊手」
  • あくまの~:「悪魔の~」と「あ、熊の~」
  • あくる:「明くる」と「あ、来る」
  • あける:「明ける」と「あ、蹴る」
  • あさかゆい:「朝、痒い」と「浅香唯」と「麻、痒い」
  • あつかう:「扱う」と「あ、使う」
  • あったかい:「暖かい」と「あっ、高い」と「あっ、他界」と「有ったかい?」と「あった、貝」
  • あったらしい:「新しい」と「合ったらしい」
  • あぶないからはいってはいけません:「危ないから入ってはいけません」と「『危ないから』は言ってはいけません」
  • ありがたかった:「有難かった」と「蟻が集った」
  • あるこうかい:「歩こうかい」と「ある航海」
  • いきちがい:「行き違い」と「い、気違い」
  • いしはしげる:「石破茂」と「石橋ゲル」
  • いつかごにはいる:「五日後に入る」と「いつ、籠に入る?」
  • いまいめろ:「今井メロ」と「い、マイメロ
  • いやしません:「癒しません」と「居やしません」と「嫌、しません」
  • うまかった:「旨かった」と「上手かった」と「馬勝った」と「馬駆った」など
  • うらない:「占い」と「裏、無い」
  • うんこくさいくうこう:「うん、国際空港」と「ウンコ臭い空港」
  • うんちくおう:「うんちく(蘊蓄)王」と「ウンチ食おう」
  • おかまでかける:「オカマ、出かける」と「丘まで駆ける」
  • おかんむり:「お冠」と「お母ん、無理」
  • おきもの:「お着物」と「置物」
  • おさない:「押さない」と「幼い」
  • おしょくじけん:「お食事券」と「汚職事件」
  • おのし:「お熨斗」と「小野氏」(または小野市
  • おまーんこくさいくうこう:「オマーン国際空港(実在しない←青梅、阿蘇のバリエーションもある(~国際マラソン)。)」と「おまんこ臭い空港」
  • おもてなし:「お持成し」と「表、無し」
  • おれにくいや:「折れにくい矢」と「俺、肉イヤ」と「俺、憎いや」
  • ○○がちょうのように~:「○○が、のように~」と「○○、ガチョウのように~」
  • かいかん:「会館」と「快感」と「開館」と「、いかん」
  • かにくわれる:「に食われる」と「蟹、食われる」と「果肉、割れる」
  • かねおくれたのむ:「金送れ、頼む」と「金をくれた、飲む」
  • かみきった:「髪切った」と「紙切った」と「噛み切った」と「蚊、見切った」
  • かんがえられる:「考えられる」と「缶が得られる」
  • かんごしちょうになる:「看護師長になる」と「完吾、市長になる」
  • かんどうする:「缶、どうする?」と「感動する」と「勘当する」と「菅、どうする?」
  • きみかわいいねえちゃんと~:「きみカワイイねえ、ちゃんと~」と「きみ、カワイイ姉ちゃんと~」
    後述の「ねえちゃんと~」のバリエーション。
  • きょうふのみそしる:「今日、味噌汁」と「恐怖の味噌汁」
  • くさかった:「草刈った」と「臭かった」と「草買った」
  • くるって:「来るって」と「狂って」
  • くるまって:「包まって」と「車って」と「来る、待って」
  • くるまで:「車で」と「来るまで」
  • けがされた:「怪我された」と「汚された」と「穢された」
  • けがした:「怪我した」と「毛が下」と「汚した」と「穢した」
  • けがない:「怪我ない」と「毛が無い」
  • ここではきものをぬいでください:「ここで履物を脱いでください」と「ここでは着物を脱いでください」
    一休さんのとんち話として知られるが、もちろん真偽のほどは不明である。
  • ここのかにはいける:「ここの蟹はイケる」と「九日には行ける」
  • ごまかす:「誤魔化す」と「胡麻貸す」と「、負かす」
  • こらしめろ:「こら、閉めろ」と「懲らしめろ」
  • こんどうむかって:「近藤、向かって」と「コンドーム買って」(※この類はつボイノリオ「怪傑黒頭巾」でひんぱんに使っている)
  • さぎようぎ:「詐欺容疑」と「作業着」
  • しちょうそん:「市町村」と「市長、損」
  • しようがない:「仕様が無い」と「生姜無い」
  • しょうがくせー:「小学生」と「生姜臭(くせ)ー」
  • しょうじょうばえ:「少女奪え」と「ショウジョウバエ
  • しんだいしゃ:「寝台車」と「死んだ医者」
  • せんすいかん:「潜水艦」と「センス如何」と「扇子、いかん」
  • だいぶつかった:「だいぶ使った」と「大仏買った」と「台ぶつかった」と「大分漬かった」
  • たたかいのひぶたをきる:「戦いの火蓋を切る」と「戦いの日、ブタを切る」
  • でたらめ:「出鱈目」と「出たら、め!」
  • ○○にあう:「○○に合う」と「○○、似合う」
  • にくいや:「肉イヤ」と「憎い矢」
  • にくかった:「憎かった」と「肉買った」
  • ねえちゃんと~:「ねえ、ちゃんと~」と「姉ちゃんと~」
    ねえ、ちゃんとしようよっ!:「ねえ、ちゃんとしようよっ!」と「姉ちゃんとしようよっ!」
    きゃんでぃそふとアダルトゲーム姉、ちゃんとしようよっ!」の語源でもある。
  • のぼりがめじるし:「幟(のぼり)が目印」と「登り亀(ガメ)印」
  • のろいのはかば:「呪いの墓場」と「ノロいのは、カバ
  • はいしゃ:「歯医者」と「敗者」と「廃車
  • はかない:「儚い」と「履かない」と「吐かない」と「掃かない」と「墓、無い」
  • はらいたくない:「腹、痛くない」と「払いたくない」
  • はらたつのり:「原辰徳」と「腹立つ糊」
  • ぱんつくっている:「パン作っている」と「パンツ喰っている」
    • 変形でぱんつかんでいる:「パン掴んでいる」と「パンツ咬んでいる」
  • ふたつくった:「蓋、作った」と「二つ喰った」
  • ふっかつ:「復活」と「ふっ、喝!」と「ふっ、勝つ!」
  • ほるもん:「ホルモン」と「掘るもん」と「彫るもん」
  • まあやだ:「まあ、嫌だ」と「真綾だ」
  • まかない:「賄い」と「巻かない」
  • まどんなに~:「マドンナに~」と「ま、どんなに~」
  • ○○もくよう:「○○、木曜」と「○○も供養」
  • みつかった:「見つかった」と「蜜買った」
  • もまれながら:「乳癌は、男性に揉まれながら見つかる」と「乳癌は、男性にも稀ながら見つかる」
  • やくざいし:「薬剤師」と「ヤクザ医師」
  • ゆでたまご:「ゆで卵」と「ゆでた孫」
  • りかちゃんと~:「りか、ちゃんと~」と「リカちゃんと~」
  • ○○をくれたのむ:「○○をくれ、頼む」と「○○をくれた、飲む」

[編集] 意味が反対になる例

  • きょうはあめがふるてんきじゃない:「今日は、雨が降る天気じゃない」と「今日は雨が降る、天気じゃない」
  • けいざいはきゅうこうか:「経済は、急降下」と「経済波及効果」

[編集] 文章・歌詞等の一節を誤解した例

  • あかいわのりこ:「赤い環のリコ」と「赤岩紀子」 - 前者はゲーム『ファンタシースターオンライン』のストーリー上で重要な役割を担う人物だが、これをゲーム中のチャット機能で入力すると後者が変換の第一候補となってしまうため、しばしば「赤岩紀子とは誰か」という質問が投げかけられていた。赤岩紀子という実在の人物をモデルにしたとの説もあり。
  • あーおもしろい:「あー面白い」と「青も白い」 - 前者は童謡『蟲のこゑ』の一節。
  • あさのけいこ:「朝の稽古」と「あさのけいこ」 - 対戦型格闘ゲームストリートファイターII』の登場人物エドモンド本田の勝利時台詞「あさのけいこよりらくしょうでごわす」より。力士が行う稽古のことだが、台詞がひらがな書きだったため、「あさのけいこ」という名前の女性だと思い込んだという話が流布している。なお、後のシリーズでは漢字かな混じりに書き換えられている。
  • あんな:「安奈」と「あんな(あのような)」 - 前者は甲斐バンドの『安奈』の一節。
  • おかしくって:「可笑しくって」と「お菓子食って」 - 前者はキャンディーズの『微笑がえし』の一節。
  • おくにしまった:「奥に仕舞った」と「奥西待った」 - 前者は山口百恵の歌の一節。
  • おもいこんだら:「思い込んだら」と「重いコンダラ」 - 前者は『巨人の星』の主題歌の一節。星飛雄馬がタイトルバックにおいて「グランドローラー」を引っ張るシーンで流れるとされた都市伝説に由来し、「コンダラ = グランドローラー」という器具であると思いこんだという話が流布している。またそのパロディとして、ゲーム『ときめきメモリアル2』の中で、元野球少年の番長が使う奥義の名称として「重いコンダラ」が使用されている。
  • こいしくって:「恋しくって」と「小石食って」 - 前者はBEGINの『恋しくて』、大塚愛の『大好きだよ。』、吉幾三雪國の一節。
  • せつなさみだれうち:ゲーム『女神異聞録ペルソナ』の技で、漢字で書くと「刹那五月雨撃ち」となるが、平仮名表記だったために「切なさ乱れ撃ち」と誤解されたという話が流布している。
  • たまのりしこみたいね:「玉乗り仕込みたいね」と「タマノリシコみたいね」 - 前者は『ドラゴンボールZ』の主題歌『CHA-LA HEAD-CHA-LA』の一節。歌詞の前後の脈絡からは「玉乗り」という言葉が出てくるとは想像もつかないため、「タマノリシコみたい」という歌詞と誤解し、「タマノリシコ」とは何だろうと悩んだという話が流布している。
  • まわるよじだいはまわる:「まわるよ、時代はまわる」と「まわる、四時台はまわる」 - 中島みゆきの歌『時代』の一節。彼女の歌い方として「まわるー/よじだいーはまわるー」と本来の文章の意味とは異なる部分に切れ目があるため、「午前四時台にアルコールを摂取するとかなり酔いが回る」という意味と誤解されたという話が流布している。
  • みみどしま:「耳年増」と「みみど島」 - おニャン子クラブの歌『セーラー服を脱がさないで』の歌詞の中に出てくる言葉。「耳年増」(聞きかじりの性的な知識が豊富な女性のこと)という言葉を知らない年齢層の人たちの中には、「みみど島」という名前の島があると思っていたという話が流布している。

[編集] 異音のもの

以下は、音は異なるが、文字の区切りによってぎなた読みが起きる例。

  • 航空相撲殺される」:「航空相、撲殺される」と「航空相撲、殺される」 - 前者は2002年にアフガニスタンで起きた事件だが、2ちゃんねる内で後者のような誤読が続出したため、ネタとして定着したもの。
  • この先生きのこる」:「この先、生きのこる」と「この先生、きのこる」。ここで「きのこる」は日本語語彙には存在しないから、全く意味をなさないのであるが、何となく動詞の終止形を思わせることから、「おじさん、頑張る→頑張るおじさん」と同様の発想で「きのこる先生」と言う語が造られた。前述の例と同様、2ちゃんねる内でネタとして定着しているが、さらにその経過が難解な例である。
  • 暴カニ男」:「暴力二男(次男)」と「暴(あばれ)カニ()男」。ぎなた読みとしては特殊だが「ちから(力)」と「か(カ)」の判別が困難なことから。
  • 外国人参政権」:「『外国人』参政権」と「外国『人参』政権」。維新政党・新風の支持者によるデモの参加者が持っていたプラカードに「外国人参」「政権反対」と改行してあるのがあり[1]アンサイクロペディアの項目に取り上げられた。
  • よいこはここにはいらない」:「良い子は此処に入らない」と「良い子は此処には要らない」。変電所・高圧鉄塔・貯水池などの危険な施設の周囲に貼られた、子供向けの進入禁止の案内表示。無論、本来は前者の意味だが、子供にも読めるようすべて平仮名で書かれているため、後者の意味に取ってしまう者もいる。

[編集] 英語のぎなた読み

マザー・グース(ナーサリーライム)の一つに『英語版ぎなた読み』と言えるものがある。しかしこれは「道行き」「縁語」技巧に近い。

I saw a fish pond all on fire
I saw a house bow to squire
I saw a parson twelve-feet high
(中略)
I saw a man who saw these too
And said though strange they all were true.
[訳]池を見た 火事で燃えてた
家を見た 地主にお辞儀していた
牧師さんを見た 12フィートの身長だった
(中略)
男を見た この光景を見て
不思議だけど 全部本当だと言っていた


とチンプンカンプンな内容だが、『火事で燃えていた』が次行の『家』を修飾し、『地主にお辞儀していた』で次行の『牧師』を修飾し……と、修飾する対象を一行ずらすだけで当たり前の光景を羅列したものに変貌する。

この文は末尾の『they all were true.』まで一切のピリオドカンマ、そしてパンクチュエイションが無いためこのような読ませ方をさせることができる。

この手法は、既に17世紀には確立されていたらしい。

しかし17世紀以前でも、hot dog が温度の高い犬でなかったり、"Don't stop" が全く正反対に解釈できる("Don't! Stop!"と"Don't stop!")など特に文学作品でなくとも遭遇する。Right side が右側なのか、正しい方なのかがわからないようでは、会話が続かない。"This is a hot soup." は全く句読点の位置を変えること無く「これは、熱いスープだ」「これは、香辛料の利いたスープだ」「これは、今話題のスープだ」の3通りの意味をなす。

他には"No, too expensive"(だめ。高価過ぎる)と"No too expensive"(構わないから買いなさい)である。カンマが入るか否かで全く別の意味の文と化す。

[編集] 関連項目