お辞儀

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男性に向けて足に触れるお辞儀をする女性
ラウルチャンダ写本。インド 1530年

お辞儀(おじぎ)とは、挨拶や感謝、敬意などを表すために、相手に向かってを折り曲げる動作である。単に「辞儀」とも言う(「お」を付けるのは「お金」や「お酒」と同様、美化語である)。

日本のお辞儀[編集]

お辞儀の仕方(ビジネス用)[編集]

日本では、お辞儀はビジネス上のマナーの基本とされ、新人研修などで頻繁に取り上げられる。 基本的な動作は以下のとおり。

  1. 立ち止まり、きれいな姿勢で立つ。
  2. 相手と目を合わせる。
  3. 腰を折り曲げる。
  4. 腰を戻す。

「語先後礼」という言葉にあるとおり、先に「ありがとうございます」などを言ってからお辞儀をするのが正式とされるが、実際にはお詫びなどの特別な状況を除き、お辞儀しながら言葉を発することが多い。

近年、ビジネス界では男女のお辞儀の仕方に差異が見られ、例えば男性は腰を曲げたときに手は体の横にそのまま添わせ、女性は臍の下あたりで両手の指先を重ねるように、ビジネス・スクールやマナー教室で教えているが、本来の礼法ではない。このお辞儀の仕方では、男性はかかとを付ける姿勢を求められるので、体を倒す時にバランスをとろうとして自然に両手が尻を抑えることになり、女性は腹痛時と同じ姿勢となると同時に両ひじが張って大変見苦しく、ひじを張るまいとすると両手の位置は丹田よりさらに下がって陰部を上から押さえる格好となる。このビジネス式お辞儀はそうした意味で、相手に対して大変失礼な形になるので、伝統的な本来のお辞儀を行うのが国際的な場面でも望ましい。伝統的な立礼に男女の差はなく、足を平行にして立ち、手先をまっすぐ伸ばしてそろえ、自然に手が定まる位置を出発点として、静かに腿の上を膝がしらに向けて滑らせる。首だけを丸め込まず、首と背中がまっすぐなまま尻を後ろに突き出す要領で上体を前に倒すと、美しいフォームになる。

よりきれいにお辞儀を行なうためには、「動作はゆっくり行なう」、「指先は軽く伸ばして揃える」など、いくつか留意すべき点がある。

お辞儀の種類[編集]

お辞儀の仕方は通常3種類ある。最も軽く腰を曲げるお辞儀を会釈と言い、これは15度曲げるのが基本とされる。主に廊下ですれ違う際などに使用する。

次は腰を30度ほど曲げるお辞儀で、これを敬礼と言う。ビジネス上は最も一般的とされ、来客への挨拶や会議室への出入りなどでも使用される。

より敬意を表すためには、45度ほど腰を曲げてお辞儀をする。これを最敬礼と言う。非常に重要な相手(取引先の代表者など)への挨拶や、重要な依頼や謝罪をするとき、また冠婚葬祭の場などで使用するとされる。また両手には荷物を持たない。

さらに、天皇など非常に身分の高い人物と交わす時には、90度腰を曲げることもある。

東アジアのお辞儀[編集]

東アジア地域ではお辞儀は伝統的な挨拶、お礼、謝罪の行為であり、特に日本と朝鮮半島及び中国の一部地域で顕著に見られる。中国ではお辞儀は長い間一般的ではないが、北朝鮮との国境に近い地域などでは朝鮮族に対してお辞儀をする。

ヨーロッパのお辞儀[編集]

お辞儀をする紳士。ヴェンツェル・ホラー (16071677)

ヨーロッパではお辞儀は伝統的な挨拶、お礼、謝罪の行為である。これは主に男性の習慣であり、女性はカーテシーをする。貴族社会ではbow and scrapeと言われるお辞儀の習慣がある。Bow and scrapeは右足を引き、右手を体に添え、左手を横方向へ水平に差し出す。

キリスト教徒のお辞儀[編集]

キリスト教では尊敬や服従を表すためにお辞儀をする。祭壇を通るときや、礼拝の特定の時(例えばイエス・キリストの名前が出るとき)にお辞儀をする。

イスラムのお辞儀[編集]

イスラム教ではお辞儀は神に対してのみ行われるものであり、人間に対するお辞儀は忌み嫌われている。同様にユダヤ教ではモーセの十戒の2つめの戒律にて神以外のものに対してお辞儀をすることが禁止されていると解釈されている。

ユダヤ人のお辞儀[編集]

ユダヤ人の儀式ではお辞儀はキリスト教と同様に尊敬の現われであり、ユダヤ人の礼拝の特定の時に行われる。ユダヤ人のお辞儀はわずかに膝を曲げるものであり、そして膝を伸ばす間に上体を前に曲げる。礼拝のAleinuのところを終えるとき、"V'anachnu korim umishtachavim u'modim,"(「私たちは感謝の意を表すために膝を曲げお辞儀をします」の意)と言いながらお辞儀をする。礼拝の"Bar'chu."の最中にもお辞儀をする。多くの人は"Adonai"(ユダヤ人の尊敬する王)の名が挙がるときにお辞儀を行い、誰かが祈っている間にまだ立っていた場合にもしばしばお辞儀をする。

伝統武術のお辞儀[編集]

合気道剣道空手柔道といった伝統武術では試合の開始前後や道場への入退室時などにお辞儀をする。海外の道場でも一般的になってきており、また日本の空手が原型であるテコンドーや、日本発祥ではない中国武術でも一般的になりつつある。

関連項目[編集]