おとり商法

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おとり商法(おとりしょうほう)とは悪徳商法の一種であり、広告などで非常に廉価な商品を掲載し(おとり広告)、注文すると更に高額なものを強引に勧誘するものである。特にミシンの訪問販売に多い。ミシン以外では電柱などに貼ってある不動産広告に多い。

おとり商法は景表法第4条第3号(不当表示)に該当し、その細目はおとり広告に関する表示(平成5年公取委告示第17号)、不動産のおとり広告に関する表示(昭和55年公取委告示第14号)に定められている。

ミシンの訪問販売[編集]

以下ミシンのおとり商法の手口の例を示す。

手口[編集]

  1. チラシやダイレクトメールなどに、非常に廉価なミシン(一万円前後ぐらいが多い)を掲載する。
  2. 業者に連絡して、注文すると販売員がやってくる。
  3. しかし、販売員は(チラシに掲載された)安いミシンだと品質が劣るとか、壊れやすいなどとしつこく言う(また試し縫いを依頼すると、実際に粗悪品であり、ほとんど正常に縫うことはできない。故意に正常に動作しないように改造してある可能性もある)。
  4. 購入を断ろうとしたり、その安い商品で良いなどと言うと、更に強引に勧誘を勧め、無理矢理高額商品を購入させる。

このような業者は、大抵が店舗を持たない通販専門の所が多いが、店舗はあるものの直接店舗に行っても販売・試し縫いなどをさせてもらえず、電話などで注文をしてくださいと突き返されるパターンもある。

他にもミシンの無料・廉価点検と称して、点検商法などを抱き合わせている業者もあり、依頼すると検査員が「これは古いから部品がない」「とても傷んでいるから新しいのを買った方が良い」「今はもっと新しい製品がある」等と言い、結局新しいミシンを売りつけられてしまうこととなる。

まとめると、あまりにも安いミシンはそれ相応の価値しかなく、またそのような異常に安い価格で一般的な使用に耐えるミシンを、赤字覚悟で売る業者は存在せず、また無料・廉価点検と称した物も、検査員の人件費や修理品の部品代金等から考えて、まずあり得ないことだと思っておくべきであり、実際はそのほとんどが高額の買い物をさせるための客寄せであると考えるべきだろう。

予防法[編集]

  • 異常に安いミシンは不用意に買わないように注意する。
  • 購入時は家電量販店や手芸店、もしくは店舗で販売や試し縫いなどをさせてくれるミシン専門店で購入する。
  • 要らないのであれば「要らない」としっかり断り、販売員を帰らせる。
  • 万一購入させられてしまった場合、自分が注文した商品でないものを買わされた場合は、たとえ最初の注文を店舗で行ったとしても、訪問販売と見なされクーリングオフが利用できるため、すぐに返品の手続きを取ること。
  • その手の業者は、少しぐらい使ったミシンならばすぐに新品同様に戻して、他のお客に販売することも多いので、躊躇する必要はない。

背広の広告販売[編集]

以下背広のおとり商法の手口の例を示す。

手口[編集]

  1. チラシやダイレクトメールなどに、非常に廉価な背広(一万円〜二万円前後ぐらいが多い・2セットでの価格の場合もある)を掲載する。
  2. 店頭に出向くとチラシ掲載の品物は確かに存在するが、展示の量が極めて少なく素人目にも質が良くないことは一目で分かる。
  3. 販売員が声を掛け、相応の品物を勧めるとともに、シャツやネクタイなど小物もコーディネートして販売しようとする。
  4. 結果として、大きな買い物となる。

チラシは客を店に呼び出すための方策に過ぎず、客もそんな安いものはないはずと自覚しておくことが大切である。

不動産の広告[編集]

事例[編集]

アパート・マンション賃貸仲介大手のエイブルが、すでに入居中の部屋や存在しない部屋を宣伝したとして、公正取引委員会排除命令を出した。築年数や最寄り駅からの距離も実際と異なる表示をしていた[1]

中古ディーラーの広告[編集]

事例[編集]

広告で破格の車が掲載されている。 店舗に出向くとその車は既に売れてしまったと言い、他の高価な車を強引に勧めてくる。


脚注[編集]

  1. ^ 「架空の部屋“仲介” エイブル排除命令」『産経新聞』2008年6月19日付朝刊26面

関連項目[編集]