おお永遠、そは雷のことば BWV20

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

おお永遠、そは雷のことばO Ewigkeit, du Donnerwort)は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハの教会カンタータBWV20。永遠の地獄コラール賛美歌おお永遠、そは雷のことば」が使われており[1]、同名のカンタータBWV60もある。

初演[編集]

1724年6月11日ライプツィヒにて初演が行われ、この主日から一年間ドイツ・コラールを主題としたカンタータが作曲される。[2]

教会暦[編集]

三位一体節後第一主日。

聖句[編集]

ルカによる福音書16:19-31 「或富める人あり、紫色の衣と細布とを著て、日々奢り樂しめり。又ラザロといふ貧しき者あり、腫物にて腫れただれ、富める人の門に置かれ、その食卓より落つる物にて飽かんと思ふ。而して犬ども來りて其の腫物を舐れり。遂にこの貧しきもの死に、御使たちに携へられてアブラハムの懷裏に入れり。富める人もまた死にて葬られしが、黄泉にて苦惱の中より目を擧げて、遙にアブラハムと其の懷裏にをるラザロとを見る。乃ち呼びて言ふ「父アブラハムよ、我を憐みて、ラザロを遣し、その指の先を水に浸して我が舌を冷させ給へ、我はこの焔のなかに悶ゆるなり」アブラハム言ふ「子よ、憶へ、なんぢは生ける間なんぢの善き物を受け、ラザロは惡しき物を受けたり。今ここにて彼は慰められ、汝は悶ゆるなり。然のみならず、此處より汝らに渡り往かんとすとも得ず、其處より我らに來り得ぬために、我らと汝らとの間に大なる淵定めおかれたり」富める人また言ふ「さらば父よ、願はくは我が父の家にラザロを遣したまへ。我に五人の兄弟あり、この苦痛のところに來らぬよう、彼らに證せしめ給へ」アブラハム言ふ「彼らにはモーセと預言者とあり、之に聽くべし」富める人いふ「いな、父アブラハムよ、もし死人の中より彼らに往く者あらば、悔改めん」アブラハム言ふ「もしモーセと預言者とに聽かずば、たとひ死人の中より甦へる者ありとも、其の勸を納れざるべし」』

構成[編集]

第一部[編集]

1.コラール[編集]

tp ob3 str bc F-dur

永遠の地獄を歌ったヨハン・リストのコラール「おお永遠、そは雷のことば」一節目。フランス風序曲形式。

2. レティタティーヴォ[編集]

テナー bc

聖句 マルコ 9:47-48 ルカ 16:26

世における苦しみは永遠ではないが、地獄の苦しみは永遠に続く。

3.アリア[編集]

テナー str bc c-moll 3/4

地獄の永遠の火は他の火とは異なると歌う。永遠の地獄の恐怖を「溜息のモチーフ」で表現している。

4.レティタティーヴォ[編集]

バス bc

直面している危険は、限りなく悪魔に苦しめられ、その時を刻んでも、それに終わりがないというものだ。

5.アリア[編集]

バス ob3 bc 4/4

神は公正であり、小さな罪に対しても、永遠の刑罰を定めておられる。世は気づこうとしないが、考えなさい。

6. アリア[編集]

アルト str bc

聖句 創世記19:24 黙示録20:10

サタンと罪の支配から自由になり、永遠の地獄の刑罰から逃れなさいと歌う。

7. コラール[編集]

tp ob3 str bc

黙示録14:10-11、16:18  マルコ 9:47-48

永遠の神がおられる限り、地獄の刑罰は永遠に続く。

第二部[編集]

8. アリア[編集]

バス tp ob3 str bc C-dur

聖句 イザヤ 53:6, 第一テサロニケ4:16-17 第二テモテ4:1

裁きのラッパが鳴る前に、目覚めるように。

9. レチタティーヴォ[編集]

アルト bc

聖句 伝道者の書12:1-7

世の罪を棄てなさい。今日が最後の日であるかも知れない。「口を開いた地獄の復讐」[3]と呼ばれる低音の音型[4]

10. 二重唱[編集]

アルトとテナー bc 3/4

ルカ 16:24-26

罪と世を愛するのはやめなさい。一滴の水もない永遠の地獄の苦しみにあわずに済むように。

11. コラール[編集]

tp ob3 str bc F-dur

ヨハン・リストのコラール16節。

脚注[編集]

  1. ^ 川端純四郎著『J.S.バッハ―時代を超えたカントール』 p.178-179
  2. ^ 川端p.179
  3. ^ P.ミース
  4. ^ 『バッハ事典』、東京書籍p.49

参考文献[編集]

  • The Cantatas of J. S. Bach: With Their Librettos in German-english Parallel Text ISBN 0199297762
  • 『バッハ事典:全作品解説事典』 礒山雅編著 東京書籍 1996 年

外部リンク[編集]