えちぜん鉄道勝山永平寺線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

勝山永平寺線(かつやまえいへいじせん)は、福井県福井市福井駅から福井県勝山市勝山駅までを結ぶえちぜん鉄道鉄道路線である。

勝山永平寺線
路線総延長 27.8 km
軌間 1067 mm
電圧 600 V(直流
STR
JR西:北陸本線
STR uKHSTl
福井駅前駅 福鉄:福武線
0.0 福井駅
BHF STR
0.5 新福井駅
BHF STR
1.5 福井口駅
ABZlf KRZu
三国芦原線
STR STRlf
BHF
2.4 越前開発駅
SBRÜCKE
国道8号
BHF
3.4 越前新保駅
BHF
4.4 追分口駅
SBRÜCKE
国道416号
BHF
5.3 東藤島駅
BHF
6.0 越前島橋駅
AKRZu
北陸自動車道
SBRÜCKE
県道111号
BHF
7.3 観音町駅
BHF
8.4 松岡駅
SBRÜCKE
国道416号
BHF
9.3 志比堺駅
WBRÜCKE
永平寺川
eABZrg exSTRq
京福:永平寺線
BHF
10.1 永平寺口駅
exSTRq eABZrf
京福:永平寺線
BHF
11.9 下志比駅
BHF
12.7 光明寺駅
BHF
14.2 轟駅
BHF
15.7 越前野中駅
SBRÜCKE
県道254号
BHF
17.2 山王駅
eBHF
19.0 市荒川駅 -1955
BHF
19.3 越前竹原駅 1955-
eDST
東市荒川信号所 -1955
BHF
21.2 小舟渡駅
BHF
23.1 保田駅
WBRÜCKE
鹿谷川
BHF
24.5 発坂駅
BHF
26.4 比島駅
BHF
27.8 勝山駅
xENDEe
↓1974年廃止区間
exBHF
28.5 蓬生駅
exBHF
29.3 大袋駅
exDST
30.5 嵭崎信号所 -1970
exBHF
32.1 下荒井六呂師口駅
exABZlf
旧線
exTUNNEL1 exTUNNEL2
下荒井トンネル
exABZrg exSTRrf
exWBRÜCKE
赤根川
exBHF
33.5 新在家駅
exBHF
34.4 中津川駅
HSTq xKRZu STRq
北大野駅 JR西:越美北線
exBHF
36.0 大野口駅
exKBHFe
36.3 京福大野駅

2003年にえちぜん鉄道へ譲渡されるまでは京福電気鉄道が運営していた。福井から九頭竜川に沿って織物の町勝山を結んでいる。京福時代はさらに1974年まで福井県大野市京福大野駅まで路線が延びていた。また、途中の永平寺口駅(当時は東古市駅)からは曹洞宗の大本山である永平寺への参詣路線として永平寺線が分岐していた。

路線データ[編集]

  • 路線距離(営業キロ):福井 - 勝山間 27.8km
  • 軌間:1067mm
  • 駅数:23駅(起終点駅含む)
  • 複線区間:福井 - 新福井間、福井口 - 越前開発間
  • 電化区間:全線電化(直流600V
  • 閉塞方式:自動閉塞式

運行形態[編集]

昼間時間帯は1時間あたり2本が運行されており、半数の列車は比島駅を通過する。週明けの月曜日(ハッピーマンデーなどで休日の場合は翌日)早朝には、勝山発で5時台に「めざましトレイン」が運行され、JR北陸本線特急との接続が図られている。朝には主要駅停車の快速列車が福井行きのみ運転されている。また、平日朝のみに永平寺口駅折り返しの列車が運転されている。

勝山駅では車両の夜間滞泊を行っている。

基本的にワンマン運転だが、昼間の列車には女性アテンダントが乗務し、乗車券の販売・回収や車内アナウンス(観光・接続案内)、お年寄りなどの乗車・下車のサポートを行う。ただしドアの開閉は運転士が担当する。

京福電鉄時代は朝夕に特急急行の設定があった。また、最終列車が早かった。

1980年代は1時間あたり福井から東古市までが2本、勝山までは1本だったが、越前大仏の落慶法要で勝山まで2本に戻された。

快速停車駅
勝山駅 - 発坂駅 - 越前竹原駅 - 山王駅 - 永平寺口駅 - 松岡駅から福井駅の各駅

福井口駅に車庫がある関係で、福井 - 福井口間に回送列車があり、福井発の始発列車も福井口から回送されてくる。

利用状況[編集]

輸送実績[編集]

勝山永平寺線の輸送実績[1]を下表に記す。 表中、輸送人員の単位は万人。輸送人員は年度での値。表中、最高値を赤色で、最高値を記録した年度以降の最低値を青色で、最高値を記録した年度以前の最低値を緑色で表記している。

年度 輸送実績(乗車人員):万人/年度 輸送密度
人/1日
特 記 事 項
通勤
通学
定期
定期外 合計
2003年(平成15年) 25.1 35.2 60.3    
2004年(平成16年) 47.4 55.9 103.3    
2005年(平成17年) 54.6 61.7 116.3    
2006年(平成18年) 57.1 62.2 119.3    
2007年(平成19年) 59.4 64.5 123.9    
2008年(平成20年) 62.2 64.3 126.5    
2009年(平成21年) 63.2 61.5 124.7    
2010年(平成22年) 62.9 61.5 124.4    

保安装置[編集]

交換可能駅に誤出発防止のためのATS-SWと、福井や福井口(福井方)に速度照査ATSが設置されている(15Km/hの速照)。

また、えちぜん鉄道ではJR福知山線脱線事故の関係でカーブの手前への速度照査ATSの設置をした。ATS形式はATS-Pなどの単独速度照査タイプではなく、従来から私鉄でよく使われている速度照査方式に準じたもので、ATS-SWをある程度の間隔で2個設置し、通過時間から速度を割り出す方式である。設置箇所は以下の通り(15、35、40、45Km/hの速照)。

  • 福井口駅手前(上り線)第2場内信号手前
  • 永平寺口 - 志比堺間志比堺駅寄り神社鳥居近くのS字カーブ手前(上りからのみ)
  • 越前竹原 - 小舟渡間小舟渡駅付近のS字カーブ手前(上り、下り方両方手前)
  • 小舟渡 - 保田間保田寄りごみ焼却場近くの踏み切りカーブ手前
  • 保田 - 発坂間保田駅近くの鉄橋手前(上りのみ)
  • 勝山駅構内(1番線、2番線進入時)

また、踏切の異常を感知すると警告する「特殊信号発光機(点滅形)」がある。

歴史[編集]

福井県で電源開発を行っていた京都電燈の手により、1914年に越前電気鉄道として新福井 - 市荒川(現在の越前竹原)間が開業したのが始まり。福井県下初の電気鉄道であった。 同年中に大野口まで開業し、福井と大野が結ばれた。

配電統制令により、解散することになった京都電燈の鉄軌道事業を1942年に京福電気鉄道が継承。同社福井支社の越前本線となった。

自家用車の普及などで1960年代以降になると不採算区間の合理化が行われ、国鉄越美北線とも競合する越前本線の勝山 - 京福大野間が1974年に廃止される。

残る区間も維持してきたが、京福電気鉄道は1992年に越前本線の東古市以東と永平寺線の廃止を表明し、県などが行政支援を講じてきた。しかし、2000年と2001年に列車衝突事故京福電気鉄道越前本線列車衝突事故を参照)を起こし休止となり、2003年にえちぜん鉄道へ譲渡され、越前本線から勝山永平寺線と改称して運行が再開された。

なお北陸新幹線の整備計画により、福井口 - 新福井間は2006年4月9日に単線化された。

下荒井トンネル(隧道)[編集]

勝山 - 大野口間が開通した1914年当時、勝山側の下荒井から大野側へは、山を川沿いに大きく迂回(一部区間は旧・下荒井隧道)する線形であったが、1924年に直線的な経路で大野側に抜ける下荒井隧道(トンネル)を開通させた。トンネル幅が狭いため、勝山方面からの通過できる車両が限られており、勝山 - 京福大野間では、251形電車などの比較的小型の車両しか使用されなかった。勝山側トンネル向かいにある下荒井六呂師口駅の駅舎は、この区間の廃線後、そのまま個人の所有となり現在も使われている。

年表[編集]

  • 1914年(大正3年)
    • 2月11日 京都電燈により新福井 - 市荒川(現在の越前竹原)間が開業。
    • 3月11日 市荒川 - 勝山間が開業。観音町駅開業。
    • 4月10日 勝山 - 大野口間が開業。
    • 9月1日 志比口駅を福井口駅に改称。
  • 1915年(大正4年)5月13日 追分口駅開業。
  • 1916年(大正5年)
  • 1918年(大正7年)9月1日 大野口 - 大野三番(後の京福大野)間が開業。嵭崎駅開業。大野口駅旅客営業廃止。
  • 1919年(大正8年)6月1日 越前島橋駅開業[3]
  • 1920年(大正9年)
  • 1924年(大正13年)12月20日 下荒井 - 新在家間を新・下荒井隧道経由の新線に切り替え[4]
  • 1927年(昭和2年)1月1日 永平寺駅を永平寺口駅に改称。
  • 1929年(昭和4年)
    • この年までに藤島駅を東藤島駅に改称。
    • 9月21日 福井 - 新福井間が開業。新福井 - 福井口間複線化。新福井駅旅客営業廃止。
    • 11月20日 福井 - 新福井間複線化。
  • 1931年(昭和6年)
    • この年までに下荒井駅を六呂師口駅に改称。
    • 5月1日 比島駅開業。
  • 1932年(昭和7年)8月20日 開発駅(現在の越前開発駅)開業。
  • 1934年(昭和9年)
    • 六呂師口駅を下荒井六呂師口駅に改称。
  • 1935年(昭和10年)4月22日 福井口 - 開発間複線化。
  • 1942年(昭和17年)3月2日 京都電燈の鉄軌道事業を京福電気鉄道が継承。越前本線となる。
  • 1943年(昭和18年)7月1日 新福井駅旅客営業再開。
  • 1944年(昭和19年)
  • 1945年(昭和20年)4月5日 比島駅営業再開。
  • 1948年(昭和23年)6月28日 福井地震のため全線不通に。8月に全線復旧。
  • 年不明 嵭崎駅を信号所に変更。
  • 1950年(昭和25年)
    • 8月15日 臨時駅として越前野中駅開業。18日まで営業。
    • 9月10日 常設駅として越前野中駅開業。
  • 1951年(昭和26年)
    • 8月1日 開発駅を越前開発駅に、新保駅を越前新保駅に改称。
    • 12月15日 下志比駅開業。
  • 1952年(昭和27年)10月1日 大野口駅旅客営業再開(これ以前にも旅客扱いの再開と廃止を繰り返す)。
  • 1953年(昭和28年)5月1日 横枕駅を中津川駅に改称。
  • 1955年(昭和30年)
    • 9月1日 山王 - 小舟渡間の市荒川駅、東市荒川信号所廃止。越前竹原駅開業。
    • 10月1日 大野三番駅を京福大野駅に改称。
  • 1961年(昭和36年)12月16日 蓬生駅開業。
  • 1970年(昭和45年)6月10日 嵭崎信号所廃止。
  • 1974年(昭和49年)8月13日 勝山 - 京福大野間が廃止。
  • 1980年(昭和55年)
    • 8月1日 福井口 - 勝山間の貨物営業廃止。
    • 10月26日 新福井 - 福井口間の貨物営業廃止。
  • 1989年(平成元年)4月20日 閑散時の1両編成列車をワンマン運転化。
  • 1991年(平成3年)3月20日 終日ワンマン運転開始。
  • 2000年(平成12年)12月17日 志比堺 - 東古市間で越前本線と永平寺線の電車が正面衝突。
  • 2001年(平成13年)6月24日 保田 - 発坂間で再び電車同士の正面衝突事故。翌25日から全線運行休止。
  • 2003年(平成15年)
    • 2月1日 えちぜん鉄道へ譲渡。越前本線を勝山永平寺線に改称。
    • 2月20日 東古市駅を永平寺口駅に改称。
    • 7月20日 福井 - 永平寺口間が運行再開(前日特別運転)
    • 10月19日 永平寺口 - 勝山間が運行再開(前日特別運転)
  • 2005年(平成17年)4月1日 小舟渡駅と保田駅を快速以外全列車停車にする。
  • 2006年(平成18年)4月9日 新福井 - 福井口間が単線化。

駅一覧[編集]

  • 全駅福井県に所在。
  • ●:停車、|:通過(↑:福井行のみ運転)。普通列車に比島駅通過列車あり。
駅名 駅間キロ 営業キロ 快速 接続路線 所在地
福井駅 - 0.0 JR西日本北陸本線
福井鉄道福武線(福井駅前駅)
福井市
新福井駅 0.5 0.5  
福井口駅 1.0 1.5 えちぜん鉄道:三国芦原線
越前開発駅 0.9 2.4  
越前新保駅 1.0 3.4
追分口駅 1.0 4.4
東藤島駅 0.9 5.3
越前島橋駅 0.7 6.0
観音町駅 1.3 7.3 吉田郡
永平寺町
松岡駅 1.1 8.4
志比堺駅 0.9 9.3
永平寺口駅 1.6 10.9
下志比駅 1.0 11.9
光明寺駅 0.8 12.7
轟駅 1.5 14.2
越前野中駅 1.5 15.7
山王駅 1.5 17.2
越前竹原駅 2.1 19.3
小舟渡駅 1.9 21.2
保田駅 1.9 23.1 勝山市
発坂駅 1.4 24.5
比島駅 1.9 26.4
勝山駅 1.4 27.8

廃止区間[編集]

勝山駅 - 蓬生駅 - 大袋駅 - 嵭崎信号所 - 下荒井六呂師口駅 - 新在家駅 - 中津川駅 - 大野口駅 - 京福大野駅

※駅名は廃止時点のもの。嵭崎信号所はこの区間廃止前の1970年に廃止。

接続路線[編集]

過去の接続路線[編集]

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 資料3えちぜん鉄道の利用者分析 第3回えちぜん鉄道活性化連携協議会(福井市 平成23年6月17日)
  2. ^ 「軽便鉄道停車場設置」『官報』1916年4月18日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  3. ^ 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』(新潮社、2008年)p.26では開業当初の駅名は「島橋」とあるが、「軽便鉄道停車場設置」『官報』1919年6月10日(国立国会図書館デジタルコレクション)では駅名は当初から「越前島橋」
  4. ^ 『京福電気鉄道 88年回顧録 越前線写真帖』pp.40, 141

参考文献[編集]

  • 今尾恵介監修『日本鉄道旅行地図帳 6号 北信越』新潮社、2008年、p.26
  • 寺田裕一『私鉄の廃線跡を歩く III』JTBパブリッシング、2008年、pp.70-71,164
  • 小野田滋『鉄道構造物探見』JTBキャンブックス、2003年
  • 『京福電気鉄道 88年回顧録 越前線写真帖』京福電気鉄道、2003年

関連項目[編集]