あるなしクイズ
あるなしクイズは思考力が試されるクイズの一種である。種類としては古くから存在したが、「あるなしクイズ」という呼称自体は芦ヶ原伸之の考案による。「あるなしパズル」(小説家・パズル作家の雅孝司による[1])、「あるないクイズ」[2](「あるない」)とも呼ばれる。さらに略して「あるなし」、「あるない」とも言われる。
この種のクイズは江戸時代には既に存在していたといわれており[3]、また雅孝司が1982年の著書で1作発表している[4]が、広く流行したのは、芦ヶ原の監修による[5]テレビ番組『マジカル頭脳パワー!!』(後述)で取り上げられたのがきっかけである[6]。
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[編集] 概要
出題者はある共通点を持つ言葉を左側の「ある」の欄に列記し、共通点を持たないものは右側の「なし」の欄に列記する。このとき、「ある」と「なし」の語句は共通しているものにする。解答者はその共通点を当てる。ただし「あり」だけ見れば正解できるとは限らず「なし」もよく見なければ正解に繋がらないこともある。また通常とは逆に「なし」の部分に持たせた共通点を回答としている場合もある。
あるなしクイズのパターンには
- 特定の文字をくっつけると別の言葉になる(通称「くっつき」)
- 特定の文字を変換すると別の言葉になる
- 特定の文字を取り除くと別の文字になる
- 言葉の中に別の言葉が隠れている(通称「隠れ言葉」)
- 字面には関係なく、言葉・現物そのものの特性や共通点に関連すること
1.-4.のパターンは字面に関するもので、日本語に依存するものであるため、外国語に訳すれば問題が成立しなくなるケースが多い。5.の場合は純粋な知識を試されるケースが多く、また「ある」「なし」の言葉を外国語に訳しても成立することがある。どれに該当するかは解答者自身が推理しなければならない。「くっつき」と「隠れ言葉」およびその発展形は他の形式より比較的問題を作りやすい傾向にある。
発展形として、あるなしの法則には列挙する順番などが関係しているものもある。後述の例3を参照のこと。
あるなしクイズは以下の番組などで放送された。
- 『マジカル頭脳パワー!!』(日本テレビ系)
- 『笑っていいとも』 「それ絶対やってみよう」のコーナー(フジテレビ系)
- 『サルヂエ』(中京テレビ・日本テレビ系)
- 『笑っていいとも!新春祭』(1月の特別番組、フジテレビ系)
- 『おはスタ』第1部内の「頭脳バトル」「IQバトル」等のコーナー(テレビ東京系)
[編集] 例題
- 例1
| ある | なし |
|---|---|
| ギフト | プレゼント |
| 四月 | 五月 |
| 教頭 | 教諭 |
| 観光地 | 繁華街 |
答えは「『ある』のほうの言葉には都道府県名が隠れている」(岐阜、滋賀、京都、高知)。
- 例2
| ある | なし |
|---|---|
| ねぎ | しそ |
| 後ろ | 前 |
| トライ | チャレンジ |
| 雨季 | 乾季 |
答えは「『ある』方の言葉には十二支の音読みが隠れている」で、列挙する順番が関係している例である。
特殊なパターンとして、「ある」から始まって、「ある」方の言葉を順番につなげるとしりとりになっている(例:ある→るつぼ→ぼうえき→……)、「ある」方の言葉を順番につなげると「はと」の歌詞になる(例:豆→蛾→星→イカ→空→やる→象→みんな→出中→欲→食べに来い)というパターンもあった。
- 例3
| ある | なし |
|---|---|
| あざ | 傷 |
| ポカ | ミス |
| 皿 | 椀 |
| 西 | 北 |
答えは「『○ん○ん』という言葉が作れる」で、「文字がくっついて他の言葉になる」問題の一例である。
- 例4
| ある | なし |
|---|---|
| 碁 | 将棋 |
| 母子 | 父子 |
| グラス | コップ |
| 会社 | 自治体 |
| リラ | ライラック |
答えは「順に頭に『いち』『に』『さん』『し』『ご』を付けると別の言葉になる」。上と同様「文字がくっついて別の言葉になる」系の問題だが、例2のように順番が関係している。
- 例5
| ある | なし |
|---|---|
| エレベーター | 階段 |
| 双六 | 将棋 |
| 雨 | 曇り |
| ゴンドラ | 机 |
| バッテリー | エンジン |
| 天ぷら | 刺身 |
答えは「あがる(上がる、揚がるなど)物」(注:「あがる」は外国語と解釈によって全く別の言葉となるため、これも半ば日本語に依存している)。項目のその物の性質に注目した方が解きやすいものもある。
- 例6
| ある | なし |
|---|---|
| ティーカップ | ワイングラス |
| 火 | 水 |
| 屋根瓦 | 窓ガラス |
| 風呂敷 | ビニール袋 |
答えは「『ある』のほうには色がある(『ない』のほうは透明)」。一般的なあるなしクイズは「なし」のほうは重要でないが、この問題のように「なし」のほうに注目したほうが解きやすいものもある。
- 例7
| ある | なし |
|---|---|
| シンガポール | マレーシア |
| トルコ | シリア |
| オーストリア | イタリア |
| スイス | フランス |
| デンマーク | ドイツ |
| カナダ | アメリカ |
答えは「『ある』の方の国旗は『赤』と『白』の2色が用いられている。
- 例8
| ある | なし |
|---|---|
| 漢字 | ひらがな |
| 名前 | 住所 |
| 男 | 女 |
| 地球 | 火星 |
| 富士山 | エベレスト |
| 円 | ドル |
| 夏目漱石 | 芥川龍之介 |
| スカシ | バカシ |
答えは「『ある』のほうは日本の紙幣に印刷されているもの」であったが、これは『マジカル頭脳パワー!!』で出題した当時のものであり、2012年現在では成立しない。このように、出題当時は成立していても後の時代(あるいは前の時代)では成立しなくなる問題も存在する。
例1-例5の問題が日本語の字面に依存する(外国語では成立しない)ものであるのに対し、例6-例8は日本語の字面に依存せず、外国語に訳しても成立する(また、知識そのものが試される)。
[編集] バリエーション
あるなしクイズにはいくつかの変種が見られる。
- 例題を答えさせるもの
- 法則を答えるのではなく、当てはまる例を自分で考えてそれを答える必要がある。例えば前出の例1の場合では、「『お下がり』にはあるけど『お古』にはない」などと解答する。この形式の場合、法則を割り出すことができても例題が思い付かずに解答できないこともある。『マジカル頭脳パワー!!』において一時期採用されていた。
- グループAとBに分けるもの
- グループAとBに分けられた物事から共通する法則を導き出し、最後に出したサンプルをAかBか理由も含めて当てる。あるなしクイズとの大きな違いは、あるなしクイズの「ある」に当たるのがどちらか分からない点にある。『脳内エステ IQサプリ』(フジテレビ系)のコーナー、「サプリdeどっち?」でこの出題形式が見られた。
- くっつきクイズ
- 「くっつき系」にのみ絞ったもので、『マジカル』においてあるなしクイズ終了直後から開始された(司会の板東英二はあるなしクイズとの関連性を否定していた)。
[編集] 脚注
- ^ 雅孝司『超脳パニックあるなし"クイズ"』広済堂出版(広済堂文庫)、1992年、3-10頁。ISBN 4-331-65151-7
- ^
- ぐるーぷR『テレビを超えた最強無敵のある・ないクイズ―これ絶対の201問!』勁文社、1992年。ISBN 4766916085
- ぽにーてーる『ある・ないクイズ200連発―1番おりこうさんはこれで決定!!』双葉社(双葉文庫)、1992年。ISBN 4575710172
など、複数の書籍のタイトルに採用されている。
- ^ 『超脳パニックあるなし"クイズ"』4頁。
- ^ 『超脳パニックあるなし"クイズ"』4頁、6-7頁。
- ^ 『マジカル頭脳パワー!!(I) 頭脳爆発編』日本テレビ、1992年、219頁。ISBN 4-8203-0136-4
- ^ 『超脳パニックあるなし"クイズ"』8頁。