ああ探偵事務所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ああ探偵事務所
漫画: ああ探偵事務所
作者 関崎俊三
出版社 白泉社
掲載誌 ヤングアニマル
レーベル ジェッツ・コミックス
巻数 全15巻
話数 118話+読み切り1話
テレビドラマ : ああ探偵事務所
原作 関崎俊三
監督 黒田徹也
制作 テレビ朝日、MMJ
放送局 テレビ朝日
放送期間 2004年7月2日 - 2004年9月17日
話数 11話
テンプレート使用方法 ノート
画像:Logo serie manga.png
ウィキポータル
漫画作品
日本の漫画作品
漫画家
日本の漫画家
漫画原作者
漫画雑誌
カテゴリ
漫画作品
漫画 - 漫画家
プロジェクト
漫画作品 - 漫画家
ドラマ
テレビ
一覧項目
テレビドラマ一覧
日本のテレビドラマ
カテゴリ
テレビドラマ
ラジオドラマ
  

ああ探偵事務所』(ああたんていじむしょ)は関崎俊三による日本漫画、それを原作としたテレビドラマ、ならびに劇中に登場する架空の探偵事務所。

ヤングアニマル』(白泉社)にて2002年から2008年まで連載された作品。単発の読み切りとして2000年にCase.0が掲載され、その2年後にCase.1から連載開始となった。単行本については白泉社から全15巻(ジェッツ・コミックス)が刊行されている。


注意以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。


目次

[編集] 概要

私立探偵・妻木を主人公とする探偵コメディ。

本作品の特徴のひとつに、『金田一』や『コナン』とは異なり、あくまで依頼人の方から案件が持ち込まれる職業探偵が主人公であることが挙げられる。この点では『ホームズ』の現代日本版ともいえるが、ホームズのように僅かな手がかりから華麗に真相を暴きだす事はあまりなく、不必要に周囲の人々を巻き込んだり、違法行為で強引に情報や物的証拠を得たり、泥臭いすったもんだの末にどうにか解決に至る事が多い。こうした事から、探偵が主人公でありながら、「推理もの」ではなく、探偵が活躍するという意味合いでの「探偵もの」との表現がより近いと考えられる。

妻木が仕事を行う際の手段の例として、

  • 警官殺しの犯人をおびき出すため、殺された警官の名を騙って騒動を起こす。
  • 意味不明な暗号文を解読するため、犯人の部屋に忍び込んでヒントを探す。

などがある。

一方、探偵の仕事のほとんどが地道な聞き込み調査であることや、警察との確執なども言及されており、娯楽作品としての骨子を壊さない範囲で、探偵という仕事をリアルに描いた作品ともいえる。

[編集] 主要登場人物

妻木(つまき)
私立探偵。物語の主人公であり、「ああ探偵事務所」代表。
ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎のように、常に左眼が前髪で隠れている独特のヘアスタイルが特徴。[1]
シャーロック・ホームズに強い憧れを抱いており、初対面の相手に対して何かにつけて推理を始める推理ノイローゼ(ただし当たった例しが無い)。
変装(というより仮装の域)と掃除と卓球が趣味で、卓球は金槌市の卓球大会で優勝するほど[2]
また、暴力団組員二人がかりにも負けないほど格闘も強く(劇中では飛びひざ蹴りの使用が目立つが、ここぞという場面では投げ技で片をつける場合が多い)、20人もの同業者と飲み明かしても潰れないほど酒にも強い(記憶を無くしたことすらない。劇中一度記憶を無くしたような素振りを見せたが、泉を気遣ってのやさしい嘘だと思われる)。
物腰の柔らかい、依頼に誠実で正義感あふれる良心的な探偵であるが、同時に権力を笠に着る人間(特に警察)が何よりも嫌いで、その独自の正義倫理ゆえか、正義感こそ強いものの、尊法精神にはまったく欠けており、依頼を果たすためとあれば、不法侵入をはじめとする違法行為に手を染めることに躊躇を見せない危険人物でもある。[3]
推理力はさておき、抜群の行動力と、人脈をフルに生かした周到な罠などで、難事件を強引に解決するが、本来なら警察に通報すべき場面でも、主に警察が心底大嫌いだという理由から、自分の手柄を優先してしまおうとしがち。
その点をたびたび常識人である助手の涼子に非難されたり、罵倒されたりしているが、懲りる様子がない。
主収入源であるべき探偵業のほうはあまり繁盛していないためか、家賃滞納常習者の汚名を着せられており、滞納の都度バイト生活に明け暮れて家賃を払っている。
実際には探偵業よりもこちらの方が収入としてははるかに安定しており、勤務態度も非常に真面目で、かつ何でも器用にこなす抜群の適応力からか、どの職場でも「正社員にならないか」と誘われるほどだが、私立探偵という職業とそのスタイルに非常な愛着を持っているため、それらの誘いは全て断っている。
本業である探偵業は常時不景気とはいえ、親身な対応と誠実な仕事ぶりで、クライアントの満足度は非常に高く、事件解決から何年も経った後でも挨拶に訪れる人もいる。
探偵になったきっかけは、小学4年生の時、図書館でホームズの本を見つけたこと。安定した職への誘いや、同業のスカウトまでも蹴って、不安定な私立探偵を続けている理由は、ひとえにホームズへの憧れによるものである。当然、筋金入りのシャーロキアンであり、ホームズの絵を踏みつけることが出来ない。また、ホームズにあこがれて異常に精巧な自身のダミー人形を借金してまで作った。
性格は奇矯だが、結構な美男子で意外とモテる。泉曰く「背が高くて、手が大きくて、声がきれいで、危険な香りがして、母性本能をくすぐる」「何より女性に誠実」。クライアントの女性に迫られた事もあるが、本人にモテ男だという自覚は無い。また同時に異性から寄せられる好意についても尋常ではないほどに鈍い朴念仁。
最後までフルネームが明かされず、ドラマ版のクレジットでも「妻木」とだけ表記されていた。[4]
井上涼子(いのうえ りょうこ)
物語の語り部で、妻木の助手を務める ワトソン君役。
Case.0で、行方不明になった兄の捜索を依頼すため、電話帳の一番最初に載っている探偵社である「ああ探偵事務所」を訪れたOLとして初登場。事件解決後、お見合いを上手に断れる方法を妻木に相談した際に、勝手に「(涼子の)母親が卒倒するほどの相手の弱点を調べる」という調査依頼にされてしまい、2度目の依頼をする羽目となる。
この依頼後なぜか調査報告書を自分で書くことになり、その際妻木に文才を認められてしまった事から、OLの傍ら助手としてボランティアで働くようになった。
主な仕事内容は調査補佐や報告書作成だが、作中では妻木の暴走に対する突っ込み役やストッパーとして機能することが多い。
あくまでボランティアの助手であり、探偵ではないのだが、実際には妻木の依頼で変装やニセ店員の役まで経験している。
話が進むにつれ、次第にバッグの中に双眼鏡ラケットを忍ばせるようになるなど、妻木からの影響は深刻なレベル。
本業は普通のOLであり、ああ探偵事務所を訪れるのも、大抵は業務終了後か休日に限られている。
事務能力は極めて優秀で、社内でも異例の抜擢を受けた存在であり、資格も多数所持する。
しかし車の運転については免許こそ持っているがペーパードライバーであり、アクセルとブレーキを踏み間違えた挙句、妻木を撥ねて重症を負わせた。
助手として妻木に付き合ううち、次第に妻木に惹かれていくが、性格からか、好意を伝えるために自分から積極的な行動に出ることはほとんどなかった。
その恋心は最終的には報われたようだ。
森野泉(もりの いずみ)
探偵。「福耳探偵商会」のチーフ。妻木との付き合いは涼子より長く、「前衛散文詩事件」で知り合ってから仕事で協力したり、タダ働きをするはめになるなどの腐れ縁が始まる。
優秀な探偵であり、専門はトラブルなどで別れられないカップルを様々な手段を駆使して別れさせる「別れさせ屋」。
女性としての魅力に自信を持っており、「一番の美容法は男の視線を浴びること」とまで言い放ったことがある。[5]
涼子とは妻木を巡るライバル同士であるが、目的が一致したときに協力する事も。
車の運転については上手であると自負しているが、妻木に対する複雑な感情から、ついアクセルをベタ踏みした挙句、妻木を撥ねて重症を負わせた。
大家さん
本名は藤島薫(ふじしま かおる)。「ああ探偵事務所」が入っているビルのオーナーで、同ビルの1階で美容室「F's」も経営している。凶悪な犯罪者相手にも一歩も引かず数々の事件を解決してきた妻木が、唯一頭の上がらない人。
家賃滞納の常習者であり、雇うでもなく一緒になるでもなくと涼子の好意に甘えきりの妻木を、「この甲斐性なしが!」と罵り説教(鉄拳による修正含む)する恐ろしい人だが、常に金欠の彼を無料で散髪したり、食事の世話を焼いたり、悩みを持つお客に妻木を紹介するなど、優しく応援する一面も持っている。
恐らく作中で最強の人物だが、お化けの類は全くダメ。
旦那は海上自衛官で長期間航海に出ることが多く、ほとんど家に戻ってこられず、CASE.117にて数カット登場したのみ。
藤島茜(ふじしま あかね)
大家さんの娘(小学5年生)。妻木になついており、たびたび「ああ探偵事務所」に出入りしている。好奇心旺盛で運動神経や頭も良く、度胸もある利発な少女。「探偵さん」と呼べるほどには探偵の仕事をしていおらず、「おじさん」と呼ばれると多分嫌がるである妻木を気遣って、彼のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ。
イワオ
藤島家で飼われているペットのイワトビペンギン。茜の父親によって藤島家に連れてこられた。妻木に仕込まれ、卓球が出来るようになった。CASE.78では審判もやっている。
松本康介(まつもと こうすけ)
Case.1から登場した涼子の見合い相手。警察官。ノンキャリアではあるが、巡査の時から数々の手柄を立て、若くして刑事へ、後に警部補を経て警部へと出世した。
ルックスも内面も良い男で、刑事としても有能だが、警察を嫌悪する妻木とは犬猿の仲で、最終的には「探偵」の言葉に反応して暴れるまでに。
しかしTPOは弁えており、事件を解決するために協力し合うこともある。
連載終盤にて、ある事件の当事者になってしまった女性と付き合うことになり、付き合った期間もそれまでで最長にもなったが、まだ涼子のことはあきらめていないらしい。
スケさん
通称スケアクロウ。本名は不明。普段は風俗店の看板持ちをしているが、一度見た人物の顔を忘れない抜群の記憶力と、街のホームレスによる情報網「ホームレス・ネットワーク」をもつ、街の情報屋。スリの名人という一面を持つが、それが原因か、過去に収監されている。出所後に妻木と出会い、とある事件の目撃情報を売ったことでお金を入手できた事で味をしめ、独自に情報を集めるようになり、情報屋としての道を歩み始めた。

[編集] 脚注

  1. ^ この髪型はとても硬く固められていて、ジェットコースターに乗ってさえ、全く変化しなかった。このため、妻木は劇中一度も左目を見せていない
  2. ^ しかし、始めたキッカケは探偵業の依頼が来ない為の暇つぶしである
  3. ^ 自らの捜査の基本を不法侵入とまで断言している
  4. ^ その他年齢等の詳細も、劇中では明かされていない。変装姿をマスコミに捉えられた際、身長180cm程度、年齢20代~30代と推定されてはいる。
  5. ^ 色仕掛けが通用しなかったエピソードでは、しばらくの間自信を失って落ち込み続けていた。

[編集] テレビドラマ

テレビ朝日系で2004年7月2日から9月17日までの金曜ナイトドラマ枠で放映された。全11話。

[編集] キャスト

[編集] ゲストキャスト

シゲ(古田新太
第1話に登場。金槌町に暮らすホームレス。指名手配犯・有須川に殺された井上巡査の拳銃を偶然拾う。
桐山(土田晃之
第2話に登場。美大生。自らの才能が認められないことを逆恨みし、公園に落書きを繰り返した。
真希(矢部美穂
第3話に登場。美菜の姉。謎の貼り紙におびえ、会社にも行かず部屋に閉じこもっている。
美菜(すほうれいこ
第3話に登場。涼子の会社の同僚で、真希の妹。姉を心配し、涼子に相談を持ちかける。
謎の美少年(ウエンツ瑛士
第3話に登場。貼紙事件の犯人。警察の取調べでは「詩をたくさんの人に見て欲しかった」と説明する。日頃から、困っている人を助けてしまう好青年である。
美智子(山川恵里佳
第4話に登場。上京後、半年前から音信不通となってしまった婚約者の鉄夫を探してもらおうと、妻木に依頼する。
キヨヒロ(金子昇
第4話に登場。ホスト。鉄夫が引っ越したマンションに住んでいた。
神崎(森次晃嗣
第4話に登場。キヨヒロが働くホストクラブのオーナー。
片瀬遥(高樹マリア
第5話に登場。女子大生。数ヶ月前からのぞき被害に遭っており、美麗探偵社に調査を依頼していた。
桜井(斉藤陽一郎
第5話に登場。美麗探偵社の探偵。妻木の前に遥を担当していた。優秀な探偵らしい。
杉浦(団時朗
第5話に登場。業界最大手・美麗探偵社の社長。恰幅も良く紳士然とした人物。
松戸(沢村一樹
第6話に登場。人気劇団「劇団常磐線」の代表であり演出家。ハンサムで人当たりも良いが、芝居のことになると厳しい一面ものぞかせる。
原ノ町真紀(遊井亮子
第6話に登場。演出助手。もともと女優志望だったが、今は松戸の手伝いをしている。
我孫子香織(嘉門洋子
第6話に登場。「劇団常磐線」の看板女優であり人気者。それゆえに敵も多い。
羽鳥ジョー(山崎潤
第6話に登場。「劇団常磐線」の劇団員。
牛久(瀬戸陽一郎
第6話に登場。「劇団常磐線」の劇団員。
木下英子(岩崎ひろみ
第7話に登場。看護師。占いが得意で、ものすごく当たると評判がたった。看護師寮で占いサークルを開いている。
島崎美和(上原美佐
第7話に登場。看護師。英子の占いサークルのメンバー。
中島(マギー
第7話に登場。医師。軟派で女たらし。周りの看護師にしょっちゅうちょっかいを出している。
愛川ミチル(小向美奈子
第8話に登場。女子高生。バスの車内で松本に痴漢行為をされたと告発。近々タレントとしてデビューする予定。
黒木(神保悟志
第8話に登場。金槌署生活安全課の刑事。松本を厳しく取り調べる。
橋爪高志(前田耕陽
第8話に登場。
小池裕子(久野真紀子
第9話に登場。薫の大学時代の親友。ダンサーだったが、事故に遭って車椅子の生活をしている。
三上麗子(岡本舞
第9話に登場。女優。薫の同級生。あだ名は「横取り麗子」。
保坂奈津美(中村綾
第9話に登場。女優。薫の後輩。
大黒健(永井大
第10話に登場。任侠集団「大黒組」の跡取り息子だが、襲名することを嫌い、逃亡中。
竹田義仁(中村育二
第10話に登場。大黒組幹部。健が子供の頃から見守ってきた。
大黒惣治(寺田農
第10話に登場。健の父親であり、大黒組の組長。
安藤(深水三章
第10話に登場。竜西会組長。大黒組のナワバリを手に入れようと企む。
橘美沙子(滝沢沙織
第10話に登場。健の恋人。病弱で入院中。
丸山マリモ(杉本彩
第11話に登場。元アイドル。現在はセクシー路線で多方面で活躍中。謎の脅迫状に怯える。
塚田(井田國彦
第11話に登場。マリモのマネージャー。彼女の身に何か起こってはと、日々気が気でない。
植村(斉藤暁
第11話に登場。マリモが所属する芸能プロダクションの社長。妻木にマリモの護衛と調査を依頼する。
只野仁(高橋克典
第11話に登場(特別出演)。電王堂社員。電王堂に潜入してきた妻木に、事件のカギを握る人物を教えた。
  • 2003年の同枠で放送された『特命係長・只野仁』で、永井大が高橋克典と共演したのがきっかけで、『特命係長・只野仁』と本作の製作会社が一緒である事と高橋克典と永井大は同じ事務所で『特命係長・只野仁』でも先輩後輩役だった為、そのお返しとして異例のクロスオーバー出演が実現した。格闘シーンでは、『特命係長・只野仁』の只野のテーマが流れた。

[編集] スタッフ

[編集] サブタイトル・視聴率

各話 サブタイトル 視聴率
第1話 殺人コスプレ! OL救出"秘"名推理 9.5%
第2話 落書き犯の秘密! 魂のヌード捜査 8.2%
第3話 禁断の美少年! 女塾教師との秘密 7.8%
第4話 捨てられた花嫁! ホスト残酷物語 8.6%
第5話 のぞき最前線! Hなお嬢様を狙え 10.9%
第6話 復讐劇! 血に染まる舞台 7.5%
第7話 遊ばれたナース! 白装束女の呪い 6.2%
第8話 痴漢バス! おさわり刑事の言い訳 10.1%
第9話 殺人コスプレ! OL救出"秘"名推理 9.1%
第10話 突撃となりの女風呂! 涙の殺人同窓会 9.7%
第11話 さよならの推理! Hラジオの媚薬 10.7%
平均視聴率 8.9%ビデオリサーチ調べ・関東地区)

[編集] 主題歌

[編集] 他ドラマとの関連

同じ金曜ナイトドラマ枠の作品である『黒い太陽』では、再び永井大と酒井若菜が共演している(永井は主演)が、公式HPのAP日記によると、永井大演じる立花篤が住んでいるアパートの部屋の向かいの部屋は「亜亜探偵事務所」だという。

[編集] 原作への影響

原作者の関崎俊三は、藤島薫を演じる川島なお美に会って触発され、藤島薫を主人公とした短編を書いた。

[編集] DVD

[編集] 関連書籍

[編集] 外部リンク

テレビ朝日 金曜ナイトドラマ
前番組 番組名 次番組
霊感バスガイド事件簿
(2004.4.16 - 2004.6.18)
ああ探偵事務所
(2004.7.2 - 2004.9.17)
ミステリー民俗学者 八雲樹
(2004.10.14 - 2004.12.17)
他の言語