Ι

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ギリシア文字
Αα アルファ Νν ニュー
Ββ ベータ Ξξ クサイ
Γγ ガンマ Οο オミクロン
Δδ デルタ Ππ パイ
Εε エプシロン Ρρ ロー
Ζζ ゼータ Σσς シグマ
Ηη イータ Ττ タウ
Θθ シータ Υυ ウプシロン
Ιι イオタ Φφ ファイ
Κκ カッパ Χχ カイ
Λλ ラムダ Ψψ プサイ
Μμ ミュー Ωω オメガ
使われなくなった文字

()
ディガンマ サン
ヘータ ショー
ギリシアの数字
スティグマ
()
サンピ

()
コッパ

Ι, ι(イオタ、古代ギリシア語: ἰῶτα イオータギリシア語: ιώτα イオタ, γιώτα ヨタ英語: iota [aɪˈoʊtə] アイオゥタ)は、ギリシア文字の第9字母。数価[1]は 10。

ラテンアルファベットI, Jや、キリル文字І, Ї, Јはこの文字を起源とする。近代西洋諸言語で、ラテン文字の「J」がイオタに由来する名称で呼ばれることがある。

音声[編集]

古代ギリシア語では /i/ または /iː/ の音に使用された。また二重母音の第二要素としても使われるが、第一要素が長母音の場合には紀元前200年ごろに /i/ 音が消滅し、ビザンチン時代には主母音の下に「ι」が書かれるようになった(下書きのイオータᾳ ῃ ῳ[2]

現代語では単独で/i/ε, ο, υ に後置した場合 (ει, οι, υι) /i/α に後置した場合には (αι) /e/と読む。

起源[編集]

フェニキア文字 𐤉 (ヨード)に由来する。フェニキア文字では半母音 /j/ を表したが、古代ギリシア語では独立した音素としての /j/ が存在しなかったようであり[3]、この文字は母音 /i/ を表すために転用された。

記号としての用法[編集]

符号位置[編集]

大文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 小文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 備考
Ι U+0399 1-6-9 Ι
Ι
Ι
ι U+03B9 1-6-41 ι
ι
ι
Ί U+038A - Ί
Ί
ί U+03AF - ί
ί
Ϊ U+03AA - Ϊ
Ϊ
ϊ U+03CA - ϊ
ϊ
文字 Unicode JIS X 0213 文字参照 名称
ΐ U+0390 - ΐ
ΐ

脚注[編集]

  1. ^ 文字に当てはめられた数値のこと。 ギリシアの数字を参照。
  2. ^ Allen (1987) pp.84-88
  3. ^ Allen (1987) p.51

参考文献[編集]

  • W. Sidney Allen (1987) [1968]. Vox Graeca (3rd ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521335558 

関連項目[編集]