γ-リノレン酸

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γ-リノレン酸
GLAnumbering.png
IUPAC名 all-cis-6,9,12-オクタデカトリエン酸
別名 ガモレン酸
分子式 C18H30O2
分子量 278.436
CAS登録番号 [506-26-3]
出典 日化辞Web
必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成

γ-リノレン酸(ガンマ リノレンさん、γ-linolenic acid、略称GLA)は、炭素数18のトリ不飽和脂肪酸のひとつ。C6・C9・C12位にいずれもシス型の二重結合を持つ。

α-リノレン酸構造異性体で、ヒト必須脂肪酸のひとつともされる。ω-6脂肪酸 (18:3, n-6) に分類される。

代謝経路[編集]

ヒトはリノール酸 (18:2, n-6) を原料として、Δ6-不飽和化酵素による脱水素反応を通してγ-リノレン酸を生産できるが、多くは食物から摂取している。γ-リノレン酸は体内で2炭素増炭されてジホモ-γ-リノレン酸を経てアラキドン酸となり、アラキドン酸カスケードにより生理活性作用の強いプロスタグランジンロイコトリエンなど、各種エイコサノイドの原料となる[1]

効果[編集]

γ-リノレン酸はアメリカ合衆国の医学者デイヴィッド・ホロビン (David Horrobin) の仕事によって広く知られるようになった。アトピー性皮膚炎湿疹炎症乳癌[2]など、多様な疾患に効果があるといわれるが、その有効性に関しては議論があり、疑問が呈せられている[3][4][5]。γ-リノレン酸は、抗炎症性の誘導体の原料となるジホモ-γ-リノレン酸に変換される反面、ジホモ-γ-リノレン酸は炎症性の誘導体の原料となるアラキドン酸に変換される。現代では、リノール酸からγ-リノレン酸を経てアラキドン酸に変換されるω-6脂肪酸の摂取が過剰であるとされている[5]

マツヨイグサ属の1種メマツヨイグサ Oenothera biennis の種子からとられる月見草オイルは特にγ-リノレン酸に富むことから、サプリメントとして広く販売されている。

脚注[編集]

  1. ^ Fan YY, Chapkin RS (September 1998). “Importance of dietary gamma-linolenic acid in human health and nutrition”. J. Nutr. 128 (9): 1411–4. PMID 9732298. 
  2. ^ Plant oil 'acts like cancer drug' (bbc, 2 November 2005)
  3. ^ Evening primrose oil: MedlinePlus Supplements (MedlinePlus, Last reviewed - 04/10/2012)
  4. ^ Williams, H. C (2003). “Evening primrose oil for atopic dermatitis”. BMJ 327 (7428): 1358–1359. doi:10.1136/bmj.327.7428.1358. ISSN 0959-8138. 
  5. ^ a b 8章危険なサプリ」金城学院大学/日本脂質栄養学会共催シンポジウムの抄録 『 脂質栄養学の新方向とトピックス

関連項目[編集]

外部リンク[編集]