γ-リノレン酸

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γ-リノレン酸
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識別情報
略称 18:3(n-6)
GLA
CAS登録番号 506-26-3
KEGG C06426
特性
化学式 C18H30O2
モル質量 278.43 g mol−1
示性式 CH3(CH2)4(CH=CHCH2)3(CH2)3COOH
出典
γ-リノレン酸”. 日本化学物質辞書. 2017年11月20日閲覧。
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

γ-リノレン酸(ガンマ リノレンさん、: γ-linolenic acid、略称GLA、数値表現 18:3(n-6))は、炭素数18のトリ不飽和脂肪酸のひとつ。C6・C9・C12位にいずれもシス型の二重結合を持つ。

α-リノレン酸構造異性体ω-6脂肪酸 (18:3, n-6) に分類される。

代謝経路[編集]

必須脂肪酸の代謝経路とエイコサノイドの形成

ヒトはリノール酸 (18:2, n-6) を原料として、Δ6-不飽和化酵素による脱水素反応を通してγ-リノレン酸を生産できるが、多くは食物から摂取している。γ-リノレン酸は体内で2炭素増炭されてジホモ-γ-リノレン酸を経てアラキドン酸となり、アラキドン酸カスケードにより生理活性作用の強いプロスタグランジンロイコトリエンなど、各種エイコサノイドの原料となる[1]

効果[編集]

γ-リノレン酸はアメリカ合衆国の医学者デイヴィッド・ホロビン英語版の仕事によって広く知られるようになった[いつ?]

γ-リノレン酸は、抗炎症性の誘導体の原料となるジホモ-γ-リノレン酸に変換される反面、ジホモ-γ-リノレン酸は炎症性の誘導体の原料となるアラキドン酸に変換される。アラキドン酸の属するω-6脂肪酸の摂取が過剰であるとされている[2]

マツヨイグサ属の1種メマツヨイグサ Oenothera biennis の種子からとられる月見草油は特にγ-リノレン酸に富むことから、植物油として、またサプリメントとして広く利用されている。

出典[編集]

  1. ^ Fan YY, Chapkin RS (September 1998). “Importance of dietary gamma-linolenic acid in human health and nutrition”. J. Nutr. 128 (9): 1411–4. PMID 9732298. 
  2. ^ 8章危険なサプリ」金城学院大学/日本脂質栄養学会共催シンポジウムの抄録 『 脂質栄養学の新方向とトピックス

関連項目[編集]

外部リンク[編集]