Übel Blatt

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Übel Blatt』(ユーベルブラット)は、塩野干支郎次ファンタジー漫画作品。 2004年にガンガンYGの壱号から参号までに3話分掲載。 その後、2004年12月、ヤングガンガン創刊号から引き続き連載されている。 単行本はスクウェア・エニックスより第0巻から第9巻までの計10冊が発刊されている。

「最凶のダーク・ファンタジー」を謳い、主人公ケインツェルの壮大な復讐劇を描く。

目次

[編集] あらすじ

「七英雄」によって闇の異邦(ヴィシュテヒ)が封じられ、帝国に束の間の平和が訪れてから20年後……。 辺境伯領近くの国境で、新たな騒乱が起ころうとしていた。 辺境の英雄として現れた剣士ケインツェルは、巨大な黒い剣を操り悪を打ちのめしていく。彼の正体は、20年前、闇の異邦の封印に成功しながら、七英雄によって、反逆者の汚名を着せられ暗殺された4人の「裏切りの槍」の1人、アシェリートであった。 彼の果たす目的はただひとつ。自分と仲間をあざ笑いながら切り刻み、闇の異邦の封印という手柄を奪った真の裏切り者=七英雄への復讐である。しかし時が経ち、帝国は七英雄の威光と統治によって安定した平和な世界となっていた。彼らを殺すことは、帝国を再び不安に陥れる危機になりかねない。それでもケインツェルは、七英雄を殺すための旅を続ける。

[編集] 主要登場人物

[編集] ケインツェル一行

ケインツェル
左目を縦断するように大きな傷を顔に持ち、長く緑がかった金髪を三つ編みにした亜人の少年。凄まじい剣術、体術の使い手で、並みの兵士や盗賊では束になっても敵わない程の実力の持ち主。その正体はかつて「刃匠(ブラットマイスター)」の称号を戴いた帝国最強の剣士・裏切りの槍のアシェリートであり、見た目こそ少年であるが実年齢は30代半ばから40代前半と推定される。自分と仲間を斬り刻んだ真の裏切り者である七英雄への復讐のみを目的に生きる。アシェリートとしては侮蔑の対象となっているため普段は本名を隠しているが、ケインツェルとしては、千の石槍の外「辺境」において逆賊の集団「黒翼剣軍」を単独で攻め落とした事から「辺境の英雄」「黒い剣の男」の通称で知られている。
元々は普通の人間であったと思われるが、死の森にて七英雄に裏切られ瀕死の重傷を負った際、高位妖精(ホッホ・エルフェ)を喰らい融合したことで亜人となり生き延びた。高位妖精と融合した事から「妖精の声が聞ける」「月の光を浴びることで本来の力を発揮する」などの高位妖精の特性が身に付いており、月光の下では右腕から4本の巨大な「黒い剣」を出現させ操る事ができる。又、肉体が成長や老化などの変化を見せていないのも高位妖精の力によるものと思われる。
アト
クシャールンド首領家第三王女でありながら“僕”という一人称を使う、男勝りな性格の少女。兄のクラトを慕い、傍にいたいがために戦士となる決意を固める。当初はクラトの命を奪ったケインツェルを仇とみなし、「復讐の黒装束」に身を包んで命を狙うも、実際は彼に非の無いことを認めて謝罪。以来ケインツェルに強く惹かれ、アルテアやピーピと共に旅に同行する。
大剣や二刀流を駆使し、剣術は未熟なものの大きな素質を感じさせる部分がある。自由都市ユラス・アプラスでの戦いで重傷を負い生死の境をさまようが、ケインツェルから「妖精の血」を傷口に注ぎ込まれたことで一命を取り留める。また、血の影響によって毛髪が変色し、背中や傷跡にケインツェルと同じ小さな羽根のようなものが生えた。
ピーピ
辺境の亜人種ミルエル・ミラエル族の少女。この名前はケインツェルが咄嗟につけたもので、本名は不明。国境を超えるためケインツェル達に同行。後にケインツェルの正体と目的を知ってからも同行を続ける。
アルテア
国境の町リエルデ・フェレムで密航屋を営む女主人。ケインツェルと昔の恋人の面影が重なるため、彼に好意を抱いている。やはりケインツェルの正体と目的を知ってからも同行している。
ヴィド
眼帯をつけた黒髪長髪の男。紐のついたチャクラムの投擲を得意とする。元々は盗賊であったが、2年前に猛獣に襲われたところをクシャールンド首領家のクラトに救われて以来、臣下として仕えている。方伯軍によって捕らえられた第二王女のシャーレンを救うためにケインツェルと共に行動し、彼女の救出に成功する。

[編集] 七英雄

グレン
侯爵。七英雄の一人で、そのリーダー格。元より貴族出身だが、ヴィシュテヒ封印の功によって確固たる地位と名声を得る。ケインツェルの左目の傷は彼によるものである。人望が厚く、七英雄の中でもっとも民衆に人気がある。帝国最強の戦力・七槍騎士団を部下に従える。皇帝に逆賊(ケインツェル)討伐の指揮権を与えられ、ケインツェル討伐に乗り出す。
シュテムヴェレヒ
方伯。七英雄の一人で、モランの領主。元は山賊。投げナイフと二刀流の剣術が得意。かつては民のために働いた男であったが堕落、不老不死となることで永遠に英雄として崇められるという野望を抱き、辺境から亜人種の娘を略奪し、自らの肉体に移植することで妖精の不老の力を手に入れようとしていた。実際、幾人もの亜人の娘によって四肢を強化、常人離れした身体能力を獲得しており、ケインツェルと壮絶な戦いを繰り広げたが、妖精の悲鳴によって姿が豹変したケインツェルに討たれた。
バレスター
砲台伯。七英雄の一人で、レムダの領主。元はレムダの商人の息子で大商人になるのが夢だったが、商人の才能が無いと言われ旅の中で多くのことを学んで欲しいと父の命令で闇の異邦封印の旅に参加した。シュテムヴェレヒが討たれて以降、自らを狙っているであろう刺客の影に怯える。また、力を付けていくグレンへの嫉妬もあって精神を病み、ついに自由都市ユラス・アプラスを襲撃するという暴挙に出た。その戦闘で敗北後ケインツェルに討たれる。
レベロント
侯爵。七英雄の一人で、クローツェンの領主。昔からグレンとは反りが合わなかったためか、皇帝より逆賊討伐の指揮権を与えられたグレンに対抗意識を燃やし、ケインツェル討伐戦に配下の短翼竜兵を割り込ませた。ところが、そのことで逆にケインツェルに討伐軍の包囲から脱出する隙を与えてしまった。
イシューディーン
竜伯。七英雄の一人。竜伯の名の通り大飛竜軍団を保有しているらしく、グレンの逆賊討伐軍に飛竜部隊を派遣、自らもグレンを補佐する。
ギュレングルフ
月読伯。七英雄の一人で、ロゴの領主。逆賊ケインツェルに対しては逃げ腰で、逆賊討伐戦の際にはレベロントの領地クローツェンに逗留と言う形で半ば避難している。
ニルゲンフェレト
城伯。七英雄の一人で、ツィクヒートの領主。逆賊討伐戦ではギュレングルフと共にクローツェンに逗留している。

[編集] 尊き未帰還者達

エルグナッハ
最初の尊き未帰還者。軍師。「刃匠」ルディフトの弟子で、アシェリートの兄弟子。闇の異邦から帝国への侵入を食い止めるため、帝国国境の町リエルデ・フェレムに石壁「千の石槍」を作る術式陣を発動させた。しかしその際、術式陣に取り込まれてしまい、自らも石と化してしまった。
七英雄の時代での彼は聖人として崇められているが、「従者」であったとされ、七英雄よりも位が下である。
エディエム
ランバルト

[編集] 裏切りの槍

アシェリート
ケインツェルを参照
クファー
剣の名門の出身で長男。封印の森で七英雄に討たれた。
ギュスタフ
右目のそばに痣がある褐色の肌をした女性。辺境の生まれで戦技に優れていた。
クレンテル
アシュリートよりも小柄な少年。魔導の知識に秀でていた。

[編集] 七槍騎士団

ロズン
七槍騎士団の騎士。実直な性格で、剣の腕前も一流。ケインツェルの正体と七英雄の真実を知り、ケインツェルの復讐に対する共感と帝国への忠誠心との間で苦悩する。
エルサリア・ラハンクレーブ
選帝侯の娘にして七槍騎士団の精鋭。17歳。2年ほど前、仲間と共にたった4人で貴族の反乱を鎮圧した。ロズンの頼みにより三人の仲間を率いてケインツェルを追う。しかし暴走したバレスターがユラス・アプラスを襲撃した折、民を守るために砲台伯軍と戦う。バレスターが討たれた後、七槍騎士団の使者に砲台伯への反逆に加担した疑いで軟禁されるが脱出、バレスターの暴挙を告発するために帝都に向かうことを決意する。
イクフェス
グレンに仕える若き奴隷騎士。その腕前は帝国最強クラスで、アシェリートの称号であった「刃匠」を受け継ぐ者と目されている。グレンによりケインツェル討伐を命じられる。グレンに襲いかかるふりをしてみたり、ケインツェルについて(七英雄を)一人より二人殺してくれていたほうがより箔がつくので倒しがいがある、とロズンの前で言ってのけるほど大胆不敵な性格。ケインツェルと戦って敗れたものの、「今の僕では黒翼なしで君に勝てない」と言わしめた。グレンやロズンの口ぶりや話の流れから裏切りの槍、クファーの息子である可能性が高い。

[編集] 黒翼剣軍

偽クファー
巨大な棍棒を武器に愛馬「ザイラス」を駆る大男。配下の百人隊を全滅させた片目に傷のある男(ケインツェル)を部下に探させ、ケインツェルが滞在する村を襲う。死に際にケインツェルの正体を聞かされ涙を流して命乞いするが惨殺された。
偽ギュスタフ
電撃の技を操る女。捕らえた者を妖精と融合させるなどの実験を行い、アトの兄クラトを人質にしてアトにケインツェルを襲わせる。好色で、捕虜となったケインツェルと交配するが、脱走される。怒ると体が膨れ上がって化け物じみた姿に変化する。ケインツェルに討たれた。
アルバヌング
辺境伯。黒翼剣軍に密かに協力していたが、偽クレンテルに巨大な化け物に変えられて操られ、ロズンたちに討たれた。滅びる間際に意識を取り戻し、部下のリグレスに「私は力を欲して選び間違えた」と語った。
偽クレンテル
ケインツェルたちの襲撃に際し、アルバヌングを巨大な化け物に変えて操ったが、意識を取り戻したアルバヌングに殺された。
偽アシェリート
黒翼剣軍の指導者。黒い長髪の男で、二刀流に魔導の力で背中から生やした二つの刀を加えた四つの刀を奥義「黒翼」と称するが、ケインツェルの放った真の「黒翼」には全くかなわなかった。ケインツェルが本物のアシェリートと知ると反乱を起こした理由を話してケインツェルに反乱の指導者になってほしいと願うが、ケインツェルは自分達の名を騙って汚名を上塗りした彼らを許さず、断罪した。

[編集] その他

クラト
クシャールンド首領家の王子で、アトの兄。黒翼剣軍の反乱の際に偽ギュスタフに捕らえられ、妖精との強引な融合を施された傀儡となる。最後は偽ギュスタフの死の影響で移植された部位が成長・暴走したため、ケインツェルによって命を絶たれた。
シャーレン
クシャールンド首領家第二王女。アトとクラトの姉。強い「妖精の血」の力を宿し、亜人のように長い耳を持つ。近隣の豪族と同盟を結ぶべく交渉に出向いた所をシュテムヴェレヒ方伯の軍に連れ去られ、不老不死のための実験台にされていた。ケインツェルたちによって救出され、ヴィドと共に故郷に戻る。
ラシェブ
辺境伯領と七英雄領を隔てる国境の町リエルデ・フェレムを支配する「僧院」の僧兵長。密航者に対する無慈悲な処刑を執り行う一方で、越境のための「徳」と称した賄賂を要求する卑劣漢。処罰する際の口癖は「遺憾だ」。
大僧上
僧院の最上位に位置する人物。元は一介の商人であったが、23年前の「千の石槍」の出現を間近で目撃し「真理を悟った」として信者を集め僧院を築き上げる。真の目的は通行税の徴収によって私腹を肥やすことにあったと思われる。
ファーゴ
方伯軍千人隊長。シュテムヴェレヒの下で、悪漢を使い若い亜人種の娘を集めていた。右腕から伸びる触手によって死体を操るという能力を持つ。かつては正しく志ある若者であったが、方伯に植えつけられた「肉の呪い」のため逆らうことができない。その為に次第に人格が歪んでしまった。
ゲランペン
方伯軍百人隊長。義兄弟の間柄であるファーゴを「お兄ちゃん」と呼び慕う。大柄で髭面、スキンヘッドの強面であるが心は純情乙女で正義感が強い。信頼していたファーゴの本性に絶望し、ケインツェルたちに手を貸した。自称「神護りの戦妖精」。ファーゴにとりついていた触手に取り付かれたために生き延び、生きながらえた命を罪滅ぼしに使うことを心に決める。
グーリェ
「剣の館」師範の女性。刃匠の名を継いだアシェリートが逆臣として討たれたため、潰えかけていた流派を立て直す。少年時代のアシェリートを可愛がっており、その帰還を待っていた。

[編集] 用語解説

神託暦
ユーベルブラットの世界で使われるの名称。「偉大なる始祖が神々から大地を託されし時」を紀元としたことが、その名の由来となっている。
七英雄
闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、闇の異邦(ヴィシュテヒ)を封印し帝都に凱旋した7人の若者のこと。
Baraster バレスター砲台伯
G¨lengurv ギュレングルフ月読伯
Nirgenfeled ニルゲンフェレト城伯
Glenn グレン侯
Lebellond レベロント侯
Isch¨ien イシューディーン竜伯
Schtemwölch シュレムヴェレヒ方伯
裏切りの槍
闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、敵に寝返り他の7人に討たれたとされている4人。
Ascheriit アシェリート
Kfer クファー
G¨stav ギュスタフ
Krentel クレンテル
尊き未帰還者達
闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、途中で命を落とした3人。
Ergnach エルグナッハ
Ediem エディエム
Lanbard ランバルト
闇の異邦(ヴィシュテヒ)
かつて帝国に対し侵略をくりかえした闇の軍勢。現在は封印されている。
七槍騎士団
七英雄グレン侯直属の戦士集団。正式な騎士団ではないものの、帝国最強の呼び声も高い。
千の石槍
辺境伯領と七英雄領の境にある巨大な壁。闇の異邦からの侵攻から防ぐために、尊き未帰還者達の一人、エルグナッハの命を懸けた術式陣によって作られた。大戦後は辺境と帝国中央との自由な通行を妨げる障壁となり、リエルデ・フェレムの僧院が私腹を肥やす元となっていた。ケインツェルによって破壊された。
黒翼剣軍
辺境を荒らしていた反逆者たち。指導者の4人は元々辺境の小領主だったが、「闇の異邦」との大戦後に勃発した内戦において皇帝と七英雄が内戦の責任を自分達に押し付けて追放したのを恨み、「闇の異邦」の魔導の技に手を染め、「裏切りの槍」の名を騙って反乱を起こす。帰還したケインツェルに討たれた。
刃匠(ブラットマイスター)
帝国最強の剣士に与えられる称号。ルディフトの後継者となったアシェリートが討たれてから空位の状態が続いていたが、奴隷騎士のイクフェスがその名を継ぐと目されている。
黒翼
刃匠のみが使いこなすことのできる奥義。膨大な殺気を解き放つことで黒い幻影(破壊の黒風)を生じさせ、怯んだ相手に必殺の一撃を見舞うという、いわゆるフェイント系の技である。「八の基本型」を極め、肉体と精神の枷を外した(純粋な心を持つ)者でなければ会得することはできない。実際には「八の基本型」のすべてを相手に叩き込むもので、純粋に強力な一撃というわけではなく、対人戦においてその真価を発揮する。ケインツェルにとって「黒い剣」と並ぶ切り札であるが、同時に妖精と融合したまだ不安定な身体に多大な負担をかける両刃の剣でもある。
黒い剣
その名の通り、ケインツェルの右腕から生み出される巨大な黒い剣。四本まで生み出すことができる。これをどのようにして手に入れたかは明かされておらず、その禍々しい造詣や刻まれた文字は、闇の異邦の魔導兵器に通じるものがある。使用には多大な付加が伴うらしく、月の光の無い場所では数回しか使えない。劇中では、物量で圧された際の状況打破や雷の吐息を防ぐなど、汎用性が高い。ちなみに、黒い剣で破壊できなかった物は未だ登場していない。
竜の口
方伯の城に配備された魔導兵器。吸い込んだ大量の湖水を陣核で超過熱・超圧縮し“妖精黒体”として撃ち出す(雷の吐息)。元は「闇の異邦」から鹵獲したものでアシェリートとシュテムヴェレヒによって修理された後、「闇の異邦」や方伯への反乱分子など数多くの敵を撃破した。

[編集] 単行本

[編集] 外部リンク

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