Übel Blatt
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『Übel Blatt』(ユーベルブラット)は、塩野干支郎次のファンタジー漫画作品。「最凶のダーク・ファンタジー」を謳い、主人公ケインツェルの壮大な復讐劇を描く。2004年に『ガンガンYG』の壱号から参号までに3話分掲載。その後、2004年12月、『ヤングガンガン』創刊号から引き続き連載されている。単行本はスクウェア・エニックスより第0巻から第11巻までの計12冊が発刊されている。
暫く休載が続いていたが、2011年8月発売の『ヤングガンガン』の『増刊ヤングガンガンビッグ』 vol.3に掲載後、2011年12月24日発売の後継誌『月刊ビッグガンガン』2012Vol.01にて連載再開された。
目次 |
[編集] あらすじ
「七英雄」によって闇の異邦(ヴィシュテヒ)が封じられ、帝国に束の間の平和が訪れてから20年後……。
辺境伯領近くの国境で、新たな騒乱が起ころうとしていた。
辺境の英雄として現れた剣士ケインツェルは、巨大な黒い剣を操り悪を打ちのめしていく。彼の正体は、20年前、闇の異邦の封印に成功しながら、七英雄によって、反逆者の汚名を着せられ暗殺された4人の「裏切りの槍」の1人、アシェリートであった。
彼の果たす目的はただひとつ。自分と仲間をあざ笑いながら切り刻み、闇の異邦の封印という手柄を奪った真の裏切り者=七英雄への復讐である。しかし時が経ち、帝国は七英雄の威光と統治によって安定した平和な世界となっていた。彼らを殺すことは、帝国を再び不安に陥れる危機になりかねない。それでもケインツェルは、七英雄を殺すための旅を続ける。
[編集] 主要登場人物
[編集] ケインツェル一行
- ケインツェル
- 左目を縦断するように大きな傷を顔に持ち、長く緑がかった金髪を三つ編みにした亜人の少年。本名・アシェリート。凄まじい剣術と体術の使い手であり、右腕から現れる4本の巨大な黒い剣を操る。千の石槍の外、「辺境」において逆賊の集団「黒翼剣軍」を単独で攻め落とした事から「辺境の英雄」「黒い剣の男」の通称で知られている。
- かつて「刃匠(ブラットマイスター)」の称号を戴き、帝国最強と謳われた剣士であったが、現在は裏切りの槍の一人として伝えられている。見た目こそ少年であるが実年齢は30代半ばから40代前半と思われる。使命を果たした自分と仲間を斬り刻んだ、真の裏切り者である七英雄への復讐のみを目的に生きる。しかし、本質的には心優しい男であり、復讐の対象である七英雄に対してかつて仲間として共に戦い、旅した頃の記憶と裏切られた憎しみの間で苦悩する様子もある。
- 元々は普通の人間であったと思われるが、死の森にて七英雄に裏切られ瀕死の重傷を負った際、高位妖精(ホッホ・エルフェ)を喰らい融合したことで亜人となり生き延びた。高位妖精と融合した事から「妖精の声が聞ける」「月の光を浴びることで本来の力を発揮する(力が回復する)」などの高位妖精の特性が身に付いており、月光の下では「黒い剣」を操る事ができる。又、肉体が成長や老化などの変化を見せていないのも高位妖精の力によるものと思われる。しかし、同時に、人間の身体のときよりも脆弱であり、剣技が以前の身体で習得したものであることの問題や、黒翼を使うと今の身体では耐えられないなどの問題を抱えている。
- 捨て子であり、刀鍛冶のもとで育ったが、刀の鍛錬や剣の型を見よう見まねでほぼ完璧に行えるなど特異な才能があり、剣では教えを受けた師以上の達人となっている。
- アト
- “僕”という一人称を使い、髪型や喋り方もボーイッシュなため、登場時は少年と思われていたがクシャールンド首領家第三王女。男勝りな性格の少女で、兄のクラトを慕い、傍にいたいがために戦士となる決意を固める。当初はクラトの命を奪ったケインツェルを仇とみなし、「復讐の黒装束」に身を包んで命を狙うも、実際は彼に非の無いことを認めて謝罪。以来ケインツェルに強く惹かれ、アルテアやピーピと共に旅に同行する。
- 大剣や二刀流を駆使し、剣術は未熟なものの大きな素質を感じさせる部分がある。自由都市ユラス・アプラスでの戦いで重傷を負い生死の境をさまようが、ケインツェルから「妖精の血」を傷口に注ぎ込まれたことで一命を取り留める。また、血の影響によって毛髪が変色し、背中や傷跡にケインツェルと同じ小さな羽根のようなものが生えた。
- ケインツェルの正体と目的を知っており、彼の復讐を肯定し、また、彼が「逆賊」と呼ばれることを嫌い「裏切りの槍」の真実を明らかにすべきであると考えている。
- ピーピ
- 辺境の亜人種ミルエル・ミラエル族の少女。
- 本名は不明で、ピーピという名前はケインツェルが咄嗟につけたもの。国境を超えるためケインツェル達に同行。後にケインツェルの正体と目的を知ってからも同行を続ける。ユラス・アプラスの争乱後、再び離れてしまったケインツェルと再会するために、エルサリアと同行し、イェブルにて再会を果たす。
- 彼女の属するミルエル・ミラエル族は濃い「妖精の血」を引いており、精霊との親和性も高く、エルサリアの仲間から簡単なレクチャーを受けただけでかなり強力な精霊魔法を使えるようになった。
- アルテア
- 国境の町リエルデ・フェレムで密航屋を営む女主人。ケインツェルと昔の恋人の面影が重なるため、彼に好意を抱いている。やはりケインツェルの正体と目的を知ってからも同行している。
- 自由都市ユラス・アプラスでの戦い以降、都市に残り自衛団のリーダーを任される事になる。
- ヴィド
- 眼帯をつけた黒髪長髪の男。紐のついたチャクラムの投擲を得意とする。元々は盗賊であったが、2年前に猛獣に襲われたところをクシャールンド首領家のクラトに救われて以来、臣下として仕えている。方伯軍によって捕らえられた第二王女のシャーレンを救うためにケインツェルと共に行動し、彼女の救出に成功する。その後はアトの事をケインツェルに託し、シャーレンと共に国へ戻った。
[編集] 七英雄
- グレン
- 侯爵。七英雄のリーダー格。イェブルの領主を務める。元より貴族出身だが、ヴィシュテヒ封印の功によって確固たる地位と名声を得る。ケインツェルの左目の傷は、アシェリートを殺すときに彼がつけた傷である。上からも下からも人望が厚く、七英雄の中でもっとも民衆に人気がある。帝国最強の戦力・七槍騎士団を部下に従える。
- 皇帝に“英雄殺しの逆賊”討伐の指揮権を与えられ、ケインツェル討伐に乗り出す。クローツェンにてケインツェルたちを囲い込むことに成功するが、対抗意識を燃やしたレベロントの横槍でケインツェルを逃し、さらに本陣に斬り込んできたケインツェルによって討たれた。
- 「(帝国を裏切った)ケインツェルたちを殺したことは自分(たち)の犯した罪だった」と語ったり、「その罪をあがなうためにも帝国を守る」として善政を行ったりして反省や後悔の色を覗かせた。だが、過去の真実(本当の裏切り者は誰だったのか)を公表していない以上、保身と自己正当化のために嘘をつく男という人物像を変えるには至っていない。
- 実は現皇帝の息子であった。
- シュテムヴェレヒ
- 方伯。モランの領主を務める。元は山賊。投げナイフと二刀流の剣術が得意。
- かつては国と民のために戦った勇士であったが、堕落した。不老不死となることで永遠に英雄として崇められるという野望を抱き、辺境から亜人種の娘を略奪し、自らの肉体に移植することで妖精の不老の力を手に入れようとしていた。実際、幾人もの亜人の娘によって四肢を強化、常人離れした身体能力を獲得しており、ケインツェルと壮絶な戦いを繰り広げたが、妖精の悲鳴によって姿が豹変したケインツェルに討たれた。
- バレスター
- 砲台伯。レムダの領主を務める。元はレムダの商人の息子で大商人になるのが夢だったが、商人の才能が無いと言われ、旅の中で多くのことを学んで欲しいと願った父の命令で闇の異邦封印の使命の旅に参加した。
- ケインツェルによってシュテムヴェレヒが討たれて以降、自らを狙っているであろう刺客の影に怯える。また、力を付けていくグレンへの嫉妬もあって精神を病み、ついに自由都市ユラス・アプラスを襲撃するという暴挙に出た。その戦闘の混乱の中で記憶の退行を起こし、ケインツェルに討たれた。
- レベロント
- 侯爵。クローツェンの領主を務める。昔からグレンとは反りが合わなかったためか、皇帝より逆賊討伐の指揮権を与えられたグレンに対抗意識を燃やし、強引に配下を討伐戦に参加させ、それがグレンの死の原因となった。グレンの死後はイクフェスを配下に迎え、グレンの仇を討つと言って皇帝陛下より指揮権を与えられる。イクフェスとケインツェルの戦いに勝負がついた時魔道兵器による砲撃を行い、激昂したイェブルの豪族を壊滅させた。
- 十数人の子供がいて、それぞれに父の冷酷さや残酷さを継承している。
- 領主としては強引なやり口で知られ、冷酷非道と恐れられている。
- イシューディーン
- 竜伯。竜伯の名の通り大飛竜軍団を保有しているらしく、グレンの逆賊討伐軍に飛竜部隊を派遣、自らもグレンを補佐する。
- 七英雄の中ではグレンに近い考えを持っている様子がみられる。
- ギュレングルフ
- 月読伯。ロゴの領主を務める。逆賊ケインツェルに対しては逃げ腰で、逆賊討伐戦の際にはレベロントの領地クローツェンに逗留と言う形で半ば避難している。
- ニルゲンフェレト
- 城伯。ツィクヒートの領主を務める。逆賊討伐戦ではギュレングルフと共にクローツェンに逗留している。
[編集] 尊き未帰還者達
- エルグナッハ
- 最初の尊き未帰還者。軍師。「刃匠」ルディフトの弟子で、アシェリートの兄弟子。闇の異邦から帝国への侵入を食い止めるため、帝国国境の町リエルデ・フェレムに石壁「千の石槍」を作る術式陣を発動させた。しかしその際、術式陣に取り込まれてしまい、自らも石と化してしまった。
- 七英雄の時代での彼は聖人として崇められているが、「従者」であったとされ、七英雄よりも位が下である。
[編集] 裏切りの槍
- アシェリート
- ケインツェルを参照。
- クファー
- 剣の名門イェブナレス家当主の長子だった。封印の森で七英雄に討たれた。
- 怖気づいた七英雄たちに、アシェリートやギュスタフ、クレンテルとは違い継ぐべき家があると説得されるが、グレンが「刃匠」であるアシェリートの出自を引き合いに出したことに激昂した。使命のために三人と共に進み、その際に三人の技術は帝国に持って帰る価値があるものであると語り、アシェリートに「生きて帰ったら、息子に剣を教えてくれ」と頼んだ。
- ギュスタフ
- 右目のそばに痣がある褐色の肌をした女性。辺境の生まれで戦技に優れていた。
- クレンテル
- アシェリートよりも小柄な少年。ギュスタフと同じように辺境の生まれであり、目元に痣がある。魔導の知識に秀でていた。
[編集] 七槍騎士団
- ロズン
- 七槍騎士団の騎士。実直な性格で、剣の腕前も一流。ケインツェルの正体と七英雄の真実を知り、ケインツェルの復讐に対する共感と帝国への忠誠心との間で苦悩する。
- エルサリア・ラハンクレーブ
- 選帝侯の娘にして七槍騎士団の精鋭。17歳。2年ほど前、仲間と共にたった4人で貴族の反乱を鎮圧した。ロズンの頼みにより3人の仲間を率いてケインツェルを追う。しかし暴走したバレスターがユラス・アプラスを襲撃した折、民を守るために砲台伯軍と戦う。バレスターが討たれた後、七槍騎士団の使者に砲台伯への反逆に加担した疑いで軟禁されるが脱出、バレスターの暴挙を告発するために帝都に向かうことを決意する。
- ケインツェルとの再会を望むピーピと行動をともにし、ケインツェルの正体と「七英雄」の真実を知る。七槍騎士団の人間であるが、ロズンとは異なりグレン侯個人ではなく、帝国のために行動している。
- 風呂は機会があれば可能な限り入浴する信条を持っていて、ユラス・アプラスで手に入れた飛竜艇(元々はグレンが発注した物)にも風呂を増設した。
- イクフェス
- グレンに仕える若き奴隷騎士。その腕前は帝国最強クラス。グレンにより逆賊討伐を命じられ、ケインツェルと剣を交えることとなる。
- グレンに襲いかかるふりをしてみたり、ケインツェルについて「(七英雄を)一人より二人殺してくれていたほうがより箔がつくので倒しがいがある」とロズンの前で言ってのけるほど大胆不敵な性格。ケインツェルと戦って敗れたものの、「今の僕では黒翼なしで君に勝てない」と言わしめた。
- グレンがケインツェルに討たれた後、ケインツェルとの再戦のためだけに七槍騎士団を抜け、レベロントの配下となる。
- 実は裏切りの槍の一人、クファーの息子である。自身の故郷であるイェブルにて、かつてアシェリートが鍛えた「妖精鉱の剣」を持ってケインツェルと一騎打ちで再戦。剣戟の全てとまではいかなかったものの、黒翼を捌ききる。戦いの最中、ケインツェルの助言によって黒翼を習得し、彼を倒すがとどめをささず手を差し伸べた。ケインツェルとの戦いののち、功績を認められアシェリートから長らく空席が続いていた「刃匠」の称号を受け継いだ。
[編集] 黒翼剣軍
- 偽クファー
- 巨大な棍棒を武器に愛馬「ザイラス」を駆る大男。配下の百人隊を全滅させた片目に傷のある男(ケインツェル)を部下に探させ、ケインツェルが滞在する村を襲う。死に際にケインツェルの正体を聞かされ涙を流して命乞いするが惨殺された。
- 偽ギュスタフ
- 電撃の技を操る女。捕らえた者を妖精と融合させるなどの実験を行い、アトの兄クラトを人質にしてアトにケインツェルを襲わせる。好色で、捕虜となったケインツェルと交配するが、脱走される。怒ると体が膨れ上がって化け物じみた姿に変化する。ケインツェルに討たれた。
- アルバヌング
- 辺境伯。黒翼剣軍に密かに協力していたが、偽クレンテルに巨大な化け物に変えられて操られ、ロズンたちに討たれた。滅びる間際に意識を取り戻し、部下のリグレスに「私は力を欲して選び間違えた」と語った。
- 偽クレンテル
- ケインツェルたちの襲撃に際し、アルバヌングを巨大な化け物に変えて操ったが、意識を取り戻したアルバヌングに殺された。
- 偽アシェリート
- 黒翼剣軍の指導者。黒い長髪の男で、二刀流に魔導の力で背中から生やした二つの刀を加えた四つの刀を奥義「黒翼」と称するが、ケインツェルの放った真の「黒翼」には全くかなわなかった。ケインツェルが本物のアシェリートと知ると反乱を起こした理由を話してケインツェルに反乱の指導者になってほしいと願うが、ケインツェルは自分達の名を騙って汚名を上塗りした彼らを許さず、断罪した。
[編集] イェブル
- クヴェリア
- ゼフォーレア家の当主であるラヴァーンの妹。イェブレナス家の跡地を訪れたケンツェルたちと出会い、イェブレナス家の行方を知りたがるケンツェルを客として招き入れる。
- 幼い頃に没落した後のイェブレナスの嫡子と会っており、イェブルはイェブレナス家が治めるべきと考え、現在のイェブルの状況を憂いていた。
- エルサリアの古い友人でもあり、彼女に会いに来たところで、たまたま彼女とケインツェルの話を聞いてしまい、ケインツェルの正体と「裏切りの槍」の真実を知ってしまう。グレンを断罪したケインツェルの行いを肯定した。ケインツェルとイクフェスの戦いに最も心を痛めていた。
- ラヴァーン
- ゼフォーレア家の当主。顔に傷や痣があり、左腕を失っている。
- もともと好戦的で知られた軍閥のゼフォーレアの中でも勇猛果敢な戦いぶりで知られていたが、現在は争いを嫌っており、ケインツェルを領主であるグレンを殺しイェブルを不安定にした元凶の逆賊であると知っていながら客として招き入れた。
- クヴェリアに対し、イェブレナス家の名前を出すことも許していなかったが、実はクファーの無実を信じ主家であるイェブレナス家をイェブルに呼びもどすために今まで戦ってきていた。クヴェリアから「裏切りの槍」の真実を知り、イェブルを変えることを決意する。
- ナバルド
- ゼフォーレア家と争っていた軍閥の一つであるゾナレリ家の将軍で、鬼神と呼ばれる。エリサリアの説得を聞き、ゼフォーレア家に武装をせずに単身で和平を申し込み来た。
- 逆賊を期日までに捕えることのできなかったイェブルを守るためにレベロントに首を差し出そうと進み出たラヴァーンに付き合う。
- クファーの妻
- クファーの裏切りによってイェブレナス家が没落した後は、グレンの作った「裏切りの槍」の墓碑にて、もともとイェブレナス家の重臣であった墓守のものと暮らしている。クファーの無実を信じていると言う(むしろ信じるに値しない男と結婚した覚えはないと断言した)彼女の姿にケインツェルは涙を流した。
- すでに死んでいるが二人目の夫との間に息子がおり、現在帝都の学校に通っている。イェブレナス家に嫁いだものであり帯剣し、佇まいを見ただけでケインツェルの技量を見抜いた。
[編集] その他
- クラト
- クシャールンド首領家の王子で、アトの兄。黒翼剣軍の反乱の際に偽ギュスタフに捕らえられ、妖精との強引な融合を施された傀儡となる。最後は偽ギュスタフの死の影響で移植された部位が成長・暴走したため、ケインツェルによって命を絶たれた。
- シャーレン
- クシャールンド首領家第二王女。アトとクラトの姉。強い「妖精の血」の力を宿し、亜人のように長い耳を持つ。近隣の豪族と同盟を結ぶべく交渉に出向いた所をシュテムヴェレヒ方伯の軍に連れ去られ、不老不死のための実験台にされていた。ケインツェルたちによって救出され、ヴィドと共に故郷に戻る。
- ラシェブ
- 辺境伯領と七英雄領を隔てる国境の町リエルデ・フェレムを支配する「僧院」の僧兵長。密航者に対する無慈悲な処刑を執り行う一方で、越境のための「徳」と称した賄賂を要求する卑劣漢。処罰する際の口癖は「遺憾だ」。危険に対しては他人を盾にした上で真っ先に逃げを撃つタイプで作中では数少ないギャグキャラに落ち着いた。
- 大僧上
- 僧院の最上位に位置する人物。元は一介の商人であったが、23年前の「千の石槍」の出現を間近で目撃し「真理を悟った」として信者を集め僧院を築き上げる。真の目的は通行税の徴収によって私腹を肥やすことにあったと思われる。
- ファーゴ
- 方伯軍千人隊長。シュテムヴェレヒの下で、悪漢を使い若い亜人種の娘を集めていた。右腕から伸びる触手によって死体を操るという能力を持つ。かつては正しく志ある若者であったが、方伯に植えつけられた「肉の呪い」のため逆らうことができない。その為に次第に人格が歪んでしまった。
- ゲランペン
- 方伯軍百人隊長。義兄弟の間柄であるファーゴを「お兄ちゃん」と呼び慕う。大柄で髭面、スキンヘッドの強面であるが心は純情乙女で正義感が強い。信頼していたファーゴの本性に絶望し、ケインツェルたちに手を貸した。
- 自称「神護りの戦妖精」。ファーゴにとりついていた触手に取り付かれたために生き延び、生きながらえた命を罪滅ぼしに使うことを心に決める。
- グーリェ
- 「剣の館」師範の女性。刃匠の名を継いだアシェリートが逆臣として討たれたため、潰えかけていた流派を立て直す。少年時代のアシェリートを可愛がっており、その帰還を待っていた。
[編集] 用語解説
- 神託暦
- ユーベルブラットの世界で使われる暦の名称。「偉大なる始祖が神々から大地を託されし時」を紀元としたことが、その名の由来となっている。
- 七英雄
- 闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、闇の異邦(ヴィシュテヒ)を封印し帝都に凱旋した7人の若者のこと。英雄として崇められ、帝国各地に領地を与えられ、にらみを利かせている。彼らの存在が「帝国全体の平和」に貢献している事は事実だが、裏では辺境の亜人を不老不死を目的とした実験材料としてさらったり、度を越した恐怖政治を行う者もおり、帝国の末端や当事者にとっては見過ごせない問題も起こしている。
- Barestar バレスター砲台伯
- Güllengurv ギュレングルフ月読伯
- Nirgenfeled ニルゲンフェレト城伯
- Glenn グレン侯
- Lebellond レベロント侯
- Ischüdien イシューディーン竜伯
- Schtemwölch シュレムヴェレヒ方伯
- 裏切りの槍
- 闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、敵に寝返り他の7人に討たれたとされている4人。
- Ascheriit アシェリート
- Kfer クファー
- Güsstav ギュスタフ
- Krentel クレンテル
- 尊き未帰還者達
- 闇の異邦封印に向かった14人の若者の内、途中で命を落とした3人。
- Ergnach エルグナッハ
- Ediem エディエム
- Lanbard ランバルト
- 闇の異邦(ヴィシュテヒ)
- かつて帝国に対し侵略をくりかえした闇の軍勢。現在は封印されている。
- 七槍騎士団
- 七英雄グレン侯直属の戦士集団。正式な騎士団ではないものの、帝国最強の呼び声も高い。
- 千の石槍
- 辺境伯領と七英雄領の境にある巨大な壁。闇の異邦からの侵攻から防ぐために、尊き未帰還者達の一人、エルグナッハの命を懸けた術式陣によって作られた。大戦後は辺境と帝国中央との自由な通行を妨げる障壁となり、リエルデ・フェレムの僧院が私腹を肥やす元となっていた。ケインツェルによって破壊された。
- 黒翼剣軍
- 辺境を荒らしていた反逆者たち。指導者の4人は元々辺境の小領主だったが、「闇の異邦」との大戦後に勃発した内戦において皇帝と七英雄が内戦の責任を自分達に押し付けて追放したのを恨み、「闇の異邦」の魔導の業に手を染め、「裏切りの槍」の名を騙って反乱を起こす。帰還したケインツェルに討たれた。
- 刃匠(ブラットマイスター)
- 帝国での当代最強の剣士に与えられる称号。ルディフトの後継者となったアシェリートが討たれてから、長らく空位の状態が続いていた。イェブルでの騒動の後、奴隷騎士のイクフェスが正式に新たな後継者となった。なお、作中に登場する刃匠は全員ルディフト流剣術「剣の館」出身である。
- 黒翼
- ルディフト流剣術の奥義。歴代の刃匠がルディフト流の剣士であるためか刃匠のみが使うことのできる奥義と称されている。
- 膨大な殺気を解き放つことで黒い幻影(破壊の黒風)を生み出し、怯んだ相手に必殺の一撃を見舞うという、いわゆるフェイント系の技である。「八の基本型」を極め、肉体と精神の枷を外した(純粋な心を持つ)者でなければ会得することはできない。実際には「八の基本型」のすべてを相手に叩き込むもので、純粋に強力な一撃というわけではなく、対人戦においてその真価を発揮する。
- ケインツェルにとって「黒い剣」と並ぶ切り札であるが、同時に妖精と融合したまだ不安定な身体に多大な負担をかける両刃の剣でもある。また、彼の黒翼は師であるルディフトのものとは違い、動きの中にクファーから習ったイェブル流剣術を取り入れ、独自のアレンジが加えられている。
- 後にイクフェスもケインツェルとの一騎打ちの際に黒翼を会得した。イェブル流剣術も習得していることから、彼の黒翼もケインツェルと同じ型であると考えられる。
- 黒い剣
- その名の通り、ケインツェルの右腕から生み出される巨大な黒い剣。四本まで生み出すことができる。これをどのようにして手に入れたかは明かされておらず、その禍々しい造詣や刻まれた文字は、闇の異邦の魔導兵器に通じるものがある。使用には多大な負荷が伴うらしく、月の光の無い場所では数回しか使えない。劇中では、物量で圧された際の状況打破や雷の吐息を防ぐなど、汎用性が高い。ちなみに、黒い剣で破壊できなかった物は未だ登場していない。
- 竜の口
- 方伯の城に配備された魔導兵器。吸い込んだ大量の湖水を陣核で超過熱・超圧縮し“妖精黒体”として撃ち出す(雷の吐息)。元は「闇の異邦」から鹵獲したものでアシェリートとシュテムヴェレヒによって修理された後、「闇の異邦」や方伯への反乱分子など数多くの敵を撃破した。
[編集] 単行本
- 第0巻 2005年7月25日刊行 ISBN 4-7575-1479-4
- 第1巻 2005年7月25日刊行 ISBN 4-7575-1480-8
- 第2巻 2005年11月25日刊行 ISBN 4-7575-1575-8
- 第3巻 2006年3月25日刊行 ISBN 4-7575-1643-6
- 第4巻 2006年9月25日刊行 ISBN 4-7575-1780-7
- 第5巻 2007年4月25日刊行 ISBN 978-4-7575-1970-1
- 第6巻 2007年10月25日刊行 ISBN 978-4-7575-2121-6
- 第7巻 2008年3月25日刊行 ISBN 978-4-7575-2242-8
- 第8巻 2008年9月25日刊行 ISBN 978-4-7575-2386-9
- 第9巻 2009年3月25日刊行 ISBN 978-4-7575-2514-6
- 第10巻 2009年9月25日刊行 ISBN 978-4-7575-2685-3
- 第11巻 2012年2月9日刊行 ISBN 978-4-7575-3004-1
[編集] 外部リンク
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